内在筋と外在筋について
今日は「内在筋・外在筋」について、特に内在筋に焦点を当ててみました。
ネット上では「内在筋=インナーマッスル inner muscles、外在筋=アウターマッスル outer muscles」と説明されていることが多い。
が、この説明は正しくない。
医学的には「内在筋=intrinsic muscles」であり、「intrinsic=固有の、本質的な」という意味から「その区域内にあるその関節だけのための筋」というのが正解。
同じく「外在筋=アウターマッスル」ではなく「固有的ではない、そのパーツに影響を与える区域外から来た筋」と言える。
では、なぜ「内在筋=インナーマッスル」との書き込みが多いのか?
「インナーかアウターか」ということは「深さ=高さの距離」に対する区別であり、片や「内在か外在か」は「その関節が所属する区域内か区域外か=平面上での距離」での区別のこと。
インナーマッスルとは内在筋ではなく深層筋であり、対してアウターマッスルは外在筋ではなく表層筋と記述するのが正しい。
深指屈筋や後脛骨筋など、外在筋でもインナーマッスルが多数あるのを見れば一目瞭然だろう。
「内在筋、外在筋」というのは主に手足で語られるため、もっとわかりやすく言えば「内在筋=手指骨・足趾骨に起始・停止を持つことからその中に筋腹を有している筋」「外在筋=手首・足首より遠位に起始部と筋腹があり、手足には腱として入ってくる筋」とした方が理解しやすい。
あっ、何故外在筋が腱として手足に侵入してくるかって?
その答えはご自分の手足をよく観察してみればわかると思います。
右手首の痛み・・・(手の外科)
8月中旬
最近では正中神経障害が強く感じられてきている。
手首・指の屈伸障害に加え、全指腹部、特に第3指の知覚障害、ジンジンとした疼痛が苦しいぐらいになってきている。
ボルタレンの効果はほとんどないようだ。
一般整形では詳細な検査(MRI診断・関節液検査など)が出来ないし、したがって正確な診断がつけられない。
しかも、ブロック注射をお願いしてもほとんどの整形医はためらうらしい。
手首のような狭い関節では針を挿入するのは困難を極めるし、ましてや、下のようにどの領域にブロックするのかも確定できない状態ではそれを希望するのは無理と思われる。
<手関節の領域>
領域1
背側トンネル1=長母指外転筋腱、短母指伸筋腱、橈骨神経
領域2
背側トンネル2=長橈側手根伸筋腱、短橈側手根伸筋腱
背側トンネル3=長母指伸筋腱
背側トンネル4=総指伸筋腱、示指伸筋腱
領域3
背側トンネル5=小指伸筋腱
背側トンネル6=尺側手根伸筋腱
領域4
掌側トンネル1=ギヨン管、尺側手根屈筋腱、尺骨神経、尺骨動脈
領域5
掌側トンネル2=手根管、長掌筋、正中神経
これは手の専門外科に受診した方が良さそうだ。
幸いにも、お盆休みに外来診療しているところを見つけたので、行ってみる。
電話で、右手が使えない(問診票に書き込めない)ため、問診票をFAXしてもらった。その他、これまでの経過をまとめておいた。
これで準備万端。
ということで気合を入れて早めに受付を終える。
とりあえず、レ線での画像診断でわかったこと。
-
-
- 骨折有り。A整形医の診立て通り、白く写っているのは遊離骨片のようである。ただし、本人は覚えが無い。・・・少し痛いと感じた時があったような、無かったような。こんな骨折でもこの程度の記憶とは驚きである。
- 尺骨突き上げ症候群気味。これに対する手術(尺骨単縮術)など一切言われなかったため、内心ホッとする。
- 橈骨端尺側傾斜の角度が少ない。橈骨遠位端面は尺側へ傾斜すると共に前方へも少し傾斜している。尺側への傾斜を橈骨端尺側傾斜と言い、平均約23度。前方への傾斜を橈骨端掌側傾斜と言い、平均約15度。しかし、日本人では尺側傾斜の少ない人が多いらしい。このことにより、手関節(橈骨手根関節、手根間関節、豆状三角骨関節)のうちメインである橈骨手根関節の隙間が狭くなり、損傷リスクが高くなる。どうやらこれも関係しているらしい。
- 骨が委縮してきている。3か月強の間負荷がかけられなかったために起こった廃用性委縮が進行しているようだ。
-
次にMRIを30分かけて撮影する。
次にエコー検査。
やはり、ECUが関節液に押されるように位置している。
とりあえず、痛み止めとしてノイロトロピン、化膿止めとしてメイアクトMSを処方され、2日後に予約を取る。
当日は今日の担当医師の師匠に当る「手の外科エキスパートの医師」の診察日であるし、午後の外来が1:00からというから願ったり叶ったりである。
午前診もそこそこにダッシュで病院に向かう。
診察室に入ると風格はあるがやさしそうな医師と前回お世話になった医師の二人に迎えられた。
「先日よりも腫れが引いていますね。薬が効いているようですよ」とのこと。
そういえば、少し楽になっているように思える。やはり、5月初旬に高熱が出た時に細菌感染もあったようである。
名医が一言。
「尺側手根伸筋腱炎ですね。」
で、
「ブロック注射をしておきましょう」
と、弟子の先生に告げ、キシロカインを尺側手根伸筋腱鞘内に打って終わる。
尺側手根伸筋(Extensor Carpi Ulnaris:ECU)は手関節の動的な支持性を受け持つ重要な筋であり、腱(Tendon)として尺骨頭背側の陥凹部を通って三角線維軟骨複合体(TFCC)の尺側・背側部を通過している。すなわち、ECU腱鞘の一部はTFCCの重要な構成体としても機能している。
ECUの炎症症状がTFCC損傷の症状と重なっているのはその為である。
いろいろと納得出来た。
あとは関節液の吸収を待つばかり。
同時にECUには負荷をかけずにリハを加えて骨の廃用性委縮の回復に努めよう。
時間はかなりかかるが、仕様がない。
症状が回復しても、基本的にオーバーユースなため、使用制限が今後とも必要になってくる。
そろそろ仕事も制限しなくては・・・・・・。
右手首の痛み・・・(整形外科)
6月末
疼痛の位置が1・2週間おきに少しずつ変化してるように感じられる。
尺側部の疼痛があり、回外・回内運動痛が感じられる時にはTFCC損傷を疑い、
掌側部の疼痛があり、掌屈・背屈運動痛が感じられる時にはキーンベック病を疑い、
手の腫れと熱感、刺すような疼痛が感じられる時には偽痛風を疑い・・・・・
と思いつつ今まで来たが、朝起きたら手が軍手をはめたように腫れ上がっている。
これはもうアカン。我慢も限界に近づいてきた。
経過観察などと余裕をかましている場合やない。
今日は日曜だけど、とりあえず診療している近くのA整形外科に行く。
レ線撮影で診断。
尺骨と手首の間に骨片らしきものが写っている。
「骨折されたことがありますか?」・・・「ありません」
橈骨と手首の間に何か白い影のようなものが写っている。
「うーん。これは何かな?カルシウムかな?」
・・・ピロリン酸カルシウムならば・・・偽痛風かも?
もちろん、ここではピロリン酸カルシウムとの同定はできないため、偽痛風だとは断定できず。
結果、処方はロキソニン。
偽痛風やったらこれでもそこそこ効きそうやけど・・・全く効果なし。
先生曰く、「ひょっとしたら痛風かも」
・・・ということで、ボルタレン(錠剤+座薬)とコルヒチンをもらう。
血液検査の結果がその日の午後にわかり、尿酸値に異常なし。
コルヒチン中止。
しばらく、ボルタレンを継続することにする。
右手首の痛み・・・(経過観察中)
5月末
右手はあいかわらず全く使えない。
疼痛は何とか我慢できる程度だが、お箸もハブラシも使えない。
通勤の車も左手のみ。
ウインカー操作も最近では慣れてきたのか、我ながら自然にできるみたい。
でも、何よりも仕事がつらい。
包帯を持つのも、ましてやハサミを使うことも激痛を伴う。
(こんな時に骨折や脱臼患者が来たらどうしよう?)
これはいよいよ本格的に検査しないと・・と判っていつつ、日々が過ぎてしまう。
現状維持との裏返しに、悪化している感じがないことが腰を重くさせている。
とりあえず、もう少しだけ様子を見よう。
右手首の痛み・・・(始まり)
5月8日
気が付くと右手首が痛い。
ズキズキとした自発痛あり。
掌・背屈運動痛有り。
な・な・なんだこれは!
何か思い当たることは・・?
ない!
いや、ひょっとしてシャッターを上げた時に手首を痛めたような・・。
とりあえず、少し経過観察と決める。