「産業アイドル」のおさらい

ゆめりあさんのこのトピックに対する、id:umeda-tetsuyaさんのコメントが気になったので引用します。

売れるか売れないかに焦点をしぼった場合、産業アイドルというのは、劣った手法なのでしょうか。

「産業アイドル」なる言葉を作ったのは私なので、きちんとフォローしないとね。

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まずは定義から。

「産業アイドル」とは、バラエティを中心にテレビに頻繁に登場するアイドルの中で、その子が一日店長・署長などのイベントをたまたま見かけた際、ファンと思しき人達がほとんど見当たらなかった...という現場を何度か見て思いついた言葉です。
ロッキンオンの編集長、渋谷陽一氏が好んで使用していた言葉「産業ロック」(主に1980年代の米国産の売らんがために作られたロックミュージック)をもじって作ったものです。

目に見える特徴は...

  • 世間的な認知度は高い
  • 下積み経験に乏しい傾向がある(または無かったことにされる)
    (ここでいう下積みとは、歌手やモデルなど自分自身の価値を他人に直接評価されるというお仕事の経験に乏しいという意味です。)
  • インターネットでのファンサイトをほとんど見かけない

...という属性を持っています。

「認知度は高いが固定ファンが少ない」という特性を活かして、(主にオープニングセレモニー系の)イベントに呼ばれることが多く、スポーツ紙の記事になりやすく宣伝効果は抜群なので、ある意味重宝されている存在だと思います。
なので間違った手法ではありません。
ただ、こういったことは有名プロダクションじゃないと出来ないです。

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次に具体例。

っと、その前に。
言葉自体にちょっとした軽蔑的なニュアンスが含まれていますので、テレビタレント全般に対して当てはめてもらうと面倒なことになりますので、言葉の安売りは避けた方がいいですね。
なので間違いなく「産業アイドル」と称されそうな具体的な例をいくつか挙げてみます。

まず、現状のサンズとイエローキャブの売り方の違いが判りやすいかな。事情によりニ分割された際にサンズへ行った子は(異論はありましょうが)歌などのエンタテインメントを視野に入れている子が中心で、残された子は前述の様な活動が中心になるでしょう。さてファンはどちらについて行くか?ですね。

ホリプロスカウトキャラバンは毎回テーマを変えて開催されていますが、女優系の合格者のモチベーションは高いのに比べ、バラドル系の合格者の志は相対的に低く感じます。バラエティ番組での扱われ方はオカマキャラなどの「カルト系タレント」と同等ですが、芸が無いので自分の身を削って笑いを取った挙句、不祥事でバッシングされる光景はあまりに悲しすぎますよね。
また、最近ある映画が話題になっていますが、ホリプロのあるタレントがダンス経験が無いことを売りにしちゃってしまい、他の経験のある子が陰に隠れちゃっていることが、残り3名のファン達にとってある意味迷惑なことなのかもしれません。

オスカーはどちらかというと米倉涼子菊川怜といったある程度年齢を経過してから売り出すタイプがその手法を採用しがちです。一方、若い子は歌手などのお仕事を経験させたり、雑誌モデルとして読者と触れ合うことがあるので、まだ大丈夫かなとは思いますが、それを飛び越えてしまうとまずいかな...とは思います。

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以上。 まあこんなところかな。

で、また引用しますが...

この見方の根本には「ファンというのは、結局のところ虚構だ」という考えがあるのですが

「いつも私を支えてくれるのはファンの皆さんです」という言葉は割と聞くと思いますが、人気と引き換えにファンを失うことが、果たして彼女たちの幸せになるんだろうか?と常に思っています。
宗教に支えられちゃって広告塔になっても困りますので。

ちょっと戻りますが...

テレビを主体にするとコストがかかるというのなら、インターネット・コンテンツと連動してイメージ財を高めていく産業アイドルなんてのも想像上は可能です。手法としてはどうなのでしょうか?

そういう意味ではブログは、遠くなりがちなファンとの絆を強くするツールなんだろうなあ...とは思います。

ただそればかりに頼ってしまうのは問題で、例えば私から見ると、中川翔子からブログを外してしまうと単なるオタクな水着ギャル以外何も思い浮かびません。つまりブログを見ない多くの視聴者からすると「カルト系タレント」と同等だと思います。なのであくまでも二次的なものだと思って欲しいです。

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おまけ。
ハロプロの現状を書いてなかった。
こちらも状況は一緒です。

例えば矢口真里
バラエティー進出がすっかり定着しているので、さぞかしハロヲタも満足だろうなw...というと決してそんなことはないです。
実際、彼女のネームバリューを期待した時東座長公演も握手会企画が入る前の売れ行きが芳しくなく、決定後も彼女の握手会の有無で露骨に差がつく状態であることから、ファンが何を期待しているのかが見えてきそうです。
(実際、握手会よりも数曲歌う...という企画があればもっとすっきり埋まったと思いますが...あの話の流れじゃあ無理だわな(苦笑)。)

つーわけで、個人的には矢口真里辻希美の様なテレビ中心の子はブログをやるべきだと思っていますが、どうでしょう?...って誰に訴えてるんだか(笑)。

出来れば中澤裕子保田圭の様に舞台中心のメンバーにもブログをやってもらいたいですね。ただ酒の肴の写真ばかりがアップされそうで(苦笑)、エッグ系ブログに悪影響を与えない範囲でお願いしたいところです。