痛いとき、冷やす? 温める?
皆さんは冷シップ・温シップの使い分けに疑問を感じたことはありませんか?
どういう時に冷やすの?温めるの?
まずは、外傷に対する「貼り薬」全般について。
「貼り薬」には「パップ剤」と「テープ剤」がありますが、基本的に「消炎・鎮痛」が目的です。
それのみを目的としたものは「冷・温」の区別はありません。
市販ではサリチル酸メチルなどの有効成分が入ったものが多く、それにカプサイシンが加わると「温シップ」、l-メントールやdl-カンフルなどが加わると「冷シップ」となります。
それでは、局所が痛んだ時にはどうしたら良いのか?
骨折や捻挫など、組織破壊が起こると微小毛細血管の破壊が見られ、内出血が見られます。
つまり、患部局所に血流が増加することになるわけです。
血液は酸素とともに熱も運んでいるため、局所の組織温は高くなる。
腫れ上がってズキズキと痛むのは血液が破壊された患部組織に流れ込んで刺激している証拠です。
弱っている患部組織に熱と(組織内圧の増加という)刺激がダブルパンチで襲うわけです。
この時には患部周辺を思いっきり冷やす(アイシングする)ことで
1.熱の吸収
2.毛細血管の収縮による内出血の阻止
をはかります。
「ズキズキ・ジンジン」した感じが止まるまでこの状態で。
内出血が止まれば「ズキズキ・ジンジン」が無くなり、組織の破壊痛のみとなります。
皮膚の熱感や張り感、赤みが無くなって来た時期ですが「触ったり動かしたりするとかなり痛む」という状態です。
この位になれば、組織の回復の為に血液を供給し始めますが、まだ炎症熱が続いているために
局所=冷、局所よりも中枢部=温 を施します。
運動療法もこの頃から徐々に始めて行きます。
炎症症候が完全に引いたら
局所=温、局所よりも遠位部=温 を施します。
温めながら運動療法を行えばより効果的でしょう。
と、まぁ、簡単に説明すればこういうことですが、「冷」か「温」かわからない時にはどうしたらいいか?
その時には両方試してみて気持ちの良いほうをおこなってください。
体(患部)がきっと教えてくれますから ・・・・・・・・・