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連続雑談企画「エイチビー番外地」

2012-01-12

エイチビー番外地 第007回 祖母

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 東広島市の八本松という町に、ぼくの実家がある。

 両親が共働きだったので、学校が終わって帰るのは母方の祖母の家だった。祖母の家は同じ町内にあったのだが、どういうわけだか僕と両親が暮らす家と祖母が暮らす家は別だった。夜になるまで祖母の家で過ごし、広告を細く丸めた剣を使って兄弟でチャンバラをして、兄にやられたぼくが泣き始める頃に母が車で迎えにきて自分の家に帰る、というのが小学校の頃の生活パターンだった。

 そんな育ち方をしたから、ぼくはおばあちゃん子だ。祖母はよくお小遣いをくれたから、というのもある。中学校に上がるとまっすぐ自分の家に帰るようになっていたが、家を訪れるたびにお小遣いをくれていたので、ぼくは用もないのに祖母の家に行くこともあった。

 ぼくの実家は広島で、1927年生まれの祖母は被爆者だ。だけど、昔の話を祖母に聞いたことはほとんどない。祖母の嫌な記憶まで引っ張りだしてしまうんじゃないかと思うと、怖くて聞けなかったのだ。

 それなのに、今回祖母に昔話を聞いてみようと思い立ったのにはいくつか理由がある。一つには、数年前から祖母が同じ話を繰り返すようになったから、というのもある。今回話を聞いているなかで、20回くらい繰り返された話もある。不思議なのは、繰り返されるたびに話の色合いが変わったり、話の角度が変わっていたりすることだ。記憶というのは、そういうものなのかもしれないが。ようするに、聞けるうちに聞いておこうというのが一つの理由。

 ただ、理由はそれだけではない。最近ぼくはあちこちのドライブインをまわっている。ドライブインをまわると、その土地に沈殿した空気に触れることになる。その辺りの生活様式を意識する。あちこちの生活に思いを馳せているうちに、はて、自分が生まれ育った町や家について、ぼくは何を知っているんだろう?と思うようになったのだ。それが今回、祖母に話を聞いたもう一つの理由だ。

そんなわけで、今回はこんな小さな町の話です。

(話を聞いた日:2012年1月4日)

PART 1
⇒⇒「今頃は皆が長生きになっとるけん、80、90はあっという間よね。」

PART 2
⇒⇒「うちは私は軍国乙女じゃったけん、『免除してもろうてまで勉強しとうない』言うてね。馬鹿な考えに染まっとったよね。」

PART 3
⇒⇒「コメはあるし、鶏を飼いよるけん卵もあるわいね、ほいじゃが魚を買うことは月に何回かしかなかったよ。」

PART 4
⇒⇒「昔はね、広島に短歌の会があったけん、そこへ通いよったんよ。それがあるとき、こっちで会を立ち上げることになったんよ。」

PART 5
⇒⇒「記憶の外側のこと」