Hatena::ブログ(Diary)

hatehei666の日記

2016-06-13

いわきにCLT製造拠点が出来る

22:46

 「彼は神殿の内側の壁を杉の板で張り、神殿の床から天井の壁に至るまで、内側を板で張った。なお神殿の床はもみの木の板で張った」(列王第一6:15)。

 2016年5月21日の福島民報に、「いわきにCLT製造拠点」という見出しの記事がありました。

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 CLTというのはCross-Laminated-Timberの略語で、ネットの情報によれば「直交集成板」即ち「板の層を各層で互いに直交するように積層接着した厚型パネル」という説明がありました(http://clta.jp/clt/)。画像もネットから借用、一部加工。

 今から20年以上前、オーストリアの片田舎で生まれた工法だそうです。そして今や欧米では9階建て高層建築も、それで造られています。

 ネットでさらに検索すると、直交積層接着の為、木材の収縮や膨張が抑えられ、寸法の安定性が格段に高くなり、厚みもあって強度が増す、断熱性,遮音性,耐火性も優れている、耐震性もある、工場で製造・加工される為、工期が大幅に短縮される等々で、これまでの鉄筋コンクリート建築にも優るようです。

 卓越した木造建築が造られて来た日本で、なぜ今?という気がしますが、おそらくゼネコンによる力が強かったからでしょう。それは安藤忠雄氏のコンクリート打ちっ放しの建築象徴されています。

 しかしコンクリの材料不足や、解体しにくいなどの難点が指摘される中、コンクリから木材へと変換される時は近いと思います。既に安倍政権などは新成長戦略の一つとして重要視しているようです。

 現在西日本特に岡山県の会社などが、いろいろ試作しているようですが、安倍政権福島の豊富な森林の木も使いたいみたいです。だからいわきに製造拠点という事になりました。実は昨年の今頃あの原発中心地大熊町が有力な候補でした。けれども放射性廃棄物中間貯蔵施設として稼動中の大熊町では、さすが風評という事が気になりいわきにしたと推測します。

 ここ福島なら五輪の施設でも容易に運搬活用出来るからです。特に会津地方の樹木は放射能汚染が少なく安全だと言われているので、CLTを使った建築への取り組みが盛んです。しかし福島の他の地域はどうでしょうか。5年3ヶ月以上経過したものの、まだまだ森林の放射能汚染は深刻ではないでしょうか?

 そう考えながら批判的なサイトを探してみたら、ありました。まだ大熊町がCLT製造拠点の候補だった頃の動き(http://blog.goo.ne.jp/flyhigh_2012/e/b76853de83e1a746f9ba8d3ff7eeaa90)と、いわき市の西隣にある古殿町のスギの木を県内外に売り込もうとする今年の動き(http://blog.goo.ne.jp/flyhigh_2012/e/53a6d232d5b4426ecadb098b254ee7df)で、同じ著者によるブログです。

 このブロガーは前者において、福島産の木材を岡山でCLTに加工するという目論見を指摘した上で、森敏東京大学農学部名誉教授のブログ内容を掲載しています。それは福島のスギの心材の中心部分の放射性セシウム濃度が高くなっているという事実です。それをブロガーは「私は木が汚染された水を吸い上げるからではないかと考えました。つまり、放射性プルームによるフォールアウトが土壌を汚染し、地下水を汚染し、その水を地中から吸い上げた木が内側から汚染されていく…」と推定しています。

 そしてブロガーいわきへの移動があるにせよ、CLT拠点を福島に置く事は、あの原子力村の企業には放射能汚染隠蔽し、原発を温存する「何重にもおいしい事業と断定しています。

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 後者は私の家からそう遠くない古殿町のスギの木を、住宅資材として全国に流通させるつもりである事を指摘しています。この古殿町はいまだ「汚染状況重点調査地域」に入っており、そこからのスギの材料が全国に流通すれば、放射能の広い拡散になると、著者は多いに危惧しています。

 私にはそうしたスギなどの木材によるCLTが、東京五輪の施設でふんだんに使われても、どれほど放射能汚染になるのか、あまりよく分かりません。欧州の高層建築を見ると惚れ惚れとしてしまいます。だからこそ逆に、なぜ福島でCLT事業原発に先行出来なかったのかと思うと悔しい気がします。原子力村の強大な権力を考えると、深刻な事故を起こし福島の生業を奪ったその罪は重い!

A0153A0153 2016/06/14 13:21 そうですねえ、CLT事業が原発に先行してれば良かったですねえ。ほんとに。
木材→石炭→石油・天然ガス→原子力という大きなエネルギー供給の流れの中で、しかも工業化という高度成長
の波に乗り遅れた双葉地方に原発が誘致されるのは必然だったかもしれません。福一に原発事故がなくとも、
どこかで、原発事故は起きてたでしょう。安全神話が日本全体を覆っていたわけですから。私も、放射性廃棄物
の処理が出来ないということで、原発反対運動には共鳴(署名運動程度)していましたが、安全神話を信じてま
した。小さい事故はあるだろうけど、事故は、原発敷地内で処理できる程度だろと、そう思ってました。

iireiiirei 2016/06/14 16:34 放射能汚染地域の木材は、セシウムなどを吸って、危険であることは、チェルノブイリ原発の周辺住民が、放射能にどっぷり汚染されたキノコを食べ続けていることで、納得できます。木の汚染はキノコの汚染に直結します。

hatehei666hatehei666 2016/06/14 22:54 iireiさんへ
>木の汚染はキノコの汚染に直結
そうでしたね。林野庁のホームページを見ますと(http://www.rinya.maff.go.jp/j/tokuyou/kinoko/qa/seigenfukusima.html)特に野生キノコは福島のほぼ全域で、いまだ出荷制限でした。ここいわきでは原木シイタケもスーパーで福島産はあまり見かけません。

hatehei666hatehei666 2016/06/14 23:16 A0153さんへ
なるほどその通りですね。私も東京圏に居て、幼い時から安全神話を信じていた事になります。
私が通っている教会にも東電の元技術者がいますが、大熊の教会を追われた被害者である事は一致しながらも、いずれ必ず収束するという楽観論の方もいて、その亀裂は大きいと見ました。

2016-06-05

勿来の風船爆弾製造と実施

19:32

 「彼らは昔の廃墟を建て直し、先の荒れ跡を復興し、廃墟の町々、代々の荒れ跡を一新する」(イザヤ61:4)

 2016年5月20日、糖尿病の悪化でとにかく運動しなければと、近くの勿来の関を目指して歩き始めました。近所の人はよく散歩コースとして歩いています。

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 その散歩道に入るところに何やら碑が見えたので、行ってみました。すると何とその右の看板に記されていたのは、太平洋戦争末期、日本軍が苦心して作り上げた風船爆弾製造地がここにあった事でした。

 風船爆弾といってもピンと来るのは、戦前の世代のごく僅かな方々と、私たち団塊の世代で親からその事を伝え聞いている方々位でしょう。それはいわき遠野町で豊富だった楮から作られた和紙と、コンニャクを利用した糊とを張り合わせて、直径10メートルの気球を製造し、その中に水素ガスを詰め、図によれば2キロ焼夷弾と15キロ爆弾を吊るしたものです。

 今私の家からすぐそばにクレラップで有名な呉羽化学いわき錦工場があります。戦前呉羽紡績と呼ばれており、主として人絹を生産していましたが、政府の命令で1943年化学部門が独立し呉羽化学になりましたが、風船爆弾はそこで製造されたようです。

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 左図は『戦争と勿来』第4集からスキャンさせて頂きましたが、そこで呉羽紡績に勤めていた人の証言では、風船爆弾の本体は「絹」とありました。どうも陸軍和紙に対する海軍の絹の違いのようです。

 そして気球は12箇所作られた放球台から打ち上げられ、偏西風に乗って米国まで達しました。http://nakoso-mukashi.blog.jp/archives/1017042459.htmlによれば、この風船爆弾基地は、すぐ南の茨城県北茨城市大津町と、千葉県一宮の3箇所に置かれ、1944年11月から翌年3月まで「合計9,300〜9,800個の風船爆弾が放球され、約8,000〜1万km離れたアメリカでは確認されただけでも285個が落下した」とあります。左図参照。

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 それによって6名の死者が出ました。私はその事実を全く聞いていませんでした。徹底した秘密作戦であり、敗戦により機密書類などと共に消し去られたからです。

 私が撮った左の写真と看板で見ると、道の右側に兵舎があり、左右の崖に防空壕も造られ、その近辺に放球台もあったようですが、歩いても全く分かりませんでした。地形からしても、秘密基地として最適の場所だった事は分かります。空襲もありましたが、隣の植田町までで、この基地は攻撃されませんでした。1945年3月以降、水素ガスの供給が途絶え、部隊の半数が東京に転属になった事も挙げられるでしょう。

 この基地内部でも爆発事故で3名亡くなっています。

 翻って安倍内閣はこんな悲惨な戦争が再び出来るよう、憲法を改悪しようとしています。平和を創り出そうとしている者の一人として、反対の意思表示をし続けます。

 

A0153A0153 2016/06/05 20:03 近時オバマ大統領の広島訪問と演説についての諸説が気になったましたのでこの風船爆弾にも興味をひかれ
ました。というのは、これも戦時国際法違反だからです。この爆弾は、米軍兵士ばかりでなく一般人も殺傷す
るかもしれないからです。子どもが空飛ぶ風船爆弾を興味を持って追いかけ、着陸寸前で捕まえようなんてす
大変なことになると思ったからです。

yonnbabayonnbaba 2016/06/06 07:57 たしか、実際にアメリカ本土に到達した風船爆弾が殺傷したのは、
一般家庭の親子だったように記憶しています。
「やはりオバマは謝罪すべきだった」という意見もハフィポスか何かで読みましたが、
それでもやはり、私は日本は謝罪を求められる筋合いではない、と思います。
何より、相手に求めるその前に、指導者だけでなく日本人すべてが謝罪せねばならない。
戦争責任をうやむやなまま70年間のんびりと生きてきてしまった私たち自身が、
その怠惰を含め、謝罪せねばならないと思います。

iireiiirei 2016/06/06 17:05 風船爆弾は言わば「軽工業」の産物、アメリカの爆弾は「重工業」の産物ですね。この2つの爆弾の差が両国の国力の差だったと思います。

SPYBOYSPYBOY 2016/06/06 19:56 確かに風船爆弾も国際法違反ですね。福島でやっていたなんて知りませんでした。こんなバカなことをよくやったと思います。どうしてこんなくだらないことを思いついたんだろう。
今考えればアホの塊だと思いますが、それを大勢の人が大真面目にやっていたんですから、人間の流されようは恐ろしいものです。
お身体どうぞお大事になさってください。

hatehei666hatehei666 2016/06/06 20:59 A0153さんへ
私はこの爆弾の事を調べている時、イラクなどで使われているIED=即席爆破装置の事を思い浮かべていました。どちらも簡易なものという認識しかありませんでした。しかし物資が枯渇しかけている太平洋戦争末期に、これほど高度な技術を持って、米国無差別攻撃を行ったとは全くの驚きでした。戦時国際法違反ですか。あれから70年余経過し、全く有名無実化してしまいました。
マタイ24:6−7「また、戦争のことや、戦争のうわさを聞くでしょうが、気をつけて、あわてないようにしなさい。これらは必ず起こることです。しかし、終わりが来たのではありません。 民族は民族に、国は国に敵対して立ち上がり、方々にききんと地震が起こります」は、今もそうですが、これからも残念ながら成就すると信じます。

hatehei666hatehei666 2016/06/06 21:19 yonnbabaさんへ
聖書には「さばいてはいけません。さばかれないためです。 あなたがたがさばくとおりに、あなたがたもさばかれ、あなたがたが量るとおりに、あなたがたも量られるからです」(マタイ7:1−2)とありますが、yonnbabaさんのご意見はまさにこれを「地で行っている」ようです(笑)。同時にかつての「自己否定」を前面に出した全共闘を彷彿とさせました。非常に重要な観点なのに、人間はどこまでも「自己中心」。まず問われるべきはこの自分の立位置、これを正さなければ、一歩も前に進めない事を肝に銘じるなら、少しは世の中変わると思いますが。

hatehei666hatehei666 2016/06/06 21:30 iireiさんへ
あっ、こういう比較は非常に新鮮ですね。言い得て妙とはこの事です。
今後福島は軽工業で、他の重工業地域へ挑戦して行くような予感がします。福島浜通りロボット戦略特区なんて、もうたくさんです。

hatehei666hatehei666 2016/06/06 22:34 SPYBOYさんへ
焼夷弾の開発は、日米共に案外歴史は古いんですね。風船爆弾の主体は焼夷弾だと思いますが、それを風船で米国まで飛ばした事で、米国は多少とも脅威を感じたのではないですか。それで風船に詰める水素ガスの供給が止まる頃、米国はB29で東京・大阪など、すさまじい焼夷弾攻撃を行いました。復讐心に燃えてやったかもしれないなどと想像してしまいます。
おっしゃるように、日本の首脳は当時一体何を考えていたんでしょうか?正気の沙汰ではないですね。人間魚雷にしても風船爆弾にしても、その行為で「神風」が吹き勝利する、これはもう信心ですね。
私の健康を案じて下さり感謝です。3・11の地震による損壊は、一部どころか半壊に近い感じです。本日も4・5帖の寝室の畳が半分に折れている所を、再度踏み外さないよう板で補強しようと思ったのですが、畳1畳なら工夫出来ますが、2畳なので踏ん張るスペースが無くて諦めました(苦笑)隣家も同じです。床が開いていると風がす〜す〜で、いまだ電気毛布が欠かせません。悪戦苦闘で少しは血糖値が下がらないかなと思っています(笑)

springflowerspringflower 2016/06/11 15:35 糖尿病の悪化とのこと、くれぐれもお体ご自愛下さい。病は気からではありませんが、
本当に最近は嫌なニュースばかりで、身体にも良くない様に感じます。やはり、今日本の進んでいる道は、おかしいと思います。

>平和を創り出そうとしている者の一人として、反対の意思表示をし続けます。

私も、そうして行きたいと思っています。

hatehei666hatehei666 2016/06/11 22:06 springflowerさんへ
暖かい心遣いに感謝致します。
我が家にテレビが無いのは、知識の面で相当遅れているなという事を実感します。しかし家屋一部損壊、隣家との間の高いブロック塀の今にも崩れそうなひび割れなどがあるにも関わらず、広い庭は亡くなられた家主の果樹を含む巧みな草木の配置で、季節の移り変わりを見て感じることが出来、山菜もフキ、冥加などが一杯出てきて、心を和ませてくれます。
なので情報は本やパソコン、そして豊かな自然そのものから得られ、TVがあれば感じたであろうストレスは無くて幸いなのかも知れません。
自分でとことん考えて行動せざるを得ません。
参議院選挙、福島は激戦なので、とにかく戦争をしない国という、絶対譲れない点を若い人々にも訴えてゆきたいと願っています。せめて投票に行こうでも良いではありませんか。
等身大の行動、是非頑張って下さい。

2016-05-27

福島が日本を超える日は来るのか

10:50

 「なぜ、あなたは私に、わざわいを見させ、労苦をながめておられるのですか。暴行と暴虐は私の前にあり、闘争があり、争いが起こっています。それゆえ、律法は眠り、さばきはいつまでも行われません。悪者が正しい人を取り囲み、さばきが曲げて行われています」(ハバクク1:3−4)。

 図書館で今年3月発行の『福島が日本を超える日』(浜矩子白井聡藻谷浩介大友良英内田樹著)を借りて読みました。

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 この著者たちはいずれも「『生業を返せ、地域を返せ!』福島原発訴訟」に関与しています。しかし全てを読んだ限りでは、本当に福島が日本を超える日は来るのかというのが率直な感想でした。それはとにかく幾つか付箋を置いた箇所を見てゆきたいと思います。

 浜教授は「経済活動というものは、人間を幸せにしてこそ、はじめて経済活動の名に値することになる」という認識からスタートし、原発が稼動している経済は、じつは経済ではない」とずばり指摘しています。それは人間を幸せにはしないからです。ですから今福島に必要なのは、原発再稼動による経済成長ではありません。それゆえ浜教授はアベノミクスの事を「アホノミクス」と言い換えています。安倍首相らは弱者救済、中小零細企業救済、貧困の減少、格差解消など眼中にないからです。ではどうするか。チーム・アホノミクスの面々が持っていない「傾ける耳と涙する目と差し伸べる手」を道具に、希望の為の、平和の為の陰謀集団を自分の周りに形成してゆけば、知恵が湧きいで、元気も出て、無限の陰謀力となり、全国津々浦々に充満する、それで原発再稼動の連中をやっつけられるというビジョンだそうです。

 白井講師は『永続敗戦論』で知られた人ですが、この生業訴訟の趣旨は、賠償金獲得だけではなく、国と東京電力という責任主体に対して筋を通させるという事も含まれていると指摘しました。そして安倍政権原発維持を決めた、即ち潜在的核武装能力を維持する決意をしたという事は、あの戦争の戦勝国の特権に与りたい、あの戦争を勝った事にしたいという気持ちの表れであり、敗戦の否認であると持論を展開しています。戦前を中途半端にしか清算出来なかった戦後レジーム(=永続敗戦レジーム)の象徴であり、中核をなすものが原発であるとすれば、原発をなくすということは、永続敗戦レジームを倒すことと同じだと主張しています。

 藻谷研究員は『里山資本主義』で有名な人です。「お金で買えないものをもっと見直して、お金だけの生活よりももっと楽しく暮らそうという主義です」。

 例えば岩手県住田町という所は96%くらいが山林(杉)で、町役場を立て替える際、その杉を出来るだけ使って造ったのです。100パーセント木造だそうです。従来の鉄筋コンクリートは使用していません。利点は後者が50年しか持たないとすれば、前者は悪い所だけ取替え、100年でも持たせる事が出来ます。すると経費は安いし、維持費も安く、地震にも火災にも強いという事になります。欧米では木で造った高層の建築物も多くなっているそうです。

 では福島県ならどうでしょうか。会津は間違いなくよいのですが、藻谷氏は阿武隈山地を含めた全域で可能だと言っています。森林除染が一向に進みませんが、木の葉や皮でなく幹を使うので大丈夫だとの事です。建材として又木屑として利用出来ます。放射能汚染は広く薄く、もう10〜15年もすれば、普通に立ち入れる所が圧倒的に増えて来るのだそうです。もしそれが事実だとすれば、福島は日本を超える事になりますが、果たしてどうなるでしょうか?

 音楽家大友良英氏の事はよく知りません。「もし『あまちゃん』の舞台が福島だったら」という題ですが、テレビを持っていない私としては、あまちゃんの事も知りません。ドラマの主題曲を作った人のようです。震災で変わってしまった日常を、もう一回笑える日常を取り戻すにはどうしたらよいかというのがテーマだそうです。注目した記事は以下の通りです。

 「被災地に行ってアイドルとは何事か。不謹慎だ」という匿名のメールに対し、「被災者が笑っちゃいけないという法はないです。どんなにしんどくても笑わなければ生きていけません」と考えます。そして『天才バカボン』を書いた赤塚不二夫を引き合いに出し、「震災後、赤塚不二夫みたいな人が必要だなって、大真面目に思ったんです…きっと彼みたいな人は役に立ちませんよ…だけど役に立つってことだけが基本の社会って、恐ろしいと思うんです…原発だって『役に立つ』と言われてつくられた…『役に立つ』という基準でものを考えるのは危険だなと、震災の時に強く思いました」。なるほどその通りです。大友氏は身障者との関わりも持っていて、「いろんな個性の人がいて、弱い人もいて強い人もいるんです。強い人だけの社会なんか、ほんとイヤじゃないですか」と繋げ、互いに助け合う社会こそ豊かな社会、磐石な社会だと主張します。

 「『あまちゃん』で久慈が、岩手が誇りを取り戻せたのは事実です」。一方福島が持っていた資源というものは本当に恵まれたところもある。なのに原発事故が、それをひっくり返してしまいました。大切なのは、いまのこの状況を覆して未来につなげていく」事です。その為の一つの方法としての原発訴訟は「絶対に無駄じゃない…みなさんのいるここが、もっと強烈なドラマの舞台で…かけがえのない物語のなかを生きている主人公たちなんじゃないかって…思えて」来たと締め括ります。大友氏の主張がよく分かりました。価値ある文章でした。

 最後は舌鋒鋭い内田樹氏です。

 今福島では除染避難指示解除、帰還という事が、あまりに性急に政府から出され、住民は困惑していますが、国会ではどの法案審議でも、「もう議論は尽くした、もう議論を打ち切ろう。この国のかたちをすみやかに変えなければならない。そう叫んでいた。一方、国会の外では、若者たち(*シールズが念頭)が、『ちょっと待って』と言っていた。そんなに急がないでほしい。もっと議論を尽くしましょう。どうしてそんなに急いで国のかたちを変えなければいけないのか、僕たちには分からない。だから、立ち止まってほしい。ちょっと待ってほしいと叫びかけていた」。内田氏はこの対比に「新しさ」を感じました。なぜか?「日本では老人たちがまさに『暴走老人』となって、思い切りアクセルを踏もうとしている。その一方で、若者たちが『いまある制度を守れ』という『保守』の立場から異議を申し立てている」からです。

 彼らの異議申し立てを踏まえて、福島での『生業を返せ』というのは、自分たちがかつて生きて来て、身体が記憶している「その労働の具体的な経験を返してほしいと言っている…そのことがとても大事です」と内田氏は結論付けます。賠償金とか代替地の問題はその後に来るのであって、「その順序は崩してはならない」。

 こうしてみると、共著者たちの主張に考えるべき事が多々あり、是非一読をと思った次第です。

 

 

Tsuda_KatsunoriTsuda_Katsunori 2016/05/27 12:53 『福島が日本を超える日』(浜矩子・白井聡・藻谷浩介・大友良英・内田樹著)、読んでみたいと思います。ご紹介、ありがとうございます。

hatehei666hatehei666 2016/05/27 15:46 Tsuda_Katsunoriさんへ
お久しぶりです。なかなか忙しくて、更新や他の方々のブログを閲覧する時間がとれなくて、申し訳なく思っているところです。
この本図書館で何気なく目に止まったもので、全くマークしていませんでした。文でも触れましたが、大友さんを除き、他は知っている人々ばかりで、題名を見て最初から気合を入れて読みました。
そこで一番印象に残ったのが大友さんの記した文章でした。私も身に覚えがあるので反省しきり。
今通っている教会のほとんどの方は帰還困難区域の大熊・浪江、最近解除に進んでいる富岡などですが、牧師の説教の例話を聞いていると、出来る限り会衆を笑わせようと努力しているのが分かります。しゃちほこばってばかりいては、気が沈むばかりで、笑うという事がいかに大切かを知らされました。

springflowerspringflower 2016/05/27 17:43 こんにちは。私は逆に大友氏しかしりませんでしたが、どの方のご意見も興味深いですね。「アホノミクス」まさに、その通りです。チャップリンじゃありませんが、「少しのお金と想像力」が、大事だと思っていますが、今はま逆ですね。家計のやり繰りを任されている主婦としては、もし、家族生活が経済最優先だったら?と、考えると、なんてつまらない毎日になるのだろうと、思います。日本人は、工夫も得意だし、倹約も得意です。やはり「アホノミクス」ですね。

hatehei666hatehei666 2016/05/27 20:05 springflowerさんへ
私の住んでいる一角は、どの家も3・11で少なからぬ被害を受けていますが、道路事情でほとんど建て替えが出来ません。それでほぼ皆さんが家庭菜園をしながら、家計の一助としています。土地が広いので花壇は勿論、立派な花が咲き誇っています。その鮮やかな移り変わりを私も享受出来ます。何かあればすぐ隣家から応援がありますし、お金を介さないで物々交換をしながら、互いに助け合っています。フキ、アワビ、ドクダミ、ウド、冥加など、それに近くの友人の里山では筍も無尽蔵で自生してきますから、それらは市場にゆかなくても全てただです。本の著者の一人藻谷氏の言う里山資本主義のミニ版がここにあります。たとえ家の中が損壊で不便しようとも。
植木の芽が吹き出し、野菜の種から芽が出て来る、それを毎日見ているだけでも、非常に豊かな気持ちになります。
ここでは「アホノミクス」など無関係です。日本は資源もないのに、格差を助長する成長一点張りなんて「アホ」しか考えない事ですね。
>家族生活が経済最優先だったら…ホントつまらない毎日になるでしょうね。いさかいも絶えなくなるのでは?

PeachHoneyPeachHoney 2016/05/27 20:59 アベノミクスが、国民全員に良い影響を与える為の方法なんだとしたら、大失敗だと思う

iireiiirei 2016/05/27 21:33 最近、mag2が配信してくるメルマガ「マネーボイス」というのに注目しています。最近の興味深い項目として「東京オリンピックは中止になるかも」と。7つほどの要因が挙がっていましたが、株安、円高がキッカケ・・・すなわちアベノミクスの破綻のため、オリンピックどころではない、とされます。その際、アメリカが日本を潰しにかかるだろうと。

A0153A0153 2016/05/27 22:21 ブログアップしませんでしたが、先週「生業を返せ」の原告人の一人として裁判を傍聴してきました。
裁判は、原告の証人尋問でした。どのような被害があったか、どんな気持ちかを裁判で証言しました。
富岡のピアノ教師、浪江の畜産農家、川俣の主婦で事故後米沢に逃げた人、福島市蓬莱団地の人の4人でした。
被告国東電の弁護人は、有効な反論が出来なかったように見えました。必ず、原告に東電が払ったお金を
示して、受け取りましたかと確認していました。賠償金はもう払ったよと言いたげな尋問でした。
ばかやろー、12万円(福島県民がもらったお金)なんていつでも返すぞ、その代わり海も山も川も水も
土も友人も生活も元に返せと言いたい。もとにかえせないだろう。ばかやろー。

hatehei666hatehei666 2016/05/27 22:27 PeachHoneyさんへ
アベノミクスを一言で説明するのは至難のわざだと思いますが、私なりに作ってみると「富裕者の、富裕者による、富裕者の為の経済政策」です。それが貧者に滴り落ちる事はないので、相当数の貧者はますます不幸になるでしょう。
霊的には「幸いなるかな貧者よ、あなたは富裕者になるから」ですが。

hatehei666hatehei666 2016/05/27 22:42 iireiさんへ
うわ〜これは嬉しいのと恐ろしいのとが、ない交ぜになりました。
伊勢志摩サミットでは、オフレコの事ばかりになりそうですね。安倍さん、オバマの前で目立とう目立とうとしていますが。
白井さんの永続敗戦論は結構難しい概念を含んでいますが、今度もそういう結果になるのでしょうか。

hatehei666hatehei666 2016/05/27 23:35 A0153さんへ
内田樹さんが言っていましたが、生業は生まれた時からずっと身に染みている身体的な行為ですね。
最小限のお金は必要だけど、「具体的には山菜、きのこの採集やニホンミツバチの養蜂、川やため池、水田での漁撈やカモ猟、定置漁具を使った海の漁」(農文協のサイトより)は、採算を除外視しても喜々として打ち込んできた仕事であって、体が記憶しているものです。それをあの原発が奪ってしまいました。
二度と元に戻せない生活、ならば国や東電はまずその責任を認めて土下座せよ、賠償金はその後の話だ、という事が、机上の空論ばかりして来た裁判官には全く分かりません。
所詮金目の問題だろうという発言ほど、私たち庶民をバカにしたものはありません。
私の立場からすれば、人間は金の為に創造されたのではありません。にも関わらず金の尺度で測ろうとする逆立ちした政府・東電のやり方は、はなはだ神の教えに背くもので、いつか必ず鉄槌が下されると信じます。
ちなみに私が通う教会にも、浪江で被災し、最近いわきでやっと中古のささやかな家を建てた人がいます。浪江の時代、グランドピアノを置いて、音楽家志望の少年・少女たちを教えていたのが、震災で駄目になりました。もうその実家は壊し、汚染されたピアノを運び出し、除染して、狭い一部屋に床を補強し、防音装置を施して置こうと考えています。そうした制約は浪江での生業とは似ても似つかず、この上もなく不自由だと、淋しそうに漏らしていました。淡々とした語り口にも悔しさがにじんでおり、私はいたたまれない気持ちになりました。
A0153さんの悔しい思い、福島に来て初めて共有出来るものとなりました。まともな判決を祈るのみです。

yonnbabayonnbaba 2016/05/28 08:01 浜矩子さんは「時事放談」などで拝見しても実に胸のすくことを仰って好きでしたが、
>「傾ける耳と涙する目と差し伸べる手」

安倍政権に足りないものを、単刀直入に言い得て妙な言葉だと感心しました。
今日あるサイトで知ったことですが、菅官房長官は「安らかに眠ってください。あやまちは・・・」の碑文を知らなかったとか。あの政権を象徴した事実のように思います。今までの人生、決して弱い立場の人に心を寄せることなく生きてきた人たちばかりなのでしょう。
せめて、せめて、司法は弱いものに寄り添えとまで言わない、公正であって欲しいと願います。

SPYBOYSPYBOY 2016/05/28 08:45 この本のことは全く知りませんでした。ご紹介ありがとうございます。読んでみます。
藻谷氏の言うように森林を木の皮で覆って、というのは??と思いました。すごく良いことを言う人なんですけど、どうなんでしょうか。大友良英氏は確か福島生まれです。震災1か月後に『フクシマでは静かなジェノサイドが行われている』と公の場で発言して、バカどもから非難が殺到しました(笑)。藻谷氏や大友氏は口だけでなく、実際に自分で何かを活動しているところが偉いし、鋭い視点を持てるのだと思います。やっぱり、身の丈感覚が一番正しい。
hatehei666さんが仰るように裁判官も身の丈にあった感覚を持ってほしいですよね。政治家もそうですけど、所詮他人事、というのが原発を推進するメカニズムの根本だと思います。

hatehei666hatehei666 2016/05/28 14:43 yonnbabaさんへ
浜さんは歯に衣着せぬ物言いで知られた人ですが、専門の経済でも私たち庶民に良く分かるような解説をしてくれるので、すごく好感が持てます。米国で言えばスティグリッツとかクルーグマンのような感じです。
それで考え考え考え抜いた末に出した言葉は、強いインパクトを与えるのですね。
聖書にも「善をなすことを習い、公正を求め、しいたげる者を正し、みなしごのために正しいさばきをなし、やもめのために弁護せよ」とありますが、yonnbabaさんの叫びは、昔から連綿と続いていた、公正や正しいさばきを求める庶民の切実な願望の現れです。
今の時代は私たちが沈黙したら、それこそ石が叫び出すと思うほど厳しい状況です。AO153さんも同じです。

hatehei666hatehei666 2016/05/28 20:08 SPYBOYさんへ
貴兄も知らなかったという事は、この本の宣伝があまりされてなかったからみたいです。
大友さんは生まれは横浜なんですね。高校まで福島市で過ごし、一浪後上京したようですから、福島の人と言えるでしょう。ジャズにのめりこんだそうですが、高校時代もまれた経験は大きいと思います。それでしっかり自分の意見を確立していったのではないですか。私は自分に当て嵌めてみて、一番ぐっと来るくだりが多くありました。
藻谷さんの里山資本主義を福島に適用すると、5月21日の福島民報に直交集成板=CLTの製造拠点をいわきにという記事があって、どうなのかなと考えていました。オーストリアで開発され、高層住宅でも使われていて、日本では会津土建という会社が採択し、放射能汚染の比較的少なかった会津地方の木材を磐越自動車道でいわきに運んで製造という戦略みたいです。ただそれが以前の候補地だった大熊を始め、福島全域の木材を集めてという話になると、ちょっと危ない感じです。風評という事も考えなければならないとすれば、これは西日本のほうが優勢という事になると思います。
ともあれ、身の丈感覚の裁判官の判決はこれまで何度も覆され、その裁判官が左遷というパターンが無くならなければ、生業訴訟の勝利はおぼつかないと思います。「暴虐!」と叫ぶAO153さんの気持ちが痛いほどよく分かります。

2016-05-20

悲劇の東京五輪マラソン選手円谷幸吉

18:07

「競技場で走る人たちは、みな走っても、賞を受けるのはただひとりだ、ということを知っているでしょう。ですから、あなたがたも、賞を受けられるように走りなさい}(コリント第一9:24)。

 1964年東京オリンピックが開催されました。今私はテレビを持っていませんが、父親が健在だった前年の1963年、米国大統領ケネディが暗殺された日に購入したので、その頃あらゆる番組に熱中していたのをよく覚えています。

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 オリンピックではマラソン競技を手に汗握る思いで観戦しました。エチオピアアベベ選手が独走し、後を円谷幸吉と、英国のヒートリーが追う形となりました。そしてラストの競技場に入った時点で、2位を走っていた円谷は、ヒートリーに抜かれ、惜しくも3位となりましたが、銅メダルを獲得したのでした。

 彼はよく健闘しました。それを知る人は栄光のメダリストとして、永くその名を記憶し、褒め称えたでしょう。

 しかし彼は次のメキシコ五輪での金メダル獲得を宣言したものの、様々な試練に遭い、最後には身体的な情況からも、試合に出られる状態ではなくなってしまいました。真面目な円谷氏はいつも自分を責めていたそうです。

 1968年そのメキシコ五輪の年の1月、彼は自衛隊の宿舎で首の頚動脈を切って自殺してしまったのです。まだ27歳の若さでした。

 その時公開された遺書は、私の胸に響いた事をよく覚えています。

 「父上様母上様 三日とろろ美味しうございました。干し柿 もちも美味しうございました…父上様母上様 幸吉は、もうすっかり疲れ切ってしまって走れません。何卒 お許し下さい…幸吉は父母上様の側で暮しとうございました」。

 今福島では有名人で地元出身の人々を盛んに掘り起こしています。

 円谷選手は須賀川市の出身でした。ネットを見ると、2006年実家の主から彼の主だった遺品が須賀川市に寄贈されたとありました。五輪の賞状・銅メダルトロフィーユニホーム・シューズ…2千点以上だそうです。勿論上記遺書も含まれていました。東北本線須賀川駅南にあるアリーナという施設に円谷幸吉メモリアルホールというのがあって、そこで遺品が公開されています。

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 4月の福島民報を見ますと、東京青梅市では最初のマラソン競技に円谷選手を招いて実行されました。以後誰でも参加出来る大衆マラソンとして定着し、今年50回目を迎えたので、実行委員会須賀川市にいる円谷選手の兄に感謝状を届けました。それもメモリアルホールに展示される事になりました。画像はウイキより。

 しかし福島県では2020年の東京オリンピックを控え、その実施に賛否両論が出ています。

 それを契機にさらなる復興を加速させようという動きもありますが、その陰にはまだまだ復興どころでないという人々が多くいます。一旦その中継が始まると、熱狂と悲喜こもごものドラマの中で、福島の悲劇は脳裏から離れてしまうでしょう。

 このところ避難指示解除準備区域と居住制限区域を、除染により一気に解除してしまおうという動きが盛んです。もしかしたら帰還困難区域でさえ政府ごり押しで解除し、原発事故を全く色あせたセピア色にし、華やかな五輪の鮮やかな色彩で覆ってしまうのではないでしょうか?

A0153A0153 2016/05/20 22:29 当時円谷幸吉の遺書を知って、何とも言えない気持ちになりました。思えば、円谷は英雄に持ち上げられ
その期待につぶされたのだと思います。私もまた英雄視した一人でした。・・・。
今思うことは、自衛隊員と言うことが大きかったと想像します。日蔭者の自衛隊の宣伝としての自衛隊
体育学校の円谷。その犠牲者なんだと思います。

hatehei666hatehei666 2016/05/20 22:42 A0153さんへ
この遺書を覚えているのは私たちの世代ですね。
自衛隊体育学校所属でなかったら、確かにプレッシャーはずっと少なく、腰痛はあっても次の五輪の選手として出場出来たでしょう。遺書からしても両親思いの非常に生真面目な人だったことが分かります。
そういうタイプの人が追い込まれると自殺しますね。だから私も人生、ハンドルの遊びのようなものを持っていないといけない、と反省した苦い思い出があります。

yonnbabayonnbaba 2016/05/21 06:54 当時も衝撃でしたが、この時代に読むと、改めて円谷さんの遺書の文面から立ち上る「日本人」の姿の美しさに驚きます。彼の背負った重圧と、現代の「まずは自分が楽しむ」と言ってはばからない風潮や、タレントのように華々しく扱われるアスリートたちとを思うとき、いっそう彼の悲しさが胸に迫ります。

hatehei666hatehei666 2016/05/21 21:34 yonnbabaさんへ
まさに当を得た寸評だと思います。現代の自己を誇示する若い競技選手とは、対照的でしたね。
良く全文残してくれたものと感心しますが、川端康成氏の「繰り返される《おいしゅうございました》といふ、ありきたりの言葉が、じつに純ないのちを生きてゐる。そして、遺書全文の韻律をなしてゐる。美しくて、まことで、悲しいひびきだ」というのも有名になりましたね。普遍性を持つ遺書だと思います。

PeachHoneyPeachHoney 2016/05/24 01:50 ハテヘイさん、こんばんは〜
東京でのオリンピックもっと先でもいいのにと思ってた。
原発の事故後間もないし、放射能の問題もあるし
知ってる外国人は日本には来ないよ!
ところで、hatehei666の「666」 って、どういう意味ですか?
前から一度聞いてみたかったんですけど。(^^;)
なにかの合い言葉ですか?

hatehei666hatehei666 2016/05/24 09:37 PeachHoneyさんへ
森会長は福島を元気付けるために五輪という発言をしたそうですが、的外れもよいところだと思います。
いまだ放射能と疾病との因果関係を否定している医者が多くいますが、当時原発付近まで接近したレーガン号の若い乗組員たちが、次々と不調を訴え、裁判にまでなっていますから、彼らの発言が報じられ、広がってゆけば、少なくも米国選手たちは、日本に来る事をためらうでしょうね。
私のブログ名は、はてなに自分の名前を付け加え、666は黙示録(13:18)から、人間に過ぎないものという意味で用いました。但しこの666の正体はサタンという解釈もありますから、ちょっと危ないかも(苦笑)

miyotyamiyotya 2016/05/24 20:15 こんばんは。
円谷選手の自殺の事は詳しくは知りませんでした。
自ら命を絶つことは本当につらいことですね。
東日本大震災のの復興と、熊本地震の復興・・・結局はオリンピックに向けての工事が本格化すると後回しにされてしまうような気がします。
すでに、後回しにされていますね。

hatehei666hatehei666 2016/05/24 23:02 miyotyaさんへ
同世代としてご存知なかったのですね。検索すると遺書全文が載っているサイトがあります。まさに悲劇。頚動脈を切る前、お父様岡様親戚の方々の事をどう思っていたのでしょうか。もうプレッシャーで半ば欝状態だったのでしょうか?
本日も浪江出身の方と教会で話していたのですが、あまりに性急な除染→帰還→賠償金の打ち切りは、全て五輪に向けて形だけ福島は正常になったという事にしたい、安倍政権の思惑なんですね。
恐ろしいほど早すぎます。中間貯蔵施設も、地権者や地方自治体を差し置いてごり押しですから。
そのうち土地買収できなければ、強制執行という事は十分ありえると思います。ごたごたしたまま五輪を迎えたくないのでしょうから。

springflowerspringflower 2016/05/25 17:31 こんにちは。また話がそれてすみません。前の東京オピンピックは産まれる前の事なので
あまり、わからなくて…ただ、記事を拝見していて、ゴールデンウィーク中に、常磐自動車道の
大熊町での事故を思い出しました。母子死亡40人けがでしたが、事故現場は原発被害で帰宅困難区域だったために、消防署も無く、救急車の出動にも時間がかかり、病院の手配も大変だったようです。これも「想定外」の事故で済まされてしまうのでしょう…なにか、怒りが湧き上がって来ます。亡くなられた方のご冥福をお祈りします。

hatehei666hatehei666 2016/05/25 21:41 springflowerさんへ
東京オリンピックの時はまだお生まれでなかった、お若いですねえ(笑)
大熊の自動車事故は注目していました。あそこは私が今乗っているバイクは通れるのですが、並行して走る6号はバイク禁止です。車で6号開通の時友人と大熊を通った時、止まってはいけないという警告板が多くありました。
いまだゴーストタウンが続いている帰還困難区域で、おっしゃるように事故処理が大変だったようです。
私が通っているいわきの教会は元々大熊の原発近くで、避難を余儀なくされて移ったのですが、翼の教会と呼ばれ、その鷲のはばたく形をした建物の目指すところは、大熊への帰還なのです。いまだ諦めきれない方々が多くいます。
原発事故を起こした政府東電の罪は大きいです。

2016-05-13

防潮壁問題

21:12

 「【主】はわが巌、わがとりで、わが救い主、身を避けるわが岩、わが神。わが盾、わが救いの角、わがやぐら」(詩18:2)。

 いわき市勿来町に引っ越してから4ヶ月になりました。3・11、そして4・11の大地震による家屋の一部損壊、半壊の家屋は極めて多いことが分かりましたが、津波による被害も想像以上でした。

 そこで昨年10月不動産屋に案内されて行った事のある勿来海水浴場まで、4月の22日徒歩で訪れました。10分で土台だけが残っている所に到達し、さらに更地の多い所を歩き、途中で防潮堤脇のコンクリの道を進んで行きました。

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 左の写真を見ても分かりますが、津波被害に遭った所は、まだ相当な箇所が荒地のままです。そして右の写真を見ますと、巨大な防潮堤が、古いものの上に嵩上げされ聳え立っています。勿論海など全然見えません。この防潮堤は手前の勿来海水浴場では切れているものの、北の方には長く延びています。写真右下の中央に見えるのが常磐共同火力勿来発電所で、そこまでずっと続いています。

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 2月29日佐糠災害公営住宅を訪問した時、すぐ近くの常磐共同火力勿来発電所に行ってみました。勿論3・11の津波被害はありましたが、すぐ復旧出来たそうです。写真左下。

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 この巨大な防潮堤の為に、やはり海は見えません。3・11当時は見えたそうです。そして火力発電所のすぐ北東にある岩間町津波で壊滅(https://www.youtube.com/watch?v=wPlIDF4lTa4)した事を、北隣の人から聞きました。私が行った時はまだ復旧工事中で、バイクで進むのは出来なかったように記憶しています。

 海を遮り、自然を損なう膨大なコンクリの塊からなる防潮堤と、その内側に広がる荒涼とした風景を見ますと、図書館で借りて読んだ『ゴーストタウンから死者は出ない 東北復興の経路依存』(小熊英二赤坂憲雄 編著)を彷彿とさせます。

 主として三陸地方を調査して来た小熊氏はこう言っています。「実施された復興政策は、津波をかぶった地域の建築を規制し、巨大な防潮堤建設を進めて、高台に人口を集約しようというもの」。しかしこれでは防潮堤の内側に産業地帯が復興出来るわけはありません。岩間町復興計画では、私も見た道路の整備と、海岸沿いへ防災緑地を作るというのがメインで、市街地復興は二の次という感じでした。

 北の四ツ倉海水浴場とトップを争う勿来海水浴場の民宿や観光施設など、シーズンではないのかも知れませんが、とても活気に満ちているとは言えません。巨大防潮堤、或いはその背後に建つ同じ規格の災害公営住宅のみ目立ちます。その防潮堤は同じ本の共著者三浦智之氏によると、当初岩手宮城福島を繋ぐ全長370キロメートル、総工費8,700億円という膨大な規模の計画だったそうです。

 小熊氏は「災害復興が、公共事業を推進しやすい『抜け穴』になっている」と鋭く指摘していますが、基本的人権の一つである居住権など後回し、とにかく防潮堤や道路の復旧第一という国や券の姿勢には、当然被災者の側からの反論が起こり、海が全く見えない防潮堤など要らないという意見も多く出ています。しかし彼らの住んでいた市町村などは、その反対意見を受け入れて国や県に反対の意向を伝える事が出来ません。

 というのは国や県は人命の尊重を縦に「防潮堤の高さはこれです。要りますか?要りませんか?」と、踏み絵の如く問うて来るばかりで、もし市町村が逆らうと「補助金を削減されるという危惧」があり、復興計画は座礁してしまうからです。これは真に卑劣なやり方としか言いようがありません。小熊氏は「ゴーストタウンから死者は出ない」と痛烈な反論を試みています。

 実際私の住む勿来から植田・泉あたりを歩いていますと、確かに岩間を始め低地に住んで被災した方々は、高台に移住して住居を構えており、小熊氏の言う防潮堤が守るのは、立派な道路だけという構図になっているのがよく分かります。それと直接関係があるかどうか分かりませんが、私の家の背後の里山で、国道6号勿来バイパス茨城県北茨城市から通す計画が現在実行に移されようとしています。

 被災者の生活再建など、復興費用のたかだか1パーセントに過ぎないという小熊氏の指摘は、正鵠を射ているなと実感しました。国や県は莫大な金を投じてモノを作り、道路や災害公営住宅の建設を押し進める事はしても、人間の生業を復興させ、守るという事は視野にないようです。日本は非情な国です。

 

 

A0153A0153 2016/05/13 21:58 前にも書いたんですが、震災前伊豆下田にいったことがありました。その時、ここまで津波が来るなんていう
表示があったんだけど、堤防がないんです。それを当時は、奇異に感じました。津波が来たら逃げると言う
方針なんですね。海が見えないのではかえって危険に思います。
やっぱり、復興を名目にした公共事業、土建業界の利益の施策なんだと思います。いわきもそうだと思うん
ですが、こちら、復興需要のピークは過ぎました。新築アパート、戸建が目立つのですが、これらに入る
人がいるのか、心配になるぐらいの多さです。土地の持ち主が不動産屋の口車に乗せられて、借金で建てた
とすると、破産する人がいっぱい出るのじゃないかと心配します。

yonnbabayonnbaba 2016/05/14 08:31 災害の多い国に住んでいるという覚悟を持って、それなりの暮らし方をするのが一番ではないかと思います。災害で痛めつけられるけれど、火山が多いから風光は明美だし、地を削られてもすぐ緑が繁茂する。
巨大な自然の力の前には逃げるしかない。危険な原発など持たない。抱えて、背負って、逃げられる程度の貴重品しか所有しない。壊れたらまた建て替えることを前提の家にする・・・。
昔社会科で習いました。雨季にものすごい雨の降る東南アジアでは、洪水になることを前提に高床式の家に住んでいると。かの国も文明が進んで変わってしまったかもしれませんが、人間は進歩しているのかどうか、疑問です。

hatehei666hatehei666 2016/05/14 08:51 A0153さんへ
創造主によれば、海と地が分けられ、その境に広大な砂浜を置かれたことになります。
それを神を畏れぬ人間が、人為的に防潮壁を作って区切りとしたのは、全くおろかな事です。
成長戦略一筋の安倍内閣は、被災者の生活再建より、公共事業優先でという事なんでしょうが、いつか破綻するに決まっています。人命尊重、住宅供給という大義名分が成り立つので、事業が終わり、そこに人が住まなければ、いずれ廃れるという事でしょう。そんなの知った事かというのが、政府や役人の貧しい考え方です。
相馬ではもうそこまで進んでいるのですか。いわきでは立派な住まいを構える人々が増え続けていますが、帰還困難区域の人々が、地元を諦めて移住したのなら、補償金を慎重に使うことで、或る程度生業が成立すると思います。その対象外である相馬では、そんな悲劇がこれから当然出て来るでしょうね。

hatehei666hatehei666 2016/05/14 09:01 yonnbabaさんへ
全く同感です。
自然が生きて活発に動いている日本では、それとの共存を常に考えながら生活する、災害が起こればすぐ逃げる、これが一番賢いやり方ではないかと思います。
考古学を多少勉強した者として、昔と今とどう違うのか考えた時、、明らかに現代人のほうが劣化していて、自然の脅威にもサバイバル出来ないのではないかと思います。
熊本や鹿児島などのシラス台地の地盤の弱さは昔から言われていて、この悲惨な災害は決して想定外ではなかったと考えます。

iireiiirei 2016/05/14 09:39 河川の氾濫の場合には、堤防を高く作って、「一滴も河川から出さない」という方針が堅固な国土交通省ですが、昔は信玄堤のような、洪水の一部を、意識的に外に漏らすという発想のものがありました。たまに規模の小さい災害に遭うのも良いことだ、という価値観があったのです。

hatehei666hatehei666 2016/05/14 20:56 iireiさんへ
信玄堤をネットで調べてみました。釜無川と御勅使川の合流点に築かれたそうですが、それによって大洪水に終止符が打たれたそうですね。
当時非常に優れた技術だったとありました。それは治水の事ですが、導水としての玉川上水を思い出させました。

springflowerspringflower 2016/05/17 15:02 こんにちは。あちこちで、防波堤が作られていますが、岩手の田老町の防波堤の悲劇を思うと、どんなに高く強靭に作った所で、自然の力には勝てないと思っています。記事の中にある様に、海が見えた方が良いのでは?と、私も思います。とにかく、これ以上、山を崩さないで欲しいです!そして、震災復興の名の下に余計な税金を使わないで欲しいです。まずは、心の復興から。

springflowerspringflower 2016/05/17 15:07 訂正です(^^;;海が見えた方が良いのは、記事では無く、A0153さんの、コメントでしたね。失礼しました。

hatehei666hatehei666 2016/05/17 23:11 springflowerさんへ
全くおっしゃる通りです。嵩上げして全く海が見えない防潮堤を福島から岩手まで延長する計画は、ひとえにゼネコンを儲けさせようという意図にしか見えません。AO153さんのコメントの件、私もそう考えているのでご心配無用(笑)。
さらにコンクリにする山砂なども、福島では足りなくなっていて、がむしゃら掘り崩しているようです。近畿地方の海砂問題も深刻ですね。砂利が相当不足するとか。
とにかく環境の大きな破壊は、かならず将来しっぺ返しがあると見ています。