日々雑感っ(気概だけ…)on Hatena Blog

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「009RE:CYBORG」 を観る。


 (attention!)
 公開からまだ3日目なので、ネタバレ要素は無い様に書くつもりですが、どうしても触れてしまう部分もあります。観る予定があって事前情報を入れておきたくない方はご覧になってから観ていただけると嬉しいです。それと、原作/アニメ版009のストーリーにも触れるので全く知らないと判らない内容かもしれません…。


 

 さて、「サイボーグ009」のアニメ化は、1966年の映画「サイボーグ009」とヒットを受けて翌年「サイボーグ009怪獣戦争」が作られました。その続編として、TVシリーズ26話(モノクロ)が放映されました。79年に「宇宙海賊キャプテンハ―ロック」の後番組として、久々にTVシリーズ50話が作られました。TVシリーズが終わって半年後3作目の劇場用映画「サイボーグ009超銀河伝説」が公開。これがとんでもない作品だったのは以前もこのblogで書いています。そして2001年〜02年、原作にほぼ忠実な形で全51話が作られました。
 最新作が作られてから10年、しかも今回の劇場版は、キャラクター造形だけでなくストーリーも完全新作となっています。

 キャラクターが、あまりにも変わっているので、ちょっと心配でしたが、大丈夫、しっかり「009」でした(笑)。

 原作ものをアニメ化する際には、どれだけその作品や作者をリスペクトしているかがかなり重要になります。特に009の場合、1964年の原作発表から50年以上、原作ファンはもとより、60年代、70年代、そして平成に入ってからのアニメ版のファンがたくさんいる為、それらのファンをも納得させるものを作らないといけません。
 私は、アニメ版は60年代白黒版から好きで、本格的にファンになってコミックスを集め始めたが小学校6年生くらい。その直後2回目のTVシリーズが始まりました。以降ずっと追いかけている次第です。


 今回の「RE:CYBORG」時代設定は現代。世界各地で高層ビルが狙われるテロが頻発する。そこで夫々バラバラに暮らしているサイボーグ戦士にギルモア博士から招集がかかる。一方で、考古学者をしているピュンマ(008)がアフリカで奇妙な化石を発掘する。それは、背中に羽を持つ"天使"の骨の化石だった。
 中国で大富豪になっている張々湖(006)や自然保護活動をしているジェロニモ(005)はすぐに集結するが、009の様子がおかしい。009は、歳を取らないサイボーグであり、そのままでは生活に支障をきたす為、高校生として生活をしてるが、3年毎に記憶をリセットされているという。今回の集結で記憶を呼び戻す作業は、石ノ森章太郎の「幻魔大戦」で、主人公、東丈がESP能力を発言する為に戦士ベガに襲われるシーンのオマージュとなっています。他にも旧作のシーンから換骨奪胎して現代風にリファインされているシーンがちりばめられていて、私のような往年のファンでもなかなか楽しく観れました。そして、クライマックスは…、いや、ここで止めておきます。


 石ノ森章太郎デザインの「サイボーグ009」の映像化は、平成TVシリーズが一つの頂点だと思います。まだアニメ化していないエピソードがありますが、それをしたところで平成版の続編にしかすぎません。今回のこの大幅な改変は、宣伝コピー「終わらせなければ、始まらない」に象徴されています。
 このキャラクターでもう2、3作劇場映画作って欲しいなと思います。TVシリーズにしてしまうとどうしてもこのクォリティは保てないと思うので、是非劇場版で。

 この作品から009に触れた人は、過去の劇場版、TV版を観たり、原作を是非読んで欲しいです。絵は確かに古い印象を持たれると思いますけど、今作のモチーフとなっている部分や、その他のストーリーも硬軟バラエティに富んでいて読み応えありです。