2007-11-24
かぐやに続いてはやぶさ関連のニュース特集です.ビデオ「祈り」を BGM に書いてますが,どうも情緒的になってしまいますねw
はやぶさビデオ「祈り」ついにウェブ公開
はやぶさミッションを紹介するビデオ「祈り -小惑星探査機 はやぶさ の物語-」が,11/23 についにウェブで公開されました!!(実際には 11/22 夜からのフライング公開)
BGM はおなじみ甲斐恵美子さんの Lullaby of Muses.CG 製作は LiVE さん.以下には静止画ギャラリーもあります.
高画質の FLV のほかに,WMV やポッドキャストでの保存も可能.DVD に付属する冊子も PDF で公開されています.素晴らしい太っ腹ぶりです.英語版もあるのはいいですね.海外の UMSF.com の人達も絶賛してくれていました.
2008 年春には DVD も発売予定です.
というわけで,管理人も早速拝見しました.
CG のクオリティの高さは白眉です.イトカワ表面をかすめるようにして飛行する様子や,ミネルバ放出シーン,タッチダウン時のバウンドなどのカメラワークに言葉もありません.はやぶさと一緒にイトカワ上空を自在に飛んでいるような臨場感.しかもこれらの驚くべき映像は単なる想像図ではないんです.なにしろ,軌道はもちろんスラスタの噴射回数まで正確に再現されているくらいですから.まさに 2 年前のあのとき,イトカワの表面で実際に起こった事象と思ってよいようです.そう考えると,いかにこのミッションが難易度の高いものだったかをあらためて実感しますね.
擬人化に関しては好き嫌いがわかれるところですがw,今回はかなりライトな擬人化であざとさのようなものがあまりなかったので,非常によかったと思っています.むしろ,はやぶさの国民的人気のかなりの部分が「感情移入」によって支えられていることだとか,子供さんや女性の方々へのアピール力を考えると,こういう要素はある程度は必要だろうと思います.
エンドロールですが…やはり涙しました.誇張でなく本当に泣いてしまいました.大の大人が昼間っからなに泣いてるんだって感じですがね."Special thanks to" にあった「2ちゃんねる『はやぶさ』関連スレッド」「JSpace」「はやぶさまとめ」の文字はやっぱり何度も確認してしまいましたね.こっちは勝手に好きでやっているだけのオタクサイトに過ぎませんし*1,中の人が知ったら本気でキモがられそうなサイトですが,図らずも名前を載せていただいたこと,傲慢にも中の人と同じ地平に立たせていただいたことは,正直心の底から嬉しかったんです.まとめサイトを作ったことは少しでも意味があったのかなと思えた瞬間でした.本当に本当にありがとうございます.
でも実は,思わず涙が出たのは自分が載ったからではないんですよ.それに先立つ場面,エンドロールに流れる運用室の一コマ一コマ,そして何百人もの関係者の名前.その重みが涙腺を刺激したのでした.はやぶさを設計し,技術を開発した方々.サイエンスに関わった方々.M-V-5 の打上げに携わった方々.日々の運用当番の方々.開発から運用まで面倒をみておられるメーカーさん.国内外の共同研究者の皆さん.広報に尽力した方々.事務・総務で彼らを支えた方々.学界の方々.メディアの方々.有形無形の応援をささげた方々.ネット上で見慣れた名前がたくさんありました.個人的にお会いしたことのある人々のお名前もありました.彼らのはやぶさに対する熱い思いは痛いほど知っています.そして恐らく同じような思いを持っているであろう,膨大な人数の見知らぬ人々の名前が流れてゆきました.次々と流れる彼らの実名を眺めているうちに,この数百人の一人一人がはやぶさにそれぞれ何かを託してここまできたのだということ,それらを確かに背負ってはやぶさが飛んでいるのだということを,ぼんやりと考えました.もちろんここには挙がらなかった 88 万人の方々の思いもあの機体には詰まっているはずです.それから,運用室や管制室で働いている方々のふと見せる表情に運用チームとしての誇りと真摯な思いを垣間見たときに,あらためて強く感じたのです.ビデオ前半で堪能したあの驚くべき GNC の陰にいるのは紛れもなく彼らなのだと.自律探査機はやぶさの一挙手一投足は彼らの意志の発現であり,数百人の思いを背負って探査機を動かしているのはシステムでなく人なのだ,ということを強く噛み締めながら,目頭を押さえつつ的川先生の V サインを眺めているうちに,「はやぶさまとめ」の文字が通り過ぎてしまってあわてて巻き戻したというのが真相です(笑).
そしてはやぶさだけではなく,どんな宇宙機にも,このようなドラマがあるし,同じくらいたくさんの人々の思いが詰まっているわけですよね.宇宙開発が巨大事業であり,膨大な数の人間が関わる以上,託されるものの重みは相当なものです.まして宇宙探査においては未知の深宇宙へと向かう一種独特のベクトルがそこに加わります.人こそが探査のドライビングフォースである.管理人がとかく探査に感じ入るのはそういう側面も大きいかも知れません.
ともかく,はやぶさに関わるすべての方々に最大限の感謝を.
うーん,ちょっと呑み過ぎましたかねwwでは次行きましょう.
ビデオ「祈り」公開記念「はやぶさリラックスキャンペーン」各地で展開
ビデオ「祈り」の公開にあわせ,各地の科学館やプラネタリウムなどで「はやぶさリラックスキャンペーン」が展開されています.
個人的にはリラックスする以前に泣けてしまって困るわけですがw
上映情報は順次追加されているようですので,お近くに会場がないという場合でも時間をおいてアクセスしてみてください.
なお,このキャンペーンのポスターが素晴らしい出来栄えです.
この美しい写真は,どうやら有名な天体写真家の大西浩次さんの作らしいです.冬の夜空になにやら彗星が写っていますね!
11/26(サンプル採取実験記念日!)には和歌山大学で試写会とライブ・トークもあるようです.
はやぶさ新公式アルバム「Lullaby of Muses 2」直販販売開始
ビデオ「祈り」でも使われている,甲斐恵美子さんのはやぶさ新公式アルバム「Lullaby of Muses 2」が直販サイトで注文できるようになっています.2007/11/20 発売とのこと.
全曲視聴可能です.旧版と違ってジャケットには池下氏のはやぶさ CG を採用し,矢野さんによるライナーノートも 2007 年秋版に加筆改訂.そしてなんと,川口先生からのメッセージも!
「はやぶさ」は、たくさんの方の応援に支えられ、幾多の困難を乗り越えて、往復の惑星飛行を切り拓くべく、今も地球帰還にむけて航行中。この新たになった Lullaby of Musesがさらに「はやぶさ」を励ましてくれることでしょう。「はやぶさ」で初めてできた成果の一つは、こうした文化を横断した協奏です。我々はこれを大きな誇りと思っています。
宇宙航空研究開発機構「はやぶさ」プロジェクトマネージャー(JAXA)川口淳一郎
<Lullaby of Muses 増刷版ライナーノート>(2007年秋)を探査機チームの矢野博士が執筆。楽曲解説も初版より加筆・改訂。<「はやぶさ」オデッセイは続く>としてMUSES-C(はやぶさ)の解説は勿論、音楽を聴きながら科学もできます。
読売新聞でもはやぶさ2応援に関する記事
11/12 の読売新聞に,はやぶさ2の話が載っていたそうです.
616 名無しSUN [sage] Date:2007/11/12(月) 21:48:43 ID:he0tRMvU Be:
空気読まずにカキコしてみる
今日(11/12)の読売新聞の夕刊の2面に、はやぶさ2の話がちょっと載ってたよ。
編集委員の人も、はやぶさ2計画とそれを応援する人々に注目してるみたい。
620 616 [sage] Date:2007/11/12(月) 22:43:31 ID:he0tRMvU Be:
無断転載ごめんなさい。あと酔っ払ってるんで誤字脱字には目をつぶってね。
読売新聞 夕刊 2007年11月12日 第二面 夕景時評 より
-------------以下転載(1/2)----------------------
宇宙開発と民意 編集委員 知野恵子
「はやぶさ2」実現のために声を上げて-。ジャーナリストの松浦晋也さん(45)が、インターネットで呼びかけている。
はやぶさ2は、宇宙航空研究開発機構が2003年に打ち上げた小惑星探査機「はやぶさ」の後継機。
松浦さんは「太陽系全域の見取り図作りには継続的な探査が不可欠」と話す。
だがまだ研究段階で実現するかどうかは不透明。
そこで文部か楽章の宇宙開発委員会や、宇宙機構は応援メールを送ってほしいという。
はやぶさは、2年前に全国の視線をクギ付けにした。小惑星「イトカワ」に着地、破片を採取し、再び地球に向けて
出発したからだ。
2010年の地球帰還を目ざして今も宇宙飛行中だ。失敗や故障も起きているが、そのたびに一般の人もはらはらし、
自分も参加している気分で「はやぶさ劇場」を見守ってきた。
621 616 [sage] Date:2007/11/12(月) 22:44:29 ID:he0tRMvU Be:
-------------転載続き(2/2)----------------------
呼びかけに応じてか、宇宙機構には昨年末以来約80通、宇宙委にはここひと月で約30通のメールが届いた。
数はそう多くないが「はかの宇宙プロジェクトにはこんなメールは届いていない」(文科省)。
日本の宇宙開発は存在感が薄く、一般の人には何をやっているか見えにくい。
「専門家以外は口を出すな」という風潮も強い。あるプロジェクトのトラブルを取材しようとしたら、担当者から
「マスコミは途中経過に興味を持つ必要はない。我々の成果だけを報道すればいいんだ」との返事が返ってきた。
こうした"伝統"を変えていかないと、宇宙開発はいずれ行き詰まる。
実は宇宙好きという隠れファンは結構多い。そんな人の支援を引き出し、民意参加型の第2のはやぶさ誕生となるか。注目される。
「宇宙機構には昨年末以来約80通、宇宙委にはここひと月で約30通」という情報は非常にありがたいですね.JAXA 宛は思ったほど伸びていませんが,宇宙開発委員会へのここひと月のメール数が予想以上に多いのが救いです.
松浦さんのところでも紹介されています.大手メディアが取り上げてくれるのは本当にありがたいことです.
はやぶさ応援動画新作がさらに 2 作品登場
はやぶさタッチダウンの興奮からもう 2 年.はやぶさ2をめぐって予断を許さない状況が続くなか,はやぶさ・はやぶさ2を応援する動画がまた新たに 2 つ登場しました.「祈り」もいいけどこちらもおすすめです!
一つ目は 392@Part19 さんによる「はやぶさ2支援動画」.
- http://mbl.ptu.jp/space/kako/071115013449.swf(キャプψさんによる格納)
この方は,これまでにもΙΣΑΣ(はやぶさプラネテス MAD)や M-V Commencement(M-V-7 支援動画),ISAS History(NHK 映像の世紀風 MAD)など,名作を手がけておられるベテランです.今回の作品はなかなか音楽が怖いのですが(笑),はやぶさが後継機をめぐる状況に静かな怒りを次第に表出させていくさまとリンクしており,実に効果的です.実際,川口先生が昨年
応援してください、「はやぶさ2」。「はやぶさ」の成果があぶない。
はやぶさプロジェクトサイト トップ
と訴えたあの文章にも匹敵する危機感の煽り方です.さすがうまいなあ.
二つ目は作者不詳,「はやぶさ+ヱクセリヲンのマーチ」.ヱクセリヲンのマーチというのは,アニメ「トップをねらえ!」(「オカエリナサイ」で有名)の曲だそうです.
いやー熱いですねこれ!特にカット割りが素晴らしい.カッコイイ場面を次々と見せる絶妙な編集です.頻繁に挿入される運用室の映像も実にいいですね.この方は,他にプラネテスの主題歌に合わせたかぐやの動画も作っておられますが,こちらもすごいですよ(今のところニコニコ動画でしか見られないようですが).冒頭はプラネテス OP の実写版というのもヤバイですが,音楽とのシンクロぶりは神レベルで,特に 2:09 あたりうますぎます.
独法評価委員会による評価実施,はやぶさは 4 年連続 S 評価
独立行政法人評価委員会による平成 18 年度の JAXA 業務評価が出ています.
はやぶさはなんと 4 年連続最高の「S」評価!こんな高い評価を受けている業務は JAXA 内はもちろん,他の独法でもそうそうあるものではありません.他の業務も比較的高い評価を受けているようではあります.
はやぶさ 2 周年記念ケーキ
はやぶさスレの ◆.hkMuSes.c さん(すげえトリップ…)が今年もはやぶさ記念日ケーキを作成してくれました! これはすごい!軌道も描かれてます.GJ!
759 ◆xWCA3unxDI [sage] Date:2007/11/20(火) 23:04:42 ID:qa7mfN2X Be:
「はやぶさ」着陸2年目!
…と言う事で、今年もいろいろ作ってみました。
来年も祝えたらいいなw 「はやぶさ2」の記念日も祝いたい…
761 759 ◆.hkMuSes.c [sage] Date:2007/11/20(火) 23:14:43 ID:qa7mfN2X Be:
トリが違ったorz
763 名無しSUN [sage] Date:2007/11/20(火) 23:27:52 ID:7ADw6BuQ Be:
軌道に沿ったはやぶさ+イトカワ+地球の創作ケーキ、うまそうw
777 名無しSUN [sage] Date:2007/11/21(水) 22:33:59 ID:GdmsCokj Be:
>>763
ありがとう!軌道と分かってもらえて良かった!!
食べられる物は市販なので美味しかったですw
撮影中も美味しそうな匂いを漂わせてましたw
一応「はやぶさ」後ろ、イオンエンジンぽいのも付けてました(うp忘れてた)
今年はビーズで作ってみました。食べられる物は市販品(ノ∀`) 全部ストラップに繋げてみた。
http://p.pita.st/?pzawvdrt
ちなみに去年の作品はこちら(旧 Wiki からまだ移転完了してません.すいません).
「魔法使いとランデヴー(ロケットガール 4)」
どう見てもはやぶさです,本当にありがとうございました.
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以下,ネタバレ含みます.
ロケットガールシリーズもとうとう 4 作目,しかもはやぶさネタと来れば買わないわけにはいきませんw
2005 年の暮れにロケットガールシリーズ作者の野尻先生がこんなことを書かれています.
|野尻さん、「はやぶさ」を迎えに行く、「はやぶさ」に出会う、みたいなSFを書いてくださいませんか。
もちろん考えてますけど、冥王星探査機を救うやつ(『天使は結果オーライ』)や、NEARのエロス探査を追体験するやつ(『轍の先にあるもの』)をすでに書いているので、ストレートには書きにくいです。なにより困るのは、誰であれ主人公がはやぶさと再会したら、『2010年』でHALと再会したチャンドラ博士と同じことをするにちがいなくて、それはどうしても二番煎じに見えてしまうことでしょう(^^)。
野尻ボード
「ストレートには書きにくい」のは素人目にも明らかです.さて,どう調理してくるか――と期待しつつ読み進めたところ,待っていたのは「テザーと極超音速カイトによる直接回収」という,二ひねりも三ひねりもしたアイディアでした.うーん,なるほど.
そもそも本作に登場する小惑星探査機は,固有名詞以外はほぼ完璧に現実の「はやぶさ」を踏襲しています.外見,ミッションの流れはもちろんのこと,RW の故障とか燃料漏れとかキセノンスラスタとか,果てはリポ D ネタに至るまで「はやぶさ」そのまんまなわけです.となると当然,作品の自由度は減ってくるわけで,その制約のなかで嘘にならない(技術的に実現可能性がある)アイディアを生み出し,ストーリー性を失わないまま形にする作者の技量にはうなるばかりです.というか,ミッションが高度過ぎて,管理人はもはや脳内再生不可能でした orz
とはいえ現実には,はやぶさのバッテリは運用チームの努力で感動的な復活をとげ,今のところはカプセル放出の可能性が確かに残されています.世の中の面白い小説がことごとく霞んでしまうような数々の伝説を生み出しているはやぶさは,ある意味,小説家泣かせの探査機かも知れません.
それにしても本作で登場するような衛星・探査機の回収システムが本当に実現したら,宇宙エレベータに負けるとも劣らないブレークスルーになりますね.先日ご紹介した YES2 実験などもそこに向けた第一歩となるかも知れません.もちろん,技術的,科学的な意義は大変大きいものですが,「ねえお父さん,飛行機で迎えに行けないの?」と言った女の子のエピソードだとか,はやぶさ関連スレで何度となく出る「スペースシャトルかなんかで回収できないのか?(世間的には SFU のイメージが強いのかも知れません)」というような質問に代表されるように,多くの人がやはり「戻ってきたからには地上に降ろしてやりたい」と感じているようにも思えます.その意味でも,本作はこういった人々の思いに対するひとつの鮮やかな解答と言えるかも知れません.
*1:非オタの方々向けにも情報を発信していきたいのはやまやまなのですが,その力量も時間も不足しています.今はマニア向けのニッチ情報を流すだけで精一杯ですが,でもいつかはやはりもう少し広い視点ではやぶさや日本の宇宙開発の情報を発信していければと思っています.






