アイドルファンについて(その5)

続き
例の如く長いよ(苦笑)。

ホンダ。さん(コメント)。

逆にアイドルファンは、『おニャン子クラブ』全盛。ってコトもあって“市民権”を得ていた気がします。

上り調子まではそうですね。ただ安定すると市民が飽きはじめるという感覚は、娘。ファンも経験しているはず。

岡田斗司夫氏の著書『オタク学入門』では「オタクは先鋭的で進歩的な感覚を持った“選民”だ」「だからこそ機能的で無駄のない“紙袋姿”“リュック姿”なんだ」的な理論を展開してましたねぇ。

前回でリンクした「漫画ブリッコ」に登場する「サファリジャケット」って、ポケットが多いなどひたすら機能性重視です。ただその志向は例えばBE-PALとかmonoマガジンにもありますよね。実は「こだわり」と「オタク」って紙一重だったりします。「おたく」→「オタク」ってのはその部分を上手く突いて市民権を得た部分もあるんです。

オタク文化と、アイドルファンの融合。っていつ頃から始まったンですかね??

あなたの大好きなマクロスからです。といっても初代の飯島真理さんの方です(笑)。感動の秘話は「wikipedia:飯島真理」をどうぞ。その次が「魔法の天使クリィミーマミ」の太田貴子さんです。いわゆるアイドル+魔法少女モノの先駆けになった作品です。友人のアニメファンは彼女達に夢中でしたが、ただそれよりも外へは向わなかった記憶があります。1982〜3年頃です。

その後生粋のアイドルでおたく達の支持を集めた人がいます。斉藤由貴さんです。「スケバン刑事」も大きいのですが、(その作風から)マニアから熱狂的な支持を集めていた谷山浩子さんの作品を多く歌っていたことも大きいです。また自身も漫画好きで、学生時代に漫画研究会に所属していたこともあります。私は当時「漫画ブリッコ」で「読者の女の子がデビューする」というコラム(編集後記)を見た記憶がありますが、それが彼女だったはず。
同時期にデビューした西村知美さんも漫画・アニメファンでしたが、Momocoクラブのイメージが強かったのか、斉藤由貴さんよりは、ややアニメ漫画ファンの支持は弱かったかもしれません。
概ね1985〜7年あたりです。

とはいえ、ここまでは歌手活動が別にある方ばかりです。
しかし、アダルトアニメをモチーフにした深夜番組から誕生したアイドルグループ「レモンエンジェル」が登場します。彼女達はアニメのイメージキャラクター的な存在ですので、立ち位置はアニメファンを相手にしているのですが、現場レベルではアイドルノリを展開するという不思議なユニットでした。ここでアイドルノリを覚えたアニメファンも多いと聞きます。1987〜1990年辺りです。

そしてアイドル声優の存在です。アイドル声優の元祖は様々な意見があるでしょうが、概ね「wikipedia:声優」の第二次声優ブームの時代からだと思います。ただこの頃はアニメファンだけのものでした。
しかし「アイドル冬の時代」以降、アイドル歌手ファン(予備軍含む)の受け皿になった感があります。というのも彼女達はラジオ番組を持つことで、そこから興味を持ってくれたり、またゲームの進歩によって声優がゲームキャラを演じ、そこでファンになったというケースも多々あります。wikipediaでいうところの第三次声優ブームの頃ですね。そして今に至ります。

以上です。
形式的に融合したのはレモンエンジェルかなとは思いますが、精神的に融合したのは斉藤由貴かな。私的には能登有沙に同じ...とまでは言えませんが似た匂いを感じるんですね。なので能登ちゃんがもう一歩上を目指すには、素敵なクリエーターさんとの出会いが必要かなとは思います。
オタクさをウリにする先輩には中川翔子さんもいますが、彼女は平成の一本木蛮ですので(苦笑)、彼女の二番煎じにはならないはずです。

のっち世代の子がある意味幸せなのは、多分に親が既にテレビっ子だったり、漫画好きだったりすることなんですよね。なので、それが当たり前の世界で生きている。松浦亜弥の親がアイドル好きで、カラオケでアイドルソングを聞いて育ったのとある意味一緒です。なので、もうあんましオタクがどうのとかって、℃-ute現場のニュージェネレーション達にはどうでも良いことかもしれません。アイドル声優現場でも大規模会場になると普通に茶髪の若い子も多く見かけますし。それだけボーダーレスにはなってはいます。

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いまむーさん(コメント)。

アニメや漫画のファンダムはそれを知らない人間には敷居が高いですが、アイドルのそれはその人のバックグラウンドを一切問いません
とおっしゃっていますが、確かにアニメ・漫画の深い話をするのならば
そうとう敷居が高いかもしれないのですが
例えば、ニコニコ動画でちらーっとupされているアニメみて
「ちょwwwwwww」みたいなコメント書いてコミュニケーションをとるような
そういうアニメ視聴の仕方はマニア的な知識は要求されないので
敷居が高いと言えるのでしょうか。

その前に、そもそもニコ動って、アニメやゲームファン以外にも開かれた存在なのでしょうか?

はてなダイアリー」でニコ動が貼れるようになり、アニメソングプロジェクトの性格もある「Happy Style」用のネタとして、あるいは出演者の能登有沙腐女子発言(笑)の引用として私も貼るようになりましたが、「俺、ニコ動のID持ってないから、貼ってくれて助かる」ってのを現場で何人かの方に言われちゃいました。確かにニコ動を貼っている人ってハロプロ界隈には殆ど見かけない感じではありますし、ハロプロ系の動画も少ないです。ハロヲタって「ハロプロ好き」っていうスペックを取り除くと、一般人の趣味・趣向の比率とさほど変わらないと思われるので、そうなるとニコ動って意外に閉鎖的なのかな?...って思うんです。

ハロプロものが少ない理由は、閉鎖的以外にももうひとつ考えられそうです。
ニコニコ動画はコメントがウリですが、アニメに「作画が破綻www*1」って書くのと、実際の人物に類似表現を書くのでは、実際の方がやはりキツい印象がある。アイドル歌手は下に見られる傾向もあるので、どうしても「けなしてナンボ」になる。なので、不愉快なコメント付きで見るよりはYouTubeで見た方が精神衛生上良いです。

ただ、これが「懐かしのアイドル」になると若干変わるかもしれません。ニコ動中心に「おっさんホイホイ」って言葉がありますよね。

ちなみに、お試し再生。
道重さゆみ菅谷梨沙子ロボキッス
(→ニコニコ動画)
多分にニコ動では平均的なコメントだと思いますが。これに慣れるか否かですね。

逆にベリーズやキュートやハロプロエッグなどは
ファン以外の人がどれだけ知っているのでしょうか?
「アイドルのそれはその人のバックグラウンドを一切問いません」
という意味をもうちょっと詳しくお教え頂ければ在り難いです。

ハロプロエッグについて。
これは「ハロー!プロジェクト研修生制度」ですから、広く知られる必要はありません。ただ最低限こういうシステムがあることを(これから芸能界を目指す子達に)アピールできればOKだと思います。大切なのはむしろ、先輩や研修卒業生が活躍することなんです。
実はファンは現在の正確なメンバー数を知りません。というのもオーディション合格から「新人公演」あるいはハロコンでお披露目されるまでは、氏名が公表されないからです。バックダンサーとして活動できるのは(事実上)小学4年生からで、それ以前の子が表舞台に登場することは(舞台子役などのケースを除いて)まずありません。こういった不明点が多いことはジャニーズJr.も同様です。
これは女優やモデル事務所のように、子役やモデルをさせるために所属させるのであれば(対外的なアピールの為に)プロモーションをかけるのでしょうが*2、あくまでも歌手ユニットの予備軍ですので、そこまではしないポリシーのようです。
ちなみにAKBはこの研修生制度をショービジネス化したものです。あちらは育てて他社に売り込むスタイルですので、ああいう派手な行動に出るのでしょうね。なので極めて特殊なケースです。

ベリキューについて。
日本人の特性上、テレビがプッシュしないと有名ではない風潮がありますが、Berryz工房℃-uteは中高生にも知られた存在ではあります。℃-uteオリコンやレコ大のお陰か、現場で中高生が一気に増えましたし、Berryz工房は有線で火がついてます(「ジンギスカン」が有線チャートの10位前後をウロウロしています)。そして女性客も目立ちます。それはカラオケ需要も大きいかなとは思います。

「アイドルのそれはその人のバックグラウンドを一切問いません」について。
これはいわゆるアイドルの仮想恋人性に強く依存するものだと思います。抽象的で申し訳ないですが「人は誰でも人を好きになる権利がある」ということです。これは生まれ育った環境の違いだけではなく、何らかのハンディキャップをもつ方にも平等の権利です。
但し、そこに何らかの知識力を求められると範囲が狭くなります。例えば、アイドル声優は(前記のとおり)ラジオやゲームといった他要素のきっかけもあるにせよ、彼女達の本業であるアニメの知識をある程度は持たないとついていけません。アイドルレスラーはプロレスが好きじゃないと厳しいでしょうし、囲碁将棋もそう、ボウリング娘も...といった趣味的なハードルがもうひとつ存在することになります。このハードルもある種のバックグラウンドかもしれません。
アニメやゲームそして声優方面にも優れた才能(アーティストや楽曲)があるのはマニア界では周知の事実でしょうが、それが埋もれたままなのは実に勿体無いことですよね。

*1:wikipedia:作画崩壊」参照。

*2:とはいえ、パスワードをかけ一般には閲覧不可能にしているサイトもあります。