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2009年05月23日(土)

マイナーエロゲー発掘企画「わたしが知らないスゴエロゲは、きっとあなたがプレイしている」紹介作品発表 Part1

ご挨拶

こんにちは、へなへなです。

おかげ様で多数の応募を頂きました。

参加していただいたエロゲーマーの方、またこの企画を賛同・宣伝していただいた方にこの場をお借りしてお礼申し上げます。

ありがとうございました。


それでは応募作品の公開です。

なお、公開順はエントリー順となっています。

もし、記事に誤字脱字がありましたら、コメント欄でご指摘ください。


記事が長くなったので2部構成となっています。

マイナーエロゲー発掘企画「わたしが知らないスゴエロゲは、きっとあなたがプレイしている」紹介作品発表 Part1 - 電波ゆんゆん@はてな出張版

マイナーエロゲー発掘企画「わたしが知らないスゴエロゲは、きっとあなたがプレイしている」紹介作品発表 Part2 - 電波ゆんゆん@はてな出張版


aquirax_kさん

donor [ドナー] 初回版

donor [ドナー] 初回版

数ある鬱ゲーの中でも超重量級の一本。

とにかく主人公がひたすら無力。

キャラが不幸な目に遭うのをひたすら見守る。

カタルシス皆無のどM向けの一本。


草薙静流さん

在り来りな物語に飽きているなら手に取って欲しい作品。ある日、夜の校庭でしっぽの生えた女の子を見かけたという切っ掛けから始まる予測の付かない物語はおおよそ商業作品では味わえないものでした。半端マニアソフトさんらしい唯一無二の設定でやや説明不足の感もありましたが、クリア後の爽快感は最後までプレイしないと味わえないので手に取って欲しい1品です。


ひろしさん

しすたぁ☆ボーイ

しすたぁ☆ボーイ

女の子だらけの寮と学園が舞台の恋愛シミュレーションです。大きな事件が起こるわけでもなく、ボイスもなく尺もほどほどで、当時としても小粒なゲームでしたが、独特な会話の妙がとても印象的です。

「独特」と言ってもエキセントリックな台詞回しが出たり話題がキワどいとかではなく、普通だけれど何処か小気味の良い言葉の応酬と言った感じで、とても引き込まれるものがあります。

メーカーは活動を休止して久しいですが、体験版がまだダウンロードできるので、気になった人は是非プレイして、雰囲気を味わってみてください。物語中盤(個別シナリオへの分岐手前)までプレイできるので、ゲーム全体のボリュームも分かるかと思います。

今思ったのですが、何となくほのぼの系4コマ漫画とかに通じる魅力があるのかなとか思ってみたり。主人公を含め、全てのキャラが好きになれる良作です。でも一番は姫乃先輩

わたしのありか。

わたしのありか。

不可視の羽根っ娘(10万14歳)に取り憑かれた主人公が、魂の美味そうな女の子と性交を繰り返すという爛れたお話です。

全体に漂う退廃的な雰囲気が秀逸。病とか死とかがテーマのシナリオが多いこともありますが、絵と音楽もそれにがっちり合致しているのが実に素晴らしい。

好感が持てるのが、その暗い世界の描写が細部まで一貫しているところです。軽いネタバレになりますが、あるヒロインとのエロシーンで、体に残る大きな傷をしっかり描いているところに感心しました。

もちろん陰鬱とした展開だけではなく、濃いエロシーンや切ない恋愛、お涙頂戴のエンディングもありますので、エンターテインメント性も十分です。が、ゲーム的には難度が割と高く非常に面倒臭い向きがありますので、ストレス無くお話を楽しむためにも攻略サイトを見ながらプレイすることをお勧めします。

お気に入りのキャラは三田村さんちの巨乳の方。お気に入りの曲はタイトル画面の「偽りの狭間」と一般エンド歌の「Shooting Stars」。

鉄腕がっちゅ!

鉄腕がっちゅ!

スマブラ風の対戦アクション+アドベンチャー(会話のみ・選択肢無し)なゲームです。

前提として、「がっちゅみりみり放送局」というすたじおみりすのWebページ上で行われていたWebラジオが下敷きになっているので、知らない人には厳しいと言われています。

が、私はそんな事知らずに予約して買いしました。それはひとえに、女闘ゲーだから。

もちろんデフォルメキャラによるアクションシーンに色気なぞ全く感じられないのですが、その後にあるエロシーンは必然的に「勝った女 × 負けた女」になる(例外アリ)訳なのでそこから想像力で補完するも良し、単に強制レズとして愉しむも良し。

勿論使用可能キャラ別にシナリオがあるので、組み合わせもまま豊富。女闘・レズ好きにはもってこいの、まさに嗜好のエロゲーと言えます。

ちなみに会話はほとんど漫画・アニメネタやネットスラング全般で構成されているので、件のWebラジオを知らなくても割と楽しめました。

よく訓練されたオタクならば問題ないでしょう。

……などと褒めちぎってますが、アクションにも爽快感が乏しくアドベンチャーももっさり重く、尚かつバグだらけで下手を打つとインストールすらままならないという一般には地雷扱いなのでご注意を。

と言うわけでキャットファイト好きでアクションゲームをたしなみ、糞ゲーに寛容で2ch用語に抵抗のない同志諸兄は手を出して損は無いかと思います。


pub99さん

ゴスロリサスペンスが良い感じに箍が外れ、キレの良い悪ノリに満たされたアンモラルな怪作。

恥辱のカンケイDX

恥辱のカンケイDX

ローターを自分で操作し、シーン回想も己の手腕に拠るエロゲインタラクティブの完成形。興奮度、分岐、フラグ管理と周回プレイも苦にならず攻略が楽しい。

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精神的にタフな少女を破壊していきながら、いつの間にかスーパーナチュラル系痛切な青春物に帰着するという魔法の手捌きに翻弄される。


mp_f_ppさん

こちらもあわせてどうぞ

マイナーエロゲー発掘レビューで取り上げなかった三作品:『私は私のまま、誰にでも変われる』『エーデルヴァイス』『春萌』 - とおくのおと出張版

カルト的エロゲー水仙花』のライターHAINによる同人ゲーム

メタ的なゲーム構成と過剰な程に饒舌なエロシーンに定評のあるライターであるが、その過剰さがそのまま敷居の高さとなっているのは否めない。

そこでお薦めしたいのがこのゲーム『まり∽くり』。

このゲームは無料です。

下記リンクからダウンロードしてプレイしましょう。リンク先を読めば書いてありますが、価格は105円でいわゆるお布施方式となっています。

メロンブックス.com - まり∽くり -marriage crimson- / v.o.l


なぜこの作品をお薦めするか。理由はその短さにあります。総プレイ時間約20分!

しかしこの作品は「短い」=「無駄がない」。短いながらも完璧にまとまった構成。メタエロゲとして不足なし!

キャラ立ても凄い。初めてプレイした人はヒロインの口調に驚くこと間違いないでしょう。そして全てがメタエロゲとして収束するのは見事。

名前入力を求められますが本名プレイが望ましいです。


前述のように、このライターの作品は時として過剰になる傾向があります。文章も若干微妙です。

なので最新作である『M〜お姉ちゃんの集中恥療!〜』などはどんなに面白くても、推薦するにはやや躊躇われるところがあります。

しかし『まり∽くり』は(一応)無料、しかも短く無駄がない。HAIN入門作として打ってつけ。

メタエロゲの極北たるHAINの世界が皆さんをお待ちしています。

何度でも言いますが、2008年度ベストエロゲは『ゴス道の乙女たち』です。

ゴスロリ、ミステリ、ギャグ、シリアス、ロボット、ブラックユーモア、バカ……全てが渾然一体となったシナリオを申し分ない筆力で書ききった傑作。

B級を志向した物語であり、無類のB級作品です。

同人ということでシナリオや文章力に不安のある方もいるでしょうが、本作のレベルは高いです。読ませる文章でありながら癖はあまり強くなく、B級としての面白さを引き出しながらも端正なシナリオとなっています。物語はエリカと直都という2人の男女の視点から描かれますが、特にゴスロリ少女であるエリカ視点での一人称の描写は特筆に値する素晴らしさです。

また主人公の直都がマッチョというのもエロゲにはあまり類を見ません。もちろん設定だけでなく、シナリオでも一枚絵でもマッチョが活かされていてB級エロゲここに極まれりとなっています。


シナリオ重視の人は是が非でもプレイすることをお薦めします。それをプレイしないなんてとんでもない!

端から端まで面白い作品なので詳しい内容には触れません。騙されたとでも思ってプレイしてみてください!ぜひ!

ワンコとリリー 通常版

ワンコとリリー 通常版

水月』?『さくらむすび』?ぜんぜんちがうよ!

トノイケダイスケの最高傑作は『ワンコとリリー』です><


この作品にはトノイケダイスケの粋が凝縮されている。

悪意のない箱庭的世界観。だがその箱庭をプレイヤーが俯瞰した時に見えてくる奇形的世界。

過度にならない背景設定の暗示。

社会性を感じさせるストーリーでありながら2人が2匹と向き合うことで完結した関係性。


ロードエロゲ*1としても出色。ただ一緒に歩く。そこに全ての感情と物語を積み重ねるという美しさ。

エロゲという媒体は膨大な日常シーンの積み重ねにこそ特徴があるという言論は納得のいくところだが、その観点から見ても『ワンコとリリー』は全ての物語を日常へと落とし込んだ構成が見事な作品である。


この作品がトノイケダイスケの最高傑作と述べるのは、何もシナリオだけを指し示してのことではない。

絵も素晴らしい。

稀代の犬耳絵師である桜沢いづみがその犬耳属性を余すところなく発揮している。いかな猫派の人もワンコとリリーちゃんの愛らしさの前には膝を屈っして頭を撫でてしまうのではなかろうか。

音楽も忘れてはならない。

私は『ワンコとリリー』の音楽を『さくらむすび』や『Garden』よりも評価している。『さくらむすび』『Garden』では、世界観の構成という観点からか音楽がピアノ曲に統一されている。このことで両者の音楽は確かにある種の統一感をもって感じられるのだが、反面音楽が一面的でややもすると変わり映えのしない雰囲気となってしまっている。しかし『ワンコとリリー』ではピアノ曲へは敢えて統一せず、打ち込みを活かした音楽を作っている。元より作曲者である安瀬聖は良い音楽を書く人であるが、その良さは『ワンコとリリー』でこそ現れているのではなかろうか。


ワンコとリリー』は私がお薦めするまでもなく有名な作品ですが、より評価されるべき作品であるとしてここで取り上げました。


八柾さん

ANGELBULLET

ANGELBULLET

ギャグとシリアスが絶妙に配分された「西部で怪物退治」ものの快作。『SEVEN-BRIDGE』の直後とあってか世間の評価が不相応に低いのがあまりに不憫だ。

桜井光に一貫する問題意識である「手を伸ばしていく」というモチーフは、ここでその端緒を切られた*2

ANGEL TYPE

ANGEL TYPE

心の弱いひとにプレイしてほしい。よくいえば繊細で悪くいえば惰弱、と自身を定義しているすべての人にこの物語を体験してほしい。読み終えたとき、あなたのなかに「感慨」としか表しようのないなにかが生まれていることだろう。

具体的にどこがどのように、というようなことは書かないし書けない。どのようなかたちであっても、わたしはわたし自身がクオリアを括ることを認めない。非言語的な救済体験をことばになど、できようはずがないのだから。

ひと夏の情事、という表現には収まりきらないなにか。ギリギリ成立していない三角関係がいいスパイスになっている。

鳩子がツボすぎてCV:水橋かおりで脳内再生余裕でした。


美優サイクロンさん

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どうもマイナーなようですが、個人的ベスト泣きゲーです。

泣ける泣けないというレベルでなく、顔中の穴という穴から水分がだだ漏れで自分でも聞いた事のないようなうめき声を発する事になり凄く体力を奪われました。

あらすじを見れば察しがつく通りこの作品には大団円はあり得ません。

だからこそ登場人物達の「何かを犠牲にしたとしても誰かを守りたい」というエゴは必死で強く、心打たれずにはいられませんでした。と、父ちゃーーん!

廉価DL販売もあるので是非。

(註:ネタバレありの感想はこちらで書かれています)


atslaveさん

フォークソング

フォークソング

一作目は「フォークソング」。詳細はwikipediaでも読んでもらうとして、絵と音楽、そしてテキストが織りなす独特の優しい雰囲気が魅力的です。

構成は三組のカップルを中心に据えたショートストーリー集的なもの。僕は歩と道成のカップルがお気に入りですね。なお、絵師の小池定路さんは最近では「大正野球娘」の挿絵などを手がけています。

ちなみにうちのXPノートでは今でも普通に動きますよ?

いもうと観察日記

いもうと観察日記

二作目は「いもうと観察日記」。詳しくはwikiを(ry……というのはさておき、続編も作られたりして当時はそれなりに人気があったような気がします。2002年の作品故、95マシンでは既に動かすのも結構きつかった記憶が。

妹を陰から視姦しつつアイテムでじりじり調教していく、というシステムは絵の可愛さに似合わず結構淫靡。

続編は体験版だけちらっとプレイしましたが、なんかテキストが明るくなったなーという印象で結局そのままに。

今やると違った感想も出てくるかもしれませんが。

手放してしまったので今のマシンで動くかどうかは不明。DL版出たら買っちゃうかもしんないですけどね……

三作目は「ひいらぎ荘」辺りにしようかと思ったのですがアマゾンから引っ張れなかったので今回はやめ。

先頃ダウンロード販売も始まったこの作品にしてみました。発売当時は菫の性別隠しでかなり叩かれたようですが、既に男の娘と知れ渡っている今では特に問題ともならないかと。かわいいは正義。

ちなみに僕はXPにしてから後追いで買いました。完璧に絵買いでしたね(ぉ

大事なことなので何回でも言いますが、この頃のあおじる絵は神。ヒマワリも先輩もかわいすぎます。

そして、某そげぶなラノベのファンにとっては桃ちゃん先生の存在も見逃せない魅力となることでしょう。


……うん、ほとんどそのまんまですよ?かまちーがシナリオ書いたんじゃないかと思うくらい。


まああり得ない話ですが。そもそもロリ先生っていつから流行りだしたんですかね……

後、お話について補足するならヒマワリ、先輩、菫のルートはいずれも結構重たいのでその辺は覚悟が必要かと。


Myさん

黒と黒と黒の祭壇?蟲毒?

黒と黒と黒の祭壇?蟲毒?

  • 作品名:黒と黒と黒の祭壇
  • 分類:商業
  • メーカー:C’s ware
  • 紹介文:

これは、饒舌な語りと戦闘シーンが売りの反逆の神話ゲーム。

パッケージやダウンロードサイトの紹介には「処女調教ADV!!」と銘打っていますが、そこはまったく非重要要素。その他の部分にこそ大きな魅力があるというのに、本気で売ろうとしてるのか、はなはだ謎です。体験版は笑いに走ってますし。


で、もう少し詳しくこのゲームの実態を語れば、

舞台は神政国家ユディル皇国。

国家の柱石、常勝の武人、聖地の守護者として大功をたてながら、神託によって突如叛徒とされ死刑囚へとその身を貶められたグルーヴェル王子が、黒装束の魔道の少女チッセに導かれ、神々と世界に復讐の牙をむく、壮大な反逆の物語。

実直な武人が、怒りと絶望の中で、幼時より身を捧げそのためにこそ戦った人の道たる信仰を捨て、悪魔に堕する覚悟を決めて、空を埋め尽くして迫りくる神々の軍勢を前に血をたぎらせる。


反逆背徳の物語を先導しグルーヴェルに語りかける少女チッセの溢れるばかりの言葉は、冷たく艶やかな美しさを漂わせ、剣をふるい戦場を駆けるグルーヴェルの語りは、重く熱く傲然として美しい。


背徳と反逆を志し、ただ二人世界と神々に牙をむく、少女と武人の美しく饒舌な語りに、酔いしれるための語り物。


ちなみに、看板になっている処女の調教は、グルーヴェル殿下が戦の片手間にやってます。

RUMBLE ~ バンカラ夜叉姫 ~

RUMBLE ~ バンカラ夜叉姫 ~

学園と学園が相争い、流血の続く教育世界を平定すべく、鋼鉄番長が戦いに乗り出すという、頭のおかしい世界観のゲーム。

巧みな語り口でテンポよく紡がれる、笑えるテキストが売り。

優れたセンスを全力投入して巧みに織りなしたバカゲー


例えば、

鋼鉄番長のライバルにしてヒロインの聖バルチック女学院を率いる粛清番長・星北凛奈(星はスターと読めますよね)が、双子(ツイン)の江里姉妹に補佐されて、KGB(攻撃迎撃部隊)を繰り出し他校を平定、やがては全校制覇によって、授業に出席しなくても許される不登校の制度を確立しようとしている

なんて設定をみれば、非常に巧みにバカげた世界が構築されていることが分かってもらえるのではないでしょうか。

非常にステキな知性の無駄遣いです。


あと、盾子かわいい。


注記しておくと、XPで普通にはインストールできないのが困りもの。

Love Letter

Love Letter

女の子を破壊(精神的に叩き潰すとかエロく堕落させるとかではなく物理的に破壊)することに一生懸命な猟奇作品。

強姦やエロ調教が紳士的な行為に見えるほどの残虐行為に溢れていています。

ストーリーも緊張感を持って、緩まず次々読み進められるものでしたし、結構凄い作品だと思います。


Su-37さん

朝凪のアクアノーツ 初回版

朝凪のアクアノーツ 初回版

人魚伝説と言われて、あなたは具体的に何を想像するだろうか。ディズニーの『リトルマーメイド』かギリシャ神話のセイレンあたり? そう考えた人はこの作品に向いていないかもしれないし、そうでもないかもしれない。

本作は萌えっとした中堅メーカーらしいエロゲ……に見えるものの、実際はもっと気持ちの悪い何か。時間を超えて存在し続ける人魚と人間のお話で、永遠をテーマにしたエロゲの中では珍しいアプローチの作品。人魚と不老不死の関連性から見れば、高橋留美子の人魚シリーズがかなり近い。(そこまでハードではないけれど)

『朝凪のアクアノーツ』は、プレイした後の視点でもなかなか上手く定義できない。技巧的ではないし革新的でもない、誰がターゲットなのか全然分からない作品に見えてしまう。人魚伝説に美しさ以上のものを求めるプレイヤーや、永遠のもたらすものについて興味のある人間がどのくらい存在するのか全く分からない。エロゲは販促の性質上、外見と中身にギャップがある作品が多くて困ります。

その中で一つ明確な魅力を挙げるなら、作中に偏在する悪趣味さ。特に深緒(表ヒロイン)とかなか(裏ヒロイン)の対称構造には、軽薄に語られる永遠の愛、運命共同体としての恋人関係に対する皮肉が利いている。詰めは甘いと言わざるを得ないけれど、その異物感に一部のプレイヤーは頭を抱えることになるでしょう。(特に、感情移入するタイプのプレイヤーは) 少なくとも和服萌え&濡れ透けエロスだとかOPテーマの「Aqua Voice」に騙されてはいけない。

永遠は間違いなく人格を摩耗させる。こんな筈ではなかった、もっと上手くやれるはずだった――そう言ってみたところで、今さら何を取り戻せるわけでもない。夢は花を落とすように姿を変えて、簡単に絶望にすり替わる。孤独と引き換えにその手に残るものは、どんな夢でしょうか?

プリンセスブライド BOX SET

プリンセスブライド BOX SET

主題歌を知ってる人は多いと思いますが、本編をプレイした人はかなり少ないんじゃないかな。作品をとりまく環境も面白いし、作品自体も面白い。でもファンディスクの『PrincessBrave!』はやらなくてもいい。

五人の女の子からいきなりプロポーズされて……というありがちでキャッチーな場面からスタートする割に、個別ルートの展開はエッジが効いている。それぞれの美味しいシチュエーションよりも、迫られる側の負担や理不尽なルールに焦点を当てていて、その遣り取りはある種の人身売買のようにも見えます。カードで身体と心を売る「プリンセスゲーム」は、歴史的な悲劇、魔女の思惑、泥棒猫の後ろめたさ、無垢な姫君の残酷を含んで、真っ白なシーツを五人の破瓜血で染めるのです。

メインライターであるところのウツロアクタは、女性性に対してとても大きな"強さ"を見ているのでは、と思います。彼のいくつかの作品を経験した今なら分かるけど、やってることは芯が通っている。一部個別ルートを担当している元長柾木神話的センスと合わせて、この作品の真っ直ぐさを演出している。

五人の少女のロマンスは馬鹿げたゲームも王子様も押し流して、全ての枠組みを壊していく。進撃する戦車のような少女性、その爽快さは名曲「Sledgehammer Romance」(EDテーマ)に歌われる通り。プリンセスたちの鋼鉄の愛、受け止めきれるでしょうか?

BackStage 初回版

BackStage 初回版

  • 作品名:BackStage
  • 分類:商業
  • メーカー:TJR
  • 紹介文:

役者バカ一代・エロゲ編。あんまりエロくないけど。夢を忘れた大人のための強力なカンフル剤とも言えるか。そういう意味では十八禁。

表現者を題材にしたエロゲは少なからず売られているけれど、『BackStage』と同程度の熱量を含む作品は『らくえん』くらいしか心当たりがない。しかも比較的身近な小説家や絵描きではなく、生身の役者という馴染みの薄い表現者についてやろうってのは相当な冒険だったに違いない。売上はともかく創作的には大成功だと思う。役者バカをバカ正直に記述するのがこんなにも面白いとは! 作中の言葉を借りれば、「人間とは元々面白いものなのだ」ってところか。

主人公の諸橋光明(通称:コーメイ)は、極めてアンバランスな人間として描かれている。短期のアルバイトで生計を立てながら役者を目指す青年(二十代中盤〜後半)で、蓄積した社会性をほとんど持たない、芝居のことにしか真剣になれない、底辺と言って差し支えないレベルの人間。序盤の言動はかなり不快で、間口の狭いこの作品でさらに脱落者を量産する。

そのコーメイを十年あまり見つめ続けてきた"先輩"、水鏡京香。大手プロダクションの社長を親として生まれ、役者として類希な能力を持ち、可愛らしい外見と優秀な頭脳を兼ね備える彼女。何も持たないコーメイの対比はとても残酷だ。先輩後輩よりも戦友と言うべき関係の二人は、圧倒的に断絶している。

役者の道を捨て裏方として働く彼女に、コーメイが抱く感情が想像できるだろうか。彼は京香の背中に憧れて役者を志したというのに。幼い憧れと踏み込めない苛立ち、それらが諸橋光明をさらに屈折した人間にしている。そして彼が懊悩すればするほど、この作品は魅力的になっていく。ああ、なんて愛らしい"人間"だろう!

圧倒的な情熱を燃料に、みっともない姿を晒しながら、役者という夢に向かって足掻く姿。小さなきっかけで生まれてしまったその夢は大きく育ちすぎて、もう引き返せないところにまで来てしまった。花開く前に死ぬしかなかった彼の運命を、京香が立ち上げた劇団「バックセット」との出会いが変える。

生きるか死ぬかではなく、甲と生きるか乙と生きるかに悩まなければいけない現代。夢が持つ意味とは何か、人間の情熱の根源とは何か、当たり前の幸福に全力で石を投げつける問題作。嘆く前に、冷める前に、憎む前に、やるべき事があるだろう。


榛名さん

Silent Half

Silent Half

記憶喪失になった美少女の物語(Amazonの紹介文)。そんなことよりメインヒロインが涼森ちさと。ほかに田中美智と奥川久美子と、VA良キャストなのです。涼森キャラがバカそうな、というか変な語尾だったり口癖だったりと、昔の痛々しいエロゲのキャラ立てだけど実は! みたいなところがひとつの読ませどころ。自分の半身を見つける、というなんとなくセツナイ物語でもありますが、メタエロゲ的な微妙な悪意もあって、ある種強烈な印象を残す作品でした。田中美智の無口キャラの突飛な行動、無駄に良い曲のエンディング、凛とした空気感。どれも悪くないのに、なぜか全然話題にならなかったですね。

王立ネコミミ学園 ~あなたのための発情期♪~

王立ネコミミ学園 ~あなたのための発情期♪~

転校生の美少女がネコミミと尻尾があってどうしよう、という学園もの。メインヒロインが涼森ちさと。ほかに田中美智、櫻レオナ。VAナイスキャスティング。エロシーンを組み合わせることができる、というある意味イリュージョン的な要素がありましたがともかく。アシェットの田中美智がかなりの可愛さでファンである僕は大満足。櫻レオナの3Pシーンとか大好きですが何か。主題歌はI'veなので有名らしい。

ラストオーダー ~Standard Edition~

ラストオーダー ~Standard Edition~

ファミレス陵辱もの。おとなしめの少女(紬叶慧)をメインにいいだけ陵辱するゲームなんですが、脇キャラも魅力的。佐々木あかりのメガネ巨乳、元気な涼森ちさと、バカでうるさい田中美智などなど。そんで、主人公ルートのあとに、陵辱される側の視点で同じところを見ることができるのもまた面白い。元長柾木がディレクション担当で、最後のところのスクリーンプレイにその元長っぽいところが垣間見られてファンである僕は大満足。いまだと廉価版が出ているので、さっと手にとれるのがいいところです。


KOUさん

ネコっかわいがり!~クレインイヌネコ病院診療中~

ネコっかわいがり!~クレインイヌネコ病院診療中~

紹介文:

この企画の中ではメジャーな方なるかもしれませんが、紹介させて頂きます。


この作品はタイトル、パッケージなどからわかる通り露骨な萌えエロゲです。

ただし、個別ルートまでは。

全個別ルート終了後のトゥルールートはその世界ががらりと色を変えてやってきます。

トゥルーは何を書いてもネタバレになりかねないので深くは書きませんが、強烈な後味を残していくシナリオでした。

正直な話、個別ルートに関しては出来がいいとは言いがたいのですが投げ出さずにオールクリアしてもらいたい作品です。


またムービーのクオリティも非常に高いものとなっていますのでそちらだけでも是非。クリア後に見るとまた違う視点で味わえるかと。


ふきにゃさん

ワンコとリリー 通常版

ワンコとリリー 通常版

これ以上長くても短くてもダメな気がする絶妙なバランスで作られており、ロープライス作品としても実に素晴らしい作品だと思う。

端的に物語を説明すると、"幼馴染みのお姉さんと一緒にペットを散歩させる1日"。この一行で書ける内容でありながら、きちんと作品として成立している。エロゲの通常構成が日常の積み重ねによる物語の構築だとすれば、これは日常だけを切り取った物語。たまたま幼馴染みのお姉さんとペットと散歩して、たまたまお互いが抱いていた好意が溢れて、たまたま結ばれる。何気ない日常の中での、何気ない特別な出来事。シナリオライターであるトノイケ氏特有の見えないところで蠢いている怖さ(さくらむすびにおける桜のお化け)みたいなものは、なりを潜めて、ほんとにふわふわと甘い綿菓子のような作品。まあ、ペットの犬たちが人の姿をしてる歪みはライター的矜恃なのかも知れませんが、そんなことを考えながらこの箱庭世界を堪能するのも一興。

とっぱら ~ざしきわらしのはなし~ 通常版

とっぱら ~ざしきわらしのはなし~ 通常版

比較的最近の作品でもありマイナーってほどマイナーな作品ではないかもしれませんが、もっと評価されてもいいんじゃないか?と思い、挙げました。

エロゲ妖怪というモノを民俗学的な見地からみてもしっかりとした設定で描いてるのは珍しいと思います。この作品の評価が分かれるところは、導入時の主人公の言動とかにムカついてプレイを止めてしまう人が多いからかもしれません? 事故により両親を失い、導入当初は鬱病に近い主人公が、妖怪たちと触れ合うことにより立ち直っていく、主人公の成長物語としても素晴らしい作品だと思います。少しもったいなくも思いますね。きっとこの作品は離別と再生の物語で、新しい一歩を踏み出すための話なんでしょうね。主人公と彼女らのような関係、あり方が、きっと後世で伝承とかの形で語り継がれていくのでしょうね。それこそ親が子に語る御伽噺のように。

それはさておき、登場ヒロイン(一名を除き妖怪)みんながみんな可愛らしいのが素晴らしい。特に 佐本二厘嬢が演じる影女の美影さんの可愛らしさが異常。こんな影女ならやもめ暮らしの自分のところにも来てくれよ!と切に願ってしまう。キャラクター的に魅力的なのもこの作品をお薦め一因。

ネコっかわいがり!~クレインイヌネコ病院診療中~

ネコっかわいがり!~クレインイヌネコ病院診療中~

すでにロットアップしてる作品でいまから入手しようと思ったら、若干辛い作品かもしれないですが、埋もれてる名作って意味では、個人的に一番押したい作品ではあるので挙げさせてもらいました。

…… と、言ってもお薦めな理由を書いてしまうと、ネタバレ無しには語れないので扱いが難しい作品ではあるんですねどね。とりあえずはALLクリアをしてくれとしか言えない。イメージから受ける印象と、実際プレイした後の感想では、甚だしく一致しない作品なので、ある意味詐欺ゲーだと言えますが、精一杯の優しさに包まれた詐欺だと思います。ほんとにやさしい幸福の王子とツバメの物語。


参考までにプレイ前にはオスカー・ワイルド - Wikipedia幸福の王子を読んでおくと幸せになります。またニコ動などでED曲を聴くとネタバレ食らうので、注意した方がいいです。

そしてプレイ後には、必ず後日談の『WHAT A WONDERFUL WORLD』を読まれることをお薦めします(注:極めてネタバレな内容なので未プレイ者は読まれない方が絶対にいいです)。むしろネコっかわいがり!と言う作品の本編はWHAT A WONDERFUL WORLDに集約されてる言っても過言ではありません。

もしこれを期に気になったアナタがプレイされて、いい意味で欺された!と言ってくださるのなら、これに勝ることはない幸いだと思います。


うぃんぐさん

夏日

夏日

世の中を少し失望した主人公と、片田舎で出会った知的障害を持つ少女・千夜との数日間のお話。

知的障害者の現実を辛辣に描いているわけではありません。そんな少女と恋に落ちてしまったら?という辺りをメインに描いています。

純粋に好きという感情をぶつけるちや、もちろん主人公もちやを好きになっていくわけですが、そうなってくると抜きにして考えられないのは男と女であること。主人公は性を知覚しているが、ちやはきちんと知覚していない。

更に主人公がちやを選ぶこと自体、生半可な覚悟では決めてはいけないもの。その選択は主人公の一生を決めてしまうほど重いことなので。そこまできちんと描ききっているかと言われればNoですが、そういう社会の暗部を考えることに繋がる作品ではないかと思います。


残り二人ヒロインはいるんですが、一人は失望させる原因を作った元彼女・明日菜、一人は数年ぶりに再会した普通の女の子・恵。明日菜は、寂しがり屋で感情で動いてしまうキャラ、恵は逆に中々感情を露呈しないキャラ、この二人が作り出す微妙な空気が…、とこの辺は割と見かけるエロゲ展開ではありますが、そんな三角関係も夏日の面白さの一つなのかなぁと思います。

田舎ゲーにありがちな割と耐えがたい閉塞感は漂っていますが、そんな狭い世界だからこそ人間的な感情が露呈される物語が生み出されることもあるのです。

絶対幸せ宣言っ!

絶対幸せ宣言っ!

いきなりメインヒロインの友人が自殺するゲームをやったことはありますか?

世の中には他にもそんなお話はあるのでしょうけど、可愛い絵に反して中々重い始まり方だと思います。

四季彩はそんな絶望をもう見たくないと、世界を幸せにする方法を考え始める。

神田秋代は、反対に自分の幸せは自分で切り開こうとしている。

安笠春香は、とある理由から自分は幸せになってはいけない存在だと考えている。

立川立夏は、大人になることの不幸さを悟り今を精一杯生きている。

「絶対」「幸せ」という相反することをテーマに様々な展開と思考が繰り広げられる作品。

幸せを分け与えることができるという理想は、現実に押しつぶされるのに、そこまでわかっているのになお理想を見せつける作品。

特徴はこの4人の物語の外側にいて、考えるだけ考えすぎて前に進めなくなった冬子というキャラと主人公の会話にある。

絶対に幸せな世界を作るためにはどうしたらよいのか考える作品と言えるのかもしれません。

理解できないことは、脳みそフルスロットルで考えに考えぬいて、わかんなくなったら何がわからないのかわからなくなるまで考えろ!それでも他人なんて理解できませんが、考えれば考えるほどこの作品の面白さに辿り着けると宣言したい。

はっぴぃ☆マーガレット!

はっぴぃ☆マーガレット!

  • 作品名:はっぴぃ☆マーガレット!
  • 分類:商業
  • メーカー:CROSS NET
  • 紹介文:

上記2つと比べれば激しくジャンルが違いますが、最後の一つははぴマガを推しておこうと思います。

シナリオはお嬢様学園でありがちな、庶民とお嬢様の違い、最終的には国家利権にまで絡むスケールの大きさな話を解決してしまうような王道といわれれば王道な内容です。それ自体は特別面白いわけではないですが、つまらないともいえないレベル。

自分が気に入ったのは、シナリオより雰囲気の良さとキャラクターバランスの良さです。

雰囲気の良さを説明するのは凄く難しいですが、コメディとシリアスのバランスがよくて、主人公の良さ、ヒロインの良さを知っていく序盤から中盤までの展開がとても自分にとって居心地の良いものでした。

そしてはぴマガの一番の魅力は、ここのか絵とクロスネット塗りが融合した美麗なCGの数々にあります。

シナリオを軽視するわけではないですが、グラフィックの良さを加味して考えれば、やって損はしないはずです。

笑顔の表情のシーンは特に、全ての思考を停止して、「可愛い」と魅入ってしまう。そんな画力で攻めるのもエロゲの魅力の一つと考えています(もちろんその画力を後押しするシナリオの流れも重要ですよ)。

はぴマガはそんなたぐいのゲームになっています。


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マイナーエロゲー発掘企画「わたしが知らないスゴエロゲは、きっとあなたがプレイしている」紹介作品発表 Part2 - 電波ゆんゆん@はてな出張版

*1:「http://twitter.com/pub99/status/1001219713」「http://twitter.com/pub99/status/1001944643」「http://d.hatena.ne.jp/mp_f_pp/20081120/1227153305」参照

*2:もっともここで具体的にそう描かれていたかは失念したが。記憶に残っているのは『絶対地球防衛機メガラフター』から。

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