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Hiro Log

2013年09月23日 個人事業者になってみて。

結婚して5年、父親になって4年、個人事業者になって3年。


そんな人間が地方都市(というよりはど田舎)で個人事業者になり、在宅で仕事をし、24時間365日、2人の子供たち(男の子)に邪魔をされながら、過ごした3年間で気が付いたこと、感じたこと。


まず、自分は積極的でも、社交的ではなく、八方美人にも生きられず、長男が生まれたと同時に、故郷を離れ周囲に知人も友人も誰1人いない環境で生活を始めることになり、話し相手はおろか、飲み友達もいない。そんな状況でした。


無駄な会話のない毎日

「あのハゲ上司、バカじゃね?」「昼飯行きます?」「あのゲーム買いました?」「あの映画見ました?」「jQueryのこの部分が分からないんですけど…」「あのバカ上司、WEBのWも分かってないってハゲじゃね?」と会社員の頃は毎日のように無駄話をしていました。全くもって無駄でした。時には仕事の妨げになりました。


個人事業者で、在宅になると、面倒なハゲ上司、同僚との他愛のない会話、無駄な会議がなくなります。最初は顔を合わせていたクライアントさんとのやり取りも次第にメールか電話だけになり…気が付くと、半年近く、家族以外の人間と会話をしていない事すら…


仕事中の無駄な話は必要ないかもしれませんが、節度を守って行われる仕事中の無駄な話はとっても重要なのです、多分。


友達はしっかり選ぶ。

「友達はしっかり選ぶ」なんていうと、上から目線ですごく嫌ですが…


地方都市(というよりはど田舎)は、都市部に比べて、人口は少ないのは当然であり、同業者と知り合うきっかけも少なく、そんな中で知り合った「同業者」や「WEBサイト制作従事者」という自分と同じカテゴリに属するとの人間関係をなんとか維持しようと努力したりしますが…それは、無駄です。


長い人生、自分と同じカテゴリに属する人との関係は大変大事ですが、気が合う合わないの方が重要になると感じました。


同業者として、苦労を理解してくれる知人、友人はものすごく大事ですが、同業者ではなくても、自分の周囲に「お前、あの子のこと好きだろー告っちゃえよー」ってバカな話ができる友人がいない事の方が恐怖だと感じました。


子供の相手はしなくてもいい。

24時間365日、顔を合わせます。常に顔を合わせます。顔を合わせると「とーしゃん、遊ぼう!」と言ってきます。最初は、そんな子供たちが可愛くて毎日のように相手をします。それが毎日。仕事中にコーヒーが欲しくなり、台所に行こうと思います。だけど、子供たちと顔を合わすと「とーしゃん、遊ぼう!」と言われます。そのことが苦痛になり、憂鬱になり、作業が終わるまで、仕事部屋から出ようとすら思わなくなります。


父親は、毎日、家にいて、好きな時に相手をしてくれると思っている4歳と2歳の子供たちに「今は遊べない時間」を理解させるのはとても大変です。それでも作業部屋に行く前に、子供たちに「お父さんはこれから仕事をしてくるからね」と言い続けます。とにかく言い続けます。泣き叫ぶこともあります。それでも言い続けます。追いかけてくることもあります。


昼寝から起きた直後…母親に怒られて…散歩に行きたくて…兄弟げんかの結果…理由は様々ですが、泣きながら、作業部屋に入ってくることは日常茶飯事です。その都度、無下に追い返すこともできず、膝の上の子供を抱きかかえたまま、バナーを制作することだってあります。


だけど、次第に仕事部屋に入ってこなくなります。すごく時間がかかります。次男が仕事部屋に入ろうとしても「とーしゃんはしごとちゅう!とーしゃんがおしごとしないとぷられーるかえないんだよ!だめー!」と次男に注意している長男に成長を感じることができます。


(この後、兄弟の小競り合いがはじまり「とーしゃんがしごとしているからへやにはいっちゃだめっていったのにー!」と大泣きしながら仕事部屋に入ってくる長男と、長男に部屋に入ることを制止されて大泣きしながら仕事部屋に入ってくる次男の相手をしなきゃいけません)


時間の管理

とにかく、時間の管理が大変です。個人事業者になりたての頃は、会社員の頃と同じ感覚で時間を管理しようとしますが、すぐに破綻します。「とーしゃん、遊ぼう!」と部屋に入ってくる子供たち、「あのWEBサイト見せて」と言ってくる妻の相手をしつつ、気が付くと17時を過ぎていたりします。


「今日何の仕事をしたっけ?」と思い悩む毎日です。

だから、一旦、会社員だった頃の時間管理法を忘れます。


子供たちに合わせて、21時過ぎに寝たりしてみます。最初は、時間を凄くもったいない使い方をしている気がします。21時過ぎから始まる映画番組も見れません。21時過ぎに寝たので、4時過ぎには目が覚めます。そっと、布団を抜け出し、PCの前にそっと座ります。外はまだ真っ暗です。でも、邪魔をする人間は誰もいません。妻や子供たち、電話やメールを送りつけてくるクライアントさんたち…みんな寝ています。スヤスヤです。


不思議と仕事に集中できます。


早寝早起きになったことで、どことなく、身体も健康的になった気がします。それでも、健康診断を忘れてはいけません。気が付くと取り返しのつかないことになっていることだってあります。最低でも年に1度は健康診断を受けるようにしましょう。


ただ、この方法は子供たちの年齢が幼稚園に入るようになった頃には破綻します。4時に起きて、PCを起動、メールを確認し、返信を書き、下書き保存する。色々していると、あっという間に6時を過ぎます。6時過ぎに仕事を開始、7時過ぎに乗ってきます。だけど、幼稚園に連れて行くために、7時過ぎに子供を起こさなくてはいけません。


「もう少し作業をしていたい…だけど、子供を起こさなきゃいけない…」という葛藤と毎日闘わなきゃいけません。だから、21時に布団に入り、4時に目が覚めれば、布団から抜け出し、寝室の隣の部屋に移動し、静かに買いためて積みっぱなしの本を読みましょう。


子供の相手をしていると、ゲームはできず、映画は見れず、DVDを買ってもやっぱり観れず、本も読めず…貯まっていく一方です。ここいらで、これらの溜まったものを少しずつ消化し、心のデトックスを…


会社員とは違う

個人事業者は会社員とは違います。全てが自由です。仕事を受ける受けないも自由です。誰からも束縛を受けないような気がします。毎日のようにSNSを眺めます。元同僚たちは楽しそうです。SNSを利用をすることで不幸感が増すという考えもあります。


次第に心が少しばかり病んできます。そして「何が花金だよ、バカやろう!」「何が有給だよ、舐めんなよ!」「何がボーナスだよ、その金こっちに回せよ!」「写真にタグ付けしてんじゃねーよ!」「こっちは必死で仕事してんだよ、テメーはなに飲んでんだよ!」と思ったりします。個人事業者になって、自由になったはずが、自由を奪われたような感覚に陥ります。


個人事業者になりたての頃は「自由」を勘違いしがちですが、クライアントさんが、月曜日から金曜日まで、9時から20時まで仕事をしていれば、それに合わせた方が仕事が進めやすいと感じるようになります。


妻との買い物に付き合ってみたり、朝から映画を見に行ってみたり、子供の幼稚園の送り迎えをしてみたり…仕事をやりくりして、時間を作り、会社員の元同僚たちが「あのバカ上司、WEBのWも分かってないってハゲじゃね?」と思っている頃に、散歩する時間を作ることができます。


個人事業者だから「自由」なのではなく、自由を作るために必死で時間をやり繰りして得られる「自由」が魅力であり、自分で何もかもを自己管理できる「自由」が保障されています。あと、1度、個人事業者になると辞められません。だって、誰の指図もなく仕事ができるし、WEBのWも分かってないクライアントさんはいるけど、WEBのWも分かってないハゲ上司はいないのだから。




個人事業者になって1年が経った頃、妻の次男の妊娠、出産が重なり、夫婦仲が悪くなり、離婚を考えるぐらい、毎日のようにケンカをしました。個人事業者になって2年が経った頃、体調に違和感を感じ、病院に行って検査をしたら、翌日から入院することになりました。個人事業者になって3年が経った頃、自分自身への愛情不足からか、心と体の疲労が重なったのか、不眠を発症しました。


「身体の事は40代になってから考えればいいや」と思っていましたが、そういうわけにはいかなくなりました。個人事業者になったから、身体を壊したのかもしれません。もし、過去に戻って、自分自身に伝言を伝えることができるのなら、多分「個人事業者は楽しいぞ、だけど無理はするな」と言いたいけど「個人事業者にはなるな」とは言わないと思います。


自分では「個人事業者は楽しいぞ!」と思うけど、誰しも個人事業者になればいいとは思いません。個人事業者になるには、向き不向きがあります。最低限のコミュニケーション能力も求められます。クライアントさんとケンカをすることだってあります。全てが自分の責任になります。イケサイを見るたびに落ち込みます。


これ以上書いてもうまくまとめられなくなりました。


でも、もし、今、個人事業者になろうと思っていて、何か不安を感じている人がこれを読み、もし、何かを感じてもらえたなら…これは、ど田舎で個人事業者として、子供たちにプラレールに買うために身を粉にして働いている1人の父親の心の叫びであり、インターネットに無数に存するゴミのような文章です。