2011-08-14
継続企業の前提に関する事項の記載内容の変化
更新をさぼっている間に2012年3月期の第一四半期報告書(以下、1Q報告書)が提出されました。
2011年3月期有報は中断して、2012年3月期1Q報告書を監査法人による四半期レビュー報告書をベースに見ていこうと思います。
EDINETの2012年3月期1Q報告書のPDF版では 31/32ページからになります。
余談になりますが、従来「追記情報」として記載されていた内容が、当期から「強調事項」と「説明事項」に区分されることになりました。
この改正により、東京電力の2012年3月期1Q報告書上は「強調事項」が3項目記載されています。
まずは「強調事項」の1項目目「継続企業の前提に関する事項」の記載内容ですが、2011年3月期有報上は、原子力損害賠償支援機構法が国会に提出はされたが未だ国会で採決されておらず、加えて枠組みの詳細が決まっていないことから、継続企業の前提に関する重要な不確実性がある、というものでした。
これに対し、2012年3月期1Q報告書では、原子力損害賠償支援機構法は平成23年8月3日に成立したが、機構の具体的な運用等については今後の検討に委ねられている状況であることから、継続企業の前提に関する重要な不確実性がある、と記載されています。
つまり、2011年3月期有報提出段階では、
という2点をもって継続企業の前提に関する重要な不確実性ありとしていたものが、2012年3月期1Q報告書提出段階では、1.はクリアされたものの、未だ 2.がクリアされていないため、引き続き継続企業の前提に関する重要な不確実性ありと判断した、ということのようです。
原子力損害賠償支援機構法の具体的な枠組みが東京電力の財務状況に大きなインパクトを与えるような内容になった場合、事業継続が困難になると判断しているわけです。
ということは、具体的枠組みが決まった時点以降の決算書上「継続企業の前提に関する事項」がまだ記載されている場合、東京電力は原子力損害賠償の枠組みが自社にとって過酷だと判断している、というメッセージと受け取ることができそうです。
そういう意味では、今後も「継続企業の前提に関する事項」の記載には十分注意を払っていく必要があります。