備忘録

科学技術論を専門とする大学教員・研究者である林真理の教育、研究、生活雑記。はてなダイアリーから移行してきました。

科学技術館(竹橋)

 某祝日、日本の産業界がその成果を発信するアウトリーチ御殿=「科学技術館」に。
 いきなり8歳児がつかまる自動車業界のコーナー。何しろ、入り口横のエスカレータを上がってすぐの好立地。日本産業界の雄は自動車業界なり、という主張のこもった配置だ。来場の子どもたちはドライビングシミュレータに夢中で、多分ゲームセンターに来たのと気分的に大差ないのだろう。わが8歳児も、無理な姿勢でバイクにまたがるなど、楽しそう。
 ロボットコーナーで最初に目を惹くのは受付「嬢」の「アンドロイド」さん。年齢を当てさせる会話をしているのが耳に入った後で「愛・地球博でも受付をしてました」というので、じゃあ今何歳だよとつっこみそうになって、ロボットの10年前ってもう歴史の遺物じゃないかと考える。NECのパペロの音声認識も全然うまくいかず、たしかにそういう機能だけが売りではないのかも知れないけど、最先端から程とおい展示に見えてきてしまった。どちらにもそれほど興味を持たなかった8歳児が、最も親しみやすい(一番生きものらしい?)と判断したのは、人間の言語を発しないアザラシ型ロボットのパロである。引き離すのに苦労した。山海先生のビデオが地味に流れる横に、ただ置いてあるだけのロボットスーツが、本当は一番凄いのかも知れない。
 演示実験は、大気圧と電磁石。どちらも定番の上演と思われ、非常に慣れた上手な進行。だが、古典的すぎて、派手なものに慣れてしまった今の子どもには、もしかすると不満になるのかも知れないと心配してしまう。