（新）ソ・ラ・ノ・ヲ・ト ＃１

　Girls,Be Ambitious.(初回生産限定盤)(DVD付)
テレビ東京とアニプレックスがアニメの未来の為に立ち上げた
オリジナルアニメ放送プロジェクト「アニメノチカラ」第一弾作品。
２０１０年、TVアニメを取り巻く状況は過去に例のないくらい
厳しいものになっていくと予想されるので、そういう時代背景のなかで
この企画のコンセプトが持つ意味は非常に大きいと思う。
なので、オリジナルと言いつつ一発目から売れ線狙いまくりじゃねーか的な
突っ込みは控えましょう。「そらおん！」とかあんまり言わない！！
それに、実際観た印象では絵柄以外に「けいおん！」の影はなく、
他の「戦場のヴァルキュリア」だの「ストライクウィッチーズ」だの
似ているんじゃないかと思われた作品群とも当初の予想ほどは似ていない。
むしろ個人的に一番雰囲気似ていると思ったのは「灰羽連盟」なのだが、
これって本当に実は戦争で死んだ少女が死後の世界に辿り着いて・・・みたいな
裏設定が後半に明かされたりはしないのだろーか？　ちょっと不安なんだけど。
ともかく本編は、監督：神戸守らしい地に足の着いた演出と、
脚本：吉野弘幸らしい女の子の描写を丹念に追っていく展開が
意外とバランス良くまとまっていて話はまだ見えてこないものの
独自の雰囲気構築はきちんとなされた第一話になっていた。
ああそうか、「コメットさん」と「舞-HiME」を組み合わせると
確かにこういう感じになるのかも知れないなぁ・・・。
ただ、戦争が背景にあるはずなのに大人の軍人も街の空気も
まったくそれを感じさせないという部分はやはり逆に不穏だし、
伝説に語られた物語がクライマックスで再現されるのだとすれば
悲劇に終わる可能性もあるわけでどうにも女の子の可愛さを
気楽に楽しむような視聴は出来そうもないのが難しいところ。
とりあえずキャラ紹介が終わって作品の方向性が見えてくるまでは
ジャンルすら決めてかかってはいけない気がする・・・。
キャラデザ＆総作監を務める赤井俊文の作画は、
キャラ原案に岸田メルを持ってきた意味がまったくないことを除けば
見た目京アニ全開なのに中身は色々とハイブリットされているという点で
いかにも新世代ではあるので絵柄だけでなく芝居などにも期待。
あとは主演の金元寿子がどこまで成長するかにかかっているかな。
とにかく、久々のオリジナル注目作なので頑張って欲しい。
TVアニメの未来はまだ終わっていないと信じたいので・・・。
あー、それとこの作品で一番謎なのは空気読まない戸松遥のEDなんだけど、
今後戸松遥キャラが出てくる予定ってあるんだろーか？