ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

或る優秀な狙撃手の死

 「自分の肉のために蒔く者は、肉から滅びを刈り取り、御霊のために蒔く者は、御霊から永遠のいのちを刈り取るのです」(ガラテヤ6:8)。 
 2013年2月3日のニューヨークタイムズサイトでは、「『アメリカの狙撃手』の著者テキサスで撃たれて死ぬ」という題で、マイケル・シュヴィルツという記者が記事を書いていました。
左写真の狙撃手がクリス・カイル、右はエディー・レイ・ルース容疑者。
 記事によりますと、殺されたのはクリス・カイル(38歳)という米国戦史最高の狙撃手でした。彼は2月2日にテキサス州の射撃場に、PTSD(心的外傷後ストレス障害)を患っていた彼の友人リットルフィールド及び元海軍所属で退役したエディー・レイ・ルース(25歳)と共に行き、ルースにより至近距離から撃たれて死亡しました。クリス・カイルはPTSDを患う元海軍兵を支援するためのボランティア活動をしていました。彼は長くイラク戦に従事し、後の2人はイラクとアフガンの戦争に加わっていたようです。
 この後のタイム誌サイトの追加記事も読みますと、クリス・カイルは或る教会の執事の子として生まれ、幼い頃はカウボーイになるか兵士になるか悩んでいたそうです。しかし彼はその後アメリカ海軍特殊部隊の狙撃手となり、イラクで10年ほど戦いました。怪しい1人を狙って殺すという役目でしたが、その数は正式に認められたところでは160人、自己申告で255人でした。これは恐るべき数だそうで、イラクのラマディでは、彼は百発百中の狙撃手として敵から恐れられ、「ラマディの悪魔」というあだ名をつけられていました。
 彼の『アメリカの狙撃手』はベストセラーになりました。その中にありますが、彼が最初に狙撃したのは、一方の手に手りゅう弾を持ち、もう一方の手で幼児を抱きながら、海兵隊を攻撃しようとしている女性でした。勿論最初の殺人ですから、彼は一瞬ためらいました。でも上官に撃てと命令され、撃ったところが、彼女は最初の1撃で手りゅう弾を落とし、2発目でそれがさく裂して死にました。

 それ以後彼は何の躊躇もなく、良心の呵責もなく、敵兵を殺して来ました。そうすれば味方の米軍兵士が多く助かると、割り切っていました。彼は敵に対して全く憐みの気持ちはなく、助けられなかった同僚たちの死に対してのみ同情しました。
 こうしてみると、彼は非常に冷酷な戦士だったように見えますが、おごり高ぶる事もなく、危機で神に頼る真面目で、2人の子どもを持ち良き家庭を築いて来ました。まだアフガンなど出番はありましたが、愛する妻の「家庭をとるか、戦いをとるのか」との問い詰めで前者をとったのでした。その結果が自国での皮肉とも思える死だったわけです。
 戦争が続く限り、こうした悲劇は絶えません。