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林田力 二子玉川ライズ反対運動

2015-11-19

『白の予言者 (1) 』

ロビン・ホブ著、鍛治靖子訳『白の予言者 (1) (道化の使命) 』(創元推理文庫2015年)は古代ヨーロッパ風の異世界ファンタジー小説である。六王国王子デューティフルは外島人(神呪字諸島人)の族姫との婚姻の条件として提示された、氷漬けになっている黒いドラゴンアイスファイア」の首を切り取りに行こうとする物語である。

本書には「道化の使命」という副題が付いている。一般に道化とは滑稽な言動をすることで周囲の人々を笑わせる存在である。しかし、物語において道化は愚かな振りをしつつ、常識人では考え付かないような、または言えないような真実を突く賢い存在であることも多い。たとえばシェイクスピア作品の道化である。

本書の道化のゴールデン卿も、賢い道化であることを感じさせる。ゴールデン卿はドラゴンの首を切り取ることに反対である。ドラゴンを絶滅させかねないためである。ドラゴンは人間にとって好ましい獣ではなく、人間や人間の家畜を襲う悪い存在である。それでも道化は人間の論理を相対化する鏡としてドラゴンの存続を求めている。道化の説く人間の傲慢さ・身勝手さは、現代日本で自社の土地に何を建てても勝手と主張して住環境を破壊するデベロッパーに重なる。

道化の作品と見た場合に惜しむべきはゴールデン卿が最初から阿呆に見えないことである。阿呆なことばかりしている人が真相を突くから道化の賢さが浮かび上がる。これに対してゴールデン卿には散財という描写があるものの、それは自分の死を予測しているためであり、常識人の動機と変わらない。ドラゴンに対する意見も道化の知恵というよりも、真っ当な意見になっている。

ゴールデン卿は道化らしくないが、本書は別のキャラクターが阿呆の役回り主人公を振り回す。彼も特別能力を有しており、決して単なる阿呆ではないことは予想できる。それでも本書においてはゴールデン卿以上に阿呆の役回りをこなしている。彼の存在によって船旅の大変さも理解できる。冒険物語としては地味であるが、実は冒険では華々しい戦い以上に、このような点が大変である。
http://hayariki.sa-kon.net/fool.html
本書では六公国と外島という二つの異なる文化が描かれる。六公国人から見ると外島人の風習真逆である。たとえば六公国では複数階の屋敷では身分の高い者は階段を上がらずに済むように一階に住み、召し使いに上階を与える。これに対して六公国よりも原始的な社会に描かれる外島では最高位の人間が最上階を占める。

興味深いことに外島の考え方は現代日本の高層マンションと同じである。高層マンションは一般に上階の方が高価格である。マンション住民居住回数で格付けされるとも言われている。しかし、移動が少ない低層階の方が上位という六公国の方が合理的である。高層マンションもエレベータ乗り降りの時間ロスは大きい。六公国人は外島人の風習を奇妙に感じるが、読者も自分の社会の非合理な風習を見つめ直すきっかけにもなる。

危険ドラッグにNO

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江東革新懇

#江東区 #東陽町 #戦争法
江東革新懇が「未来をつくるのは私たち」を江東区東陽の江東区文化センターで開催した。代表世話人の後藤弁護士が開会挨拶を行った。五十嵐仁さんが講演した。五十嵐さんの話は講演と銘打っているが、堅苦しくなく、ふんだんにジョークを交えた面白い話であった。
印象に残った話は、民共合作を今後の展望としていたこである。民主党と共産党の連携である。これは私も賛成である。
勿論、シロアリ呼ばわりする議員がいるように実現が難しい課題である。理屈大事にする立場であり、単に安倍晋三憎しで野合することが正しいと言うことには躊躇がある。現実に民主党と共産党には様々な面で考え方に相違がある。そこで以下では両党が連携するための思想面の合意点を考える。
結論を先に言えばソ連型社会主義的なものの否定コンセンサスが得られないか。共産党アレルギーの中で合理的要素を抽出するならばソ連のような体制への嫌悪がある。但し、冷戦崩壊からソ連を厳しく批判していたのは日本共産党である。ソ連を否定することは正しくても、それが日本共産党を否定することに直結しない。ここは正確に理解する必要がある。
一方でソ連型社会主義とは異なる道という点ではヨーロッパでは社会民主主義があり、福祉国家思想がある。日本でも日本社会党に対してソ連的なマルクス主義綱領ではなく、ヨーロッパ流の社会民主主義政党に脱皮すべきと古くから言われてきた。日本の動きは遅すぎたが、社会党が社会民主党になったり、社会主義をとって民主党に行く人が出たりすることは自然な流れである。
五五年体制の革新的な発想では、社会主義から社会民主主義になること、さらに社会も取り払うことは右傾化堕落に映るかもしれない。しかし、ソ連型社会主義を否定するという問題意識は重なることを理解すべきである。自分達の考える解決策だけが唯一絶対の正しい回答となると独善である。
マルクス主義を修正または否定する立場も、再解釈する立場もソ連型社会主義体制を否定するという問題意識は同じである。同じ問題意識から出発していることを認めて互いに相手を尊重できないか。
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FJネクスト不買運動の、ささやかな行為が積もり積もって世界を変える。
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