2007-04-30
はやぶさ,地球に向けた本格巡航運転開始
4/25 付けで公式発表が出ました.
これにより、4月25日14:30から実施した「はやぶさ」運用をもって、地球帰還に向けた本格的巡航運転段階に移行しました。
まったく楽観視できない状況であることは重々承知ですが,それでもここまでこぎつけたことに対してはひとまず,おめでとうと言いたいところです.順調に行けば,これに匹敵する次のニュースは地球再突入ですね.
ニュースにも出ています.
松浦晋也のL/D: 帰還開始にあたって補足
松浦さんから補足記事が出ました.
これは運用チームに多大な負荷をかける事態だ。これから最長で3年、運用チームは土日祝日関係なく、毎日気の遠くなるような低ビット通信で「はやぶさ」と格闘しなくてはならない。
運用チームの人数は決して多くない。正直、メンバーの健康が心配だ。計画的に人材を育成して投入し、一人ずつの負荷を軽減し、常にクリアな頭で判断できる状態を保てるだろうか。
探査機に余裕がないなら、今からでも手配できる地上側の体制に余裕を持たせるべきなのだ。
はやぶさプロジェクトチームのメンバー(とメーカーさん)の健康は本当に心配です.ファンとしては何も手伝えないのがもどかしいですね….ボランティアでもよいから運用を手伝いたいくらいですが,なかなかそうもいかないですよね.
文中で,南極探検のシャックルトンの名が出てきました.そういえば,はやぶさとはあまり関係ありませんが,アメリカの月面基地の設置予定地は月の南極のシャックルトンクレーターでした.
「危険な旅に男求む。低報酬、厳寒、何ヶ月もの完全な闇、常なる危険。生還は疑問。成功すれば名誉と名声あり」
有名な言葉ですね.ただ,願わくばはやぶさチームにはもう少しましな条件を提示したいところです(笑).ぎりぎりでの運用は,後から振り返れば美談になりますが,それがスタンダードになるようなことになってはいけないと思います.
はやぶさチームの特集記事「はやぶさ、地球への旅に出発 〜最後のチャレンジを達成するために〜」
満を持して,というべきでしょうか.帰還に向けてはやぶさチーム 8 名によるインタビューが出ています.必読です.
アストロアーツでも取り上げられていますね.ニュース以外の記事が取り上げられるのは珍しい?
イトカワのサイエンスデータを 256 倍楽しむ方法
先日公開されたイトカワのサイエンスデータ,皆さん楽しんでおられるでしょうか?
野尻さんが面白い提案をされています.
ここはひとつ、はやぶさサポーターの人に名所案内(面白い画像やデータをピックアップしたページ)を作ってほしいところです。
名所案内,いいですね!とりあえず Wiki のほうに集積所を作ってみました.
また,はやぶさスレでもお勧め画像がいくつか挙がっていますね.
さて,今回のデータは JPEG 以外にもいろいろな形式が提供されています.素人にはちょっととっつきにくい FITS データですが,JPEG データよりも高画質のようです.FITS は例えば国立天文台提供のマカリというソフトウェア
や,AVIS Fits Viewer
などで扱うことができます.他にも FITS を扱うビューアはたくさんあるので,試してみてください.
また,他のいろいろな形式にコンバートしてくれているサイトも,ずいぶんたくさんあるようです.
まずは今江科学さんによる Metasequioa 形式.3D ポリゴンモデラーである Metasequoia で形状データが表示できます!変換ツールも公開されており,AMICA の可視画像データとの対応付けも検討中のようです.
同じく Metasequoia 用のイトカワプラグインをわんだらぁ亭さんが公開されています.
Celestia 用には,なんと作者の Chris 氏自らがデータをコンバートしてくれたようです.うp画像がすごい迫力です.
AutoCAD 上でイトカワを描いた方もいるようです.
875 Name: 名無しSUN [sage] Date: 2007/04/27(金) 01:37:04 ID: 2Z/+Xbzz Be:
公開された数値データ読み込んで、CADを使って点を打っていったら、
当たり前だけど、本当にイトカワが描けるね。
あはは、見慣れたCADソフトで今日はイトカワが回っている。
UMSF の住人もデータ公開で祭り状態になっているようで,新しいスレまで立って興奮しまくっています.
That shape model 3D movie is something definitely not to be missed. Top of the bill for my astronomy class this evening!!!
The 3D model of the asteroid has got to be one of the coolest things I've seen this year.
Looking at the 3-dimensional model, it seems really obvious that Itokawa is two, maybe three big chunks of rock stuck together at an odd angle with some accreted rubble cementing them together.
amazing pictures! I didn't realise there was any color variations of the surface, let alone that much (even if streched)!
Seriously tho, what an amazing story... The Little Probe That Could, eh? And what a wealth of pictures it's given us.
なかでも Airbag さんが作成した,AMICA の 3 種類のフィルタ画像から合成した RGB 画像はすばらしいです.
Hayabusa data released! - Unmanned Spaceflight.com
865@Part25 氏によると,Photoshop などがあれば同じ処理ができるとのこと.
865 Name: 名無しSUN [sage] Date: 2007/04/26(木) 20:31:16 ID: J+50bNxM Be:
>>843
UMSF 該当記事にある通りで、AMIXA の B, V, W それぞれのバンドの画像を
R,G,B として重ね合わせたってことだね。
Photoshop なら
1)「チャンネル」で R チャンネルに B バンド画像
2)同・G チャンネルに V バンド画像
3)同・B チャンネルに W バンド画像
でいけるんじゃないかな?試してないけど。
866 Name: 名無しSUN [sage] Date: 2007/04/26(木) 20:36:31 ID: J+50bNxM Be:
ぐあ、対応チャンネル間違えた orz
1)「チャンネル」で R チャンネルに W バンド画像
2)同・G チャンネルに V バンド画像
3)同・B チャンネルに B バンド画像
だわ。やってみたらできたよー。
あとは…誰かデータを統合して動画を作ってくれたりしないかなあ.
探査機のデータを統合して見せたものに、ホイヘンス・プローブのTitan Descent Data Movie with Bells and Whistlesがあります。ぜひ大きいほうの動画で観賞してみてください。パワーズ・オブ・テン以来の傑作だと思います。
これのはやぶさ版を、誰か作らないかなあ? 運用系のデータも公開すれば……
追記(2007-05-05):追加コンテンツです.
追記2(2007-05-05):野尻ボードで,UMSF.com のイトカワカラー写真について,興味深い議論が繰り広げられていました.なんとなく「轍の先にあるもの」の再来みたいだ.
この白っぽい地質はどう解釈したらいいんでしょうか。宇宙風化の進んでいない、比較的新しい表面?「高所」のラフ地域に多いので、衝突の振動で表土が流れた跡かな?
なんとなく、濡れたティッシュに染み込んでいたインクが末端に集まって干からびたところを連想したりします。それは毛細管現象ですけど、イトカワが「流体」なら湧昇流みたいなものがないとは限りません。液状化のたびに軽い物質が高所に移動するとか……。
http://njb.virtualave.net/nmain0232.html#nmain20070501180027
まず色合いですが、コントラストに関しては強調されているかもしれませんが、色的には肉眼で見てもこんなもんだとおもいます。かなり初期の段階でアンタレスと両隣の星を撮像して、3色合成したことがあります。見事な赤・青の色になっていました。
あと興味深いのは、石がずれて白くなっている/地滑りが起きて白くなっている部分の他に、接近したときの写真で、石の表面がちょっとだけ白くなっている部分があったりするところです。マイクロメテオロイドの衝突?なんですかね。
http://njb.virtualave.net/nmain0232.html#nmain20070502055954
イトカワの白い部分の話ですが,何で物質が白くなったり黒くなったりするのかは,いまのところ「日焼け」のせい,と思ってます.ただ,何で「その場所」が白/黒なのか,ちゃんときれいに説明できるかというとまだいろいろと難問があります.林さん指摘の重力との関係も重要なんですが(これは去年の初期成果論文でも指摘されてます),それだけではうまくいかないんですよね.まあいくつかアイデアはあがってますが,まとめるにはもうちょっと,というところです.
今後ScienceとかNatureとかの有名どころにどれだけ成果を出せるかはわかりませんが,そんな感じでぼちぼち仕事を進めています.はい.
http://njb.virtualave.net/nmain0233.html#nmain20070502211756
みなさん情報ありがとうございます。そういえば宇宙風化のことは以前に発表されてましたね。
でもカラー画像で見ると改めて「おやっ!」と思うものがありまして。(だからなんでこういうものを早く発表しないのかと(^^;)
直感だけでいうと、あのカラー画像の第一印象は蛇紋岩でした。これはオリビンが水と変成したものだから、あたらずといえども遠からず? 白っぽいところも蛇紋岩帯によく見かける脈になんとなく似ていますが、これはすでに言われているとおり宇宙風化説が有力ということですね。
http://njb.virtualave.net/nmain0233.html#nmain20070503031139
追記3(2007-05-09):追加コンテンツどっさりです.
"It is quick the ぶ" T シャツ
UMSF のはやぶさスレに Subaru さんが今回のはやぶさ帰還開始のニュースを伝えたところ,案の定盛り上がって,こんな T シャツの提案が……!
"It is quick the ぶ" というのは,Google 翻訳で「はやぶさ」を訳すとこうなるんです.つまり,まだ JSpace や The Yakumo Project などがなかった頃,彼らがはやぶさ情報を求めて日本語のページを Google 翻訳にかけていたことを思い起こさせるマジックワードなんですね….
T シャツの背中側にリポ D の写真を載せようなんていう発言もw(Subaru さんのアバターがリポ D なのでした)
Put me down for one. Maybe you could print Subaru's avatar on the back.
それにしても,海外のファンは本当に熱いですね.こちらも元気が出てきます.
Keep it on Hayabusa team, we are with you!
"Support" is too weak a word, Subaru...we love her, too, and want her to come home!
長友信人先生の訃報
ISAS 名誉教授の長友信人先生の訃報です.
まったくお会いしたことはありませんが,日本のロケット開発史をひもとくとよくお名前が出てくるので,名前だけは存じ上げていました.糸川先生のお弟子さんだったそうです.ご冥福をお祈りします.
長友先生が執筆された ISAS ニュース.
Gliese 581 のハビタブルゾーンに地球型惑星発見
系外惑星探索もついにここまできましたか!赤色矮星 Gliese 581 に,地球によく似た惑星が見つかったとのこと.
- http://www.astroarts.co.jp/news/2007/04/26gliese581/index-j.shtml
- ESO - eso0722 - Astronomers Find First Earth-like Planet in Habitable Zone
- Error Page Not Found | The Planetary Society
- APOD: 2007 April 26 - Gliese 581 and the Habitable Zone
これはwktkですね.20 光年という数字は,いろいろ妄想できてなかなかよい距離だと思います.赤色矮星の光では光合成がやりにくいという説もありますが,地球上にも近赤外で光合成するバクテリアがいたりするらしいので,意外と何かいるかも知れません.そういや公表された惑星のデータから,「沈黙のフライバイ」がかなりいい線いっていることがわかりました.さすが.
名称、地球からの距離、公転周期、公転半径、惑星直径、自転周期、地表気圧
581c______20.5光年、13地球日、1100万km、1.5地球直径、公転周期と同じ、不明
トーリン__10.3光年、16地球日、 900万km、0.9地球直径、公転周期と同じ、2.6気圧
我ながらよく一致してますね(^^)。他の惑星として「海王星サイズ」があるところも一致しています。
兵庫県立西はりま天文台では,さっそく OSETI(光学的 SETI)を行っているようです.






