バリー・シール/アメリカをはめた男

トム・クルーズが実在したアメリカの密輸王を楽しそうに演じてる。
ミッション・インポッシブルみたいな派手なアクションはありません。実話だし。主人公はパイロットで、飛行機の腕は超一流だけど、別にタフガイとかじゃないし、飛行機も高性能だけど武器とかついてるわけじゃないからドッグファイトとかもありません。でも飛行機のシーンは多いし、短い滑走路でギリギリ離陸するとか、麻薬取締当局の監視機から逃げ回るとか、結構盛り上がる。セスナで普通の道路に無理やり着陸するシーンはトレーラーになってましたよね。
バリーは定期便のパイロットで、小遣い稼ぎにハバナの葉巻とかケチな密輸してたのを、CIAにスカウトされて中米諸国のスパイ飛行とか、反政府ゲリラへの武器密輸とかはじめて、そのついでに麻薬密輸に関わるようになる。メデシンカルテルとか、ノリエガ将軍とか、ニカラグアコントラとか、後々大問題になってくるようなビッグネームに軒並み関わってくのが面白い。知事時代のクリントンとか、通りすがりのブッシュ(息子)とか、ちょっとした小ネタがいっぱい入ってるけど、アメリカの現代史ジョークみたいな感じで、とりあえずレーガン時代のアメリカの中南米政策とか概略でも知らないと、楽しめないかも。