みんなパソコンで音楽聞いてるの?

今年2月に日本レコード産業が公表した2009年度「音楽メディアユーザ実態調査」の中で、けっこう気になってた調査結果がある。普段利用しているオーディオ機器という項目。以下の図は、その上位のもののみを挙げてみたもの。これ以下の利用率については、2009年度「音楽メディアユーザ実態調査」の25ページ目を参照のこと。

コンポ型ステレオとか従来から主流のものも高位につけてはいるものの、パソコンがダントツで挙げられている。質問項目は、「あなたが普段使っている機器はどれですか?」というなんともぼんやりした感じなんだけど、さすがに「オーディオ機器として」という文脈で聞いているのだろう*1

うーん、これって、オーディオ・プレイヤー・ソフトウェアを起動して、音楽ファイルを再生するって意味でのオーディオ機器なのかな。それとも、パソコンを使用して音楽を楽しむアクティビティ全般を含めてのオーディオ機器ってことなのかな。そう考えるとテレビやラジオも入りそうなんだけど…。ユーザが能動的に音楽を再生するデバイス全般って感じなのかな。YouTubeニコニコ動画での音楽聴取とか、CDのリッピングとかも入ってるのかな。

それにしても、上位に上がっているのが、コンポ型ステレオ以外はここ10年以内に広まったものだってのは実に感慨深いね。携帯電話にはiPhoneは含まれていないのだが、iPhoneも2.2%と意外に多い。

やはり、パソコンが突出しているのがおもしろいかな。少なくとも、音楽との接点としては最も重要なものの1つであるのは間違いないだろう。いかに着うた/着うたフルが好調でも、音楽プレーヤーとしての携帯電話があまり利用されていないのを見ると、売り上げ的に天井を打ったであろう今後の展開は厳しいんじゃないかと思える。

レコードをかける、CDを再生するのがオーディオ機器*2だった時代から、音楽データを保存し、読み込むデバイスがオーディオ機器として当たり前の時代になった。これからのオーディオ機器はユーザが能動的に音楽を聴取できるデバイスっていう、かなり幅広い意味合いを持つのかもしれない。

いずれにしても、パソコンは多くの人にとって、音楽との接点として機能しているのだろう。それをどう活かしていくのか、というのが今の、そしてこれからの課題になるんだろうね。

*1:そうでなければ、この質問項目に「パソコン」を入れる意味は全くない。とはいえ、携帯電話だけは「音楽プレーヤーとしての」と断り書きがあることに一抹の不安を覚えるのだが…。

*2:まぁ、8トラとかカセットテープ、DAT、MD、ラジオとかもそうなんだけどさ