東條チカ/カルロ・ゼン「幼女戦記」

幼女戦記(1) (角川コミックス・エース)

幼女戦記(1) (角川コミックス・エース)

幼女戦記(2) (角川コミックス・エース)

幼女戦記(2) (角川コミックス・エース)

元気にリストラ担当してたエリートサラリーマン37歳が、恨みを買って殺された、と思ったら世界大戦やってた頃のヨーロッパみたいな異世界で女に生まれ変わらされて軍人になる話。
いわゆる俺TUEEEですね。魔道士が魔力撃ち合って空中戦してるので、絵的には派手です。たしかにアニメで見たら燃えそう。ただ、主人公の戦闘は一貫して圧倒的な魔力で押し切ってるだけだよね。楽しそうに戦場無双してるだけでドラマがないです。原作小説の方は違うのかとパラっと読んでみたけど、説明が増えてるだけっぽい。
主人公は論理的で一貫してるって設定だけど、派手な軍功を積んで軍隊内で出世したいという希望と、後方勤務でぬくぬくしたいという希望が矛盾してることに気づいてなさそうなあたりで、あまり論理的には見えない。二正面作戦で自軍に余裕がなくなってきてる情勢がわかってたら、他の追随を許さない圧倒的な才能を見せびらかせば一層便利使いされて休んでる暇もなくなることもわかるだろうと思うんだけれども。論理的、というよりは、他人の感情を計算に入れるのが嫌いなんじゃないのかなあ。まあ転生先の異世界にも、異世界の住人にもあんまり関心なさそうだし、強制的に輪廻転成させられたことでブチブチ言ってるけど、無敵状態でいたぶる相手にも事欠かなくて楽しそうです。
レビューとか読むと、戦況はこの先どんどん悪化していって、苦戦を強いられるようになっていくらしい。そのあたりまで読んでくと面白くなってきそうな気もするけど、そこまで付き合うのもなんか億劫だなあ。