やさぐれ日記暫定版

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  やさぐれブックマーカー東京血煙篇(テレ東チルドレン的に興味のあるモノをいろいろと収集)
 

2007-06-13 アメリ野郎に逆ギレを 『ハイスクールU.S.A.』 このエントリーを含むブックマーク このエントリーのブックマークコメント

『ハイスクールU.S.A.』

まず初めに。ほぼすべてのレビュアーが評しているとおり、本書『ハイスクールU.S.A.』の、「アメリ学園映画」というジャンルにおけるガイドブックとしての優秀さに関しては、俺も異論を挟むところはまったくない。このテの案内本というと、大概が何の志も感じられない薄っぺらなヴィジュアル・ブックか、ジャンル愛だけに凝り固まって外部への意識を欠いたオタク御用達グッズに極分されてしまっているものだが、本書はデータベースとしての資料/史料性を揃えつつ、いい意味で「ミーハー心」溢れるアプローチによって、学園映画の背後にあるアメリカの文化や社会との関わりまでも意欲的に解き明かそうとした力作だと思う。

「じゃあ、何の問題もないじゃないか!」って? OK、優れているかそうでないかという二分法に沿うならば、本書はそりゃ、優れているに決まっている。しかし「好きか嫌いか」という二分法を取らせてもらうなら、俺はこの本が大ッ嫌いだ!

なぜなら、この時代にアメリカの学園映画を掘り下げようとする人間は、良くも悪くもある程度の生活レベルと文化水準を備えた教養スノッブにならざるを得ないと思うからである。そうしたスノッブの臭みにフタをして、「キッズはみんな学園映画が大好き!」ってな主張を通そうとするカマトトぶった排他根性が気に食わんのだよ。これって俺が憎んでやまない『アメリ』とやり口が全く同じ。ミンナにいい顔しようとする自分を「乙女ちっく」に嵌めこみたがって、だけどその実テメーの間尺に合わない存在は、ナチュラルに切り捨てて清々してるんだろ? っていう。どうせ、この書き手の言う「キッズ」に、アカぬけた進学校やアメリカンスクールで羽根伸ばしてる文化系優等生はいても、そこらへんの田舎で湘南乃風聴きながら『ナニワトモアレ』読んでるようなダセエ中坊とかは、数に入ってないんだろうしさ(ついでに言えば、「キッズ」だの「ティーン」だのといった、どう考えても世間と距離のズレてる舶来コトバを“あえて”使っちゃう神経にも、論理より先に皮膚感覚レベルで「しゃらくせえ!」と思ってしまうぜ)。そういう部分への自省が少ないことが、たとえば80年代の少年/少女マンガがいかにアメリカの学園映画に憧れ、日本の若者文化に≪学園≫というユートピアを作り出そうと苦心してきたか、という視点がまるっきり欠けていることにも現れていると思う。吉田聡だってもっとそういう文脈で語られるべきだし、時代はやや降るけれど、矢沢あいの『天使なんかじゃない』は、作者の学園映画愛が溢れんばかりに詰め込まれた作品だった。でも、この書き手って、『NANA』とかを熱心に読んでる層を、内心見下してそうな感じがするんだよね(いや、俺も『NANA』の読者層とは一生わかりあえなそうなタイプではあるけどさ……)。

まァ一応断っておくと、これは俺個人のOlive』的ミドルクラス婦女子の余裕ぶった文系趣味に対する僻みや、アンタッチャブル山崎の名言アメリカ人に童貞はいない」的白人コンプレックスからくる偏向的反発なので、論理的妥当性に対してはアタマから白旗を揚げておきますワ。しかしブログというツールでこういう私怨を吐き出さずして、どこでブチ撒けろというのだ。あと、主人公が高校中退のボンクラなので、学園映画に括るのは無理があるとは重々承知しつつ、「なんで『レポマン』が入ってないんだ!」と無いものねだり。プロットの破綻も、SFガジェットのチープさも、すべてが十代のバカげた胸騒ぎとしてきらめく、最高にポップで八方破れな青春映画。「『ドニー・ダーコ』がティーンのリアル? ンなもん、クソッくらえ!」と思ってるヒトは絶対に観て欲しいです。カッ飛ぶよ!

bakuhatugorobakuhatugoro 2007/08/14 23:35 連絡先が分らないので、コメント欄で失礼します。
ロボ太郎君、ガルシア君のことで至急知らせたいことがあるので、もしここ見てたら僕のメアドまで連絡いただけないでしょうか(僕のブログのプロフィールを見てください)。
取り急ぎ、よろしく。

いいよいいよーーwwwwwいいよいいよーーwwwww 2009/06/15 17:45
シャワー後にイ ラ マ チ オ・ク ン ニで指ホジリしながらクリを攻めていたら
女はカリに舌をレロレロしながら足ピーン!でヒクヒクでした(´・ω・`)
下口がつゆだくだったので、もちろんそのまま生騎乗(`・ω・´)
女がイって思考回路落ちてる隙を狙って中 出 し実行wwwwww
やっぱ中 出 しがイイよねー(・∀・)!!

http://shiofuki.navi-y.net/PESwlOk/

大乱交スマッシュブラジャーズ大乱交スマッシュブラジャーズ 2009/06/23 11:16
ちょww 普通の口ーションをあんな風に使うなんてどういうテクしてんだよww
ちょっとウソコ漏れたのに5万振り込んでくる金持ちの勢いには参りましたwww

http://dopyun.quitblue.com/FoRayeW/

リクルートスイーツ(笑)リクルートスイーツ(笑) 2009/06/23 11:21
スイーツ(笑)女って実はスゲー金持ち多いんだね(^^;
コンビニ店員の俺涙目だったけどコレ始めてから立場逆転だしwwww
俺の言う事何でも聞くし金もたんまり貰えるというねwwwwww
こないだも俺のツィンポに生クリーム付けて顔真っ赤にしながらもベロベロうまそうにしゃぶりまくってたよヽ(´ー`)ノ

http://ahan.yumenokuni.net/tlh03Uy/

ぎょはぁ!!!!!ぎょはぁ!!!!! 2009/08/18 16:47
ヘイヘイ!!あひひひほはぁwwwwwww ちょwwいきなりごめwwwwww
寝てるだけで5 万もらっちゃって真面目な自分がヴァカらしくなってさwwwww
はぁーいま女シャワー浴びてんだけど、もう1ラウンドでまた5 万くれるってYO!wwwwww
またマグロでさっさと中 出 しするわwwwwwwwww

http://kachi.strowcrue.net/quZX0pJ/

2007-06-06 突破する魂に震えろ!『資金源強奪』 このエントリーを含むブックマーク このエントリーのブックマークコメント

『資金源強奪』

http://www.cinekita.co.jp/lineup/toei.html

下北沢の劇場で深作欣二監督の『資金源強奪』(その次が中島貞夫監督の『狂った野獣』! いかすぜ!)が上映されてるんで是非観に行きたいんですが、なんと開始は16:20! カタギの大人が足を運べる時間帯じゃないッスよ…昼の3時から『レッドブル』を放映するような、視聴者の都合をあさっての方向に放り捨てやがるBS洋画劇場じゃないんだからさ。

『資金源強奪』は、確か俺が18、9ぐらいのときに深夜の深作特集で観て、「こんなに面白い映画があったのか!」とブッ飛んだ映画。確か千葉ちゃん大暴れの『ドーベルマン刑事』や、深作にしか撮れない狂騒カーアクション『暴走パニック 大激突』も放映してたはず。予告では、「あのタランティーノも影響を受けた〜」という売り文句が必ず入ってたのを覚えてる。タランティーノを旗印にしないと、東映実録ものもオチオチ流せない時代になってたんですよね。寂しいことですが…

サム・ペキンパーの映画によく出てくる、メキシコの熱く埃っぽい風が、汗と垢と無精髭にまみれた野郎どもの顔を横殴っていく情景も好きだけど、この時期の深作をはじめとする東映やくざ映画の、ヤニと酒焼けと強欲が煮こごってギラッギラ照り返してるような、「男焼け」とでも呼びたくなる、不健康なツラ構えもたまらなく好きだ。狡猾で、スケベエで、血の気が多くて、あまりにもストレートな欲望へあまりにもストレートに突っ走った果てに、くたばったり、パクられたり、あるいはまんまと逃げおおせたりする連中が好きだ。

上昇欲に憑かれてるようでただただ暴力アナーキストな千葉ちゃん、血なまぐさい権謀術数に男のクド味が黒光りする松方弘樹、野良犬が路傍でションベン引っかけるかのごとくナチュラル・ボーン・東映チンピラな暴れっぷりを見せる渡瀬恒彦……どいつもこいつも、位相は違えど強烈な「野獣」感を放ちまくっている。そんな夢のような野獣暴力ワンダーランドが、つい30年前まではこの邦画大陸にも広がっていたのである。『資金源強奪』は、そんな東映やくざ映画が粗製濫造&百花繚乱路線を突き進むさなかに生まれた、和製ギャングアクションの傑作である。

主演は北大路欣也。『仁義なき戦い』のシリーズ中でも最高作と名高い「広島死闘篇」で鬼気迫る殺人マシンを演じた男が、自分を蔑ろにしたやくざ組織に報復すべく、連れのボンクラ・室田日出男川谷拓三と組んで賭博のアガリの強奪を決行。組織に猟犬として雇われた悪徳刑事・梅宮辰夫を巻き込み、強奪と裏切りのサバイバルレースが火蓋を切る!

とにかく、この映画の面白さを決定づけているのは、90分という小気味いいほどの尺の短さである。最盛期は年に5本も6本も撮り飛ばしていた深作監督。当然、脚本の仕上げは限りなくシンプルな流線型でなければならない。やくざ映画にありがちな情緒的余剰を削って削って、しかしゲーム的な速度の快楽とアクの強い人間臭さだけはクリアに際立たせた高田宏治の脚本が見事! 中島監督の『狂った野獣』などは80分に満たない尺だが、それでも本作に負けず劣らずの傑作なのである。尺が簡単に2時間を越えてしまう昨今の映画は、皆胸に手を当てて考え直さねばならない。映画が高速で作られ、観られ、捨てられていた時代だけが持ち得た痛快さなのだ。

そして言わずもがな、居並ぶ役者たちが超絶的にイイ味出しまくり。クールな横顔に鋭い狡智とタフな哄笑で事態を突っ切っていく北大路の格好の良さ。対する梅宮辰夫の、あますことなく欲をかきながら、なぜかミョーに陽性なチャームで迫ってくる、下品で放埒なマンダムっぷり。何より、東映実録映画の常ならば、この大物2匹にボコられシメられタカられ続けるはずの川谷拓三が、同輩・室田の犬死ににブチ切れ火炎ビン片手に大暴れする、痛快ダイナマイトなクライマックス! これで手に汗握らなきゃ男じゃねえ!

齢60を過ぎても『いつギラ』を撮り、強奪と破壊のドラマツルギーに生のスリルと快楽をみなぎらせ続けた突破者監督・深作欣二が、その絶頂期に、脚本家の情念にも、苛酷な製作体制にも翼を引きずられることなく、その並外れた技巧と強靱な娯楽精神で物語を飛翔させきった、東映やくざ映画の不滅のマスターピース。明日にでも劇場へ飛び込み、深作の偉大な魂に震えろ!

ぼうふら漂遊日記さんに寄せられた、奈落一騎氏による『資金源強奪』の激賛にも、ハートが火傷しそうなほど痺れたので、ぜひご一読を。

bakuhatugorobakuhatugoro 2007/06/07 13:04 「資金源〜」、自由業の特権生かして平日昼間に行って来たよ。でも、こういう映画は旧文芸座のオールナイトみたいな場所で、他の客と一緒に騒ぎながら観るのが、本当は一番面白い。下北だとどうしても品が良すぎて...

>映画が高速で作られ、観られ、捨てられていた時代だけが持ち得た痛快さなのだ。

こうしたタコ部屋じみた労働条件に抗議して、東映葬儀の最中に、半ばヤケクソ気味に「丸焼けにならんようにたのんまっさ」ってな勢いででっちあげた「ふかさくきんじ」名義作品が、だからこそ異様なスピードとハイテンションを備えた傑作になってるタフな現実は、皮肉というか面白い。
あらためて観て思ったけど、この映画本当にまったくダレ場がないのが異常。例えば『暴走パニック』は、脚本に田中陽造の不思議変態センスが加えられて流れが混乱してたり、『狂った〜』は低予算のカーチェイスがどうしても多少冗漫になったりと(こうした安い混乱や倦怠感も、結果的にある種の効果をあげてたりもするんだけど...)、『資金源〜に関しては本当に無駄なシーンが一つも無い。拓ボンを追跡中の梅宮とカメオ出演の山城新伍や松方さんとのC調オヤジ同士のヨゴレギャグの応酬も良いし、拓ボンと芹明香の「目がまわる〜」ファックとか、本当にテンポも快調、痒いところに手が届くサービス万点ぶり。

奈落君が引用してたセリフを吐いてる時の北大路の、優しく諭すような話し方と表情がいい。何と言うか、登場人物全員が卑小、狡猾で、欲得ずくで動いているのに、そうした一人ひとりにどこか友情と親愛みたいなものを深作が感じてるのが伝わってくる。『仁義なき戦い』で、あの山守に対してさえ確実にそうだったろうことと同じように。
自分以外何も信じられず、頼るものもない。だからこそ、人はえげつなさも剥き出しに元気に暴れ、生き延びていく。ただそれだけを肯定する、焼け跡の青春を駆け抜けた男の潔さ。
あまりにも男らしく、健康だったからこそ、後年の深作作品は時に単調な大味さを感じさせることもあったけど、この映画に関しては二転三転の仕掛けの妙とハイテンションがガッチリかみ合って、最後まで上り詰めっぱなし。本当に凄い。

headofgarciaheadofgarcia 2007/06/09 12:09 結局、昨日で閉幕してしまいましたね。埋もれた凡作というわけでもありませんし、どうにか権利関係クリアしてソフト化されないものでしょうか? 録画したビデオを上録りしてしまったのが、つくづく悔やまれます・・・

>こうしたタコ部屋じみた労働条件に抗議して、東映争議の最中に、半ばヤケクソ気味に「丸焼けにならんようにたのんまっさ」ってな勢いででっちあげた「ふかさくきんじ」名義作品が、だからこそ異様なスピードとハイテンションを備えた傑作になってるタフな現実は、皮肉というか面白い。

Vシネマで目一杯弾けてたときの三池崇史を彷彿とさせますね。じっくり腰を据えるんじゃなくて、エクスプロイテーション的に撮り飛ばされる中でしか生まれない洗練って、ありますよね。当時の「三池組」の撮影ルポとか読むとすごいもの。ギリギリの予算と超過密スケジュールを物ともせずに、探検隊みたいにどこまでも出張っていって撮りまくる! 画面から溢れてくる猥雑さ、ヨゴレと殺伐を呑み込んでなおも哄笑するエネルギーは、両者相通ずるものがあるような(そういうことを考えると、三池の『荒ぶる魂たち』が未だDVD化されないってのも、後々大きな損失になってきそうな気がするなァ…)。
同じような理由で、『暴走パニック』も『狂った野獣』も大好きですよ! 無鉄砲な闘犬そのものなツネさんが観れるだけで無条件にOK! ああいう散漫さもコミで愛してしまうのは、ファンのダメな性だと思う(笑)。ビデオが全然見当たらないんですが、Vシネマ評論家の谷岡雅樹氏が絶賛していた、中島貞夫監督と渡瀬恒彦の『鉄砲玉の美学』が観たい! 関係ないですけど、深作に相当する存在として三池がいても、中島監督に相当する作り手がいなかったのがVシネの残念なところだったなー、と(勝手に)思ってます。

>登場人物全員が卑小、狡猾で、欲得ずくで動いているのに、そうした一人ひとりにどこか友情と親愛みたいなものを深作が感じてるのが伝わってくる

「人間みんな欲得ずくだ」みたいな世界観、人間観を露悪っぽく、冷めたタッチで描く作品は、今でも本当に、本当に、本当に多いけど、そういうヨゴレも含めてナマの人間なんだ! と押し切る熱は、この頃の深作のほうが何倍も沸き立ちますね。パワフルな「個」の欲動と独走こそが、唯一肯定すべき人間のエネルギーなんだという。そうした狂騒の底で、名も成さぬまま歴史の砂に埋もれていった大部屋俳優たちへの挽歌がひっそり流れてるのも、心を打ちます。

身の丈に合わないナマな言い方になりますが、やっぱりこういうエネルギーこそをどこかで表現したい、とずっと思ってます。

bakuhatugorobakuhatugoro 2007/06/09 23:00 >エクスプロイテーション的に撮り飛ばされる中でしか生まれない洗練って、
>ありますよね。

これは本当にそう。役者にしても、ある路線の積み重ねの中で個性がはっきりして、それを拡大させることで、ぶっ飛んだものを納得させるだけのキャラが立っていくものだから。

>中島監督に相当する作り手がいなかったのがVシネの残念なところだったなー、
>と(勝手に)思ってます。

中島貞夫は、根っこに日活ニュアーアクションに通じるような、ダメな青春テイストがあるよね。ある意味本当は深作よりも暴力の痛みに敏感だから、結果的に描写がクドくなって、それが投げやりテイストと相まった、底が抜けたような不思議な印象に繋がってる。
『鉄砲玉〜』は東映での派手な出入りのシーンを全部抜いて、コアな等身大だけを撮ったような映画だから、当時は地味だってことで評判あまりよくなかったみたいだけど、ボンクラの煮つまり青春映画だから、ガルシア君はジャストに共感できるはず。
確か井筒監督も、この映画が好きだってどこかで言ってた。

>名も成さぬまま歴史の砂に埋もれていった大部屋俳優たちへの挽歌がひっそり
>流れてるのも、心を打ちます。

深作作詞の拓ボンの「やられ節」は名曲。

『資金源強奪』『暴走パニック』『狂った野獣』はDVDに焼いてあげるよ。
『鉄砲玉の美学』は、これまた未ソフト化。これもCSでやった時にとってあるので今度貸します。

bakuhatugorobakuhatugoro 2007/06/09 23:04 >やっぱりこういうエネルギーこそをどこかで表現したい、とずっと思ってます。

これらの東映作品の影響下で書かれた『六連発愚連隊』『ガキ帝国 悪たれ戦争』あたりのシナリオを、是非ご一読あれ! 血が騒ぐよ。

2007-06-04 男騒ぎの異常映画・『マークスの山』 このエントリーを含むブックマーク このエントリーのブックマークコメント

『マークスの山』

先日、俺恒例の中古ビデオハンティングにて、ついに高村薫原作の映画『マークスの山』(監督:崔洋一、脚本:丸山昇一崔洋一)の回収に成功したのでご報告。もはや原作ファンには黒歴史扱いされて久しい(DVD化すらされてない!)映画ですが、これがなかなかの怪作なんですよ。

高村女史といえば、とことんディティールにこだわった本格ハード・サスペンス……の皮をかぶった硬派やおい小説の旗手として名高いですが(宝島の高村薫特集本に寄せられた羽海野チカによるイラストは、高村キャラらしい潔癖な寂寥感とナイーヴな柔らかさを、よく表してると思う)、監督が『血と骨』の崔洋一なんで、高村作品に立ち込めるやおい的ロマンチシズムを「なわけねーだろコノヤロ!」とばかりに男社会特有のギスギスくどい軋轢と暴力臭で蹂躙しつくした、異常な味わいに仕上がってます。

どのへんが異常かというと、まず精神病院に入ってる萩原聖人が、開始3分でカマ掘られてるあたりからタダ事じゃないです。乗っかってる男のねっとり小刻みな腰使いが嫌リアル。しかもカマの掘りあいを目撃しブチ切れた看護士が、「そんなにチンコ舐めてえのかコラ!」とトカジばりの素晴らしい罵倒を浴びせながらカマ掘り男を壮絶リンチ、あげくに虐待死させると、その後黒沢清監督の『CURE』でも秀逸なサイコ演技を見せた萩原聖人が突如襲い掛かり、「キャハハハハ!」と狂笑しながら看護士を絞殺。「精神病院=変態と人殺しの巣窟」みたいな歪んだ描写が冴えまくっていて、つかみは完璧です。

続く事件の幕開けでは、僕らの井筒カントクが顔面ゾンビ状態の死体役で特別出演。他にも遠藤憲一、古尾谷雅人、西島秀俊など、今観ると刑事役をはじめとするキャストが無闇にクセのある連中ぞろいで、こいつらが殺伐殺伐したやりとりで捜査を進めていくだけで嬉しくなってくるんですが、特に印象深いのが、主人公・中井貴一と犬猿の仲の捜査主任を演じる萩原流行、の、異様にパッキリした髪型。さらにその萩原流行を背中からメッタ刺し、大流血シャワーをブチ撒けるのが大杉漣! どうよ、観たくなってきたっしょ。

そして真打ちが、事件の黒幕である弁護士・小林稔侍ですよ。これは俺の勝手な見立てに過ぎませんけど、本作には「社会的狂気vs個人的狂気」という裏テーマが横たわってると思ってて(と同時に、全共闘世代に対する批判のニュアンスも、原作より強まってますね)、早い話が「学生時代に内ゲバで人殺して、あげくに仲間まで殺して埋めた社会エリートと、狂った頭で次々人殺して回ってる精神異常者と、どっちがよりキチガイなのよ!?」ってことですが、その答えを如実に示すべく、ヤクザから奪ったトカレフを呑んで復讐に現れた萩原聖人に、稔侍、鉄パイプ攻撃で圧勝! 泣き叫ぶ萩原聖人を引きずり回し、なおも執拗に鉄ッパでボコり続ける稔侍の姿に、お茶の間でおなじみマイホームパパな面影は微塵もありません。さすが稔侍、かつて『狂い咲きサンダーロード』でガチホモ右翼を演じた伝説は、伊達じゃねえぜ!

原作では、やわらかな大阪弁で物語にワンポイントの清涼さを与える主人公・合田刑事にしてからが、「ミスター四角四面」こと中井貴一なんでまったく感情移入できねえし。恋人である萩原聖人の代わりに撃たれ、さらにその恋人が連続殺人犯であることを知らされ不幸のドン底に沈む名取裕子を、「他に女がいるかもしれませんよ」と追い詰めるんですよ。酷すぎ。

死体の歯をハンマーでゴキゴキ折ったり、凶器の解明のため死んだホームレスの脳天に金属突き立てたりといった、「間違っちゃねえけど、そこまで描くこたねえだろ」と言いたくなるグロ描写もステキなんですが、本編自体はスカスカな出来というわけではなく、2時間半の長尺に、過去を背負った男たちの暗い妄念や、組織に縛られ憑かれたように事件を追う刑事たちのギスギスと鬱屈を深く刻み込んだ、骨太な映画です。俺、この後に『L.A.コンフィデンシャル』観たとき、あまりにソツなくまとめやがったカーティス・ハンソンの演出に「こんなんだったら、崔洋一に撮らせろよ!」って一人で怒ってたかんね。しかしエルロイ作品の、特にL.A.四部作の凄みってのは、ストーリーの均整をキャラクターたちの異常な情念が破壊していくところにあると思ってるんで、とりあえずダークな異常映画に飢えてるキッズたちは速攻で『マークスの山』を借りに走ればイイと思います。

matuokamatuoka 2007/06/05 00:00 これは見たい!!!!!(原作読んでないのに)

headofgarciaheadofgarcia 2007/06/05 03:49 ちょっと説明しづらいんですが、萩原聖人をボコボコにのめしまくった稔侍が、意味もなく萩原の靴を奪って履き替えるシーンに痺れました。ぜひ観てください!

のりのり 2008/06/22 02:09 今丁度、TVでやってます。出だし見逃しました!!ドキドキします!!あぁ、今ボコボコ!

2007-05-31 俺たちの暴力神話・『300』 このエントリーを含むブックマーク このエントリーのブックマークコメント

『300』

試写会で『300』(監督:ザック・スナイダー、原作:フランク・ミラー)を観てきたので、一足先にレビュってみます。一般公開はもう少し先ですし、一応折り込みますね。

続きを読む

bakuhatugorobakuhatugoro 2007/06/01 10:33 >70年代以降の男性文化におけるマッチョイズムの敗北、武装解除に対して無自覚な
>ヒトではないと思う

これ、情勢の判断としてはよくわかるんだけど、劇場で予告編観てると最近何もかもがファンタジーになっちゃってるのが食いたりなくもあるんだよね。たまにはリアルな絵とシチュエーションで、生の暴力も観てみたい。
マッチョ、マチズモの敗北というのも、本当は正しい、間違ってる、自覚、無自覚云々じゃなくて、単純に平和と安定の中での「自分が損をしたくない」という保守的な権利意識の増大の結果だから、尚更表現の中では自由に暴れてくれよと思う。
本当、いくら細々と幸福追求したって、人間いつかは死ぬんだからさ。

ともあれ、レビューは楽しいし、この映画観たくなりました。

headofgarciaheadofgarcia 2007/06/01 13:43 ペキンパーの『ワイルドバンチ』が映画における心の故郷なんで、似たようなことはよく感じます。世界から暴力が減っているわけでもないのに、無慈悲に襲い掛かってくる暴力の怖さをストレートに描けなくなってるのは、問題あるなァ、と。
>たまにはリアルな絵とシチュエーションで、生の暴力も観てみたい。
これに応えられるものというと、最近では韓国の『オールドボーイ』ですかね。今の韓国の社会状況が60〜70年代の日本と相似してるからかなと思うんですが、近代の男が抱えるマッチョイズムの立ち往生と、それと裏表の過剰な屈折や暴発にグッとくる映画が多いです。90年代に描かれた日本の原作が、マッチョイズムの解体を前提に柔らかくハードボイルドするマンガだったのも、そういう意味では対照的かも。
あとファンタジーってことでいうと、フランク・ミラーはレイプを出さないですよね。いまのハリウッド映画で事実上レイプを煽情的に描けないって理由かもしれないんですが、70年代の小池一夫や西村寿行に慣れた頭からすると、そこだけ上滑りに回避されてるような印象を受けます。別にレイプがどうしても必要と言いたいわけじゃないけど、性欲に根ざした独占欲、支配願望の横暴さみたいなものもまた、マチズモを押し出した作品のまがまがしいスリルでもあったわけで。レオニダス王の王妃が寝取られるあたりに、その片鱗が少しだけ残ってますけど・・・

bakuhatugorobakuhatugoro 2007/06/02 10:57 レイプの忌避とファンタジー蔓延の話は、いつかのジャンプマンガの作風変化の話と重なるね。
『オールドボーイ』の感想はよくわかるし、(性を含めた)暴力を内在的な痛みとして受け止めたいガルシア君の真面目さにも好感を持つけど、俺は一方で暴力や残酷がすべての前提として「当然ある」ことが前提の世界ならではのふっきれと乾いた哀歓を持つ映画やマンガが懐かしい。
「世界から暴力が減っているわけでもないのに」というのはまさに同感で、理屈はないけど嘘もない世界っていうのが体感レベルで描かれた作品っていうのは、常にあって欲しいと思うんだよね。

kimurakimura 2007/06/03 07:19 「フランク・ミラーはレイプを出さないですよね」 バットマンイヤーワンではセリーナ・カイルがやられてたような……。レイプがほとんど無いのはアメコミのコミックコードがその体に染み付いてしまったのかも。

2007-05-20 告知です。 このエントリーを含むブックマーク このエントリーのブックマークコメント

『音楽誌が書かないJポップ批評48 奥田

http://tkj.jp/book/book_20142601.html

先日出た『音楽誌が書かないJPOP批評48 奥田民生「アンチスターな男」の20年』に、「老化ロッカー十番勝負」というお題で原稿を書いてます。甲本ヒロト吉井和哉草野マサムネといった、60年代半ば生まれのミュージシャンの現在を取り上げつつ、民生との比較や今の音楽シーンでの立ち位置を、俺の勝手な思い入れコミで語っていく感じ。10代のころ夢中になって聴いてた顔ぶればかりなので、まァ出来は別にして、全力投球はできたと思ってます。書店などでお見かけになりましたら、ぜひ手に取ってみてもらえると嬉しいです。

http://www.geocities.jp/wakusei2nd/p3.html

それと、何度か寄稿させてもらってる惑星開発委員会の同人誌『PLANETS vol.3』に、ヤンキーマンガの特集と花沢健吾のマンガ『ボーイズ・オン・ザ・ラン』の評論…めいたものを書いてます。ヤンキーマンガ特集は、このジャンルの90年代以降の流れを捌きつつ、ある程度「ワシらのフィールドで語ろうや」的な試みができたと思ってるのですが、『ボーイズ・オン・ザ・ラン』はなぁ…正直力みすぎて暴投という感じが否めません。今の青年マンガにおける「男らしさ」の問題、あと「ダメ男」マンガの限界という視点から語ろうと思ったんですが、何せ俺ン中でそのへんの葛藤について全然整理が付いてないので、何かドシャメシャな内容になっちゃいましたね。歯切れが悪くて申し訳ない。でもまぁ、書く側の混乱も含めて、読んでくれた人に伝わるものがあれば、と希望的観測で考えてるんですけどね…

今回は、中野タコシェや、同誌に参加されてるライター・中川大地さんの所属する千石空房あたりをメインに販売されるそうです。ご興味を持たれた方はこちらもよろしく。