2009-01-31 (Sat)
■[Discovering Reason翻訳]
今回はMIDIギターということで、個人的には未知の領域なもんだからやけくそに訳したところが多数。
かれこれ4年間、筆者はMIDIギターをミックスさせたらどうなるかを試していた(うぐ、ハードウェアだらけ)。Reasonを使い始めてのち、ギターコントローラのほこりを払って、壊れているところがないかチェックすることにした。
弦に引っ掛ける(Hooking it up)
多くの人はMIDIギターのそれぞれの弦が同じチャンネルから出力する状態で使いはじめる。しばらく後、閃光のようにひとつの地平が開けるのだ。けれども、MIDIギターを”モノラルモード”にセットしていたら、それぞれの弦は個別のMIDIチャンネルに変換される。筆者のParker MidiFlyは、そのモードでチャンネル2〜7を使っている。高いE弦はチャンネル2、B弦はチャンネル3、というふうに。6弦の違ったチャンネルがどんなセットアップになっているかはコントローラのマニュアルで確認しておこう。
ReasonでMIDIギターを使うことがグレートなのは、各弦を違うデバイスに送れるという点だ。低いEはベースサウンドのSubtractorに行けるし、A弦はMalstromに送れるし、D弦はNN-XTサンプラーに、など。コントローラを”モノラルモード”にしていて、ReasonをMIDIインターフェース経由でつないでいるのなら、”MIDI In Device”の個別の赤いランプを確認できるはずだ。これは正しくセットアップされているという意味で、創作の準備ができたってことだ!
空のラックから始めて、ミキサーとリバーブを作る。次に、Subtractorを作って”Warm Pads”をFactory Sound Bank > Subtractor > Pads folderを読み込もう。筆者はいつもSubtractorのポリフォニーを1に設定してから初めるのだけど、それは本質的でない音を避けるようにするためだ。
次にShiftとOptionsキー(Macの場合)か、ShiftとControl(Winの場合)を押したまま、Subtractorのラックの”耳”をドラッグアンドドロップする。これを4回繰り返して6個のSubtractorが同じパッチの同じセッティングででき、割り当てる準備ができた。で、ラックの一番上にいって、MIDI In Deviceのプルダウンメニューですべての弦をそれぞれのSubtractorに割り当てることができる。*1筆者はアサインした後にいつもSubtractorの名前を変える。”E弦、”B弦”のように”低いE弦”まで。
もう6個のSubtractorに違うパッチを読み込んで、自分の好きなようにそれぞれのパンをまわし、オクターブを変えることができる。ようするに試行錯誤しろってこと!ここに演奏するために6個のSubtractorにグルーヴを追加した例がある。Subtractorとちょっと個性をだすためにScreamモジュールを通したドラムの一部をつかった。この例のためにMIDIギターを演奏して筆者のちょっとしたシーケンスを含めることが必要だった。Reasonは複数のチャンネルを一度に録音できないからだ。その一部を録音するためにシーケンサプログラムを使って一度にすべてを聞こえるようにし、そのファイルをReasonに読み込んだ。ここに例のファイルがある:HexSubtractors.rns|(mp3)
ごきげんにしる!(Crank it Up!)
同じことをもう一度やるけど、今度は全部Malstromにして、ちょっくら実験てことで(誰にも迷惑かからないんだし)、6つの違うリズムパッチを読み込もう。筆者はそのうちのいくつかを試し聞きもせずに読み込んだ。まあでもそのまま続けてMalstromのパッチを読み込み、ポリフォニーを1に、ピッチベンドは0、そしてモジュレータレートを3連符から1/8連符や1/4連符に変えた*2。ここに6Malstromを同時に演奏してベースにシンセのラインを加えた例がある。MIDIギターでオーバーダブしたものだ。たった1テイクのベースラインで調整もしてないけど、クオンタイズの機能はアイデアをすばやく形にするのを助けてくれる。(ソロだ。聞けばいかにも1テイクだってことがわかるだろう!)これが例のファイルだ:SixMalstroms.rns|(mp3)
ちょっと!あっち行ってよ!(Hey! Keep it Down Over There!)
ReasonでMIDIギターを使った次の例は、MIDIをRedrumで使ったときに起こる思いがけない楽しみを含んだものだ。MIDIギターのトランスポーズを1オクターブあげて、ギターを演奏するように弾いてみたら、筆者のギターの高いE弦は、Redrumの違うチャンネルのMute/Soloだということがわかった。何が起こったのか:Reasonは、RedrumでC4を演奏すると、チャンネル1のソロになる。D4ならチャンネル2のソロ、E4はチャンネル3のソロ、というふうに。(プログラムに付属しているMIDI ImplementationのPDFチャートをチェックしよう。)高いE弦は10を通じてチャンネル3のソロに使っている。これはどうしたら役立つだろう?MIDIギターのはじめの弦(高いE)を使って違うモジュールのゲートパターンの演奏につかえる。
お気づきかもしれないが、Redrumを他の音源のゲート出力に使うことができるということだ。Redrumのゲート出力をSubtractorのAmp Env Gate入力に接続し、Redrumのチャンネルに違うリズムパターンをプログラムできる。そうするとSubtractorの出力はRedrumによってリズミカルにコントロールされる。複数のRedrumチャンネルの”Gate Outs”をSpider CVにつなげて、SubtractorのAmp Envelope入力に収める。オーディオサンプルをチェックして。あとこれをやった確認用のrsnファイルもある。(注意:エレキギターは.rnsファイルでは聞こえない。オーディオサンプルだけのものだ)
TriggeredPatterns.rns|(mp3)
音楽的にはこのサンプルはシンプルだけど*3、MIDIギターをかき鳴らしているだけでもRedrumのリズミカルなゲートがベースパターンにシンクロをもたらしていることがわかる。はじめのうちはこれがどんなふうに為されているのかを把握するのは難しいが、これこそがMIDIギターを一定の速度で弾くような場合のReasonのライブ的な扱い方だと知らしめてくれる。Redrumのチャンネル2はミュートされていないけど、チャンネル5を通してチャンネル3をミュートしている。E弦を使わなければ、チャンネル2は”デフォルト”のリズムパターンになる。E4、F4、またはG4だとチャンネル2がミュートされて、他のパターンが発生する。すべてが連動してる!ループをミュートしたりしなかったりするのは、高いE弦のフレットを押さえるかどうかで決まる。このセットアップに少し他のモジュールを加えたら、音楽製作の色とりどりのパレットを手にしたようなもんだ。がんばってね!
2009-01-30 (Fri)
■
夏の間は狂ったように自転車に乗っているのに、冬になると通勤以外ではほとんどのらなくなる。体脂肪もはかってないが10%超えてるだろう(実際はもっと多いんだろうけど、うちの体脂肪計はたぶん低く出る)。1月の走行距離はせいぜい500kmくらいだな。12月もそれくらいだった。
のらないばかりでなく、ろくにメンテもしなくなるからタイヤやブレーキの減り具合もチェックしてなかった。ふと見てみると減り減りのぺったんこだった。
今日早速買ってきた。ブレーキシューはデュラエースの雨でもいけるやつ。タイヤは毎度お馴染みミシュランのリチオン水色。プロ3レースというタイヤがやたらにいいらしいけど、1本7,000円くらいするんだねえ。本格的に乗り始める春以降に買うことにしよう。チューブも同様そろそろやばそうなので、買った。いつもビットリアの500円のやつだが、違うやつも試したくなってなんとなくパナレーサーのR-AIRというやつにした。値段は倍以上だけど、どんなもんかな。お気に入りだったシルバの黄色いバーテープも汚くなってる。しゃあないからこれも買おう。いろんな色を試したいので、今回は白にするか。バーテープは汚れが目立つほうが早く交換する気になっていいと思う。あと変速もカリカリ鳴り出してるからワイヤーも買うべきかなあ。それよりチェーンを変えないといかんなー。いやいやブレーキワイヤーは4年間一度も交換してないんだけど大丈夫なんだろうか。しかし前後同時に切れることはないだろうからまた今度にすればいいか・・・
というわけで結局12,000円の出費と相成りました。買ったのはいいが、交換作業が大変であるな。洗車してタイヤとブレーキシューを変えたら発泡酒飲みたくなっていつものようにぐだぐだのまま一日が終わろうとしている。はばないすうぃーくえんど。
2009-01-29 (Thu)
■[Discovering Reason翻訳]
むかしむかしスウェーデンに・・・
分別のある紳士がプロペラヘッドソフトウェアでReasonの新しいリバーブユニットの開発に着手したときのことである。彼らの目標は”これがこの惑星上でいちばんのソフトウェアリバーブである”と高らかに宣言することだった。市場にある中で最強のハードウェアユニットと比較してRV7000が優位に立つまでは満足できなかったのである。そしてそういった決意と試みにおいて、彼らは成功を収めた。
今ではリバーブユニットは本当に本当によいものなので特に重要なものだ。うちゅーじん的な音をReasonで出せるし、日々の生活の中で経験するあらゆる環境を再現してくれるものとしてRV7000は必要だ。そういうわけで、RV7000はReasonの中でいちばんいそがしい。そしてなんと見事な働きぶりであることよ!
ところで、リバーブって何よ?(What is reverb, anyway?)
簡単に言うと、リバーブレーションは音響装置を使わない生の自然における音の反響のことだ。にもかかわらず、多くの人はリバーブを何かエフェクトのようなものだと考えているし、しょっちゅうそのように扱っている。でも”エフェクト”という用語には以下のことはまったく含まれない;すなわち、現実の生活で耳にするあらゆる音は生の反響を伴っているということを。なので、ドライ、ミュート、デッドサウンドなどのリバーブレーションでないものは何であれ、リバーブよりもエフェクト的なのだ。単にそれは、えーと、不自然なもの、だ。
リバーブユニットは、現実的な空気感を(再)構築するために使うものだ。音を完全にリバーブまみれにするのは、ここでやろうとしていることとはぜんぜん違うと言っておこう。音楽が聞かれるであろう環境が違うことに心を配ろう。2つのスピーカーがおいてある部屋は、それ自身がある程度リバーブを生成してしまう。可能な限りすべての空間をシミュレーションするならヘッドフォンが必要だ(もちろん聞き手が超でかい耳をもっているのでないなら)。そうすれば、ふつうは意図したとおりの聞こえ方であることを約束できる。
じゃあRV7000のパラメータを見ていこう。はっきり言ってこれらは、もちろんふさわしい名前を持ってはいるが、すべてを物語っているわけではない。
・プレディレイ(Pre-delay)。巧妙に使われたプレディレイは深みを与えてくれる。たとえばとても長いプレディレイは、音源の近くにいるような印象を与えてくれる。リードボーカルについて言うなら、親密な感覚を作り出し、目の前にリードボーカルを再現してくれる。とても短いプレディレイは、逆に、歌い手が遠く離れた長いトンネルの反対側の端にいるみたいな感覚を生み出す。つまりリバーブと声が同時に耳に届くのだ。アンビエントサウンドか、遠くの背景に移動して演奏したいような場合によくなじむ。
・初期反響(Early Reflections) 部屋が音に対して与えるのは、第一の、初期の、反響だ。その一番目の反応のことを言う。その後にも直接的に聞こえるリバーブの残像は、派生的な反響によってもたらされている。つまり、オリジナルの音源の反響ではなくて、反響の反響(の反響・・・続く)というわけだ。初期の反響(とその時間差)は、大事だ。なぜなら、それによって部屋の印象が決まるからだし、大まかに部屋のサイズを判断するために耳が探している手がかりでもあるからだ。部屋が大きくなるにしたがって、音源は部屋の壁から遠くなり、初期反響が「送り手に返ってくる」までに長い時間がかかる。人間の耳はコウモリのようにはまったく優れていないけど、そんなことまで判断しているのだ・・・。*1
・拡散(Diffusion) ・・・そう、私たちは反響の特長さえ判断している。もし初期反響が「きれいな」エコーに似ているなら、その部屋の表面は硬くて平らだとわかる。もし反響がもっとぼやけて拡散しているなら、その部屋は不規則な形をしているか、もしくは違う素材の違う物があるという判断ができる。反響が部屋のいたるところで発生しているからだ。RV7000のアルゴリズムに付属しているDiffusionパラメータは「空間不規則度生成機(space irregularity booster)」だ。部屋のシミュレーション中に、音がきつすぎたりきっちりしすぎていると感じたら、ちょっとだけDiffusionをあげてみよう。これは大理石の壁に壁紙を張るようなものだと思えばいい。
・高周波カット(HF Damp) なんで多くのリバーブが高域を鈍らせるオプションを備えているかというと、高域は他の音よりも早く消えてしまうからだ。現実世界でも、高域は空気や部屋の表面に吸収されている。この現象は部屋が広くなるほど顕著だ。仮に長いリバーブでHFダンピングをまったくしないとすると、鏡の壁があって空っぽで空気中にある種のガスを撒き散らたという、かなり変てこなホールをシミュレートしていることになる・・・!
道具をよこせ(Hand Over the Goods)
君の音楽を環境に適応させよう!大事なこととして、なんにでもちょっとしたリバーブをかけることで大きな結果が得られる。悲しいことに、多くの人はリバーブを”なになにかどちらか(either/or)”ツールとして使っている。たぶんこんな経験があるだろう;曲をアレンジし始めて、パッド、ストリングス、ピアノは全部いいリバーブがかかっているのに、それ以外はほとんどの音をドライ(少なくともベースとドラム)にしているという。うーん、そういうのは古いホームスタジオのやり方だ。めんどくさいという思いもあるだろうし、CPUの節約でもあるだろうし、あるいはソフトウェア製品が街にやってくる前の安いハードウェアリバーブしか所有していなかった時代のトラウマかもしれない。だけど、プロのレコーディングでは、ミックスする際に個々のサウンドすべてに何らかの環境が用意されていることを知ることになるだろう。プロデューサーは短くてほとんど気づかないくらいのリバーブプログラム(その種のものはふつう”スタジオ”、”物置(closet)”、”小部屋”みたいなパッチ名がついている)をめちゃめちゃ多用している。そういったものは、そこにあることに気づかないし、去った後にはもうとらえどころがなくなるのだ。(The kind you don't notice when it's there, but miss when it's gone.)
ここにデモンストレーションがある:このトラック*2では、4つの短いリバーブを使っている。1〜4小節では、すべての音にリバーブをかけている。5〜8小節ではすべてのリバーブはミュートされている。このミックスで「ドライ」だと思っていたサウンドが突然違った意味での「ドライ」になった・・・!この機会にはじめの方で説明したヘッドフォンとスピーカーの比較をしてみよう。ヘッドフォンでは、リバーブエ効果はかなり明らかだけど、スピーカーだととてもかすかになる。そういうわけで、ミックスにどれくらいリバーブをかけるかを決定するときには必ず、こういうA/Bモニタリングをしよう。
さて、ちょっとずつ積み重ねることでビックリリバーブ*3を好きなだけ実現するならReasonが理想的なツールであることをちょっと考えて欲しい。満足のいくまでたくさんのリバーブを(CPUが処理できる限り)、センドにもインサートにも使えるのだ。それでもリバーブ気ちがいにならないでいる理由があるかい?ノー!*4
自動化の悦び(Automation Elation)
NN-XTのリモートコントロールが自動化できないことにお気づきだろうか。そのせいでReasonには自動化できるリモートパネルがないんだと思い込んでしまっているかもしれない。でもRV7000は例外だ!ほら、すべてのパラメータが自動化できるし、リモートパネルで”ソフトパラメータ”だってできてしまうのだ。やれば楽しいものだから、やってみよう(Much fun can be had, so we decided to have some)。
音楽的な作法を無視したこのめちゃめちゃな断片をお楽しみくだされ:7000 automad.rns
Discovering Reasonを読んでいるのなら、我々がCVやGateの大ファンだということは大したニュースではないはずだ。これこそがReasonのユニークな特徴だ。結局のところ、バーチャル電子機器の回路を焼ききるリスクもなく配線を自由に変えて楽しめることって何があるだろう?RV7000はたくさんCV/Gateを提供しているわけじゃないけど、それでもなかなかおもしろいもんだ。たとえばGateは、CV(またはMIDI)経由でオープンできる。じゃあリバーブの残響(reverb tail)をサウンドに打ち付けて動けないようにする(pin)やり方を紹介しよう。そのやり方はこうだ:はじめに、RV7000経由で少数の違ったサンプルをルーティングする。そしてDr.REXをつくり、スライスゲートの出力をRV7000のゲートトリガー入力に接続し、ゲートセクションを利用可能にする。これでDr.REXのループスライスだけでリバーブがかかるようになった。事実上、これはDr.REXのループにリバーブを追加したのではあるけど、リバーブレーションがかかっているのはREXループの音じゃなく、完全に違う音にかかっているわけだ。これだ:7000 cvgate.rns。もしたまたまMIDIキーボードを接続しているなら、キーボードのどれかを押してみるといい。するとキーを離すまではゲートが開きっぱなしになることがわかるだろう。リバーブの残響の長さを調節するために、ゲートのリリースタイムを調節するのもいい考えだ。
おわりに
リバーブは、自然の現象を再現する特別なエフェクトという以上のものだということはいつも心に留めておこう。「エフェクト」という言葉は忘れて、「自然の背景(acoustic backdrop)」であるとイメージしよう。音楽の雰囲気や特徴を吟味し、それをどんな種類の空間に入れてやるかを決定するのだ。教会?小部屋(closet)?ホテルのスイートルーム?RV7000はあなたの部屋を予約して待ってるよ。
*1:確かに、やってることはコウモリと似てる。無反響の部屋で圧迫感を感じるのはそのせいだったのか
*3:o'reverbだけど、o' の意味がわからないのでohとみなしました
*4:お見事ざんす。こないだ2ちゃんねるのReasonスレを流し読みしてたら、「Reasonでは音が太くできない」と感じている人が多いようだったが、これを読めばもうちょっと挑戦する気になるんじゃないか。まあ「太い」の意味は人それぞれではあるんだろうけど、たぶん音を太くするために多くの人がやっているのはイコライザでブーストしたりとかラウドネスを調整することくらいではないかとおもう。でも、リバーブのことを忘れちゃいけないのだ。リバーブというと音の残響のイメージばかり持ってしまいがちだけど、実は意外なくらい音質を変えることもできる
2009-01-27 (Tue)
■[Discovering Reason翻訳]
叫んで叫んで叫んで叫ぶー(Scream and Scream Again)
うお、こええ(Oh, the Horror...)
あたらしいReasonのFXユニットが街にやってきたが、別に荒らすわけでもない。必殺技はScream4のサウンド破壊ユニットだ。ええ、かっこよく演奏できて、滑らかなテープサチュレーションアルゴリズムでまったりと加工できますとも。でもその無邪気な顔つきの裏でオーディオの暗殺をたくらんでいる。狂気の切裂き魔はあなたのサウンドをずたずたに切裂き、その事実を知る者を誰一人として生きて残さない。あなたは続きを読む勇気があるか?
ゆがめられた真実(Distorted Reality)
Scream4は疑う余地なくソフトウェアの中でもっとも良質な音で利口だ。とても本物っぽく自然なサウンドを生み出すことができる。ディストーションはいろんな形や大きさの中に含めることができる;音楽の構成が、ギターアンプでエッジを強調されたロックンロール形式のディストーションとある程度同じ形式であっても、それ以上のものも含めてもいい*1。辞書に載っているとしたら、ディストーションは”自然にそうであるか通常そうである形を歪めて、逸脱させる行為”だろう*2。Scream4にある10個のアルゴリズムのいくつかは、アナログとか”本物の”ディストーションの模倣とは言えない。ModulateやWarpやDigitalは、そういうのとはぜんぜん違う。以下にそれぞれのアルゴリズムについて簡単な要約を紹介しよう(詳細な記述はReason2.5のオペレーションマニュアルの226ページにある):
Overdrive は、アナログタイプのオーバードライブエフェクトだ。オーバードライブは強弱(dynamics)の変化によく反応する。Damage Controlを低く設定するとちょっと”ざくざくした”エフェクトになる。オーバードライブはアナログ機材でリミットしたときやそれを超えるほど強調させたときに発するような、不可欠の”楽しめる”ディストーションだ。これは1960年代の、ギターアンプがふつう非力(5〜35ワット)でモタりやすかったロックンロールの黎明期に見ることができる。ギターアンプの製造者が、これがギターアンプの望ましい使用法だということに気づくには、長い時間がかかった。彼らはこれをギターアンプの誤用だと思っていたのだ。
Distortion は、オーバードライブに似ているが、密度が濃くてぶ厚いディストーションだ。このディストーションはオーバードライブと比較するとDamage Controlはより”落ち着いた(even*3)”レンジだ。このアルゴリズムは1980年代のヘヴィメタル系の作品によくある、トランジスタディストーションを模倣するときに登場する。
Fuzz は、明るくて低めのDamage Control設定のディストーションサウンドだ。攻撃的で、ワスプ的なジミヘンドリックスエフェクトだ。ブンブンうなる音が顕著でありながら、低音はほとんど出ない(An obtrusive buzzing sound with little to no low end. )
Tape は、やわらかいクリップ音のディストーションをエミュレートする。磁気テープのサチュレーション*4や音に”パンチ”を加えるコンプレッションによってもたらされる。このアルゴリズムは”脱デジタル化(de-digitalize)”をしたい時なんかに個別の楽器やミックス全体に使うといい。
Tube は、真空管をエミュレートしたディストーションだ。チューブディストーションは温かみと厚みがあり、トランジスタディストーションよりも音楽的に目立つ。真空管アンプ(本来は”valve”アンプと呼ぶ)は、本来はギターアンプだったが、後にトランジスタアンプにその座を奪われた。でもすぐに刷新され、今でも”グルメ”な選択としてとして生き残っている。
Feedback は、フィードバックループで組まれたディストーションで、とてもおもしろくて時に予測できない結果を生み出す。基本的にフィードバック(Feedback)というのは音源それ自体に送り戻される(fed back to itself)ことを言う。このアルゴリズムは、めっちゃ楽しいが、それを最大限に味わうためにはP1やP2をコントロールしなきゃいけないこともある。
Modulate は、フィルタとコンプレッションをかける形で信号を増幅させ、ディストーションを加える。共鳴し、鳴り響くディストーションエフェクトだ。Multiplicative Synthesisともよばれ、シンセサイザー(たとえばSubtractor)ではごく普通のエフェクトだけどボーカルとかアコースティック楽器のサンプルなんかの自然なサウンドに使うととてもおもしろい。
Warp は、入力信号をゆがめて増幅させる。もっと知りたいならスタートレックを見るべし。
Digital は、解像度とサンプルレートを現象させて、生々しく荒れたサウンドやヴィンテージデジタル機材のエミュレーションをする。このエフェクトはかなりの応用性を秘めていて、古いアーケードゲームのサンプルからAphex Twin的な”デジタル溶解(digital meltdowns)”にまで使える。ミックス全体を、ピクセル化(pixelated)した音の渦に吸い上げるのだ。
Scream は、Fuzzに似ているけど、レゾナンスとゲインを高くしたバンドパスフィルタを備えていて、それらがディストーションに至る前に適用される。このアルゴリズムのクールな点はバンドパスフィルターだ。その周波数をP2ノブでコントロールでき(またはAuto CV出力をP2 CV入力に入れる)、重厚なワウエフェクトをかけることができる。
基本的には、ディストーションに関する固定観念は捨てたほうがいい。A)ギター以外のどんなサウンドもゆがめることができるし、B)Scream4は他のディストーションエフェクトよりももっと柔軟だからだ。ドラム、ベース、ボーカル、パッド、何でもこいだ。Scream4がボコーダサウンドにも使えることを示した簡単な手本がある*5。Reason2.5の実力を拝見するにはちょうどいい例だろう。
Scream4はとてもわかりやすいので、この記事ではさらにエフェクトの手本をあげるつもりはない。Scream4のプリセットの幅広さは、Reason2.5と一緒にインストールされるFull Effect Sound Bankを見れば明らかだろう。その代わりに、”隠された”特徴を見ることにしよう。それは、オーディオエンベロープの付属物を利用するもので、新しいタイプのCVシグナルだ。Reasonをまともに使っているだけではぜったいにできない、めっちゃ使えるトリックだ。
Scream4の自動化機能はとても使えるものなので、ちゃっかり盗んでしまうか、少なくとも借りるくらいはしよう*6。これはScream4を実際のエフェクトとして使っていなくてもできる。もしある音にボリュームが欲しくて(それかボリュームを下げたくて)何かを変えたいと思っているのなら、やり方はいっぱいあることがすぐにわかるだろう。UN-16 Unisonでデチューンパラメータを動的にコントロールするのはどうかな?ラウドがかかって濃密なデチューンができる。それともMalstromのShiftパラメータをコントロールするのは?オリジナルのコンプレッサーを作るのは?何千というやり方がある。以下にちょっとだけ例を:
ダッキング(Ducking:沈ませるくらいの意味)。Spider CVを通してAuto CV信号を逆変換できる。これはサウンド入力が大きくなるほど、Auto CV値が低くなることを意味している。この応用は”ダッキング”エフェクトとして使える。つまり、一方の音源のボリュームが増えると、もう一方の音源は減少する。手本のファイルはduckandcover.rnsだ;ここでは2つのDr.REXを使って違うドラムループを演奏している。一方のDr.REXのボリュームを上げると、他方は”引き下ろされる(drown out)”。でもこの例は不完全だ。正系のドラムループのスライスの音が止むたびに、”副系”のDr.REXはそれをくぐり抜けるからだ。手本のファイルのリバーブディケイかフィードバックディレイを増加させたらその意味がわかるだろう。
外部ソースの自動ワウ(External source Auto Wah)。外部音源でワウエフェクトをコントロールするのはいかが?それをするには2つの音源とひとつのScream4が必要だ。例のファイルblabbermouth.rnsでは、ReDrumをソース信号として、SubtractorのカットオフフリーケンシーをコントロールしているScream4を自動化するために使っている。この場合、ReDrumにディストーションのエフェクトは必要ないので、Scream4のエフェクトを全部オフにできるし(いずれにしろCV outは操作できる)、Spider AudioでReDrumの信号を分割できる。つまりステレオシグナルの片方をミキサーに送りつつ、他方はScream4を”終着点”として使えるわけだ*7。おまけとして例のファイルにもうひとつScream4があるが、これはSubtractorのエフェクトとして使いながら、CV出力で自分のP2パラメータも操作している。このシグナルはSpider CVで逆変換されて、”Scream”アルゴリズムのP2パラメータでバンドパスフィルタのレゾナンスをコントロールしている。”逆ワウ(inverse wah-wah)”ってわけだ。チェケラ。
ECF-42でワウ(ECF-42 wah)。Scream4単体の自動化機能を使っても十分なワウエフェクトを得られないようなら、もっとでっかい大砲が必要かもしれない。ECF-42エンベロープコントロールフィルタならお気に召すだろう。Soopah wah.rnsがその設定例だ。ECF-42をバンドパスモードにしている。自動化機能を正しく動作させるにはちょっと工夫が要るんだけど、十中八九はその信号があまりにも強すぎることによる問題だ。エンベロープの付属物(envelope follower)が開けっぴろげになり、結果的に”ワウ(wah)”というよりはむしろ”ウェエエエエ(weeeeeeeh)”エフェクトになってしまうからだ。その問題を解決するにはいくつか方法があるけど、まずは楽器とかの入力音量を下げることからはじめよう。Scream4は低い音量のものを補正するのに向いている。というのは、Scream4はダメージをなくしたり、切ったり自動化したりする分のためにゲインを多めに確保しているからだ。では、マスターポットを100にする(最大ボリューム127ではない)*8。スイッチをオンにしてもバイパスにしても、何も違いがわからないはずだ。そこで自動化機能を試してみると、たぶん小さい音でソースサウンドが聞こえるだろう。マスターゲインで補正されたわけだ。オートCVを使っても同じ問題があるのなら、相手側のデバイスのCVポットを調整して信号を鈍らせてみよう。
おわりに
これは疑いようもなく殺人デバイスだ。また、ラック内の楽器のインサートエフェクトとしても、大変便利なカメレオンでもある。いつでも大爆発的に使わなきゃいけないことはなく、ほとんど気づかないくらいのセッティングにしても不思議な感じを出せる。こりゃ使わずにはいられないね。
*1:日本語にしにくい。最後のthan thatで比較されるのはsomewhatかな?: even though the term in a musical context has become somewhat synonymous with the rock'n'roll-type distortion produced by a guitar amplifier pushed over the edge, the term encompasses much more than that
*2:実際、オックスフォード現代英英辞典の見出しにはdistortionの項目はなく、distortの派生語のような扱いになっていた
*3:オペレーションマニュアルでは”高い”という訳になっている
*4:Saturationは飽和という意味。テープで入力音量が大きくなりすぎたときに「ボボボ」とノイズを発するやつだ。音がエネルギッシュになるのでピアノ弾くときによくお世話になってます
*6:タイトルのGrand Theft Autoはクルマを盗んでめちゃくちゃなことができるゲームの名前だが、これがGrand Borrow Autoだと笑えるなあ
*7:単にReDrumの音を鳴らしつつ、それをエフェクトにも使えるということ
*8:ここから先は何の説明なのかよくわかりません
2009-01-26 (Mon)
■
仕事で、チーム間の連携が改善されようとしている。前よりは仕事しやすくなるかもしれない。その代わり、仕事は増えるかもしれない。どっちのほうが幸せなんだ。
私はある意味クレジットカードのプロなんだけど、クレジットカードにはたくさん支払い方法がありすぎると思う。分割払い、リボ払い、デビットカード機能やら、引き落とし日が指定できたりやら、あといっぱいある(よく知らない)。私は、カードを使うときは1回払いオンリーだ。単に現金を持っていない時や、オンラインゲームの支払いにしか使わないからだ。分割にすると手数料がかかってしまうし、口座には貯金という名のバッファがあるのだから一括以外にする理由がない。今のところ。
もちろんそのバッファが無いのなら、支払いの多様な機能を使うメリットは大いにあるだろう。でも!そもそもカード会社はそんな人にカードを持たせたくないはずじゃないか。なぜ迎合するんだ。引き落とし日指定機能なんてほんとにギリギリで生活している人のためにあるようなもんだ。リボ払いも破産を招く可能性がかなり高い。ちょっとカードを安売りしすぎてる感じが致します。
2009-01-25 (Sun)
■
近所のコーヒー屋でくつろいでいたら、近くの席で雑誌の編集者らしき二人が話をしているのが聞こえた。なんということも無く聞き耳を立てていたけど、話の内容がめちゃくちゃに抽象的で理解不能だった。どれくらい抽象的かを真似してみたいが、私の力量ではとても再現できない。にもかかわらず、2人の議論はだんだんエキサイトしてきて互いにより抽象的な反論を繰り返しながら展開し、結果的に双方が幾分譲歩した形で抽象的な終着点を迎えたらしいことがわかった。それもたぶんだ。
いやー、わからなすぎておもしろかった。発言中の言葉の意味はすべてわかるのに、全体の文脈がまったく見えてこないという不思議な体験ができた。
こう言っては何だが、きっとミニコミの編集者だろう。大手の出版社の人間があんなわけのわからない議論しかできないのだったら笑いごとではない。
2009-01-23 (Fri)
■[Discovering Reason翻訳]
Reasonボコーディングのイロハ(Reason Vocoding 101)
しゃべっている人に注目(Look who's talking now).
見よ、Reason2.5のお出ましだ。悪いニュース:依然として宿題や家事を肩代わりしてくれるわけではない。よいニュース:少なくともしゃべることはできる。BV-512 Digital Vocoderというボコーダーは、エッジを削りだし、宇宙時代の描写をしてくれるハードウェアボコーダーだ。512バンドの叫びとイコライザーモードを搭載している。
ボ(コー)ダー略歴(A brief history of the Vo(co)der)
年は1928年。ニュージャージーにてベル通信研究所のホーマーW.ダドリーは、電話通信に必要とされていたバンド幅を減少させて伝送能力を強化するという彼の個人的な探索に着手した。
彼は自分が時代の先を行っていることにほとんど気づいていなかった。最近では似たような研究が、携帯電話のオペレータがシステムにこれ以上多くの通話が入ってこないように抑制するのにも行われているし、way of digital technology like Dynamic Half-Rate Allocation and Adaptive Multi-Rate Codecsにも利用されている。ホーマーのアイデアは音声を解析するためのものであり、それをゆがめて狭いバンド幅のやせた信号に再合成するものだった。彼はこの研究を”同帯域を通過する音声の解析と再合成(parallel bandpass speech analysis and resynthesis)”と呼び、ボコーダー(”ボイスコーダー”の略称)と名づけたプロタイプによってそれを概念化した*1。ボコーダーは商品として流通しうるデザインへと進化し、呼び名も”The Voder”に変わり、1939年の世界大戦時に大勢の観衆の前でそのベールを脱いだ。ここに1939年のオリジナルデモを聞くことができる:(mp3)
悲しいことに、ボーダーは大成功することはなかった。商業的には---人間の電話の声を不気味なロボットみたいに変換するというアイデアは電話会社の経営者にとっても受け入れられなかった。だけど、デジタル版のボーダーは世界大戦中に颯爽と登場し、看板役者として活躍した。暗号化による安全な音声伝達システムとして、フランクリンD.ルーズベルトとウィンストンチャーチルの役に立った。この機械は軍事機密として70年代まで隠されたままだったのだ・・・!
そう、デジタルボコーダーは1942年に存在していた。そして、60年後の現在は、ついにそれを使って遊ぶようにまでなった。でもボコーダーはどんなふうに働くものだろう?
2人を連れて踊りに(It Takes Two to Tango)
なによりもまずボコーダーの概念について知っておかなきゃいけない。それはこうだ:それが機能するためには2つの音が必要ということ。ひとつはキャリア、ひとつはモジュレータだ。これは2つの独立したReasonデバイスが必要ということを意味するものではないけど、それについてはまたいずれ。
よい例え(欠点もあるが)として、キャリアを生の素材と考え、モジュレータを鋳型と考えるといいだろう。つまりボコーダーはモジュレータとしての役割を演じ、そこにどろどろのキャリアを注ぎ込む。その動作を紹介しよう:
シュレッダーに吸い込まれる紙のように、モジュレータ信号はX個のバンドに分割され、それぞれは時間とともに変化する周波数帯の「スロット」をあらわしている。BV-512ではX個は4,8,16,32,512にできる。そしてアナライザはそれぞれのバンド幅へ音量を割り振っている。このプロセスによって、帯域の「設計図」が抽出される。と同時に、キャリア信号は解析され、スライスと同数に分割される。モジュレータの周波数特性は、キャリアの中に”無理やり押し込められる”わけだ。
したがって次の説明の方が正しい。キャリアはリッチで特別な内容なのでボコーダーはモジュレータのために”マッチするところを見つける”のだ。たとえば、キャリアの音が重々しくフィルタされた高音域が無いパッドサウンドで、モジュレータはボーカルを録音したものだとすると、結果は芳しくないものになる。というのは、キャリアの素材には”s”や”t”のような子音に要求される高音域がまったく伴っていないからだ。*2
Classic Vocoder
さてボコーダがどんな動作かがわかったところで、古きよき時代のボコーダサウンドを味わえるという幸福を実現してみよう。そのためにはボーカルサンプル(モジュレータ)とアナログシンセサウンド(キャリア)が必要になる。ボコーダには古いアナログボコーダを模倣するために8〜16のバンドモードが必要だ。かつてのバンド数がそうだったからだ。32とか512バンドにすると「ロボット」っぽさや人間っぽさが損なわれてしまう。
一方キャリアは、すばやい結果を得られるように生のものを使う。フィルタを通していないノコギリ波だ。それも生っぽさを強調したもの;ボーカルを得るためにはふつう、シャープで、ラウドがかかっていて、動じなくて(unrelenting)、サウンドが自分自身にビビってしまうようなのがもっとも効果的だ。
そういうキャリアサウンドを作るためのお手軽な方法はこうだ:
・Sbtractorを作る。
・スタートポイントとして”init Patch”を使い、Filter1をFreqスライダーを127まで動かして完全に開放する
・このパッチをもっと”緩慢に(sluggish)”するために、ポルタメント、少々のアタックタイム、リリースタイムを追加する。これは生き物っぽさ(organic touch)をキャリアサウンドに追加する。人間の声はA)ちょっとだけノートに揺らぎがあるし、B)gate mode*3のようにすぐに開いたり閉じたりはしないからだ。
この基本設定からバリエーションを追加することができる。モノラルのキャリアが必要かもしれない。オシレータ2や、それのデチューンが必要かもしれないし、あるいはそれをサブオシレータとして使うことが必要かもしれない。もっとキンキンなのとか、ささやきのようなのとか、子音を強調させることも必要かもしれない。Scream4の追加が必要かもしれない。Scream4はキャリアとボコーダのどちらの後ろに追加しても、とてもよいスパイスになる。
ここにサンプルの設定がある:classic voco.rns
機械っぽいのじゃなくてもっと人間味のあるのをお探しなら、ディテールがよく通る32〜512バンドに増やすのがいい。キャリアサウンドには2つの材料が必要だ。つまりボーカルの音色(サンプルといった方が適切)とノイズだ。NN19かNN-XTを使うのがたぶんいちばんいいんだろうけど、ここはひとつMalstromでやってみようじゃないか:
・Marstromを作る
・片方のオシレータをノイズとして使う:”Pink Noise”を試してみよう。それをフィルタを通してルーティングする。Bandpassモードにして、Frequencyノブを”SSSSSS”みたいな音が続くようになるまで回そう
・もう一方のオシレータをボーカルの音色として使う。”MaleChoir”とかのいろんな声のグレインテーブルを試してみて
・上に書いたSubtractorのように、ちょっとだけポルタメント、アタック、リリースタイムを追加しよう
Malstromのセットアップ:humanoid voco.rns
違うMalstromのグレインテーブルで遊んでいると、違った言葉を発しているかのようなキャリアサウンドがいっぱい見つかるだろう。それか、もし自分自身がボーカリストなら、自分の声をサンプリングし、”"aaaaaaaah"とか"ssssssss"を互いにミックスしてサンプルをループしてみよう。これをキャリアとして512バンドで使ったら、とても人気のある(人によっては大嫌いな)「オートチューン*4」のエフェクトに近づくことができる。マドンナの”Die Another Day”やシェールの”Believe”とかその他いろいろ。調べてみよう!
ノイズは亡霊を豊富に含んでいるおかげで魅力的なキャリア素材だ。ホワイトノイズは全周波数域を含んでいるが、これはモジュレータシグナルに伴う周波数が必ずあるということだ。それによってモジュレータの”投影(project a shadow)”ができる。これは理論上は、ボコーダのディケイタイムを伸ばすことになり、結果的にリバーブのような効果を与えるということを意味している。他のリバーブの必要に迫られるというわけではないけれど(すでにRV-7000がある)、ボコーダのリバーブはちょっとひねくれているのだ。デモンストレーションしてみよう:
・例のファイルreverb voco.rnsをダウンロードし、Reason2.5で開き、Playを押す
・この設定を試す:キャリアはMalstromの”Pink Noise”グレインテーブルで、モジュレータはDr.REXのドラムループ、そしてボコーダは512バンドモードにする。アタックタイムをあげて、ちょっとだけ前ディレイ(pre-delay)のリバーブエフェクトがかかるようにする。
・BV-512のDecayノブをゼロまで、Dry/Wetノブを127まで回す。するとキャリアサウンドにドラムループの「ゴースト」が聞こえるようになるだろう(mp3やRealAudioのヘビーなコンプレッションに似ている)
・Decayノブを元の87くらいの位置にもどし、Dry/Wetノブも同じく50/50(だいたい64)にもどし、もう一度ソングをかけてみよう。そしてここからが面白い:
・ボコーダのShiftノブをこねくり回そう。自動化できることやCVコントロールの事もわすれずに。
・MalstromのMod Bをオンにする。これでグレインテーブルのノイズをコントロールする。
・Malstromのグレインテーブルをブラウズし、”Thunder reverb”や”TibetanMonks reverb”みたいなのを聞いてみて。探検だ!
・おまけステージ:シーケンサ上でボコーダのトラックをMIDIインプットに切り替え、Dr.REXのトラックをミュートにする。これでボコーダのバンドをキーボードから演奏できる
同じようでちと違う(Same, Same But Different)
同じデバイスをキャリアとモジュレータの両方に使う方法なんてあるの?もちろん。その目的は?明確にある。
1)キャリアとモジュレータに同じ音を使う
言うまでもなく、キャリアとモジュレータの信号が同じものだったら、何も起こらない。音の特性をを頑なにそのままにすると、結果は現状と同じになる。でもひとたびエフェクトを鍋の中に放り込んだらおもしろいことになる。たとえば(Par example*5):
・NN19、BV-512、Spider Audio、Scream4を作る。NN19にボーカルサンプルを読み込む
・Spiderを使って、NN19のアウトプットを分割し、片方の信号をBV-512のモジュレータインプットへ、もう片方をScream4を通してBV-512のキャリアインプットにルーティングする。
・NN19をキーボードから演奏し、BV-512のShiftノブをめちゃくちゃにまわす。Shiftパラメータはフォルマント(倍音の構成要素)をコントロールするものだ。
・(お手本のファイル:shitf voco.rns)
NN-XTは複数のアウトプットを備えているので、キャリアとモジュレータのどちらも同時に使える。言い換えれば、必要なのはMIDIインプットだけということだ。たとえば(Par ejemplo*6)
・BV-512を作る。NN-XTを作り、ストリングスのパッチを読み込む
・Add one sample Zone and span it across the entire keyboard. Make a separate Group of it and route it to Output pair 3+4. Load a rhytmic sample into this Zone.*7
・キーボードトラッキングをゼロにする(固定ピッチ)for this Zone.
・1と2のアウトプットをBV-512のキャリアインプットに接続する。3はモジュレータインプットへ接続。
・これでキーボードからコードを演奏でき、リズムサンプルがこのサウンドの音色に影響しているのがわかる
もちろん2つのポリフォニックNN-XTを使うことができる。上の設定の”morph”が同時に聞こえる:つまりあなたが呼び出したストリングス、ピアノ、エフェクトサウンド、パッド・・・などだ。
最後に
このエクササイズで、ボコーダが単にごにょごにょしゃべるシンセというだけのものじゃないことがわかっただろう。ボコーダはバンドパスフィルタでもあるし、ひとつの音声信号と他方の音声信号を合体させるものなのだ。音源はどんなふうにも変えることができるし、ボーカルはすなわち10億以上もの資源なのだ。というわけで仕事にとりかかろう!
2009-01-22 (Thu)
■
夢の分析なんてそもそもあてにはしてないが、悪い夢を見るときは実は調子がいいときだ、ということを聞く。
でも最近いろいろとうまくいかなくて、現実にけっこう落ち込んでいるんだけど、今日見た夢は実に最悪極まりなかった。起きてからも絶望感をぬぐえないほどだった。親しい誰か(具体的に誰かはわからないが親しい)が変な2人組に誘拐されてしまって、それを助けにいくために家に乗り込みにいったらその2人組の言動が意味不明で耐え切れず逃げようとしたら、その途中に載った電車が阪急電車(本当は京阪電車に乗らなければいけなかった)なのでピンチに陥った。そんなんでもたもたしていたら2人組がどんどん追いついてきて、結局誘拐された人を助けることもできなかったし、自分も臆病に逃げ出した上、犠牲になりそうだしで自らの不甲斐なさに打ちひしがれていたところで終わり。電車で逃げるというのが今考えてみるとなんともあほらしい設定だが、夢なんてそんなもんだ。それにしても内容だけ書くと自分は本当にあほではないかと思えてくる。
普段あんまり夢をみないけど、見るときはたいていうまくいってない感じがする。必ず「誰か」が出てきて、その誰かの役に立たなかったり裏切られたり嘲笑されたり冷酷な扱いを受ける。誰でもそうかもしれないが、それらは現実に私がいちばん恐れていることだ。
■[Discovering Reason翻訳]
これは自分自身のためになるからぜひ見ておこう。あなたがこれを好んで使っているか無視しているかはともかく、Reason中でもこの特別なデバイスには不明確な部分がたくさんある。あまりひとくくりになり過ぎないように、こう言っても差し支えないだろう。従来のキーボードプレイヤーはまずはじめにこう尋ねる「いったい何のためにあるの?」と。
あなたがキーボード職人か「ごった塗り(paint-by-numbers)」のコンポーサであるかを問わず、Matrixはもっとも望みどおりになりうるものだ。あなたが他のもっと重要なことに集中している間に退屈な作業を自動化してくれるような、頼りになる座敷わらし(house elf)ととらえてもいい。あるいは、背面に奇妙なCV/Gate端子を備えて、おもしろくて予測できない事態を引き起こす電子機器上のバグだと考えてもいい。
The Matrix Reloaded
Matrixの深遠を見据えて新しいReasonの2.5世代目を世に送り出すことの理由(Reason)は、全体的に改善が施されたことによる。Spider CV Splitter & Mergerは2.5で追加されたもので、ひとつのMatrixから複数的に山火事のようにラック全体へと影響を及ぼすことができる。2つのSubtractorと2つのMalstromで、同じベースラインを演奏してみるのはいかが?あと16のシンセのボリュームを一気にオートメーションするとか。天井知らずだ。でもこのロケットに乗り込んでラックをMatrixだらけにする前に、Matrixで何ができるのかをデバイスごとに見ることにしよう。
Matrixの接続を待っているのはこれらの149インプットだ。じゃあ僕たちは何を待とうか?
Matrixを仕掛けておく(A few ma-tricks up the sleeve)
Matrixのパターンを作るのは時間がかかるので、プリセットされたMatrixをデフォルトのカスタマイズソングに入れておくのはいい考えだ。ふつうは、音楽のプリセットのパターンはめっちゃ便利とは言えないかもしれないが、(Matrixで)多くの使いやすいCurveやGateを即座に利用できるよう準備しておくのはありだ。基本的なのはこんなん:
(図)
コツ:Shiftを押しながらドラッグすると連続的なカーブやノートの線を引くことができる。
こういったカーブはフィルターをかけたり、パンのオートメーションや、音量のオートメーションとかほかの事をするのにも便利だ。これらの基本的なカーブを覚えておいて、Matrixというプラグインの用途について書いた上のリストを読めば、これら(上図)を即座に使えること請け合いだ。
カーブは固定の解像度で描くしかないが、パターンの時間解像度(the time resolution)を変えることによって簡単にスピードを変えられる。1/32モードなら、上のパターンは一小節で、1/16に変えれば2小説で、1/64なら半小節で、それぞれ演奏される。
もちろん、Randomize PatternやAlter Patternをすることもできる。ランダム化されたノートが音楽的に正しい音や目覚しい結果を出すことはめったにないけど、ランダム化されたCurveやGateは面白くてためになる出力をすることがよくある。*2
Spider CVモジュールを使って2つの基本的なMatrixのカーブを合成することによって、めちゃくちゃなカーブを生成できる。例えば同じカーブを違うスピードで流すとか!
燃料噴射(Fuel Injection)
じゃあ例として。まずはシンプルでありながら印象的な”before and after”というデモソングで、Matrixの深みのあるエフェクトのお手並みを拝見しようか。そのエフェクトはちっぽけなCV/Gateという口だけど、たとえ実際のノートをMatrixからでなくキーボードから演奏するのだとしても、曲中で効果を発揮してくれる。これまでの歴史では、ReasonのユーザはMatrixとそのCVのパワーを見過ごしていたことを示しているし、またモジュレーションソースとして楽器が提供してくれる能力を制限する道を選んでいたことをも示している。
この断片的な例では、Matrixを完全にランダムパターンにして、そのシグナルをSpiderモジュールを通してMalstromとScreamのほとんど全部の穴にぶち込んだものだ。ちょっとした音源がある。これがそのターボをかける前で:fuel.rns|(mp3)そしてこれが発射したあとだ:fuel injected.rns|(mp3)
どっちのほうが刺激的?
マルチタスクReDrum
ドラムマシーンでパターンスタイルのプログラミングをするのは、新しいパターンがいちいち必要になるから本来的にめんどくさいものだ。でもなんで偉大な「マルチタスクの」パターンシーケンサーを実現するものとしてMatrixを利用しないんだ?それぞれのReDrumチャンネルを利用するために独立したレイヤーがあるというのに。このやりかたには多くの長所がある:
・パターンのバリエーションは、担当している音のだけのためにあり、残り(担当していない音)は独立して鳴らす事ができる(例:スネアドラム用のMatrixは、バスドラムやハイハットが変わらないままであっても、一時的にスネアのロールパターンを変えることができる。)
・それぞれのドラムチャンネルは独立した時間解像度を持つことができる(例:ハイハットを32ステップで1/32の解像度でプログラミングしつつ、バスドラムは8ステップで1/8の解像度にする)
・ベロシティの解像度を1〜3から1〜127にできる
・ドラムはMatrixから来るGate信号だけでトリガーされるので、お望みならCurveをドラムのピッチをコントロールするものとして使える
・エディットモードに切り替える必要なく、ラック内でそれぞれのドラムパターンをあらかじめ表示
・ReDrumのパターンデータとMatrixのパターンデータを組み合わせられるから、ReDrumのチャンネルごとにMatorixを10個作ることなく、いろんなバリエーションを実現できる
この例で3つのReDrumチャンネルをバスドラム、スネア、ハイハットに使っている。スネアとハイハットではそれぞれの2パターンを切り替えたり、違う時間解像度とピッチオートメーションを使ったりしているが、バスドラムはあくまでも固定だ。
multidrum.rns|(mp3)
ずるいやり方再び(The Return of Dirty Trick)
”Dr.REXに聞いてみよう”の”ずるいやり方1”を覚えているかな?もう一度あれと同じ事を、偽アルペジエータをMatrixと1組のシンセを使ってやってみよう。そのアイデアは、楽器の背面にあるOsc Pitch inputの横にある”Osc Pitch”ノブを右いっぱ(値127)いにまわしてCVの入力を”増幅”させるというものだ。そうすることでセミノート値に100%の正確さで反映されるから、Curve CVを使う代わりにNote CVを使えるわけだ。これはより直感的であるだけでなく、Curve CVを他のことのために残しておけるのだ。
ひとつのSubtracktorとひとつのMalstromをコントロールするためにMatrixを使うことで、MatrixのデータをMIDIノート入力と組み合わせられる。そうするためにはSpider CV Merger & SplitterでMatrixの信号をを分割する必要がある。ここに手本のファイルがある:digibubbles.rns|(mp3)
さて曲を開いて信号の経路をたどってみよう。MatrixはNoteCVをSpiderモジュールに送り込み、信号を2つに分割させることで、それぞれをシンセに半音階単位で反映(boost)している。MatrixはGateデータも送っている。Spiderによって分割されてSubtractorのFilter Env入力と、MalstromのFilter(Filter Envではない)CV入力に送られて、リズミカルなテクスチャをそれぞれのサウンドに与えている。MatrixからのCurve出力は最終的にはSubtractorのFilter 1 Freq CVにつながっている。でもちょっと待って、これは音を発していないのだ(!)。あなたがやらなければいけないのは、それぞれのシンセにMIDIノートを供給することだ。ひとつの音を保持させることで、Matrixはその「根音(root note)」に応じてメロディーを奏でる。単音でもコードでも構わないし、Matrixを休憩させておくのもいい。手本のファイルではすでにMIDIノートが配置されているけど、別にそれをミュートして自分自身のアイデアで演奏して構わない。パターンにもっとバリエーションが必要だと思うなら(メジャー/マイナースケールに切り替えるとか)、別のスロット(Matrixのパターン)にコピーしてどうにでも好きなように変えてやればいい。
終わりに
2009-01-21 (Wed)
■
翻訳ソフトなんてしばらくつかってなかったが、今やってる[Discovering Reason翻訳]で文の構造が読み取りにくい箇所で使ってみた。結果、機械翻訳は5年前とほとんど進歩していないことがわかった。まあフリーだから贅沢は言うまい。たぶん市販の翻訳ソフトはもう少しおりこうさんだろう。ぜんぜん知らないけど。
すくなくともエキサイト翻訳よりは私の翻訳の方が役に立つはずだと自信ついた。それを狙いとしてこれからはちょくちょく使うことにしよう。
とはいえ、わからない箇所が単に慣用句だったりするときに機械翻訳はありがたいだろう。慣用句の場合は辞書で一語だけひいてもふさわしい訳を導けないことがあるからだ。で、ためしにthe icing on the cake(飾りとかおまけという意味の慣用句らしい)をエキサイト翻訳にかけてみると「ケーキの上のアイシング」と出てきた。やっぱりだめじゃん!まあ今後に期待だ。
2009-01-19 (Mon)
■
どうでもいいんだけど、という枕詞をつい日記に書いてしまいそうになる。実際、けっこうな頻度で使っている。日記なんて書いている本人以外にとっては本来どうでもよいことだから、書く意味はあまりない。でも書きたくなってしまう。とはいえこの日記を読んでいる人はたぶん3人くらいだから気にしないことにしている。そもそも私が毎日書いているこれは日記ではない気もするし。
ところで、どうでもいいことは、実はそうであるからこそ、重要だと思う。うまく説明できないが、「おいしい」と人が言っているものを食べたいと思うよりも「まずい」と言われているものの方が食べたい気持ちが強いのと似ている。
誰かのことを詳しく知りたいと思ったとき、その人が興味あることを聞くよりも、興味ないことを聞くほうが、その人のことをよく理解できることがあるというのにも似ている。誰かに2つの質問だけが許されているものとして、仮に音楽と映画は好きか、という質問をしたとしよう。そして、どちらも好きだと答えられた場合よりも、どちらも興味ないと答えられた場合のほうが、その人のことをより深く理解できたような感じがしないだろうか。
■[Discovering Reason翻訳]
スウェーデンの本家REASONのDiscovering Reasonというチュートリアルが大変参考になるので翻訳してみます。シリーズ全部を訳すほど続けられるかわからないので期待しないでください。英語が得意というわけではなく、単にREASONというソフトウェアが好きなだけなので、誤訳はたくさんあると思います。だから正確に知りたければ翻訳を注意深く見るより本家の英語を読んでください。()内は、日本語にするにあたって足りない部分や、単に訳せなかったところです。
バージョンに注意!この記事はMClass Mastering Suiteが登場するReason3.0のリリース前に書かれたものだ。ただReasonのマスタリングトリックはその追加によって変わってしまったけれど*1、一般的なマスタリングテクニックとしてはまだ妥当性がある。
マスタークラス!
この号ではReasonデバイスの解体からはちょっと離れて、その代わりにホットな話題に注目しよう。それは、マスタリングだ。伝統的に、マスタリングは音楽製作の周辺的な領域に孤立していたが、最近では音楽製作の現場や配信がより家庭に近くなったことで、マスタリングもそれらに付随してきた。アーティストは伝統的な音楽配信方法を模索する道すらすっかり飛び越えて、MP3にするかホームメイドCDにするかを選んでいるほどだ。do-it-yourselfの思想に従うつもりなら、この手順の最終局面までマスターしなきゃいけない(あなたが作曲家であり、演奏家であり、プロデューサーであり、ミキシングエンジニアでもあるのならそれでも不十分だ・・・!)。言うまでもないことだが、人々がキャリアを形成し音響の改善で生計を立てられている理由はここにある。もしあなたが死んでしまって、あなたが製作したものをどうするか真剣に悩むようなら、プロフェッショナルへの道を検討するのがいいだろう。マスタリングは何かそういう”家でやるものじゃない”事であるかのように考えられる。でも、冒険精神があるのなら、ここに芸術の初歩的な事やオーディオマスタリングの科学を紹介するので、マスターカードを用意してカードのグレードをあげるよう準備しておこう*2。
はじめにちょっと話はそれるけど、こんな疑問を持ったことはないだろうか。「なんで僕の曲は、売っているCDのように音が大きくないのだろう?ピークのメーターはどちらも同じ音の大きさであることを示しているのに!」あなたが理解すべきことは2つある:1)この記事であなたの疑問に答えよう。これはあなたのために書かれたものだということ。2)ボリューム(実際でも印象上でも)という題材に注目する場合、単なる音の大きさよりも、マスタリングにより注目しているということ。実際、マスタリング技術者は「音の大きさを競う」ことを嫌っていて、もっと保守的なアプローチを好むのだ。とはいっても、ホームスタジオのオーナーはどうしろというのか。どんなCDをかけてもえらいやかましい音が、まるで巨人のように(like the Incredible Hulk)スピーカーや部屋の壁を突き抜けるというのに。じゃあはじめてみよう!
知覚上の音量 - 祝福か呪いか?
リモコンでCMを飛ばそうとして(間違って)ボリュームボタンを押したがためにソファから飛び上がった経験はないだろうか?CMで使われているオーディオは、通常「マッチョにマスタリング」されていて、コンプレッションやリミットでも押さえ込むのが困難なほどに核爆発的だ。メッセージを聞き取ろうとしてこれをやってしまうと、もはやキッチンに非難場所を探そうとしても無駄な抵抗だ。逃げ場はない!でも、ふつうにプログラミングされたオーディオの音量を最大にして流した場合のことを思うと、少なくともその2倍の音量をCMはどうやって実現しているのだろう?手短な理由はこうだ:人間の耳は、音量をその最大によって判断しているのではなく、平均で判断しているということ。ここに「知覚上の音量」が登場する。耳の不完全性とは、1〜10ミリ秒以内のごく短い音を拾えるほどには敏感ではないということと、音量を正確に解釈できないということだ。現代の音響科学は、技術を発展させてこの瞬間的な音で最大音量の衝撃がいかほどかを確かめるために研究成果をあげるよう技術者に教えている。けれども、「平準化すること(Normalization)」は、その教えには含まれていない。
平準化は”ふつうに”することとは違う(Normalization doesn't make it "normal")
あなたの曲を”平準化”するようにアドバイスを受けたことがあるかもしれない。音響編集者はみんな平準化の機能をアドバイスする。でも平準化って実際何をするもんなの?それは、オーディオファイル中のもっとも大きい音を探し出し、それにしたがって曲全体のボリュームを調整することだ。Reasonの曲が、クリップのリミットのぎりぎりセーフのところでとどまっているのなら、もっとも高い音量は、おそらくすでに0dBあたりになっているだろう。つまり平準化をまったくしなくても達成できているということを意味している。
事の核心を射止める前に、シンプルかつ効果的なデモンストレーションを追って見てみよう(記事全体にわたって”射撃訓練(target practice)”というよく知られたデモソングの曲の断片を使うことにする)。*3
注意:記事中にあるmp3オーディオの例がループなので、デフォルトのmp3プレーヤーをloop/repeatモードに設定しておくことをお勧めします。
(図)
左の図は平準化する前のオーディオだけど、すでに述べたとおり、すでに0dBに近いなら平準化の出る幕はない(この場合、-0.21dBだから無視できる違いだ)。オリジナル(左図)を見ると、3つのピークを確認できる(針のようにとんがって、-6dBの赤い線を超えているやつ)。この場合、そのピークはバスドラムによってもたらされている。音楽情報としてはこれらに事実上の意味は無いが、彼らのせいで音量を上げる気にならないという問題がある。真ん中の図では、リミッターを使って-6dB以上の音量をすべてカットした。これがやりすぎかどうかは、あなたの作業している環境によるんだが、それもここで言いたいことの助けになる。これ(mp3)をきいてみて、この(mp3)加工したバージョンと比べて欲しい。違いを言えるだろうか?言えなければ、あなたは音を絞っていたのだ。ピーク音によって元は囚われの身だった6dBの叫び声が、今は開放されているからだ。このことは3番目の図(右)へ導いてくれる。連続的に0dBになるよう平準化された、魅力的に加工されたサウンドだ(mp3)。どうよこの音量は?*4
アナログが王様だったころ、もっとも恐れられていた”音量という魔物(level enemy)”が低音部分におりましたとさ。--ノイズだ。アナログテープレコーダーは、最大音量付近においておもむろに(ノイズという)乱暴者をつれてきたが、ひとたび音量が下がるとノイズは裸ん坊のままほったらかしにされた。アナログテープレコーダーに負荷をかけても汚らしいクリップ音を生成しなくなったのはデジタルオーディオのおかげだ。実際、わずかな負荷なら心地よいサウンドを生み出すことがよくある。デジタルの領域では、低いオーディオ信号はちっとも心地よくないが、でも副作用はデジタルの負荷よりはぜんぜん破壊的じゃない。一旦クリップ音が出てしまったら取り返しがつかない。まるで過度に露光された写真のように、真っ白に解けてしまって元通りにできない。何をするにしても、生の、加工されていないオーディオはクリップ音など発しないことを確かめておこう。メーターを注視しつつも、耳で最終判定をさせておけば、たまにはクリップ音を除去できることもあるだろう。だけど、自分の耳を完全に信用しないのなら、安全な場所にとどまり、赤いライトを頼りにすることだ。
アナログ設備に見ることができる、昔ながらのアナログVUメーター*5は、音量感について実際に人間の耳の知覚に近い。反応時間を約0.3秒と、意図的にゆっくりにしているからだ。デジタルのピークメーターは一般的に光の速さだ。サンプリングそのままの速さで、したがって最も精度が高いので、たいていの一瞬の音量の上昇で、恐ろしげな赤いライトをまっすぐに打ち上げてしまう。あなたが音量のピークなんて聞こえないと言い張っても、よくあることだが、そのとおりなのだ。デジタルのピークメーターはデジタルオーディオ機器の代弁者として一役買っている。から、たぶん”ピークアラーム”はもっとふさわしい名前でもいいはずだ。つまり、額面通りに信用しちゃいけないってこと。
俺たちはラウド好き、でしょ?長いスタジオセッション中は、ノッチをかけて*6いつも耳が麻痺してるしてるんじゃないか。サウンドをよりよく、パワフルにし、細部まで明瞭にできるからだ。忠告として:そんなことはしちゃだめだ。何よりもまず、人間の耳はコンプレッサーとリミッターでできていて、神秘的な仕組みなのだ(一部は自衛機構で、一部は不完全)。つまり耳をつんざくような音量に近づくと荒々しさを滑らかにし、そうでないときは無理なくミキシングしてバランスをとって印象的な音を与えてくれる。このミキシングの機能が、実際にチャートの音に忠実であるかどうかを確かめるもっともよい方法は、非常に小さい音にして聞いてみることだ。ただそれだけのことで、例としてバスドラムが、他の何よりも2倍大きな音であることがわかるだろう。他の方法としては、スピーカーがおいてあるのではない近くの部屋で聞いてみることだ。後者では、音が大きくなるにつれベース音がよく聞こえるようになるだろう。なぜならベース音に対する耳の反応は、非直線的だからだ。結果的に、あまりに大きな音でモニタリングすると、せっかくのベース音が除外されざるをえない。どうせそんなことになるんなら、はじめから離れておけばいいのだ。それか、低音をブーストするかだ。
マスタリングの前に
自分の曲で幸せですかー?それとも問題を解決したくてマスタリングに何かを期待してるかな?もっとも偉大な権威者といえども、音波の大惨事を無限地獄から救出することはできない。音楽製作とミキシングの現場において、心に留めておくべきことはたくさんある。これこそがプロフェッショナルサウンドの礎石となるものだが、マスタリングで手直しするのは、やらないよりはやったほうがいいというくらいのものだ*7。マスタリングステージに到達する長い道のりの前に、考えておく価値のある議論を紹介する。
・むらなく割り振る(Distribute evenly).
20から20,000Hzの間にはかなりの隔たりがあるけれど、ミキシングで曲が乱雑になるより先に、曲中の一部分の周波数が乱れてしまうことがある。低域に注目しておこう。というのはふつうはそこから混乱し始めるからだ。イコライザーの力は、増大させるよりもカットすることに使うものだということを忘れずに。それぞれのサウンドを分析し、吟味する時間をとろう。ミキシングで何が付け加わるのか、必要なものにくっついて不必要なものがもたらされないか、もしそうなら、不必要な部分を除去することはできないだろうか、というふうに。
・低音のオクターブはやめよう(Hands off those low octaves).
え?それって・・・ベース無しってこと?もちろん違う。でもキーボーディストがピアノやパッドやストリングを演奏するときに、彼らはよく右手でコードを弾いて、左手で”ベースを表現”している。これは今では悪い習慣であり、濁った古臭いベースだ。単純に、パッド、ストリング、ピアノ(あるいはコードで演奏するものはすべて)の音は、低域のベースラインに全体の音域で勝ってしまうからだ。左手(left hand)はポケットに入れとく(left)のがベストだってこと!一般的に言うと、これはバカみたいにたくさんの楽器を同じ音域、同じ周波数、で使わずにアレンジするいい練習になる。むらなく割り振る(Distribute evenly)ことを心がけよう。
・少ないことはいいことだ(Less is more).
好きかどうかにかかわらず、この古い格言はいつでもあてはまる。ある曲(またはある曲の一部分)にエネルギーが足りないと感じたら、ベストな解決方法はむしろ取り除くことであって追加することではない。アレンジのために追加するのは、もともとあるアレンジのエネルギーを吸い取ることになる。たまにはうまくいくが、たいていは悪い結果になる。追加するのは、音の壁(wall-of-sound)を引き出すような製作なら有効だけど、そういうのは難しい曲芸であって、卓越したプロデューサーや、熟練したミキシングエンジニアかマスタリングエンジニアのエリートだけがうまくやることができる。
・慎重に積みあげる(Stack with care).
今日の無限のポリフォニーと、終わることのない楽器の供給によって、音を積み上げることは誰もが味わうことのできる贅沢だ。3つ、4つ、8つを一度に使えるのに、なんで2つのスネアしか使わないんだ?とはいえ気をつけて欲しい。何かを追いやること無しに何かを追加はできないという、厳しい均一化の教えはここでもまだ残っている。2つの音を重ねたのなら、お互いが補い合っていることを、衝突していないことを、確かめておこう。あらかじめプログラムされたドラムにドラムループを付け加えた場合、元のドラムを聞こえるようにするためにループの周波数を調整して切り取るなんて、たぶんできないよね?
・集中させるミックス(Mix with focus).
全部のサウンドを前面に持ってくることはできない。アレンジやミキシングにはそもそもの問題がある。ある瞬間にはにはたいていひとつの音にしか集中していないという問題だ。ひとつの音に注意を向けるときは、その音を捉えようとするために強調し、促進し、密集の中から際立たせようとするだろう。すべての音に対してこの特別な扱いをしようとすると、結果として、一瞬のうちにどの音も際立たなくなり、抜け出せない泥沼にはまっていることに気づくだろう。音楽を絵画のように扱おう。観衆に対してひとつのスポットに注目して欲しいと願うように。他の音は二の次でよく、抽象化することやすっかり取り除かせることによってある音を犠牲にすることを恐れてはいけない。そうすること(ある音を犠牲にすること)は往々にして、スポットライトをあてて欲しいという願いにとってよいことなのだ。
・超低音に注意(Careful with those subsonics).
実際に聞こえないような周波数は、たいていのシステムにおいてはバンド幅の無駄遣いだ。それらは曲の音量を抑えてしまうし、ゲインも、まあまったく得られない。よろしくないことに、超低音のベースを増幅させると、そんな音を出せているのでスピーカーがちょっとよくなったような気を起こさせるが、安いシステムだとスピーカーのコーンがひっくり返ってしまうかもしれないし、特に”重低音(MegaBass)”をブーストしたりとか、低音信者のDQNがベース音なんてちっともまともに扱えないようなチープな軽いヘッドフォンや大型ラジカセ(ghettoblasters)やらで調子に乗ってるのは目も当てられない*8。大地を揺るがすベースを実現するようなダンスフロアを作ることは現行のミキシングではできないんであって、そうした作業は大地を揺るがすPAが出現したときにやればいいのだ。逆に、ハイファイサウンドを無理してまねるために高音をブーストするのもやってはいけない。あくまでも自然にいこう。
あなたがマスタリング職人であるかどうかはともかく、マスタリング作業を実施できるソフトウェアはたくさんある。まずはよい波形編集者になることからはじめることだ。Macなら、PeakやSparkがあるし、WindowsならWaveLab、SoundForge、CoolEdit Proなんかがある。さらにVSTプラグインやDirectXプラグインもいっぱいあるでよ。たとえば・・・
・BBE Sonic Maximizer
・Steinberg Mastering Editon -- Compressor(マルチバンドコンプレッサー), Loudness Maximizer, Spectralizer, PhsaseScope, SpectroGraph, FreeFilterが付属してる
・Waves Native Gold Bundle -- C4 Multiband Parametric Processor, Renaissance Reverberator, Renaissance Compressor, Renaissance Equalizer, L1 Ultramaximizer, MaxxBass, Q10 Paragraphic, S1 Stereo Imager, C1 Parametric Compander, DeEsser, AudioTrack, PAZ Psychoacoustic Analyzerとか、他にもたくさん付属してる
・db-audioware Mastering bundle -- dB-M Multiband Limiter, dB-L Mastering Limiter, dB-D Dynamics Processor, dB-S De-Esserが付属してる
T-Racksもある。スタンドアロンのマスタリングキットで、MacでもWindowsでも使える。
もちろん、すべて価値あるマスタリングツールであるからして、compressors, de-essers, dynamic processorsなどのプラグインは”マスタリング”する必要はないし、またこれらはマスタリング以外の用途にも使えるものだ。
これらのプラグインによって期待できる結果の例として、以下を試してみよう。
(図)
まず、Reasonから”Why Red”というデモトラックの一部をエクスポートし、そしてWaveLabに読み込んだ。オリジナルの未加工の音がこれだ:(mp3)そしてBBE sonic Maximizerを使って冴えと明るさを音に付け加え、Loudness Maximizerで知覚される音量(perceived loudness)を増やした。結果はこれだ:(mp3)これも聞きたいだろうか(mp3)それぞれの2本の線まで加工した波形を比較したものだ。
これは典型的な”マッチョマスタリング(macho mastering)”だ。知覚される音量が最大限になるように加工することによって、魅力的で大きな変化を作り出せる。
これくらいのことはあなたはもう習得済みだとしても、洗練された「マキシマイザー」プラグインよりも自分の能力が優れていると過信してはいけない。といっても、マキシマイザーは使いすぎないように注意しなきゃいけない。ひとつのパラメータでさえ、間違えようのないほど簡単に操作できるものではないからだ。不幸なことに、どんな曲にも適用できる”手品(blanket procedure)”なんてない。それぞれの曲を注意深く聞き、その強さと弱さを判別しなければいけない。商用CD(できればあなたがグレートだと思うもの)を自分がマスタリングで使っているのと同じシステムでかけてみるといい。一度そのサウンドを心に焼きつけることによって、それを自分の曲へ反映することや、問題に焦点を当てることがしやすくなる。開眼させるのによいツールは、スタインバーグのFreeFilterだ(マスタリングエディションの一部が同梱されている)。これは学習機能がついたイコライザーだ。お手本の曲(”ソース”)をかけると、FreeFilterがそのサウンドの特徴を分析してくれる。そして同じ手順を、自分の曲(”デスティネーション”)にも繰返してくれる。それによってソースとデスティネーションの周波数のカーブを比較でき、あなたが自分の曲にかけたイコライジングの問題点を明らかにしてくれるのだ。*9
応急処置的FAQ
というわけで我々は、一般的で、間違うはずのない、魔法のマスタリング方法なんてないという事実を確認してきた。じゃここからはどうしよう。たぶんベストなアプローチは、”応急処置”に話を切り替えることだろう。古くからある議論のタネをFAQ形式で紹介することにする。
Q:俺の曲はダルくて暗くて、パンチが足りねえって感じ。どうすりゃいいの?
A:それはボリュームに関する問題のようですな。生の、加工されていない曲は、デジタルにおいては単にドライで、鈍くて、薄っぺらな音質でしかない。マルチバンドコンプレッサーを使うといいけど、もしパラメータの扱いに自信がないなら、Loudness MaximizerとかL1 Ultramaximizerとか、BBE Sonic Maximizerとかの上級ラウドネスプラグインがいい。これらは一般的にコンプレッサーなんかよりは良い結果をもたらす。なぜならコンプレッサーは「音をでっかくする」とかの間違えようのないコンプレッションを加えるわけではないからだ。マキシマイザーやコンプレッサーを強調すればするほど、ダイナミックレンジをつぶしてしまう、ということを覚えておいて欲しい。せっかく慎重にプログラミングされたハイハットのベロシティが、完全にフラット化されて固定のベロシティを使うのと同じ結果に終わるかもしれないからだ。
Q:あたしの曲は高音が足りない気がするの。高域を強調するのもやってみたんだけど、あんまりよくなかったの。助けてくれる・・・?
A:高域をブーストするのは、たいてい、問題を悪くするもんだ。不快なキンキン音が増えてしまう。はんなりタイプ(exciter-type)のプラグインを試してみて。これは華やかな音を追加するよう作られている。BBE Sonic Maximizerか、RGC AudioのHigh Frequency Stimulator(フリー)がいいんじゃないかな。
Q:わしの曲はどぎついんじゃ。耳がいかれてしもた。直せるかいな(音を)?
A:たぶん。あなたがお探しの不快な周波数は、ふつう1〜3KHzの間にあります。イコライザーをそのあたりに持っていって、カットしてください。
Q:僕はラウドネスで幸せになれてるんだけど、まだ「臨場感(presence)」が足りない。どうしたもんかなあ・・・?
A:あなたがお探しの周波数は、6〜12KHzの間にある。この帯域にまったりしたブーストをかけてみて。スタインバーグのSpectralizerがいいかもしれないし、他の「魔法の箱」もある。それは、ハーモニックジェネレータで合成した倍音を生成し、透明度と鮮明さを増加させるものだ*10。
A:ふつうに答えると、イコライザか魔法のプラグインをお試しいただくのがよろしいかと。Waves MaxxBassやBBE Sonic Maximizerはどちらも低音を増幅できる。標準的なイコライザーを使うのが好みなら選択肢は増えるから、それぞれ試してみて、お気に入りを見つけるのがいいだろう。中低域に突っ走りすぎると、音に「箱っぽさ(boxiness)」がもたらされるという問題が発生しがちだ。犯人は100〜400Hzの範囲にいるからカットしてみて。ラウドネスという観点でベースはOKだとしても、もっと深みを与えたいこともあるだろう。30〜40Hzの範囲に穏やかなブーストをかけて、約100〜120Hzを穏やかにカットしてみて。
Reasonでもできるの?
Reasonははっきり言ってマスタリングツールじゃない*11。Reasonは、作曲とミキシングをするためのものだ。、それをした後に、最も高い水準でオーディオファイルにちょっとした深みを与えたり、手持ちのソフトウェアやハードウェアができうる限りのサンプリング周波数を与えるといったことはReason以外のソフトを使ってやればいい。こう言ってしまうとアレだが、Reasonはもっとイコライザやコンプレッションを進化させる必要がある。RPS形式で楽しんだり、「総仕上げ(finalized)」を曲に追加する為には、素直にReasonを離れた方がやりやすい。たったひとつのCOMP-01やPEQ-2マスターコンプレッサとして使っているのをソングアーカイブで見ることがあるだろう。だけど、たったひとつのコンプレッサでは満足できる結果をもたらさない。極端に激しい曲ならなおさらだ。それら(COMP-01やPEQ-2)は全周波数域に働きかけるものだから、思わず頭をかがめてしまうようなエフェクトになってしまいがちなのだ。つまり、意図したのとは違う音を押し出してしまう。たとえば、音場感(soundascape)を逸脱したドミナントバスドラムは、コンプレッサにすべてのビートに甚大な影響を与えるよう無理に働きかけてしまって、バスドラムが鳴るたびに他の音が「聞こえる範囲」から消えてしまう、なんてことになってしまう。この問題を克服するには、マルチバンドコンプレッサを使う必要がある。これはまるで打楽器のように機能するコンプレッサで、自らが受け持っている一個所の周波数帯域に働きかけるものだ。3つの帯域(低音、中音、高音)でふつうは事足りるだろう。Reason2.5で登場した2つの機器のおかげで、Reasonラックにあなただけのマルチバンドコンプレッサーを構築できる*12。その手順は以下のとおりだ:
1 14:2ミキサーを作る
2 Spider Audio Merger & Splitterを作る。これはマスターミキサーの出力をステレオに分割するものとしても、(ステレオ信号を)マージするものとしても使える
3 BV512ボコーダを作る。オートルーティングしないようにシフトキーを押しながらだ(そうすることでReasonはここはふさわしくないと推測するわけだ)
4 3つのボコーダをイコライザモードに設定し、512バンド(FFT)に設定する
5 3つの周波数帯に分けるために、それぞれのBV512のディスプレイにあるスライダーをつかう。それぞれのボコーダ/イコライザが担当部分以外のバンドで機能しないよう、3つの範囲のうちひとつだけ(1〜10とか)を残して、他のスライダーはゼロにする。
6 4のステップを繰り返して、中音用、高音用のBV512を割り当てよう。つまりディスプレイの真ん中だけ(11〜22とか)を割り当てるものと、右にだけ(23〜32とか)割り当てるものに分ける。(図や.rnsの例を参考にすること)
7 3つのCOMP-01をつくる
8 Spider Audio Merger & Splitterを作る
9 あとはルーティングだ。ミキサー出力をSpider Audioのスプリット入力に接続、Spider Audioのスプリット出力1〜3をBV512の3つのcarrier inputsに接続、コンプレッサの3つの出力をSpider Audioのマージ入力1〜3に接続、Apider Audioのマージ出力をハードウェアインターフェースに接続
このテーマのバリエーションとして、COMP01とBV512のペアをもう一組追加して4バンドのマルチバンドコンプレッサを作ってみよう(低域+中低域+中高域+高域とか)。
あるいはCOMP-01をScream 4に置き換えて、Tapeのプリセットにしてみるのもありだ。
これ(multiband.rns)はマルチバンドコンプレッサの設定のテンプレートだ。
さらにおまけとして、ボコーダでイコライザのバンドを調整するというのももちろんありだ。それもマスターイコライザーとして機能するだろう。
・ An Introduction to Mastering by Stephen J. Baldassarre
・ 20 Tips on Home Mastering by Paul White
・ What to Expect from Mastering by John Vestman
*1:MClassができたことによって、イコライザでは2バンドから4バンドにできるようになった。コンプレッサでは、Input GainやSoft KneeやSolo SidechainやAdapt Releaseなんかが使えるようになった。また、マキシマイザとリミッターは新規に追加されている
*2:have your MasterCard ready and step up to the counter.よくわからんジョークだ。タイトルのマスタークラスとかけているのかなあ。でもマスターカードにはマスタークラスというグレードは無さげなんだが。単にMasterという名のつく言葉を使いたいだけかも
*3:Reason4.0にはこのデモソングは入っていない
*4:個人的には、右は明らかにラウドがかかってるのがわかるけど、真ん中と左の違いはよくわかりません
*5:Volume Unit 音量感を測定するものらしい。でもそんなに人間の耳に近いのなら、その機器の存在意義やいかに
*6:高低域の音を強調して派手にすること
*7:the icing on the cake これはDr.REXのとこでも出てきた慣用句。この訳が適切かどうかは自信ない
*8:こういうまくし立てるような文章は手に負えない。ちなみにDQNの正確な意味は知らない
*9:なんとすごいソフトであることよ。まるでドラえもんの世界だ。でもドラえもんの道具は姑息なだけで、根本解決をしてくれないことが多いから、その意味ではドラえもんの世界をすでに超えている
*11:MClassの登場によってマスタリングもそれなりにできるようになった
*12:これもMClassの登場によって選択肢は増えたが、ここに書いてあるようにボコーダを使うほうが直感的で個人的には好みだ
2009-01-18 (Sun)
■
早稲田通りを走っていると爬虫類倶楽部という店を見つけて入ってみたら、めずらしい生き物がたくさんいて興奮した。カメレオンやイグアナが思っていたよりずいぶん小さかった。あれは子供なんだろうかな。
ツノガエルがかわいくて安かった。あやうく買いそうになった。でも固体は安くても、きっと室温を調節するのにかなりの金がかかるのだ。そのことに気づかずに買ってしまった人が、出費にたえきれずその辺に放してしまい生態系を乱すのだろう。しかしツノガエルはピクリとも動かなかったけど、あれでも生態系が乱れてしまうんだろうか。一瞬で殺されそうである。実際、他の生き物はみんな高そうな水槽に入れられていたのにツノガエルだけは動かないせいかブルーベリーのパックみたいな小さい容器に入っていた。
「一家に一匹ツノガエル!」って書いてあったけど、ほんとにあれはいいかもしれませぬぞ。つらいときにツノガエルを見て「こいつは気楽でいいよなあ」なんてヒーリング効果が期待できる。でもやがて人間もそんなに大差ないことを悟ることになるだろう。
■[Discovering Reason翻訳]
スウェーデンの本家REASONのDiscovering Reasonというチュートリアルが大変参考になるので翻訳してみます。シリーズ全部を訳すほど続けられるかわからないので期待しないでください。英語が得意というわけではなく、単にREASONというソフトウェアが好きなだけなので、正確に知りたければ翻訳を注意深く見るより本家の英語を読んでください。()内は、日本語にするにあたって足りない部分や、単に訳せなかったところです。
ReDrum、と女は書いた。
ドラムマシーンとハードウェアシーケンサーは早くも、そして恐ろしいことに死に絶えてしまったのは1990年代の後半であり、これはハードウェアサンプラーや、サンプルプレイヤー、ワークステーションシンセ、コンピュータベースのソフトウェアが彼らの先輩の不幸を省みずに追いやってしまった時代だ。
新しい世代は大衆に、ロボットのように堅苦しくて廃れたあのナントカカントカとははっきりと対をなすものとして「人間的感覚」の要素を提案した。その目的は、まさにその時代らしいものではあるが、完全に本物の楽器と本物のミュージシャンを作るというものだった。ハードウェア製品は、彼らの提供した道具がより本物っぽく先進性があるということをお手軽に確かめるためのツールとして残されただけだ。ソフトウェアシーケンサ製品は、「自然なグルーヴ」(を作り出す)アルゴリズムとしてPPQN*1を増加させるという、クオンタイズの最終試験を余裕かましてやるのに忙しかった。すべては個々のノートが、もしやろうとしても同時に鳴らないことを確実にするため(の試み)だ。
皮肉なことに、レトロな潮流が世界を一新するのに長くはかからず、今となっては、当時のなんちゃって人種(sudden people)はみんな没落し、TR-909の古臭さについて酷評を交換し合っている。「人間的感覚」を実現する努力は、固定のベロシティ、シンセ的なサウンド、反復の楽しみという完全な「ロボット的感覚」を作り出す目的の元ではもはや古臭くなった。人々はきちがいじみたダンスミュージックを作り、すべてのミュージシャンはフュージョンジャズと共に死ぬのだという理念を忘れ去らせるようなハードウェアシンセ製品が出現するには数年で済んだ。
エッジを削り出すという、コンピュータソフトウェア元来の姿に戻したのは、ほとんど劇的といえる決断だ。80年代初頭のローランドのTRシリーズや、ReasonのReDrumで着想を形にするのは、いつでもすばやいプログラミングを提供するものとして信頼できる昔ながらのドラムマシーンに賛辞を送るということだ。このDixcovering Reasonでは、ちょっとだけコツとトリックを扱うのでReDrumの長所を生かすためのヒントになるだろう。
注意:記事中にmp3があるのがループなので、mp3プレーヤーをループ/リピートモードにの設定しておくことをおすすめします。
番号でReDrum
多くの人はメインのドラムマシーンとしてはReDrumよりもNN-XTのファンだ。NN-XTは驚くべき柔軟性と16個の独立したアウトプットを備えているが、その傍らでReDrumにもまだいくつかの長所がある。
1 すべてのパラメータへの迅速なアクセスと一覧性をもたらす、非常に直接的で直感的なデザイン
2 MIDIキーボードやオンボードパターンコンピュータ*2と、その2つの組み合わせで演奏可能
3 全パラメータがオートメーション可能(NN-XTではこの利点は制限されている)
5 10チャンネル全部にGate Inを搭載(他の機材はノートコントロールのためのひとつのGate Inしかない)
6 10チャンネル全部にGate Outを搭載(Dr.REX以外ではReDrumがこの特徴を備えている唯一の機材)
7 どのチャンネルも独立してノートをランダマイズ可能(Reasonでこのポリフォニック的なことができるのはReDrumのみ)
8 手軽な「ライブブラウジング」。ReDrumをプレイした状態で、チャンネルに固有のNext/Previousサンプルボタンを使って、曲にとってベストなキックやスネアをすばやく探せる
つなげるReDrum
ReDrumのGate inやoutputsの存在によって、数多くのルーティングの可能性が開かれている。次の2つのシナリオを試してみよう:
ひとつのReDrumのチャンネルにあるGate Outを他のチャンネルのGate Inに接続することによって、ひとつのキーで2つのチャンネルを鳴らすことができる。もちろん2つ以上でもよいが、ベロシティコントロールの助けを借りて、ベロシティを切り替える機能をシミュレートするのもいいだろう。ベロシティのLeverlコントロールを「反対の」値に設定して、キーを強くたたくにしたがって一方の音が小さくなり、一方の音が大きくなるようにしよう。ここにReDrumのチャンネルをつなげてベロシティの切替をやってみたファイルがある:gate velo sw.rns|(mp3)
もちろんGate outputsをReDrum以外の機材につなげることもできる。シンセドラムでパターンをプログラミングするアプローチが好きか嫌いかはともかく、これをやってみて:シンセ(MalstromやSubtractor)を複数作って、好みのドラムパッチを読み込む。そしてラックの背面に回って、それぞれのチャンネルのGate Outをそれぞれのシンセの背面にあるSequenser Control Gateにつなげる。もちろん、なんでもいいんだけど”puppetmaster”をReDrumに読み込むのもよいだろう。こうすることでアナログ的なレイヤーサウンドにできる。例:gate ext.rns|(mp3)
(トラック上のミキサーのオートメーションを利用した、2つのレイヤーを扱う種類の例としては:サンプルだけ/シンセだけ/その両方/などがある)
静かなるミュート(Silence of the Mutes)
(著者注:ああ、”静かなるフラム(Silence of the Flams)”のほうがいいタイトルだけど、それじゃ意味がないのだ)
すべてのReDrumチャンネルにはMuteとSoloボタンがついている。そしてなんともすばらしいことに、MuteとSoloのon/off切替はMIDIキーボードのノートメッセージからできる。これはドラムをプログラミングする楽しい方法だ;すべてのチャンネルにすべてのノートを詰め込んで、MIDIキーボードでMuteを「演奏」すると、「通過させた(Muteしなかった)」音だけが聞こえる。このランダムと混沌の感じはAphex Twinや、Autechreや、Squarepusherのドラムトラックを連想させてクールだ。見てみて:crazy mutes.rns|(mp3)
例のトラックでは、すべてのトラックですべてのノートをプレイするパターンが3つあって(それぞれ1/4、1/8Tと1/16)、そのうちに少しだけフラムを使っている。これが音楽にスパイスを与えているのだ・・・!この爆発的に楽しい(bang-for-buck)方法は、お手軽で(あるにもかかわらず)まるでプログラミングに長年費やしたかのように聞こえる。実際はものの数分で何も考えずに作ったものだけれど。その結果たるや狂喜に値する。こういうのはふつう、注意深く計算してプログラミングするけどそれをやっていない。
(チャンネルのMuteは、MIDIキーボードのC2からE3のキーでコントロールできる)
おわりに
ReDrumはReasonにアプローチするにあたってシンプルさを身上とし、試してみる気を起こさせるものであり、またハードウェアとソフトウェアの両陣営のベストな融合が形になったものだ*3。ここで紹介したトリックのお手本は、いじくり回す冒険(tweaking adventures)のスタート地点でしかない。武器は整ったぞ、出撃だ!
2009-01-17 (Sat)
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街頭で募金活動をしている人は、自分で働いて稼いだ金を寄付すべきである。そのほうが額は桁違いに大きくなるだろう。不景気で職場がないとは言わせない。職種を選ばなければ(もちろん選ばないよね)かつバイトなら、30分もあれば見つけられるし、明日からでも働くことができる。
世の中は善意では動かないということを彼らに教えてあげなくてはいけない。世の中はもっと合理的なものだ(だからこそすばらしい)。たとえ10円であってもあの人たちに金を与えてはだめだ。
■
Broadway Ragをイーブンペースで弾けるようになった。私はこの曲ではじめて5音の和音を見たのだけど、なれるとそれほど困らない。作曲者はスコットジョプリンではなくてジェームススコット(名前が超にてる)なので、セブンスコード(たぶん)がちょっと多めで、装飾にも違いがある。ジェームススコットの方が新しい分、ややジャズ寄りなのかもしれない。
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スウェーデンの本家REASONのDiscovering Reasonというチュートリアルが大変参考になるので翻訳してみます。シリーズ全部を訳すほど続けられるかわからないので期待しないでください。意訳の部分が多くなると思うので、正確に知りたければ翻訳を注意深く見るより本家の英語を読みましょう。()内は、日本語にするにあたって足りない部分や、単に訳せなかったところです。
■[Discovering Reason翻訳]
これ聞いたことあるだろうか?たいていの返答はイエスだろう。おかしなことにループを使うということはいまだにけっこう議論の的になっていて、その議論というのは芸術性と「ボタンを押すこと」との間にあるグレーゾーンというぼんやりした中にある。結局、ループというのは誰かの努力や才能や創造性のたまものである。でも今一度問うけど、ループはどんな種類の芸術でもないのか?あなたは誰かによって録音された--演奏された--楽器のサンプルを使ってるんじゃないか?また誰かがプログラミングしたシンセのプリセットをも。誰があなたにNN-XTのバイオリンのトリルを与えているのだろう。サンプルした人?指揮者?バイオリニスト?バイオリンを作ったアントニオストラディバリウス?本当のところは、卓越したアーティストの手によって、たくさんの生き生きとしたループが、どんな他の音楽の達成を前にしても屈しないユニークな芸術作品として形になっているのだ。そして、ループをひねったり、曲げたり、カーブさせたり、整えられるなんて強力なツールは、Dr.REXをおいて他に無いのである!
Discovering Reason(このコーナーの名前)のはじめの章では、このおりこうさんなデバイスを探検してみるつもりだ。まずはシンプルでより標準的な機能からはじめて、記事が進むにつれDr.REXのタネ明かしをするまで深く掘り下げていこう。
注意:記事中にmp3があるのがループなので、mp3プレーヤーをループ/リピートモードにの設定しておくことをおすすめします。
Dr.REX - シャカシャカ鳴るもの
メインのリズムをなすものとしてドラムループを前面に使うということは、ここから先は必要じゃない。実際、ほぼ間違いなく、それをするのは時代遅れなのだ。1980年代から90年代には、サンプルされたループはレイヴでしかなかったし、ジェイムスブラウンの”Funky Drummer”(featuring Clyde Stubblefield)をのぞけばそういうのはどこにでもあった。でもそれ以来、もっときめ細かくて洗練されたドラムループの使用法が発展した。もしドラムループに接していてノウハウがある誰かに尋ねたら、彼らはたぶん「あれば便利なもの*1」だと答えるだろう。一般的なアプローチは、ドラムマシンでドラムをプログラミングするか、キーボードでそれをするのだけど、それをしてからすでにあるメインのドラムを味付けするというものだ。Dr.REXのおかげで、Reasonならこの方法は機械的(no-brainer)だ。これをやってみて:
1 ReDrumか何か他のサンプラー(NN-XTやNN19)を使って「主要部分」を作る
2 Dr.REXを作って、あなたがプログラミングしたドラムループに、リズムやフィーリングその他において、とりわけ高音域において、補充するようなループを見つける
3 Dr.REXのフィルターを使う--HP(high pass)モードにして、お望みの音とそうでないところの間にぴったりはまるような箇所を、FREQをスライドさせて見つける
4 コンプレッサーを間に挟んで、ご機嫌でアグレッシブなセッティング(Ratio 4-8:1、Threshold 0、Release 0とか)にしてループの細かい部分が表面上に出るようにする
このDr.REXの応用について2つ例を作っておいた(すぐに比較できるように、トラックかミキサーはミュートにして使うこと):hipass sizzle1.rns | hipass sizzle2.rns
Dr.REX - スウィングを与えるもの
それでもまだループを音として使いたくないのなら、ループのリズム感だけを使うこともできる。あえてこう言ってみよう。あなたがたとえコンガが嫌いであっても、あなたはあるコンガのループが、立ち上がってファンキーなちょっとしたダンスナンバーを踊ってしまうようなナイスなグルーヴを持っていることに気づくだろうと。After all, it has this human feel to it that no stiffly programmed drum pattern can mimic.まあ、やってみよう。コンガのグルーヴを盗んで火にくべるのだ!その手順は以下:
2 Dr.REXの”To Track”をクリックする
3 シーケンサーウィンドウで、今作ったグループを右クリックする
4 コンテキストメニューから、”クリップからグルーヴを抽出”を選択する
これでグルーヴは全部ものにした。”User”のドロップダウンメニューの一番下に、グリッドにクオンタイズする(というコマンド)を見つけることができる。このグルーヴは、次に”クリップからグルーヴを抽出”をするまではそのまま残っているから、ソングと一緒に保存され、あなたが録音したどんなリフやパターンにも適用することができる。
Dr.REX - 動く動物(the animation animal)
あなたができるほかのクールなこととして、Dr.REXをリズムモジュレーションのソースとして採用するというのがある。CV/Gateを使ってREXループのグルーヴを、静的なテクスチャにまで生命と鼓動を与えるものとして、シンセの音色やサンプラーの音に適用することができるのだ。Dr.REXを音源として使う必要はなく、黙らせておくのだ。必要なのはグルーヴを「動くもの(animation)」としてグルーヴを与えることだけだ。ここにあんまり興味をそそらないシーケンスがある:(mp3)さて、Dr.REXのドラムループによってシンセサイザーのフィルターを操作すると、まったく同じシーケンスがこんなふうに聞こえる:(mp3)。(設定の参考としてanimation1.rnsかanimation2.rnsを見てほしい)
Dr.REX - 形を変えるもの
”ドラムって何のドラムだ?”ループに特化したドラムはその使い方をしばるものではない。Dr.REXにしかないひねりのやり方として、外部のモジュレーションをCV/Gateを使って組み合わせる方法がある。どんなドラムループでも、かすかにそれとわかるというくらいにまで変形することができる。ちょっと説明させてほしい。ここにFactory Sound Bankの基本的なドラムループがある:(音)
これ以上聞きたくない、って感じ?でもがんばってFX*2やMatrixのシーケンスを使ってフィルターをかければ、このループはこんなふうに変えることができる:(音)
REASONのソングバージョンがあるので、これをどんなふうにしているのかを見たければどうぞ:abstracted.rns
Dr.REX - メロディーを作るもの
はじめのうちはミュージックループを何か有用な形にするというのはおっかない作業のように思えるだろう:間違ったキー、間違ったコード進行、すっとんきょうなメロディー--どうやってこれを曲にあわせたら良いんだ?というわけで、Dr.REXの完璧なミュージカルコントロールをものにする方法を教えてあげよう。まずはじめに、REXループのピッチを変えるには少なくとも6つの方法がある:
・外部ソースによるオシレータピッチのモジュレーション(CV)
・ピッチベンド
これらのうち2つかそこらを組み合わせて使えば、ミュージックループを手なずけることができ、どうにでもやりたいようにできる。やってみよう:
はじめに、Reason Essentials Refillパッケージから”Take Your Pick01”と呼ぶベースのループを開こう。オリジナルの状態では、このループはこんなふうに聞こえる:(音)
ここで、適当なスライスのピッチを調整してループを「平らに」し、より扱いやすいようにする。このおかしなベース音は、まっ平なトーンと山形のトーンが、すっかり変わってしまったということも意味している。でもそれだけでもなかなかおもしろいものになるのだ。結果はこんなん:(音)
ずるいやり方1:さてもうすっかり変わってしまった。ここからまったく新しいベースラインを、ピッチをコントロールするためにMatrixを使って作ってみよう。このやり方は、個々のスライスのピッチをいじるよりも柔軟な方法なのだ。なぜならあるスライスの途中であってもピッチを変える事ができるからであり、複数の(Dr.REXの)インスタンスや違うシーケンスを作らずに、同じDr.REXでバリエーションを演奏することができるからだ*3。このアプローチが好きな人なら、ピッチをシーケンスするためにたぶんMatrixのCurveを使うだろう。でもそうはしない。Curveの部分は他の事のためにとっておいて、Keyのグリッドを使うのだ!でもどうやって?Note CVはピッチにそぐわないの?それは実に正しい(想像だ)が、それゆえに間違っている。ReasonのどれかのシンセかサンプラーのNote CVのinputに(MatrixのNote CVを)つなげて正しい音階が出ていることが認識できるのなら、その”そのえもいわれぬ程の微妙なスケール(voltage scale)”は半音階でも表せないのだ。Note CVのoutをOsc PitchのCV inにつなげた場合は、”事実上のスケール(virtual voltage)”においてCとC#との微妙な違いはセミノートをあげるのとも違う。*4
はじめにDr.REXの背面に回り、MatrixのNote CVをモジュレーションするためにOsc PitchのOxc Pitchのinputにつなげる。そしてOsc Pitchのinputの横にあるノブを右いっぱい(値127)まで回す。これでCVの入力が100%の正確さでセミノート値に変換される。残念なことに、こうすると音域を越える寸前のレンジまでピッチが跳ね上がることにもなるので、Dr.REXのフロントパネルに戻ってOsc Pitchを変えなければいけない。つまりOctaveノブを右いっぱい(値0)*5に回す。これでもはや新しいベースラインをMatrixのKeyを使ってステップごとにプログラミングするという固定観念から抜け出したわけだ。ここにどんな音がするかの例がある:(mp3)。いかす(Neat)!というわけで、REXファイルにベースループが入っているからといって、それをベースとして使う必要はないということだ。Dr.REXの味付けの可能性(tweaking possibilities)を組み合わせることで、ギターにも、スタッカートのコードにも、お望みのように変えることができる。複数のDr.REXを使った例がある。元はすべて同じベースのループなのにまったく違ったようになっている:(mp3)
ずるいやり方2:いいかな、ピッチを変えるものとしてMatrixを使うことや、スライスごとにピッチを変えるやり方はもうどうでもよくなったね。このトリックは、実際にはぜんぜん”ずるい”ことなんかじゃなく、Dr.REXの説明書に書いてあることなんだけど、ユーザたちはみんなそれに気づかない。MIDIキーボードの標準的なNote-onメッセージを使ってDr.REX(の音色)を変える事ができるってことに。このピッチをコントロールするやり方はもっとも簡単で、もっとも”ミュージシャンにやさしい”方法だ。単にMIDIキーボードのOctaveのレンジを調整するだけで、もっとも低い音程のC2やC0を演奏できる。
さあいちばんはじめに(Matrixでピッチをコントロールした)トリックを組み合わせてカスタムシーケンスを作り、すべてのピッチをキーボードからトリガーしてみよう。
Synthotica refillの”80 manip”からはじめてみよう。これはまっすぐなシーケンスで、同じノートが繰り返しプレイされ、音はこんな感じだ:(mp3)
”ずるいやり方1”で、MatrixでDr.REXのOsc Pitchシーケンスを組んだものを使い、エフェクトを追加して、フィルターもかけて、テンポを早くする。結果:(mp3)
最後に、”macrolevel transpose”をレコーディングする。これはDr.REXのシーケンサトラック上に、単純にすべて4種類のノートを並べたシーケンスだ。Voila:(mp3)お手軽なテクノだ!ひとつ足りないのはちょっと荒めのテクノドラムだが、これをかぶせてみると:(mp3)ほらね。
おわりに
見てきたように、Dr.REXやREXファイルは固定的な繰り返しのループよりももっと多くのことができる。Dr.REXは間違いなくReasonという環境の中でももっともユニークであり、ひとたびドラムループからはじめてして他の可能性に足を踏み入れたら、まじで楽しいのだ。ボーカル、ギター、ベース、またはハードウェアシンセなんかをReCycleでレコーディングし、フィルター、モジュレーション、クオンタイズ、トランスポート、ランダマイズというDr.REXの機能でどれほど没頭できるかを見てみてほしい。このドクターはいつでも待ってるから相談してみよう!
2009-01-14 (Wed)
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酒をほぼ毎日飲んでいる。だらしないことだなあと思うので、できるだけ飲まないようにするために酒を買うときはその日いる分だけ買うことにしている。家に備蓄はしない。「本当にこれで足りるのか」と不安になることもあるけどたいてい発泡酒1本だ。
どうせ毎日飲みたくなって買いに行くことになるのだから、6本くらいまとめ買いしてもいいのでは。その方が時間の無駄がなくていいじゃないか。という誘惑に駆られることもあるが、きっとそれだと2日で6本なくなってしまうのだ。だから今のやり方は間違っていない。
こういうふうに少量の酒を毎日飲むのは体にいいことなのだ、という通説があるけど私はそれを信用していない。たぶん嘘かたいした根拠は無いだろう。体のことだけを考えたら酒なんて飲まないほうがいいと思う。
2009-01-13 (Tue)
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ところで利き手があるのは人間だけではない。動物を飼ったことがある人なら知っているだろう。
でも人間について言えば、手は二本あるのになぜたいていの場合はどちらかが「利き」になるように進化したのか。どちらも利きであれば便利そうである。これにはいちおう理由らしきものがあって、たとえば天敵が正面からやってきた場合、右か左によけなければいけないがその場合どちらも「利き」だとどっちに逃げればいいかを瞬間的に迷ってしまうからだということらしい。
これが正しいとすれば、その一瞬の迷いが生死にかかわってしまうような時代が、人間にもあったというわけだ。なんかロマンがあるね!いくら高度な文明を作り上げても(むしろそうだからこそ)人間はそんな時代からほとんど進化することはないのだ。
ペンタブおもしれー
2009-01-12 (Mon)
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アダルトビデオは18歳未満の少年は見てはいけないことになっているけど、なんでそんな決まりがあるのだろう。欲望のはけ口をなくしてしまったら少年の性犯罪が増えてしまいそうだ。男の場合、12歳くらいでその機能が目覚めるんだったと思うけど、そこから18歳になるまでの数年間、どうやって処理しろというのだ。考えてみると拷問に近いものがある。恋人がいていつでも性行為可能ならいいかもしれない(でも性行為にも年齢制限があるんだっけ?)が、もてない男にとっては悲惨である。懲役5年て感じだ。
まあ現実には18歳以下でもじゅうぶん流通してる。だこらこそ、今更その決まりを変える必要はないんだろう。変えてしまうとあまりにも話題性がありすぎてパニックを引き起こしそうである。建前上は禁止だけど、18歳以下でもちょっとその気になればいつでも入手できるところに置いておくという今の状況が、ちょうど良いのかもしれない。
2009-01-11 (Sun)
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今回の風邪もようやく治りかけている。風呂場ではなをかんだらゲル状の鼻水が出てきてすっきりした。私はゲル状のそれを「ボス」と呼んでいる。治りかけのときに必ずでてくるあれだ。ボスさえ退治してしまえばあとは時間が治療してくれるだろう。
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コーヒーに覚醒効果があるのは科学的に正しいようだが、経験的には正しくない。リビングでコーヒーを飲みながら本を読んでいるつもりだったのに、気がついてみるとコーヒーを半分飲みかけで居眠りしていたというのはよくある。
思うに多くの人がコーヒーで覚醒するのはプラシーボ効果(思い込みのようなもの)によるところも大きいんではなかろうか。
私はコーヒーの味が好きで飲んでいるだけであって、覚醒効果があることなんてまったく意識していない(なんといっても夜寝る前に飲むくらいだから)。が、多くの人はある程度覚醒効果のことを意識して飲んでいるだろう。だからこそ、実際にその効果が得られるのだと思う。
個人的には、コーヒーには消化を助ける面でお世話になることが多い。食事の後には決まってコーヒーを飲みたくなるが、実際、コーヒーには胃酸の分泌を促して消化を助ける働きがあるそうだ。確かに飲まないでいるとちょっと胃がもたれる感じがする。
2009-01-10 (Sat)
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マイペディアという百科事典で「音楽」の項目の解説がおもしろい。
人間の耳によって知覚される精神の表現。客観的な面から定義づければ、多かれ少なかれ一定の確率的状態になるように音を構成し、パターン化したものが音楽といえる。これは言語の場合と同様に、シンタクス(構文論)を持つことを示す。ただし、音楽は外界の事象に1対1対応する語彙を欠いている・・・(以下略)・・・
こういう文章は哲学をやってたころのことを思い出させるなあ。他の辞書ではどうかと思ってブリタニカ国際大百科事典で「音楽」をひいてみると、こんなんだ。
ムシカ、ミュージックなどの言葉はギリシア神話の9人の女神(ムーサ)たちが行う活動(言語、詩、音楽、舞踏などを統御する)を意味するギリシア語のムシケmusikeに由来する・・・(以下略)・・・
続きを読む気がしない。
そして日本語のエンカルタはけしからんことに「音楽」の項目すらなかった。
百科事典とか辞書とかは、知らないことよりも知っている(と思っている)ことのほうが調べるとおもしろい。新しいものの見方を提供してくれるからだ。「睡眠」「疲労」「空腹」「階段」「死」「髪」「爪」とか、いろいろ・・・。
2009-01-09 (Fri)
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今日は出勤。ほんとは休みたかったけど、今日休むと6連休になってしまうので、正月から休みすぎで会社に来たくない病にかかってしまう。
昨日、一般人らしく灯油を買おうと思って散歩していたら、坂を下りて20秒くらい歩いたところに灯油専門と思われる商店があったからそこで買った。台車も貸してくれて楽チンだった。18リットルで1600円だから、リットルあたり89円だ。原油の価格が今どうなってるか知らないけど、ちょっと高めかもしれない。
それにしても石油ファンヒーターがこんなに快適だとは知らなんだ。電気とは違って目に見えるから金を払う気にもなる。今までずっと暖房なしで我慢していたのがあほらしくなってきた。我慢というのは何でもあほらしいもんかもしれない。
2009-01-08 (Thu)
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今日も会社休み。で、風邪ひきらしくマルちゃんの赤いきつねを食べているんだが、ふたをめくると武田鉄矢の顔がでてきて、なにやら応援メッセージが書かれてある。私は彼のことをあまり知らないのではあるけど、彼はいつも誰かの応援ばかりしていて、彼自信が何かしているところを見たことがない。
私は応援する人があまり好きではない。この世に自分の意志以外の力を借りて成し遂げるべきことはないと思うからだ。応援されなくてもやるときはやるし、もうやる気が無くなったり、やらなくてもいいかと思ったときに応援なんてされたら迷惑なだけである。
仮にスポーツ選手を応援するなら、単に「がんばれ!」じゃなくて、「もっとおもしろい試合をして楽しませてくれ!」という応援をするのが良いと思います。
2009-01-06 (Tue)
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奈良の家に石油ストーブがあまっていたので、それをもらった。買わなくてよかった。持つべきものは家族だと思った。ふるさとは遠くにありて思うもの。
でも石油なんてどこに売っているんだろう。なんという世間知らずだと自分であきれてしまうわ。またそれがわからずにもらってしまうなんてなんという計画性のなさ。奈良では米屋が石油を扱っていた気がするのだけど、それが東京でも通用する常識なのかがわからない。たぶん奈良ローカルだろう。危険物と米とはあまり関連が無さそうである。
「石油ってどこに売ってるんですかねー」
って言ってみたら、「灯油じゃねえの」と笑われてしまった。私はあほかもしれない。でも”石油ストーブ”っていう名前である。灯油も石油からできているから、石油を燃料にしているといって何の差支えがあろうか。味噌汁は味噌を材料としており、味噌は大豆からできているから味噌汁は大豆汁である。
2009-01-05 (Mon)
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かぜひいてしもた。奈良のインフルエンザがうつったのかわからないけど、症状はひどくないのでただのかぜか、会社に行きたくない病だと思う。
3日は大阪でクラシックのコンサートに行った。最前列で大変よろしゅうございました。コルソ・ウィーンというやつで、全員外人だった。曲目は、シュトラウスがメインだったと思う。にぎやかなやつだ。アンコールが2回くらいあって、いつ終わるのかと思っていたら曲の途中で演奏者が2,3人ずつ席を立って最後に指揮者まで奥へ引っ込んでしまうという一風変わった締めかただった。全員マイルスかよ。だんだん音が細くなっていくのが気持ちよくて、バイオリン二人だけが残された瞬間は、夜遅くまで練習している風景を見ているみたいでおかしゅうございました。











