『乱鴉の島』

乱鴉の島

乱鴉の島


有栖川有栖氏の新作キターーーーーッ!!


…とファンなら思わず叫んでしまうこと請け合いの一冊でございますッ!
※って、江神先輩はーッ!と叫びたいところを良い子はぐっとガマン


しかも作家アリス&火村先生シリーズで〝孤島モノ〟でしてよッ!



都会を離れて、離党の民宿でのんびり骨休め…のつもりが
ちょっとした手違いから〝烏島〟なる異名を持つ島に上陸してしまったアリス&火村


この二人が絶海の孤島にいて平穏無事に休日が過ごせるはずもなく……(笑)


孤高の人として知られる大作家を囲む、わけありげな人々
いきなりヘリで乱入する、意外な侵入者
…そして案の定発生する殺人事件。


丁寧にも、唯一の連絡手段である電話線は切られ
もっとも怪しい人物はいずこかへ失踪…。



お約束の〝孤島モノ〟設定、てんこ盛りでお届けいたしますッ



さて、この作品、もちろん有栖川有栖作品ということで
しっかりミステリとしてまとまっているのですが、氏にしては珍しいところも…



期せずして超!現代的な要素が盛り込まれております


元は連載モノということで、ここまで世情に合わせる気はなかったものと思われますが、
読んでみるとなんだか、あざとく感じてしまうこの不思議…。


それがテーマそのものではないのですが、
対比としてあまりにも対照的なので印象に残りますな。


高尚なものと卑俗なもの、内と外、老いと若さ…


一見ケバケバしくなりがちなところを、トリック込みでさらっとまとめているのが
また有栖川氏らしいさくひんでございます。


んーでも、やっぱり火村先生は短編の方が好みかなあ…(笑)


そして、そろそろ江神先輩に会いたいですぞ!

『あしながおじさん』

あしながおじさん (角川文庫)

あしながおじさん (角川文庫)


今週の名作枠はウェブスターのこの作品です。


世界名作劇場でもおなじみですなッ!


物語、というよりは主人公ジューディーが正体不明の紳士〝あしながおじさん〟に宛てた書簡集の体裁をとっているので読みやすく
ジューディーの快活さやみずみずしさがよく伝わってまいります。


また、書簡の端々に数々の名作の名前が出てきて教養の勉強にもなりますぞ!


…というかちょうど最近読んだ『ハムレット』や『宝島』
読んでないど最近知った『虚栄の市』*1モーリス・メーテルリンク*2に触れられていてちょっと得した気分になったり…。


主人公のジューディーとはなかよくなれそうです(笑)


このジューディーの性格がまた徹底的にオプティミスト
竹を割ったようにきっぱりはっきりしていて
孤児院で育った陰鬱さなんぞはちょっともございませんッ!


   この点はどの人にもあてはまることだとおもいます。


   逆境や悲しみや失意によって、精神力が高められるという説には、私は反対です。
   幸せな人こそ、親切心を溢れるばかりにたたえている人なのです。


   厭世家なんて私は信用しません。


…こんな風に前向きっ娘!


ハヤシ自身も基本的にオプティミストなので、
大いに賛成するところでございます。


さてさて、普通に読んでいてももちろん面白いのですが
有名な作品ゆえのネタバレ前提で読んでいても面白いです。


この作品の場合は〝あしながおじさん〟の正体ですな


…んーネタバレだし一応下げておきますので
OKな方のみクリックプリーズ!!


以下、ネタバレ感想です

*1:北村薫の『街の灯』で出てきた

*2:『青い鳥』の作者

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『ふわふわ』

ふわふわ (講談社文庫)

ふわふわ (講談社文庫)


なんとか滑り込みで、図書館貸し出し枠から一冊。


世界のハルキ・ムラカミ×安西水丸コラボの〝ブンコ絵本〟でございます。


絵本というよりは詩のようの印象で、
わりとあっさりの読み味でございます。


猫の話なので、猫派の人にはオススメかも?


んー、なんと言うか感想の言いにくい一冊でしたな
(つまらないというのではない)