おざわゆき「傘寿まり子」

傘寿まり子(6) (BE・LOVEコミックス)

傘寿まり子(6) (BE・LOVEコミックス)

小説家幸田まり子は80歳。夫に先立たれた後も元気だけれど、孫夫婦に子供ができて4世代同居はいかにも手狭。家の中に自分の居場所がないことを実感したまり子は、黙って家を出る。とりあえずネットカフェに居続けたものの、ネコを拾ってしまって、居られなくなってしまう。そこから、男と同棲したり、オンゲーでルームメイト見つけたり、と80歳の大冒険が始まる。
高齢化社会の現代の老人問題トピックを盛り沢山に盛り込んでて、社会派マンガの側面がわかりやすいけれど、何より80歳の主人公で少女マンガをやる、という挑戦である。ネタは社会派でもあくまでキャラの魅力とプロットで読ませてるわけだし、とにかく次から次へとアクシデントがふりかかってきて、先へ先へと読まされてしまう。登場キャラが同世代のじいさんばあさんか、ずっと年下か、というのもなかなか新鮮。
老人マンガといえば、高野文子「田辺のつる」の主人公は82歳だったけれど、あれは短編だし。そういえば「三月のライオン」も高齢者の活躍が面白いけど、あっちはじいさんばっかだな。
傘寿まり子(1) (BE・LOVEコミックス)

傘寿まり子(1) (BE・LOVEコミックス)

傘寿まり子(2) (BE・LOVEコミックス)
傘寿まり子(3) (KCデラックス)
傘寿まり子(4) (KCデラックス)
傘寿まり子(5) (BE・LOVEコミックス)