東京ビッグサイトでGEISAIという、アートのフリーマーケット的な祭典が行われた。僕は相変わらず非リアな暇人なので、ぶらりと行ってみることに。
普段アートにあまり縁のない僕が、わざわざビッグサイトまで出向いたのは、前日にこの動画↓を見たから。
http://www.youtube.com/watch?v=vhj2tLdOyZQ
(藤田直哉、村上隆さんに会いに行く)
僕は大学4年(2007年)の秋頃に東浩紀の著書「動物化するポストモダン」に出会って以来、哲学板の東スレを定期的に見続けている(何という暇人!)。そのスレの中で、この藤田直哉という男(現在東工大の院生で、実質東浩紀の弟子)が去年の夏に登場して、数々の祭りを起こしてきた。彼の行動力には本当に驚かされる。
今回もいきなり芸術家の村上隆氏に呼ばれ、いきなりGEISAIに出演することになった。彼のこのフットワークの軽さが何に起因するのか、引きこもり系の僕には到底わからないが、並ではないということは十分にわかる。
で、今日。GEISAI本番。こうなった↓
http://www.youtube.com/watch?v=iADsYsqgXwo(前半)
http://www.youtube.com/watch?v=7PeKZiAUsYA(後半)
僕はまさに現場でこれを見た。あまりの会場のドン引き具合に、僕は笑いを堪えるのに必死だった。東浩紀のことなど何も知らない会場の多くの人は、全く理解できなかっただろう。ちなみにピカチュウ役の男は早稲田の学部生で、普段は好青年らしい。結構まともに文芸批評とかを書いている。
その彼が、この電波感を出して、会場をドン引きさせた。この作品(?)には、何らかの超越性がある、と僕は感じた。これはヤバイ。明らかに電波なのだが、「空気を凍らせた」というのは、それだけの圧倒的キ○ガイ的なヤバさを、皆が感じたからだと思う。だからこれは、彼が動画で言うように、ある種の前衛アート足りうるのかもしれない。
ここまで、前半。タイトルには、AV女優、大沢祐香(現在かなり有名?)の名を入れた。というのは、彼女もGESAIに来ており、作品を出展していたからだ。偶然にも、東浩紀チームのすぐとなりのブースだった。
彼女はここで、別名を名乗り(つまりAV女優大沢祐香であることを名乗らずに)、キャミソール姿でトイレの便座に座っている、という「自分自身」を作品として出展していた。背景には、彼女の様々な裸体写真。もちろん写真は乳首まで見えている。
僕はそれを見た瞬間、「あ、大沢祐香だ」と思った(AVに疎い僕でも知っているくらいに有名な人です。知らない人はググって顔見て下さい、キレーですよ)。大沢祐香がフツーにそこにいる。ビックリした。ハッと息を呑むくらいの美しさは当然存在していた。彼女の存在を知って、握手を求めている男性ファンもいた。
一方、僕の後ろでそれを見ていた女性たちは、彼女が自身の裸体を晒した写真を張り巡らしていることに当惑したらしく「凄い…」だの「赤裸々だよね」だのと感嘆していた。つまり、女性客のほとんどは、そこにいるのがカリスマAV女優だということを知らなかったのだ。それに、恐らく彼女を知っているであろう多くの男性客も、「あれはAV女優だ」などと野暮なことは言っていなかった。
で、終盤。受賞式があり、600近くある作品の中からいくつかの賞が選ばれ、大沢祐香の作品は見事にリリー・フランキー賞を得た。しかしそこでも、AVの話は一切出なかった。
今回、受賞作の多くは映像作品や写真作品で、絵画系の作品はほとんど選ばれなかった。その理由を、リリー・フランキーは確かこんな感じで言っていた。
「絵を描くというアートは、純粋なジャンルであるが故に、ちゃんと表現することが出来れば一番強いツールになりうるが、今回絵画系アートをやった出展者の多くは、ある種の自己満足の域を抜け出せておらず、客観性が欠けていた(だから表現として弱かった)」と。
なるほど、と思った。しかし同時に僕はこうも思った。じゃあ大沢祐香はなぜ受賞したのか…? 彼女の作品は、上に書いた通り「彼女自身」であって、それはキレイなものだった。キレイな顔に、キレイな裸体だった。皆がキレイだと思う。確かに客観性は欠けていないかもしれない。
しかし、彼女の作品は逆に、「客観そのもの」すぎるのではないか。なぜなら彼女がAV女優だからだ。フツーの素人さんが、自分の裸体写真を展示して、これが体を張ったアートだ、というのなら、それは主張であり、表現であり、アートかもしれない。
けれど、大沢祐香は普段から生粋の、プロのAV女優なのであって、それを知っている者からすれば、「あ、ホンモノの大沢祐香がいる。ホンモノは凄くキレーだ。それに後ろには裸体写真が貼ってある」としか思えず、まさに客観そのものだ。これは果たして表現なのか?? キレイだとは思うが、アートであって、受賞してしまうようなものなのか…?
そんな疑問を感じながら会場を後にした僕は、帰宅して今こうやって文章を書いていく中で、やはり、電波感バツグンの「スーパー☆ラルク」(上の動画参照)の方にこそ、極めて高いアート感を抱いた。どう考えても電波だけどね。
でもまあ、東浩紀関連と大沢祐香のブースはどう考えても異色であって、普通の素人さんが作っているのは、もっと普通の、いわゆるアートで、例えばそれは大きなキャンパスに、鉛筆だけで描いた抽象画みたいなものとかであって、そういうのを見て、「ああ、こういうのいいなぁ」とか思って、綺麗に描かれた100円のポストカードを何枚か買ってきた僕にとって、今日は結構面白い「リア充ぼっち」な一日だった。
彼女の作品は彼女自身も入れた作品でした。人が沢山いたので、皆が写真のタイトルまで見れなかったとは思いますが・・・。
あと、GEISAIでは、ブース全体が審査の対象だという事で、彼女は座っていたんだそうです。
あと、大沢佑香さんのブースは彼女の写真だけではありませんでしたよ。他にもカラフルだったり、キレイだったり、おもしろい写真がありました。
リリーさんもコメントで彼女の芸名こそ言わなかったですが、自分が性の対象として見ている時に彼女は、こんな事をやっていたのか!という驚いたというような事を言っていました。
彼女のブースには『性欲と食欲』というタイトルがあって、写真一つ一つにもタイトルがあった。そして、不思議な雰囲気もあった。わたしは、おもしろいと思いました。
もし、あなたが写真のタイトルを見て写真を見ていたら、ただの『彼女自身』とはここに書かなかっただろうなとおもって、コメントさせていただきました。