森見登美彦「宵山万華鏡」

宵山万華鏡

宵山万華鏡

宵山の祭りの中に囚われた人たちを描く短編集くるりと万華鏡を回すたびに見える模様が変わるように、話が進むごとに宵山の夜がいくつもの様相をあらわす。身も蓋もない仕掛けが見えたように思っても、また一度くるりと回せば、とらえどころのない幻想の中に呑み込まれてしまう。
この夏は是非にも京都に行って、宵山の人ごみに迷ったり、夜の叡山鉄道に乗ったりしたいと思わずにいられない。