3D小説 黒崎リョウ

2013-05-02

Scene11 02:20〜 1/2


 バーで久しぶりに酒を飲んだ。少量をゆっくりと。だが頬は、ほのかに熱い。
 ――あの少女は、もう部屋を抜け出しただろうか?
 2時間弱、経っている。今頃は警察か。
 彼女の話を聞いて、警察が動き始めるのはいつだろう。あまり余裕があるとも思えない。
 部屋に戻ったら、まずPCのデータを消そう。裏切ったと思われてはならない。組織に簡潔な連絡を入れて、逃げる素振りもみせた方がいい。
 妙に気分が高揚していた。
 行き先は檻の中だというのに、遠足の前のように。冷静に考えれば、きっと自棄になっているだけなのだろうが。

 マンションのエレベーターを降り、部屋の前に立つ。ドアノブを握ると、鍵は開いていた。
 あの少女はきちんと逃げ出したようだ。安心する。
 扉を開く。
 部屋の奥から、弱い光が漏れていた。


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