ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

日本の男を喰い尽くすタガメ女の正体

 「神である【主】は仰せられた。『人が、ひとりでいるのは良くない。わたしは彼のために、彼にふさわしい助け手を造ろう』」(創世2:18)。
 図書館から上記の題の本を借りて読みました。面白そうな題だったからです。
 著者は深尾葉子という女の人で、大阪大学大学院経済学研究科の准教授をしています。

 著者がこのタガメ女という言葉の創作に至ったのは、冒頭にもありますが、テレビでタガメの捕食シーンを目撃した事に因ります。カエルなどが近づくと、鎌状の前脚でガッチリと挟み、鋭い口吻で毒液を注入して殺してしまいます。故にタガメに食べられた生物は、骨と皮膚のみが残る事になります。その毒液はタンパク質を溶かす分解酵素です。ヘビ毒に似ています。そしてタガメはその溶けた部分をチュウチュウ吸い取るわけです。
 それを深尾准教授は眺めて、男と女の関係にそっくりと思い至った次第です。即ち「女はガッチリと男を捕まえて、月1万円という小遣いで身動きがとれないようにし、チューチュウーと夫の収入と社会的なリソースを吸い尽くす。男たちはといえば、最初はバタバタともがくも、やがて諦めたようにグッタリとして、ゆっくりと収入やリソースを吸い尽くされ、最後は骨と皮になって死んでいく」。
 なるほどと思いました。これこそ専業主婦のやる技だと。それを古風な言い回しで「箍(=たが)をはめる女、箍女=タガメとなるわけです。
 世の中はタガメのように恐ろしい女が溢れ、カエルのような男を捕食し、ゆっくりと死に至らしめている…確かにそんな感じがします。だから深尾さんが学生たちにその着想を伝えたところ、自分や周辺にそうした類の人が多くいるという回答を得る事が出来ました。
 タガメ女とカエル男の増殖は、高度成長期に遡りますが、主要な要因は住宅いローンだと深尾准教授は言っています。その時代に女は専業主婦志向でした。それが世代交代により現代でも再生産されているそうです。
 ですから婚姻関係になっても少しも幸福ではないというのであれば、それは真の恋愛で結ばれた結婚ではなく、捕食者と獲物の関係だからと、深尾准教授は強調します。
 それゆえ吸い尽され骨と皮になったカエル男は自死を選びます。自殺者の大半が男というのも肯かれます。
 この本では次にカエル男度と、タガメ女度が詳しく述べられています。それぞれ20のチェック項目が並んでいます。
 いちいち肯かれる事柄が満載です。共通なのは「住宅ローンを組み、郊外のベッドタウンで暮らしている」事ですが、カエル男は「渡辺淳一の小説が好きだ」、タガメ女は「ディズニーランドが大好き」とかいろいろです。
 不況になっても、「タガメ女は『倹約』をして限られた収益の中から、自分の消費を行い、さらにカエル男を『小遣い月1万円』といった待遇で締め上げます」。ですからタガメ女は、カエル男の給与のダウンにも関わらず、自らの消費の「箍」から逃れる事が出来ず、離婚してシングルマザーになって自滅する事も随分とあるようです。
 ではどうしたらよいか?深尾准教授にも正解はありません。「箍」について「ひとりひとりが自分の頭で考えて、自分の魂と向き合って正直に生きる」という事でしょうか。聖書への信仰者なら、互いに愛し、祈ってそうではない結婚に導かれる筈ですが…。