能登有沙、SI☆NA、笹峰葵、小倉唯/「HAPPY STYLE」@表参道FAB(その3)

さて、感想ですが、「歌唱力」云々の話は後回しにして、こちらは取り扱った曲をマニア的な視点でぐりぐり攻めます。
先にアニメソング系の話を中心に。

私を含むいくつかのブログの予想は「SI☆NAアイドルソング担当、東京組がアニメソング担当」でした。それは正解だったのですが、ただセットリストを眺めると、東京組では「この子は実質上アイドルだろ?」っていう子も扱っていますし、一方、SI☆NAの歌ったアイドルソングも半数がアニメのOPだったりします。その境目は何か?...ですよね(笑)。

「アニメ仕事とアイドル仕事のウエイト」「歌手が掲載される雑誌の違い」「ついているファンはどちらか?」「当時の声優がレコーディングした別バージョンがあるか?」「作品ありきの曲か?」といった指標で考えてみると、田中陽子さんは主題歌のみで主役の声はあてていませんのでアイドル歌手と見なしていいかもしれませんが、作品名がバッチリ登場し声優もやっていた大森玲子さんは微妙ですね。
ちなみに、ハロプロで考えると℃-uteはアイドル歌手で、OPに作品名が登場するBuono!はアニメ歌手...うーん...なんか違和感あるな(苦笑)。でも知人の知人には「Berryz工房夏焼雅には興味ないけど、Buono!雅ちゃんは大好き」って人がいるらしいので、やっぱりそうなのかも(笑)。

ただ私的には上の指標は関係なく(縄張り関係なく)、アイドル歌手だろうが、アニメ歌手だろうが、声優さんだろうが「曲調がそれっぽい」とか、「歌い手がそれを狙っている」といった見方で考えています。榎本温子さんは当時「avex mode」ではアイドル声優+歌姫的な存在で、作品によってはアイドルポップス王道でしたし、今回扱った曲は子供向けなのにどことなく「電波ソング」の匂いもします(苦笑)。

カバー曲がハロプロ誕生以後も扱っているのも面白い。(つんく♂さんが崇拝してやまない)ビートルズって、デビュー以後「最新ヒットのカバー」は一部を除き殆ど取り上げなかったはずなので、それを意識してか、ハロ本隊でカバー集をやってもこうはならないかなとは思います(本当かよ(笑))。その意味でこのセレクションは興味深い。ヲタが意識する縄張り関係なく、あくまでも能登有沙のための選曲なら納得できます。
その能登ちゃんが嬉々として歌ってた(笑)「魂のルフラン」や「Give a reason」「Believe」「遙か、君のもとへ…」はアイドルソング度は低く、1990年代(特に後半)以降のアニメソングの基本フォーマットに則ったピュアな現代風アニメソングだと言えます。この3曲はハロプロには無い感じですよね。ただ意外にも「アイドルチックなアニメソング」よりも盛り上がりました。これはオーディエンスの若い層が「エヴァンゲリオン世代」ってのもありますし、能登ちゃんのなりきり具合にタカまった(笑)のかもしれませんが、私的にはこの楽曲イメージを上手く取り入れてブレイクした水樹奈々さんのライブ風景を思い出し、ああ、なるほどなあ...と納得させられました。
さらに「ちょっと古いけど有名曲(若い客層にマッチした曲)」「比較的新しい曲」「知られざる名曲」のバランスが良い。多分に能登セレクションだと思われる「遙か、君のもとへ…」は女の子向け恋愛ゲームのアニメ化作品のOPだと思われますが、彼女の思い入れ(妄想含む)が凄く伝わってきて、彼女の曲になってましたね。とっても良かったですよ。今回の一番の収穫だったと思います。
それと、オリジナル歌手もライブ活動を地道にされている方が殆どです。元々、アニメ系のプロモーションの場は「番組のOP/ED」そのものであり、(J-POP系アーティストを除き)「歌番組に出演」や「音楽専門チャンネル」はほぼありえない*1反面、イベントやライブ活動が主であり、そこで曲もライブ向けに自然になっている*2。ただ先ほども書きましたが、ハロプロのフォーマットとは違うし、アニメ・声優ファンは「生バンド>カラオケ」志向が強いこともあるので、音楽的傾向はかなり異なりはします。PPPHの時に「おー!」って叫ぶのはアニメ系現場からだと思いますが、やっぱりこの系統の曲が合いますね。また極少でしたが「裏跳び」している人がいました。判ってらっしゃる方なんでしょうね。

なので、彼女をアニメ系のタイアップがついた歌手兼声優にしたい...なんてプランがもしあるのであれば、このイメージの曲オンリーで彼女を育てていくのか、あるいはもうちょっと萌え路線(「ネギま!」っぽい曲)も取り入れるか...といった部分が気になります。プロのアニメ歌手や声優さんも、キャラソンだと色んなタイプの曲を歌いますが、(ライブでより多く歌われるであろう)オリジナルアルバム曲だと世界観が統一される反面、ナローなイメージになりがちなんですよね。私的にはそういうのは避けて欲しいところですが、「二兎を追う者は一兎をも得ず」になっちゃうかなあ...気になるのはそのあたりです。まあ「今はお遊びみたいなもん。楽しんでやれればいいよw」的なノリならば、それはそれでOKですけどね。

話は変わって、上の「ついているファンはどちらか?」関連で。
気になるのは「ハッピー☆マテリアル」を歌ったことで、アニオタさんが変なアレルギー持たないといいんですけどね。「モーオタ*3こっちに来るなよ」みたいな感じで向うは意識するけど、ウチらは無頓着だからなあ(笑)。つーか、無頓着な上に何でも吸収しちゃうところがハロヲタの特性なんだけどね(苦笑)。

それと。
先ほどもふれた能登ちゃんの持ち歌候補(笑)「遙かなる時空の中で」はこの日のタイトルになってましたね。ちゃんと事前に作品をチェックして、出来れば曲も聴かないとダメだな(苦笑)。>俺
まあゲームまではやらないけどね。腐男子じゃないので。でも腐女子は嫌いじゃないよ。カミングアウトするとウチの嫁もホモネタ好き(^皿^)。まあ能登ちゃんはアニメや漫画・ゲームだけど、ウチの嫁はリアルホモが好きみたい(苦笑)。こういう濃い趣味の子って探究心が強いから、話していて飽きないよね。

アイドル系の話は、次回の予定。

*1:HEY!HEY!HEY!」が一時期取り上げたりしましたが、また内容変わっちゃいましたからねえ。

*2:ゲーム系に多くみられる打ち込み楽曲まではちょっとわかりませんが。

*3:あちらでは「モーヲタ」じゃなく「モーオタ」なんですよね。