日本 - 韓国

日本にとってのアジアカップが終わりました。延長の末決着がつかずPK戦にまで持ち越されましたが、自分の中では90分が経過した時点で2007年のアジアカップは終わっていました。この7月はかなり厳しいスケジュールでした。アジアカップヴェルディ、そしてツール・ド・フランス。自分の中では”ヴェルディ>日本代表=ツール・ド・フランス”という位置づけでテレビ観戦をこなしてきましたが、そんな苦しい日々も今日でほとんど終わりかと思うとさびしいものもあります。


「リーグ戦を中断して日本代表が活動している」と多くの日本の視聴者は思っているのかもしれませんが、中断しているのはJ1だけで、J2は日本代表の活動など関係なくリーグ戦をこなしています。最近はリアルの生活が忙しくてなかなかヴェルディをスタジアムで見ることが叶いませんが、それでもアジアカップの決勝トーナメントが始まってからは、21日、25日、そして今日の28日も日本代表の試合よりも時間的に先にヴェルディの試合がありました。
先にヴェルディ戦の結果が出てから日本代表の試合を見る、特に今日の28日は自分の中でのサッカーの炎はヴェルディの福岡戦で燃え尽きてしまっている状態でしたので、いくらテレビが日韓戦と煽っても心の奥底で燃えるものが持てないのですよね。そして試合そのものについてもJ2であるヴェルディの方が今日の日本代表よりも魂を揺さぶるような試合をしていましたし…。(まぁ、ヴェルディは負けてしまいましたけれど…)


この韓国戦も90分で決着がつかなかった段階でスカパーのツール・ド・フランス中継に切り替えました。切り替えたといっても家の中のメインのTVではツール・ド・フランスを選び、別の部屋のTVでは地上波で延長戦を流していましたが。ツール・ド・フランスの方も今日は23日間の長丁場の中で総合優勝の行方が決まる個人TT、前々日まで総合1位だったラスムッセンがチームを解雇されるという衝撃的な事件がありましたが、個人的には応援しているコンタドールが総合優勝に近づいていたので見逃せない個人TTでありました。今日の試合が決勝で延長にもつれ込んだなら、どうしたのか、自分。


試合については「何だかなぁ…」という感じです。頑固爺のオシム監督がいじってきたのは2試合目以降の2トップを1トップに変えてきただけでしたが、展開されている試合内容もオーストラリア戦やサウジアラビア戦と変わり映えなく…。長所は長所のまま、欠点は欠点のまま。それどころか、連戦の疲れもあると思いますが信じられないようなミスパスもある。変な言い方ですが、日本のサッカーはこじんまりとまとまっていて、上手さはあるが怖さがない。ここ一瞬の思い切りやスピードは韓国に負けている。そんな傾向はオーストラリア戦やサウジ戦と同じような感じです。小洒落たプレーはあっても”点を取るんだ”という強烈な意思が足りない(ように感じてしまう)。選手にその気持ちはあると思うのですが、それがプレーとして整理されて出てこない。手数が多く、怖さがない。


オシム監督の選手交代にも変わり映えはなく、あと一歩の決定機も決めきれない。{良いサッカー」と「勝つサッカーの」違い。ゴール前のクロスやシュートなどの、本当に大事な部分での1mのズレ、50cmのズレ、30cmのズレ。それが疲れからくるものなのかこのメンバーの限界なのか、その辺りの検証が必要になるのでしょうね。チームとしての方向性もできたし基礎もできた。あとは相手との違いを生み出せる勝敗の決着をつけられる個々のディテールの違いをどこから生み出すのか。選手選考なのか、攻撃のブラッシュアップなのか。これからどうなるのでしょうねぇ。勢いのある若手が出てくるのを待つタイミングなのか。この敗戦で日本代表の世代交代がさらに加速するかもしれませんね。
試合が煮え切らないから文章も煮え切らないや…。




韓国が魅せつづけた素晴らしい守備・・そしてシュートを打たない日本代表 湯浅健二のサッカーHP