『江戸の文学史と思想史』と『海を渡る史書』

「本書の編者は金氏・濱野であるが、その仕掛け人は井上氏である。ある意味で本書は、井上氏が田中康二氏と出した『江戸の文学史と思想史』(ぺりかん社、2011年)という「文学研究側からの思想史学への果たし状」に対する、一つの回答となっている」(『アジア遊学 198:海を渡る史書ー東アジアの「通鑑」』濱野靖一郎・編集後記)

やっとこの本をじっくり読み終えました。編集中はどうしても集中できなかったので。自分が編集した本について言うのもなんですが、読了して、この本の内容の豊かさを改めて実感し、驚きました。

濱野さんが編集後記に書かれたように、この本は『江戸の文学史と思想史』への回答として読まれていくことも可能でしょうね。はたして、どのように読まれ、引用され、批判されることやら。

とりあえず、私は、『異国征伐戦記の世界』の続編の執筆に大いに参考させていただけると思っています。特に、林家・水戸学・崎門・伊藤東?・頼山陽などの人物への政治・思想面からの議論には学んだところが大きかったです。