けものフレンズ #12 ゆうえんち

急展開の11話で、最終回がどうなるのか気が気でない1週間でしたけれど、期待を裏切らない大団円でした。新作映像、というニュースも流れてるし。すごーい。

巨大セルリアンに飲み込まれたかばんちゃんを助けるために、ラッキービーストも緊急事態モードに入ります。緊急事態モードだとラッキーさんもフレンズと話せるんだけど、「三人の旅は楽しかった」とか思いっきりフラグ立ててるし。サーバルちゃんがまた全然気にせずスルーしてるのが、ハラハラです。
ラッキーさんの救援要請でパーク内のフレンズたちも集合して、巨大セルリアンに一斉攻撃。燃える展開です。サーバルちゃんが紙飛行機でセルリアンの気をそらしたりとか、1話の展開をうまく伏線に使って盛り上がりますね。
船にセルリアンが乗ったとこで離岸して、うまく転ばせる作戦だったはずだけど、ラッキーさんは最初から船ごと沈めるつもりだったのかな。ラッキーさんも一緒に沈んじゃったけど、お腹についてるレンズみたいのが本体だったようで、無事浜に打ち上げられてました。いきなり喋り出したレンズにびっくりしたサーバルちゃんに投げ捨てられて、また海に落ちちゃってますが。防水加工済みでよかったね。
結局かばんちゃんはミライの帽子に付いてた髪の毛がフレンズ化した、ということだったみたい。セルリアンに食べられてサンドスターが消えても、髪の毛に戻るんじゃなくてヒトに戻るのですね。「ヒトと動物」、という対立じゃなくて、ヒトも動物だよね、ということでみんな変わらずフレンズ、という結末はフラットで、けものフレンズらしい締め方でした。フレンズは道具の使い方とかを覚えて、ヒトは野生の暮らし方を覚えて、遺跡も遊園地として復活させて、まったりハッピーエンドかと思ったら新しい旅立ちが控えてました。
バスを改造したボートをプレゼントされたかばんちゃんが、海の向こうに見える島に向かうラスト。お見送りで並んでたフレンズたちがあっさり帰ってくなと思ったら、こっそり後からボートでついて行ってました。海で早速新しいフレンズと出会ったみたいですが、声だけではわかりませんね。
海に落ちたセルリアンは岩になっちゃうようで、地下迷宮の出口を塞いでた「溶岩」ってのも、実は岩になったセルリアンだったのかも。
時系列としてはマンガ版(パーク通常営業中)>ゲーム版(セルリアン襲来で休園)>アニメ(セルリアン退治に失敗して放置)の順の方が自然な気がするんだけど、考察サイトとか見てると、ゲーム版>マンガ版>アニメという時系列が前提みたいなのはなぜ。
セルリアンの調査に来て結局退去したミライさんが、ゲーム内設定と整合しないとかあるのかな。ミライさんの最後の映像は、このまま総員退去という感じだったし、放置された廃墟がフレンズの遊園地になりました、という話ですよね、これ。
Cパートの最初で遊園地にサーバルっぽい動物だけがいるカットがあって、すごい気になったけど、ゲーム版と何か繋がりがあるんだろうか。結局ろっじの回でサーバルちゃんが涙を流した理由はわかんなかったし。

萌えアニメっぽくみせながら、アニメの演出が萌え方向じゃなくてフレンズ化した動物の生態や習性の描写に特化してる感じで、そういう意味でも不思議なアニメだった。ヒトがいなくなって人工物が廃墟になった後でも、世界は続くというSFは北野勇作「カメリ」とか新井素子チグリスとユーフラテス」とか、いくつかあるけど、これもまたその一系統ですね。ヒトが相対化されてるのは一緒でも、それぞれベクトルはずいぶん違う。似たような話で、川上弘美「大きな鳥にさらわれないよう」は滅亡しかけてる人類と、ヒトとは違うヒトっぽい存在がヒトっぽく暮らしてるという話だった。飛浩隆の廃園の天使シリーズは、人が来なくなったサイバースペースの遊園地でAIだけが永遠の夏を生きてるという話で、ここまでくると結構違うかな。
カメリ (河出文庫)
チグリスとユーフラテス 上 (集英社文庫)
チグリスとユーフラテス 下 (集英社文庫)
大きな鳥にさらわれないよう
グラン・ヴァカンス―廃園の天使〈1〉 (ハヤカワ文庫JA)
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