幻魔大戦

借りてきてた「幻魔大戦」を観ました。

幻魔大戦 [DVD]

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古いアニメなんですが、近所のTSUTAYAに置いてあったので、懐かしくて観たくなって。懐かしいとはいえ、観るのは初めてなんですけどね。
この映画の公開当時、友達でアニメ雑誌を買ってる奴がいて、それに載ってた記事を読んであれやこれや言ってた記憶があります。現代語に意訳すると「大友キャラ萌えねえってwwwこれがヒロインとかワロスwww」的な会話がメインだった気がします。凡夫の悲しさというか、あるいは萌えエリートになれる素質があったのかもしれないというか。どこで道をふみはずしたんだろう。
で、初めて観たんですが、つめこみすぎて展開が雑になってるという、アニメに限らず日本の大作映画に往々にありがちな欠点があるものの、変なところも含めて新鮮に楽しめました。そういや、この作品で"覚醒"とか"残留思念"とかいう言葉がはやったなあ。あと時代なんでしょうか、SFに不慣れな観客を想定して、わかりやすくするためにすごくダサいことになってる部分とか、「偉い人にはわからんのですよ」的な大人の事情とかあったんだろうなあと思いました。てか、そういうのは今でもいろんなとこであるか。
当時は小説版もまわりではやってまして、エスパーバトル的なものを期待して友達から借りて読んでいた僕は、主人公東丈が新興宗教の教祖みたいくなっていく展開についていけなくなり、五巻ぐらいで挫折したのでした。しかし今考えてみるとエスパーバトルよりそっちの展開の方がおもしろそうだよな、と思います。凡夫には難しかったです。
今ウィキペデイアで調べて見ると、「幻魔大戦」って平井和正石森章太郎の共作による漫画作品が原点になってるんですね。平井和正の小説版がオリジナルかと思ってました。しかも、僕が読んでた角川版の小説は最初の漫画版を下敷きにした、かなり後でできたバージョンらしいし。
この映画にキャラクターデザイナーとして参加した大友克洋先生が、これをきっかけに以後アニメを主戦場としていくことになったり、あるいはオウム真理教麻原彰晃にインスピーレションを与えたり、すごいな「幻魔大戦」。まあ、宇宙の根源的な悪と善なる宇宙意思に導かれたエスパー戦士達が宇宙の興亡をかけて戦うという、スティーブン・キングもびっくりな超誇大妄想的なスケール感のストーリーだし。ニューヨークも東京もボコボコに壊滅しとるし。
というか、今の時代にこそ、こういう映画をリメイクするといいんじゃないかな。ただしキャラデザは萌えな感じで。
後、ローズマリー・バトラーの歌う主題歌は聞き覚えがあってすごく懐かしかったです。