マクロスF 第23話「トゥルー・ビギン」

「俺は・・・ランカを殺す」
散々周りにアレコレ言われ、シェリルと共に過ごし、全ての真実を知り、キサブロー兄さんに「成り行きでパイロットになっただけ」と言われ、クラン大尉と話し、ランカを守るためにSMSに入りました・・・そして出した結論がこれ。正直ここまでやってくれるとは思わなかった。個人的にはそれこそが「成り行きで」「流されて」短絡的に選んだ答えに見えてしまうんですが、いかがでしょうか。「与えられた役をこなさずにいられない根っからの役者」ってのは、こういうことなんでしょうか。
そもそもその前にはランカとシェリルについてちょっとまとめておかないとダメですね。ランカとシェリルはそれぞれV型感染症(バジュラの細胞を体内に持つ)にかかっており、シェリルは後天的に(グレイスによって人工的に?)注入されたため、人体と齟齬を起こし、その結果死に至る病を持っている(死に近づくほどバジュラの細胞が強まり、バジュラに対する歌の効果も上がるわけですが)。一方でランカは先天的に(生まれる前にグレイスと母親に仕込まれた?)バジュラの細胞を体内に持っているため、人間とバジュラが体内で共存している形をとっているわけですね。「ネットワーク生物」たるバジュラの、そのネットワークのコア(リトル・クイーン)として人間の形をとっているため、人間ともバジュラともコミュニケーションが取れてしまう。バジュラがやられた時に腹の痛み(生理的な痛み)を感じるのはバジュラと繋がっているためで、精神的な痛みを感じるのは人間だからなんですね。
・・・と、まぁ、アイ君がランカを連れ去って玉座に戻してしまったため、三島の言うように「バジュラはランカを足がかりに人類を殲滅しようとしている」と言うことに一見間違いは無さそうなんですが、同時に三島はランカを足がかりにバジュラを殲滅しようとしている(アルトにランカを殺させることでバジュラのネットワークを停止させる?)ようですね、多分。バジュラとの和解や共生は展開的に、というか生物的に難しいですし、「二種類の種族が共存できるほど宇宙は広くない」というのは作中で何度も語られてきたわけですし、本当にランカが殺されてもおかしくない展開なんですが、それでも希望にすがりたいところ。一つだけ希望があるとすれば、それはランカと同じようにバジュラの細胞を持っている、シェリルの歌ですかね。彼女だけがバジュラに、いやランカの中にいるバジュラに訴えかけることが出来るのではないかと思います。
次回は最終決戦。アルトVSブレラはもう決定だと思いますが、そこからどう動かすか。注目していきたいと思います。