佐野元春2006全国ツアー「星の下 路の上」 大宮

大宮ソニックシティ大ホールに行ってきました。
佐野元春さんの今回のツアーとしては、立川、江戸川、福岡に次いで4本目、私自身にとっては福岡を除く3回目の参戦でした。まあ、物好きですね。それでも、いい内容だったなぁ。松任谷由実さんのライブを2回と今日の元春さんのライブとこの1週間で3回も見ています。ある一定の年代の方にはたまらないラインナップでしょ(笑)。まだまだ全国ツアーは続くのでネタバレなしでいきますが、短期間で聞き比べると、自分にとってはユーミンのライブは前から聴こえるライブなのですね。でも、元春さんのライブは音の渦というかパワーの中に自分がいるように感じられるライブなのです。


ユーミンも昔から好きでしたが、好きの中でも憧れのような好きというのでしょうか。ユーミンの歌に歌われている歌詞のような出会いがしたいとか、恋愛がしたいとか、大人の世界は格好いいなぁ、とか。でも佐野元春さんが好きというのは、自分と同列同格で好きなのですよね。等身大と言うと言い過ぎだけど、格好いい世界を歌っているのではなくて、等身大の生活だったり、悩みだったり、希望だったり。
個人的に感じることですから、他の人にとっては全然違う感じ方なのだろうとは思うのですが、自分にとっての佐野元春の歌はもう人生の一部なのだなぁと感じるライブでした。


そうそう、ライブ中のMCの中で元春さんが客席に向かって、「みんなはいつ頃から僕の歌を聴いてくれているのだろう」といって、質問をしたのです。「80年代から聴いてくれている人」という問いには大拍手。「90年代からは?」にはパラパラ。「00年からは?」の質問にはパラ。ステージ上の元春さんはショックを受けているようでしたが、だって表立って活動をしていないのだからしょうがないじゃない。テレビにはCMしか出ないし、ラジオ番組をやっているわけでもないし。いつから新しくファンになれると言うのか、難しいですよ。
それと今日の演奏ではバンドメンバーのソロパートがかなり多かったのですが、その中でもギターの佐橋さんはノリノリだったように感じました。もう1つ、今回から参加のコーラスのTTシスターズは可愛いなぁ。特にステージに向かって左側の竹内宏美さん(?)のフリが可愛らしくて元春さんとHKBの男臭さをうまく消しているような気がします。

ボルトン - ウィガン

久しぶりに中田英選手の出場試合を90分間見ることができました。前半はそこそこ画面に出ていたものの、後半は消える時間もあったとは思いますが、存在感はやはりありますね。ただ、その存在感がチームのやりたいサッカーと方向性が一致していないように見えることが気になります。


コンディションの悪いピッチの上で、ただでさえ前に蹴ることの多いボルトンの中で、中田英選手のようにパスをつないでリズムを作る選手が生きるのかどうか。相手ボールをDFが奪ったときに、日本やイタリアのサッカーならボランチやMFに1回預けて中盤が前を向ければそこから展開するし、前を向けなければもう一度DFに戻して展開する。特に中田選手は一度触ってボールを少し動かしている間に自分も次のスペースに出てパスを受けたいタイプだと思うのですが、ボルトンのサッカーはマイボールになった瞬間にFWが動き出し、DFや中盤はデイヴィス選手の頭を狙うパスを出す。MFの使命は短時間でFWのデイヴィス選手の近くに行きこぼれ球を拾うか、あわよくば後ろにすり抜けてヘディングですらしたボールをそのまま相手ゴール前に持ち込む。とにかく奪ったら前へ進むことが第一目的で、中田選手の思考するような中盤のつなぎには重きを置いていないように見えるのです。


そのチームの中で中田選手も、後ろ向きでボールを受けたときなど今までだったら簡単に横か後ろにはたいていたボールでも、無理な体勢から体を反転して前線にミドルパスを出している場面が何度か見受けられました。これなどもチームの早い攻めの流れに乗りたい気持ちの表れなのかなと思いながら見ていました。
ボールを持って前に進んでいる選手の横に中田選手がフリーでいてもボールは出ず、味方選手は相手の守備の網にかかりボールを失いボルトンの選手があわてて戻る場面など、やはりチームの志向が「簡単にボールを失わないこと」ではなく、「とにかく前にボールを運ぶこと」であるのでしょうね。前線にボールを放り込めば、敵味方入り乱れてゴチャゴチャして、その隙にヤンナコプロス選手が割り込んできてゴールへ押し込む。スローインのロングスロー多用なども同じ思考ですね。


FWにメキシコ人のボルヘッティ選手が入ると少しボールをつなぐ志向も出てくるのですが、いかんせん簡単に落とせる位置に味方がいないし相手DFの強い当りでボールを失うことも多いので、ボルヘッティ選手もなかなかスタメンでは使われそうもないですし、中田選手にはまだまだ苦渋の日々が続きそうですね。