3D小説 黒崎リョウ

2013-05-04

Scene23 10:30〜 4/5


 軽い朝食を終え、改めて、あの少女を思い出す。
 オレは彼女を殺すのか、と考える。

 ――人を殺さないトレインマンが?
 そう、誰かに尋ねられた気がした。
 幼い少年の声だ。
 できれば殺したくなんてないさ、とオレは返す。
 ――なら殺さなければいい。
 もちろん、説得は試みる。でも、彼女はあの写真を見た。
 ――それが?
 それが、とても重要なんだよ。人を殺さないトレインマンが、ついに人を殺すくらいに。大事なことだ。
 ――本当に? そんなに?
 ああ。とても。
 もしもそれが警察に知られれば、オレが今までやってきたことが、これまでの人生のほとんどが、無意味になる。
 ――説得が上手くいくといいね。
 まったくだ。ただ、今は、その方法も思いつかない。

 どちらにしろ早く、あの子を見つけよう。
 話はそれからだ。


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