北アルプス立山スキー山行 5/2・2日目(剱沢&雷鳥沢滑降)

雷鳥沢7:00→剣御前小屋9:45/9:55→小ピーク10:20/10:35→剣沢小屋付近10:40→剣御前小屋11:45/11:55→小ピーク12:40/12:50→剣沢小屋・剣御前小屋中間付近12:55→剣御前小屋13:35/14:00→雷鳥沢14:20

夜中、一度だけ目が覚めて、フライのジッパーを開けて満天の星空を拝んだが、写真撮影に出る気にはなれず、すぐにそのまま寝入った。

そして次に起きたのは5時。11時間睡眠です・・・w

枕元の水は寝返りのたびにゆすられるおかげか凍っていなかったが、自分から離れた場所に置いた方はガチガチに凍っていたw そして登山靴もハードブーツ化してました・・・ 他の装備には異常ないようで、一安心。

にしても、こんな状況で11時間も寝続けるなんて、ホントにおバカw

水はひとまず生きてるのがひとつあるのでいいとして、問題は凍った靴w 本体は歩きながら足の体温で徐々に解かせばいいとして、靴紐がほどけないとどうしようもない。仕方なく、コンロであぶって解かすという策に出た・・・ で、ひとまず成功w


朝食はサッポロ一番・みそラーメン。



今日も快晴。雲ひとつ見えない!

5時といえばとっくに日の出の時間を過ぎていて、空はすっかり明るくなっているが、雷鳥沢は立山連峰が立ちはだかるために7時ごろまで日は差さない。

GW後半に向かって天候が悪化するとの予報が出ていたので、晴れているうちに良い場所を滑ってしまうことにした。

本日の行き先は剣沢。

といっても、下まで滑降すると登り返しが途方もなく大変だし、そもそもこの時期だと富山県の登山条例に抵触してしまう。昨日と同様に剣御前小屋まで登って、剣沢小屋あたりまでの範囲でぶらぶら遊ぶ計画だ。


昨日と同様に、スキー板を引っ張る準備をして、剣御前小屋にむけて登る。アイスバーン気味だったが、昨日登ったときにはバッチリ階段がついていたので、アイゼンはつけずに、登山靴で出発。(ブーツはザックに入れて)

最初だけ沢に向かって下るので、その場所はカラビナを外してスキー板を流すw スキー板さんは20mほど楽しそうにシュルシュル〜っと滑って、沢のところで止まりましたw



改めてカラビナをザックにセットし、長い斜面を登り始める。天気は言うこと無し! 言うことなさ過ぎて・・・あ、熱い・・・・・・ 昨日焼いてしまった耳を保護するため、ニットをかぶって登っていたが、ハットを持ってこなかったことが悔やまれる。

斜面はしっかりと締まっており、昨日ついたトレースに足を置いていくだけでスイスイ登ることができる。昨日とは大違いだ。

一方、スキー板がひっくり返ってひっかかる現象がまたも頻発し、非常にイライラする。ビンディング同士を細引きで結んでみようとしたが、すぐに外れてしまい意味を成さない。(決定打を思いつく3時間前のことw)

だが天気は最高だ。体調も昨日と比べればすこぶる良い。ほとんど鼻をかまずに登ることができたw



ピーカン!


そして立山


そして再び小広場にやってきた。今日はこの先の急斜面トラバースを越える必要があるため、ここからはスキー板をザックにくくりつけて移動する。A字型にするとバランスが良いらしいが、今回はスキーを普通にバンドで固定して、ザック後ろ側に横向けにくくりつけた。

スキーを引っ掛けないように注意しながら歩いていけば、剣御前小屋に到着する。ここで行動食を取って小休止。



冬毛の雷鳥さん。みんなの人気者です。


ここからそのまま滑り込んでも良いのだが、ちょっと斜度が緩すぎるように見える。せっかくなら、もう少し斜度が急で、シュプールのついていない斜面を狙いたい。

そこで、剣御前方面へもう少しだけ登ることに。こっちに行けばきれいな斜面が期待できるし、何より、剱岳の展望が素晴らしいとの評判だ。

標高差数十メートルを登ると・・・



雪稜の向こうに剱岳


眺めていらっしゃいます。


2つ目の小ピークでから滑降開始とし、スキーブーツに履き替えてしばし休憩。



この斜面へ行きます。これぞ本物の「全面滑走可能」w


剣沢小屋より少し上の地点を目指し、滑降スタート! 25度ぐらいの快適な中急斜面を滑り降りる。ノートラックで快適!

そして、剣御前小屋〜剣沢小屋のトレース上に合流し、ここでストップ。



ここから登り返しになるが、スキーブーツのまま登り始めることにした。バックルを全て緩め、ベルトもはずす。で、歩いてみると意外とこれが良い具合。雪の上を歩く限り、登山靴より歩きやすい。(もっとも、冬の間毎日コレを履いていて慣れているということもあるがw あと、岩場に行くとトホホな状態になりますw)

そして、懸案だったスキーの引っ張り方・・・あることを思いついた。スキーバンドで両スキーを縛ってしまえばいいじゃないか!


こういう風w こうすれば両スキーがぴったりくっついてくれ、横転してひっくりかえることもない! だが、この方法だとスキーバンドが雪面に接するため少しばかり抵抗が生じてしまい、まだ決定打ではなかった。


途中、一箇所だけ岩の露出した場所があるが、そこでまたしても雷鳥さんに遭遇w



剣沢はゆったりとしたU字谷。緩斜面の向こうには剱岳が鎮座している。


晴天の中、再び剣御前小屋まで到着。登ってくる途中に別山方面を見ていると、良さそうな斜面の割にシュプールは少なく、これは狙い目ということで、先ほどとは反対方向の稜線を登ることに。この先は岩場歩きとなるため、足回りは登山靴にはきかえ、スキー板はA字で担いでみることに。

稜線を歩くと、さすがにそれなりの風が吹き付けてくる。無風だとむしろ不気味に感じてしまうw

あまり行き過ぎると斜度が急になりすぎるため、別山の一個手前の小ピークから滑り出すことに。目標は、先ほど登ってきたトレースの真ん中あたり。



ここから左手に向かってドロップイン! 右手の山が別山


きれいな斜面を2回に分けて降りる。途中、雪上訓練をしている団体さんの横を通過。


滑ってきた跡。ノートラックのバーンって素晴らしい!


そして、スキーの引っ張り方第2弾w ついに思いついてしまった! ゴムバンドの切れたやつを取り出して・・・

(なんかうまく出てないんですけど、クリックするとちゃんと出るみたいです・・・)

ビンディングの金具を縛る!(やや分かりにくいですが、後側ビンディングの間にゴムバンドが結ばれています) これは完璧だった。適度な伸縮性があってうまく対応してくれるし、トラバースでも絶対に板がバラバラにならない!



またまた登り返して、みたび剣御前小屋に。

そろそろ良い時間になってきたので、テントへ戻るべく、いよいよ雷鳥沢方面へと向かう!

昨日はスタート地点の関係で西寄りスタートだったが、今日は小屋直下から雷鳥坂の尾根を滑り降りることに。小屋直下は少しだけ岩場歩きがあるが、A字担ぎは面倒なのでスキー板は手に持ち、スキーブーツでそのまま下った。ほどなくして雪のある場所に到着。

板滑落に注意しつつ、スキーを履く。

雷鳥沢周辺は人気のある斜面のため、めぼしい斜面はシュプールだらけになっていた。穴場探しということで、ハイマツをよけながら左寄りにトラバースしていく。

しばらくトラバースするとハイマツ帯にぶち当たってしまったので、ここからドロップイン。シュプールは割と少な目だったが、南斜面とあって、剣沢と比べると格段に雪が重い・・・ そうは言っても、この時期にこの大斜面はすごい!


最後は緩斜面に突入してしまったので、思いっきり漕いで大回りで飛ばす。



最後の10mほどの登り返しに悩まされながらも、テントへ帰着。ふぃ〜w



日差しがまだしっかりあったので、テントの上に寝袋やフリースなどを出して干す。

そして夕食タイムw 今日はぺペロンチーノパスタとポタージュスープ。

温泉、もといお風呂は雷鳥沢ヒュッテに行くことに。ここのお湯は沸かし湯なので注意w 設備はひなびた感じがしますが、卓球台があったり、休憩所には本がいっぱい置いてあったりして、温泉宿らしい味があって大好きです。

帰り際に受付のおじさんと少し話していたのだが、梅雨の時期などは下界は雨天でも上までは雲が上がってこず晴天になることが多いらしい。明日も似たような状況になるらしく、意外と天気は持つかもしれないとのことだった。これは期待!w


外はすっかり夕暮れ。


テントに戻ったのは18時半ごろだった。今日は星空の撮影をやっておきたかったので、テント内の整理をしたり、芋焼酎のお湯割を飲んだりして、暗くなるまで時間をつぶす。


・・・さあ、いい時間になってきたぞ。





その後、ほどなくして就寝。