ジーコ監督は人格者

世の中にはジーコ監督は人格者だと思われてる方もいるようですが、私はJリーグチャンピオンシップ、対ヴェルディ戦のPK唾吐き事件以来、1秒たりともジーコ氏が人格者だと思ったことはありません。ハンガリー戦の試合後のジーコ氏の行動を見ても、まただよ、くらいにしか思ってませんが、代表監督としては失格ですね。
アウェイの試合のロスタイムに、PKともシュミレーションとも取れるプレーでPKを取られ、負けた監督が審判に対して怒る、ここまでは理解できます。世界中のほとんどの監督が怒りまくる判定でしょう。
でも、代表初ゴールの玉田選手が相手選手と交換したハンガリーチームのユニフォームをひったくるように奪い取ってまで、引き上げてくる審判団に向かって投げつける。まるで、「おまえらはハンガリーの味方なんだろ、このユニフォームがお似合いだよ」とでも言うように。日本チームのスタッフが必死に止めてましたが、最後まで好きなようにやらせてあげて欲しかった。この試合で唯一監督が感情をはっきり表に出したシーンだったから。
代表合宿中に規則を破り外出した選手たちに、「国を代表する選手としての誇りと自覚がない」と切り捨てるのなら、代表監督である自分も日本を代表している誇りと自覚を持って欲しい。この試合がハンガリー国内で生中継が無くて本当に良かった。ハンガリーチームのユニフォームを投げ捨てる監督がいる国の1人のサポーターとして、ハンガリーのサポーターに心から謝りたい。
この程度の親善試合のロスタイムの判定で自制を失ってしまう人物が、この先もっと厳しくなるWC予選の試合で、アジアレベルの審判の判定に対して自制できるとは思えません。大事な試合の大事な場面で我を失って自滅するシーンが今から目に浮かびます。私は、代表監督の人間性なんて問題にしません。お金に意地汚くたって問題ない。その人物が日本代表を強くするか、日本サッカーをより良い方向に導いてくれるのなら、ノープロブレムです。でも、ジーコ氏に1年9ヶ月の時間を与えても、そのどちらも見受けられません。
この行動を見てもなお、ジーコ氏は人格者だと言う方もいるでしょう。そういう人たちに言う言葉は何もありません。なぜなら、信じる人の前に神は存在するものだから。

女子代表 北朝鮮戦を少しだけ振り返って

夢かなった」いざアテネ アベック出場に歓喜の輪
一晩たったので、少しだけ冷静に振り返ってみたいと思います。時間がたっても勝った事はとてもうれしい。
試合としては完勝でしたが、個々の1対1の場面では北朝鮮選手が優っていました。止まっている状態からの動き出しの速さ、ボールを持ってからの突破にはいる加速、動きと逆方向への切り返しや反転、個人能力(運動能力)では北朝鮮選手がほとんどすべての局面で勝ってました。
でも、組織やチームとしては日本代表の圧勝でした。監督の指導方針や合宿等の強化がとてもうまくいったということも、もちろんあるとは思いますが、一人一人の選手のサッカーにかける気持ちの違いの勝利ではないかと感じています。北朝鮮の選手達は運動能力に優れた子供達をスカウトして、国策としてスポーツの強化競技であるサッカー選手にしていると聞きます。それに対して日本選手達は決して体格や環境に恵まれなくてもサッカーが好きで頑張ってきた選手達です。誰からやらされているのでもなく、厳しい環境の中、自分の意志でここまでやってきた選手達の情熱の勝利であると思っています。自分達の力で日本の女子サッカーの歴史を作るんだ、自分達の力で女子サッカーの注目度を上げるんだ、自分達の力で未来への扉を開くんだ、そういう強い気持ちが競り合いで足を出させ、相手のシュートに体を張る、そういうプレーにつながり、90分間集中を切らさない素晴らしい戦いになりました。今の男子日本代表が失ってしまっているものを、昨日の女子代表チームは強烈にアピールしてくれました。
同じ事はスタジアムに集まった応援する人々についても感じています。北朝鮮の応援団は動員された人たちであると聞きました。一方日本の応援は自発的に女子代表を応援するために、自らの意思で国立に集まったサポーター達です。やはり応援の情熱も違うと感じていました。国立へ行ったみなさん、本当に素晴らしい応援でした。アジアサッカー連盟の通達により、ホームとアウェイの境界をはっきり分けさせられたことにより、男子代表のように両ゴール裏から違うコールが聞こえることもなく、ホームで戦うピッチとスタンドの一体感がとても伝わってくる応援でした。確実に選手の背中を押し、足を一歩前に出させる応援だったと思います。
北朝鮮の選手達にとっては、祖国での列車爆発事故のニュースなどもあり、試合に臨む気持ちの持ち方も難しかったと思いますがフェアな戦いでした。日本の勝利はチームだけでなく、選手をサポートする家族やスタッフ、協会(この件は素直に誉める)、サポーター、すべての勝利であると感じます。みなさん、おめでとう、そしてありがとう。

U−23 ギリシャ選抜戦を少しだけ振り返って

どうしても結果が欲しかった」田中隼磨=U-23日本代表
チームにとってはテストでも、選手にとっては生き残りを賭けた戦いという意味合いの強いこの試合でしたが、田中隼磨選手のように崖っぷちパワーをプラスに出せた選手と出せなかった選手の明暗がはっきりしてしまったかな、という感想です。
まずは、右サイド。田中隼磨選手も冷静に分析してますが、昨日の活躍でよりいっそう激戦区になりましたね。石川選手もうかうかしていられない状況です。徳永選手は最終ラインもできるので、ちょっとリードというところでしょうか。
一方の左サイド。根本選手はもの足りなかったですね。ベンチからも「もっと思い切って行け」という指示が出ているようでした。森崎浩司選手はある程度計算できる選手としても、左サイドにOA枠かなと感じます。
FW陣は平山、田中達也選手のコンビがますます熟成されて良い感じです。ジーコの「海外組をおとりに使って国内組で点を取る」ではありませんが、体格の大きな平山、高松選手をおとりに使って、小さな田中達也、大久保選手が相手の視界から消えて点を取るイメージなのでしょうか。
センターのMF陣は守備に安定している今野、鈴木ペアに対して、展開パスの出せる森崎和幸がどう絡んでいくのか興味深いです。松井、山瀬の両選手については、ちょっとコメントが難しい。だんだん崖っぷちになりつつあるような気がします。小野選手がOA枠出場オッケーになったら、かなりやばい立場に‥‥
DF陣はケガ人が多すぎてまだまだわかりません。山本監督のイメージしてるDFラインもはっきりしませんし。
GKは林選手の安定感と、昨日の黒河選手のドタバタ感がちょっと象徴的と感じます。川島選手はオフの移籍が良かったのかどうか、出場しつづけられるチームの方が良かったんじゃないかな。ここもOA枠使われちゃいそうです。
チーム全体としては課題も出て、でもそこを修正して次へ進めるような良い遠征でしたね。選手達にとってもギリシャの現地感がつかめて、また1回行ったからこそ本番でも絶対行ってやると決意も新たになったのではないでしょうか。

ハンガリー戦 ハンガリー遠すぎ

試合の立ち上がりを見る限り、どっちも当分得点は入らないだろうという前半。そして後半、ハンガリーが狙い通りのセットプレーで2点先行。ようやく本山選手の投入で流れを取り戻した日本、でも最後は危なっかしかった茶野選手がやられちゃいましたね。判定も何ですが、あの時間にあの場所で相手に当たってしまう選手も何ですね。
新たな発見というよりも、何年も前から分かっている、「流れを変えたいときは本山選手が有効」ということを確認しただけの試合でした。試合後の審判に食ってかかるジーコ監督が見苦しかったですね。他に考えることあるだろ。
ちらっと映った 「ハンガリー遠すぎ」 のバナーがこの試合のマイMVPです。