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(新)革命機ヴァルヴレイヴ #1・2・3・4・5・6・7・8

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革命機ヴァルヴレイヴ オリジナルサウンドトラック
豪華スタッフワークによるサンライズオリジナルロボットアニメ。
監督:松尾衡、シリーズ構成:大河内一楼、副シリーズ構成:三木一馬&熊剛、キャラ原案:星野桂、キャラデザ:鈴木竜也、メカニカルアニメーションデザイン:鈴木卓也、制作:サンライズ
副シリーズ構成の二人は電撃文庫スクエニの名物編集者。星野桂は「D.gray-man」のジャンプ作家。複数いるメカデザの筆頭は「ガルガンティア」と同じニトロプラスの石渡マコト。主題歌はTM西川貴教水樹奈々のデュエット。EDはangelaELISAの二枚体制・・・などなど、とにかく業界を横断しての才能総動員といった陣容。
とはいえ、監督の松尾衡は「ローゼンメイデン」や「紅」RED GARDEN」などの印象が強いもののロボットものへの参加も多数あり、大河内一楼は「コードギアス」での実績充分、デザインの中核を為すのはサンライズが誇る鈴木兄弟なわけで、いわゆる「ガワ」はごちゃごちゃしているが中身は正統派なサンライズ作品でもある。
本編はダイソンスフィアと呼ばれる学園都市宇宙船が突如襲われ、幼馴染を殺された主人公が怒りのままにロボットに乗り込みその代償として人間としての生命を失う話。
・・・と、まとめると凄くシンプルだし王道のロボットアニメ第一話にしか見えないのだが、実際の内容が異様に掴みにくい。
世界観とキャラの説明を意図的に省いてスピーディーに進行するのはいいんだけど、そのせいでやってることの一切に説得力がなく単に既存のロボットアニメのお約束を超高速でこなしているだけのように見える。
マクロスかよ!!」「SEEDかよ!!」「リヴァイアスかよ!!」「ギアスかよ!!」「って最終的にはヴァンパイアかよっ!?」・・・と突っ込んでいる間に終わっちゃって結局話が頭に残らないという。
それはそれで、本来ならお祭り感で楽しめそうなものなのだが、どうも「突っ込み待ち」の部分が粗雑で白ける気がする。
またダイソンスフィアの解釈がおかしいといったマニアックな視聴者を萎えさせるミスもあるようで、どうも第一話はスタッフ側の仕掛けが空回りしていた印象。
ただ、それを置いても一気呵成な進行と派手なビジュアルには一定以上の興奮があり、先への期待感は充分だった。
声優陣だと、「ダンボール戦機WARS」と同時主演ながら真逆のロボットアニメ主人公を演じる逢坂良太の器用さが頼もしい。
あと、ヒロインが瀬戸麻沙美なのは「ちはやふる2」と枠が丸かぶりしている関係上どうなんだ・・・と思ってたらヒロイン死んだ。
なるほど、どうせ生きているにしても一旦退場させる流れなんで瀬戸麻沙美でも大丈夫だったんだな・・・ってこの時点では考えていたのだが。


2話。夏雪ランデブーかよ!!
というわけで謎のイケメンライバル、エルエルフさんの身体と入れ替わったハルトが復讐の為に大暴れした結果、普通にヒロイン生きてて引っ込みつかなくなる話。
まさか昨年の入れ替わりネタブームがここに至る伏線だったとは。あまりにも流行っていたネタなんで実際誰のアイディアなのかはわからないが、松尾監督が演出する以上は当然「夏雪ランデブー」の影響が一番大きく出るんだろうなぁ。
しかし、SEED的なライバル二人がギアスな吸血能力で入れ替わりをするのは、やっぱりいくら何でも設定を盛り過ぎている気がする・・・。
復讐心にかられていきなり虐殺を開始する主人公にも驚かされたが、あれは入れ替わった相手の能力や性質に精神も影響を受けるということなんだろうか?
今回もひたすら情報を詰め込みながら進行する一方で、肝心な部分が説明不足なので観ていて解釈が追いつかない。
知らぬ間に裏切り者扱いされていて「僕じゃな〜い〜」のEDに突入するエルエルフさんとか、情報のすっ飛ばしがネタ要素として成立しているので突っ込みアニメとしては凄く面白いのだが、もう少し真面目な路線を期待していたので戸惑いも大きかった。
どうせ生きているだろうと思われたヒロインを速攻で復帰させるなど、「コードギアス」で大河内一楼が見せた視聴者の予想を先読み先出しする構成も今回はほとんど脊髄反射ギャグみたいになってるような・・・。
一方、ロボットバトルのシーンはさすがサンライズの本気で唸らされる出来栄え。
666の暴走や謎のハラキリ儀式による必殺技といった、良くも悪くも中二マインドに溢れたギミックも楽しい。


3話。一人旅団、エルエルフさんの大脱走!!
まず「一人旅団」ってフレーズがふざけ過ぎだろと思ったのだが、今期は他にも一人旅団な人が出てくる予定がある模様。
宇宙時代に捕虜をロープで縛っておいたら椅子のネジを外されて照明のガラス割られて脱走されるという、もうどう突っ込んだらいいのか途方に暮れそうな脱出シークエンスも凄かった。
あれはランボーとかボトムズの第一話とかそういうの狙ったのかも知れないが、これだとエルエルフさんの優秀さではなく警備のヘボさが印象に残るだけだぞ・・・!!
その辺りも、そもそも何でこの学園が二十一世紀チックな作りになっていて、TwitterやLINEやUstreamのようなコミュニケーションツールが未だに有効なのかという点を説明しておけばある程度納得いったと思うんだけどなぁ。
ただ「マジェプリ」の方にもニコ動が出てきたりと、今期ロボットアニメのSF世界観と日常ガジェットの乖離はどうやら時代の流れがあるようなので一概にこの作品だけ取ってどうこう言えない感もある。
実際に、宇宙を舞台にしているのは単にロボットを動かしやすいからであって、学園ドラマパートはそれとはほぼ無関係に進行させるという割り切りは戦略としてアリかも知れない。
それとハルトとエルエルフの関係がメインの回でありながら女子の風呂シーンが湯気薄めで、そっちのサービスにも余念がないのには感心した。


4話。沈黙の艦隊ぼくらの七日間戦争かよ!!
エルエルフさんがドヤ顔ピースでハルトきゅんにモーションかけてたら正妻が本気出して全部持ってかれる話。僕じゃない!!
四話まできてこの裏切りの連続は、整合性についてはともかく単純に予想がつかなくて面白い。
いや本当に、いくら何でも実はショーコが総理の娘でカリスマ性抜群でしたとか今までの話でその片鱗くらい描いておけよと言わざるを得ないのだが、しかしそこは伏線張ってると予想されるんで難しいところなんだろうなー。
この作品がどうしてキャラや世界観をまともに説明しないのか、何となくわかってきた。後出しジャンケンで常にゲームをぶち壊し続ける気なんだ・・・!!
明らかに物語の作法として邪道。例えるなら解決パートになってから次々と新たな証拠品を出してくる推理小説くらい邪道。
だが、これくらいしないと今の視聴者に「驚き」を与えることは出来ないのも事実。敢えて禁忌に手を突っ込んでいるという点では、意外と作品テーマには合致した構成なのかも・・・。
それに流れはともかくとして、学園都市が独立宣言して戦争のキーになっていく設定は様々な可能性が予感されて、エルエルフさんと一緒に普通にわくわくする。


5話。うる星やつら2ビューティフル・ドリーマーかよ!!
というわけで学生だけの生活を満喫したり停電で死にかけたり世界中に無事を知らせるビデオクリップで遺影持ってたりする話。
とりあえず、何で配電盤があんな位置にあったんだろう・・・。予想に従ってくれないキャラが多いなかで、番長とオタクは癒しだな。
大人の管理のない街で学生達が好き勝手に遊ぶシーンは明確に「ビューティフルドリーマー」を意識していると思うのだが、この状況の見えてなさを学生らしさと取るか逆にご都合的と取るかは分かれそう。
個人的には「ドラえもんのび太と鉄人兵団」の鏡面世界での描写なんかも大好きなんで、リアリティよりもまず子どもじみた願望に応える作りは面白いと思う。
もっと逃避行を軸にした展開になるかとも思ったが、むしろ学生運動のノリが強くなりそうなのも興味深い。
まあ「革命」で全共闘みたいなことしていると先に待つのは悲劇だけって気もするのだが・・・。
ビデオ配信でネットに呼びかける手法が出てくるのは、あくまで全共闘世代ではなく今の感覚での「革命」を目指していることの表れなんだろうか?
ただあの映像、松尾監督お得意のミュージカル演出は良かったんだけど、どうしても遺影が気になって仕方なかったなぁ。
あれは第一話の襲撃で死者が多数出ているはずなのに「僕達元気です」のメッセージだけ送るのはさすがにおかしいから・・・ってことなんだろうが、逆にあの遺影一つで茶番感が増してて演出として微妙。
普通なら脚本段階で死者追悼コメントを別に用意するくらいはあるだろうから、絵コンテで無理に入れ込んだのかな・・・。


6話。サキさん、ビッチかよ!!
今までのクールビューティーなキャラを裏切ってサキさんが本性を露わにする話。
だから、本性がそういうキャラならそれまでの間に伏線を・・・!! いやもう言うまい。
しかしショーコに対する暗い情念じみた表情は好きだっただけに、何か変な方向にハジケちゃったのは残念。
久々にまともに出てきた入れ替わり要素を修羅場ラブコメに転用するのは面白かった。ただそれもオマケ程度の扱いで上手く活かせていないかな。
サキさんがアイカツに失敗したっていう過去話も、断片的過ぎるうえにメンヘラ描写が共感を阻害しているのが勿体ない。
もっと普遍的な、セカイに居場所が欲しいというだけのキャラでも成立したと思うんだけど、何か尖った要素がないと埋もれるってことか・・・。
戸松遥のエキセントリックな芝居は水を得た魚のようで凄く良かった。最近、落ち着いた役が増えたけどこういうのもやっぱり向いてる。
サキが搭乗するヴァルヴレイブ四号機のアクションは独特の躍動感が素晴らしい。
あの飛び跳ねる動きはありそうでなかった感じがして新鮮。


7話。そして地味娘のメガネが割れる・・・!!
今回、脚本が大河内一楼から熊谷純に変わった影響もあるのか、伏線張りやストーリーラインが今までと比べると素直。
普段目立たないキャラにスポットライトが当たると死亡フラグ・・・なんて古典中の古典を忠実に再現して貴重なメガネっ娘が逝ってしまった。
ただ主要キャラのなかでは言っちゃ悪いが一番、死んでも問題なさそうな存在だったんで衝撃は薄いかなぁ。
キャラ関係を動かしハルト達に覚悟を強いる展開としても妥当だし。
あと、エルエルフさんの直筆メモ書き指令書がシュールで雰囲気ぶち壊し寸前だった。
あれってもしかしてエルエルフ役の木村良平の肉筆なのか? 微妙にヘタなのはきっと日本語に慣れてないエルエルフさんに合わせたからに違いない・・・!!


8話。エルエルフがロリエルフだったことを知ったハルトがついに相棒契約を結ぶ話。
メガネっ娘の死を受けてハルトとショーコが改めて現実と戦う決意をするのは良かったが・・・そもそもメガネっ娘が死んだのってかなりの部分エルエルフのせいじゃないの? それで何でエルエルフと組むの納得するんだ?
この際だから敵だろうが利用するというならまだわかるが、妙にフレンドリーに相棒になっているのが不思議。
今までの突っ込みどころとはちょっと違う唐突さなんで、そこはもうワンクッション何か欲しかったなぁ。
「苦いコーヒーには甘い砂糖」の喩えも、いつもの突っ込み待ちではなく素でカッコつけようとして滑った感が・・・!!
あと、メガネっ娘の復讐に燃える奴にシスコン生徒会長にエルエルフさんにと、新たなパイロット候補が出揃って誰が新型に乗るのかと期待が高まったところでエルエルフさんが作業メカで出てきたのには正直脱力したよ!! いや戦闘シーンとその後の救出は良かったんだけどね。