2007-11-28
「今日のはやぶさ」更新
「今日のはやぶさ」が 11/26 付で更新されました.2 度目のタッチダウンからちょうど 2 周年.はやぶさは一気に地球から遠ざかりました.
日本時間2007年11月26日現在
地球より(Distance from Earth): 178,458,500km
距離のグラフも更新しました.
かぐや地形カメラによる立体視動画公開,その他のミッション機器も続々チェックアウト完了
今週は地形カメラの前方後方ステレオペアによる立体視画像が登場です!空間分解能はなんと 10m.
またその他のミッション機器も多くがチェックアウトを完了し,次々と初期データが送られてきています!レーダサウンダのデータ,素人目にもなんだかすごいですね.
「かぐや」(主衛星)搭載のミッション機器のうち、ハイビジョンカメラ、地形カメラ、マルチバンドイメージャ、スペクトルプロファイラ、蛍光X線分光計、月磁場観測装置、月レーダサウンダー、ガンマ線分光計について、所定の機能、性能を有することが確認され、初期機能確認を完了。その他の機器については、12月中旬までに実施の予定。
12 月中旬より定常観測を開始するそうです.
インドの衛星追尾局が年末に完成,日本に対する運用支援も可能
来年打ち上げ予定のインドの月探査機・チャンドラヤーン用の衛星追尾地上局が年末に運用可能となるようです.
たインドでは、月周回探査機「チャンドラヤーン」のための衛星追尾地上局が2007年末に運用可能となります。万が一、日本の月周回衛星「かぐや」が、衛星追尾地上局の追加などの支援が必要であれば、わが国の地上局を使ってもらうことも可能だと思っています。
かぐやに関するイベント続々
12/23 にはお台場のソニーエクスプローラサイエンスにて,加藤先生によるトークショーがあります.
12/15 からは佐賀の宇宙科学館で「月〜45億年の絆」という特別展があります.ポスターの字が小さくてよく見えませんが,こちらも加藤先生の講演があるっぽいです.
Planetary Blog ではやぶさビデオ「祈り」が取り上げられる
Planetary Blog の Emily さんが,はやぶさビデオ「祈り」を取り上げてくれています.
エンドロールの何百人もの名前にふれ,「このひとつの探査機を飛ばすのにどれほどたくさんの人が貢献したか」について語っています.個人的には Emily さんや unmannedspaceflight.com もクレジットに載せられたら良かったなあと思いますね.海外への周知という点において,彼女に負うところは大変大きいわけですから.
I can't read the kana of course but I wouldn't know the names anyway; that doesn't really matter. Seeing the hundreds of names scrolling by gives you a sense of how many individuals contributed to making this one spacecraft fly. At the very end, credit is given to "All of the people of the world who have supported Hayabusa." On behalf of some of those people, I say, thank you to JAXA, for letting us come along for the ride!
擬人化については「NASA や ESA ではありえない」「機械に人格を与えるというのはちょっとめめしくて感傷的だ.でも世間一般に対して知的な側面だけでなく,惑星空間へのロボット使者の『生命』への感情移入を促したという点で,JAXA に拍手を送りたい.エンドロールに記載された人達は,はやぶさが経験した成功やトラブルを通じてたくさんの感情を抱いてきたにちがいない」「我々弱き人類が行かれないような場所をいま探査している機械たちに対して,もっとたくさんの人たちが愛着を感じるようになってほしい」というようなことを書いています.
Throughout the movie the spacecraft is given an inner voice and personality through subtitles, something that would never be done in a similar movie by NASA or ESA. And, granted, it's a little sloppy to give personality to machines. But I applaud JAXA for inviting the public to have not just an intellectual attachment but also an emotional involvement in the "lives" of their robotic emissaries into interplanetary space. You can be sure that the men and women who were listed in those credits have felt plenty of emotion through the successes and setbacks experienced throughout Hayabusa's long -- and continuing -- journey. That's part of the thrill of space exploration, and I wish more members of the public felt such an attachment to the machines that now explore where we weak humans cannot.
NHK,ディスカバリーチャンネル・カナダのかぐや映像ネット配信に対し「契約に含まれない」
だそうです.
なお、ディスカバリーチャンネル・カナダのサイトでは映像配信も行なっており、「かぐや」の映像も配信されているが、NHKは「今回の契約にネット配信は含まれない」としている。
「きずな」の打上げは 1 月以降か,現在は性能試験中
「きずな」は 10/27 に種子島に搬入され,推進系機能試験は完了,現在電気性能試験中.今後は衛星組立ののち,1 月頃に推薬充填し,その後打上げ準備に入るようです.追跡管制計画書も出ました.
- JAXA|超高速インターネット衛星「きずな」(WINDS)の開発状況及び基本実験について
- JAXA|平成19年度冬期ロケット打上げ及び追跡管制計画書超高速インターネット衛星(WINDS)/H-IIAロケット14号機(H-IIA・F14)(案)
この H-IIA F14 で使われる LE-5B-2 や SRB-A3(ノズルのみ使用)についても出ています.
嫦娥 1 号,月面の写真を初公開
嫦娥 1 号がついに月面の写真を送ってきました.19 枚の画像から合成したものだそうです.
Planetary Soeciety には 2278x3810 という超巨大画像が載っています!
なんかネットを見ると,中国国内で「Google Moon の画像を使った捏造じゃないのか」っていう声が出ているようで….そっくりだといわれても,同じ場所を撮っているんだから似るのは当たり前だし,よく見ると光の当たり方はちゃんと違っています.自国の衛星を信じてやれよと言いたいところですがねえ.
それより,中国航天の公式サイトで画像が間違ってることのほうが気になるなあ.嫦娥の開発者に対しても失礼な話っつーか….
JAXA タウンミーティング鳥取の報告
出てます.
タウンミーティングの質疑って,宇宙開発オタのマニアックな質問と,ちょっとピントずれちゃってる系の質問とに見事に二分されるから面白いですねw
日本の政府は非常に借金を負っておりまして、厳しい状況の中で宇宙開発をやっています。私どもこういうタウンミーティング等でいろいろ直接皆さまのご意見をお聞きすると、「ロケット等には、1800億円ぐらいJAXAは年間かかっています。それは国民一人で言うと、1000円とかそういうことになるかもしれません」と言うと、よくやっていると、もっと頑張れという意見も結構あります。ただそれは、通常の状態で、JAXAの宇宙事業は今、成功していて、良い雰囲気ですので、そういうお話になるんですが、例えば、種子島でロケットを上げて、失敗した。衛星も積んでいますから、それもみんな海の中に入った。そうするとおそらくその1年ぐらい、直後はもっとすごいんですが、宇宙開発の在り方を含めて、何やっているんだ、と、どういうことをやっても、そういう図式になってしまいます。
JAXAはPRが下手だ。CMを打て、コマーシャルメッセージを打てと言われて、どんどん私ども考えているのですが、それは皆さんの税金でやっているわけですから、ロケットとか人工衛星開発の方に私どもは資源を注ぎ込むわけです。こういうことをやっていますよ、と、ゴールデンタイムにテレビコマーシャル打つようなことはできないという状況で、どういう形で私どもの実態を、状況を、あるいは将来計画を知っていただくかについて、いつも苦慮しています。インターネットでは、皆様がアクセスしていただければ十分答えられる、あるいは十分な情報が私どものホームページにあるんですが、これはあくまでもアクセスした方だけのお話であって、インターネット、パソコンなんかに接していないという人達も結構まだいらっしゃるわけなんです。
広報の問題は難しいですよね.JAXA は独法・政府系機関の中では群を抜いてよくやっていると思いますが,同時にまだまだ足りないなあとも思っています.
参加者:国は大きな借金を抱えていますのでなかなか予算の確保ができないと思うんですが、ここにこうやって集まっていらっしゃる方は非常に関心がある方がやっぱりいらっしゃるんですよね。そういう方たちから何とか、少しずつのお金でも集めるような、基金みたいのをつくってカンパしてもらう。そういうやり方はできないのでしょうか。「はやぶさ」が飛んだとき、非常に自信を失っていた日本人に、大きな希望とか、夢をもたらしてくれたと思うんです。今回の「かぐや」が美しい映像を送ってきてくれたりとか、日本人として誇らしく思っているんです。それで応援している方もたくさんいらっしゃると思うんです。だけど政府はお金がないとか言っている。じゃあ何とかしなくちゃいけない。やはり国民自身が、小さな金額になるかもしれませんが、それも塵も積もれば山となるというかっこうで、何とか応援したいと思うんです。そういうのができれば私たちも、年に千円とか、少ないかもしれないですが、そういうのをどんどん皆から集めていけばかなりの金額になるのじゃないかなと思います。
矢代広報部長:ありがとうございます。実は今年、別の場所でタウンミーティングやった時に、全く同じような観点で、科学衛星に対する寄付金の話などが出ました。今それをJAXAの中で具体的に受け入れられる方法があるのか検討している最中です。もしもこの結論が出ましたら、タウンミーティングのホームページのところに、結論が出ましたというような形で報告をさせていただきたいと思います。
お,これはいいニュース.ぜひ,寄付できるようにしてほしいなあ.
TRMM 姿勢制御ゲーム公開
EORC にて,TRMM の姿勢制御を行うゲーム「宇宙管制官になって軌道コントロール!」が出ています.
これ,けっこうハマりますね(笑).3 回くらいやってしまいました.スラスタはけっこう長く押さないと火を噴かないようです.それにしても高度はすごい勢いで下がるし,姿勢はすぐに傾くし,ほんとにこんなに安定性が悪かったら大変です(笑).
追記(2007-11-29):萌えニュース+板に専用スレがwww
秋田大学,宇宙教育ボランティアのためのリーダーズセミナーを開催
秋田大学は来年 1 月をめどに「宇宙教育ボランティアのためのリーダーズセミナー」(宇宙教育指導者研修)を開催するそうです.
セミナーを通じて『ロケットの秋大』をアピールしていきたい
ちなみに実際の新聞の紙面のほうは面白いことになっているようです.
今後は秋山先生のことを考えるときは,脳内でこのイラストを想像することにします(笑)
「星になったチロ―イヌの天文台長」
天文ファンにはおなじみの藤井旭さんの愛犬,チロと星仲間達の物語.
- 作者: 藤井旭
- 出版社/メーカー: ポプラ社
- 発売日: 2002/09
- メディア: 新書
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以下,ネタバレ含みます.
チロはただのイヌではありません.なんと,白河天体観測所という天文台の正式な台長でもあるのです.そんなチロと天文台の星仲間達との交流を描いたノンフィクションです.まさかと思うような珍事件や数々の御手柄は語っても語っても尽きません.誰からも愛されるチロを描く筆致は実に暖かく,子供さんはもちろん大人もすっかり引き込まれてしまいます.星好きの人ならニヤリとしたりうなずきたくなるようなエピソードも満載.また大量の写真が掲載されており,イヌ好きにはたまりません.愛くるしい子犬時代のスナップから,成犬後のアイヌ犬独特の凛とした姿.天文ファンが集まる場の写真には,いつもチロが写っています.写真を眺めるだけでも癒されます.チロだけでなく,藤井さんによる美しい天体写真も多く収録されています.
天文学者から全国の天文ファンに至るまであらゆる星仲間と仲良くなり,テレビに出演したり,隕石捜索隊を率いたり,果てはイベントを取り仕切って数千人もの人を集めたり….管理人はそれらをリアルタイムでは体験していませんが,本書を読むと,チロが当時の天文界にとってどれほど大きな存在だったかを想像することはできます.恐らく天文家なら知らぬ者はないアイドル犬だったに違いありません.そしてたぶん,今でもチロは伝説的存在として天文ファンの間で語り継がれているのでしょう.一度会ってみたかったなあ.
ちなみに管理人が幼少時この本を読んだ際,藤井さんや星仲間達の暮らしぶりを心底うらやましく思ったものでした.この本を読む限りでは,気の向くまま愛犬を連れて天体観測に興じたり,ふと思い立って天文台を作ってみたり,イベントやアストロ鍋で盛り上がったりと,子供心に「人間ここまで趣味と道楽を突き詰めた生活ができるのかw」と感心してしまうほどの自由な暮らしに思えたのです.実際は雑誌の編集やイラストの仕事などを本業にされていたわけで,今読み返すと別に遊び暮らしていたわけでもなんでもないことがよくわかるのですが,それでもやはり自分の天文台を持っているというのは魅力ですよねえ.
チロが台長を務めた白河天体観測所は今は大野裕明さんが個人観測所として運営されており,残念ながら一般への公開も場所の公表も行うつもりはないとのことです.
しかし,福島市にある浄土平天文台に行けばチロの座像やチロアルバムが見られるそうです.
近年オーストラリアには藤井さんによって,姉妹天文台としてチロ天文台が設立され,さらに小惑星 1995 UW8 に「チロ天文台」という名前がつけられているとのこと!



