穂積「さよならソルシエ」

さよならソルシエ 1 (フラワーコミックスアルファ)

さよならソルシエ 1 (フラワーコミックスアルファ)

「炎の画家」ゴッホの弟テオドルス・ファン・ゴッホを主人公に19世紀パリの画壇を描いたマンガ。2014年このマンガがすごいオンナ編1位となりました。全2巻でサクっと読めます。生涯にわたって兄を支え続けたテオドルスの心情に迫り、愛憎を超えて屹立する兄弟の絶対的な絆を描きます。
とにかくカッコいいテオドルスのスタイリッシュな一挙一動が見事な第1話に掴まれて読んでいくと、大胆な新解釈というより歴史改変ものの展開にびっくり。技巧を凝らした工芸品、という感じでした。

荒川三喜夫「ピアノのムシ」

ピアノのムシ 1 (芳文社コミックス)

ピアノのムシ 1 (芳文社コミックス)

腕は超一流でも性格に難ありなピアノ調律師を主人公にしたマンガ。ピアノの調律というネタの新奇さと広がりでまず読ませます。主人公は客がくればケンカを売る、トンデモない男だけれど、その手にかかればどんなピアノも最高の音を蘇らせる、とか業界にはびこるボッタクリを暴き立て詐欺師をやりこめる、という筋立ても分かり易く痛快です。基本はピアノに係る人間ドラマですが、中心があくまでピアノでブレないところが好きです。その分人間ドラマの方は淡白で、かなりアッサリしてるのは好みが分かれるかもしれません。ただ途中から新人調律師の女の子が登場して、人間ドラマの方にも深みが出てきました。現在2巻まで出てます。
掲載誌は週刊漫画Times、特攻の島とか信長のシェフとか連載してる雑誌ですね。なんか線のスッキリした絵で表紙もオシャレだし、KissとかFlowersとか、そのあたりかと思いました。まあ読めば話は青年マンガなんですけどね。今が旬の面白いマンガだと思います。

都戸利津「嘘解きレトリック」

嘘解きレトリック 1 (花とゆめCOMICS)

嘘解きレトリック 1 (花とゆめCOMICS)

人のウソが聞き分けられる能力を持つ少女が主人公の、昭和初期を舞台にしたミステリ。主人公がやたら可愛いし、その能力の利点と限界をしっかりと活かした筋立てが面白い。キャラも増えてきて、これからどんどん面白くなりそうで期待できます、これも現在2巻まででてます。掲載誌は別冊花とゆめ