ネットで名乗る名前の移り変わり

ネット上で本名を出すか出さないか、そこから生まれるさまざまな感情:Garbagenews.com」を読んで。

ネットでどう名乗るかについての話。



ネット上で活動するときには、匿名掲示板などで匿名の大勢の一人となるとき以外には何かしら個別認識出来る名前を名乗ることになりますが、その名前は「ネット上のハンドルネーム」「本名」などがあり、またネット上のハンドルネームもずっとその名前を使い続けて一個人として認識できる形で活動する場合、サービスなどで名前をいろいろ変える場合などがあったりします。


ここ数年で大きく普及してきたソーシャルネットワークの場合には、本名を名乗ることを推奨・指定されることも多く、ネットではネット上の名前で活動することに慣れている人やネットと現実の名前を紐付けたく無い人達にはちょっと息苦しい状態になっていたり。


ネット上で本名を使うことのメリット・デメリット


ネット上で本名を名乗って活動することのメリットは、ネット上で得られる利益、人とのコミュニケーションだったり、知名度アップだったりが、現実の自分とリンクした形で享受できるということ。逆にデメリットは、ネット上でもし何か自分に不利益なことが起こった場合、炎上したり、ストーキングされたりというのが、直接現実の自分に降り掛かってくるということ。


ネットも結局は現実空間の延長線上の世界


ネット上だけの名前(ハンドルネーム)を使って活動している分には、もし何か問題が起こったとしても、それが現実の自分にまで降り掛かってくることはないため、気楽に参加・利用できるというのは分かります。

ただ、ネット上で本名を名乗っていなくても、現実の自分と紐づく情報をアップしていれば、そこから身元が割れる場合もあり、本名じゃないから絶対安全と言う訳でもなさそうです。



そもそも論として、ネット上だからと言って現実ではできない・やらないような酷い行動をしてもいいのか、というのもあったりします。



ネット上での活動経験が増えてくると気づくことがあります。それは、ネット上の空間だからと言ってそこは何もかも許される別空間なんかではなく、参加者それぞれは現実のどこかに存在していてたまたまネット上のとある空間に集まってやりとりしているだけ、ということ。ネット空間は現実の世界の延長線上にあるにすぎません。


ネットが持つ独特の距離感


また、ネットを通じて距離感が変わってしまうというのもあります。

例えば、自宅でテレビに出ている有名人を見ながら、ああでもない、こうでもないと揶揄するような発言をかわすことは誰しもあるかと思います。でも、現実に目の前にその有名人が居たときにそれをそのまま伝えることができるかと言えば、なかなか出来ないはず。

ところが、ネットという場を通じてだと、直接本人に伝わるという状態にも関わらず、面と向かっては絶対言えないようなことを平気で投げつける人が結構いることに驚きます。



また、身内でしか話せないような内容を平気で世界中に向けて公開してしまうというのも、ネット上での距離感(この場合には自分の発言がどこまで見られるか?という距離感)を掴めていない例としてあげられます。



距離や時間、立場を超えてコミュニケーションできる、コストをほとんどかけずに不特定多数の相手に向けて情報公開することができる、というネットの特性は、何か話題になってしまうことをした場合に、それが良いことだろうと悪いことだろうとものすごい勢いで拡散してしまう特徴をもっています。



時がたち、ネットが普及していくことで、私達の日常の活動においてネットが占める割合はだんだん上がり、そこに参加する人の数もどんどんと増加していくのは間違いありません。

ネットが一部の趣味の人達の居場所だった頃には別に本名を名乗らずにネット上の名前、ハンドルネームを名乗っていれば問題なかったのですが、昨今のSNSのように本名で参加することで現実の人間関係をネットでうまく補完しようというようなサービスの場合には、本名を使うことで現実の人間関係にもネット上から得られるさまざまなメリットを享受することが出来る様になります。



ネットと現実をきっちり分けて別世界にしておきたい場合には、あえてネット上で本名を名乗る必要はありませんが、これからの時代はハンドルネームのような仮名(とは言え、長らくネット上で使っていればそれはそれで知名度を持ちます)と本名とがだんだんと混ざり合って行く時期に突入しそうだな、という感じがしています。