秋の家族旅行〜奥飛騨・北飛騨と紅葉 1

朝六時ちょっと前に末っ子に起こされる。

着替え、洗面を済ませて、ノアの三列目足元にクーラーボックスを二つ置き、布団を敷いて、三列目を小学生三人の場所にする。私の母親と嫁さんの母親も参加したので総勢八人、揃ったのを確かめ朝六時二十分に出発。美浜インターから知多半島道路を北上、大高で名古屋高速に乗り、楠の料金所を越え、小牧JCTから名神高速道路へ。一宮JCTで東海北陸道に分岐し、北上する。

七時半に川島SAで朝食。ここは、とても広いサービスエリアだが、早朝のため一部しか空いていなかった。昨夜嫁さんが握っていたおにぎりを売店で買ったコロッケと食べる。飲み物を買い込み、三列目足元のクーラーボックスに仕舞い出発。

北に行くに連れ、高速道路の標高は高まり、山は険しさを増し、次第に紅葉が色づいてくる。東海北陸道が対面通行となる美濃の手前でしばらく渋滞、一車線になってしばらくするとまた流れ始める。大日岳SAで休憩、大日岳を眺めながら肉まんを皆で食べ、再度北上。この辺りから、東海北陸道は山並みの中腹を宙に浮くように走り、トンネルと高架橋の繰り返しとなる。高架は橋桁の部分が100mを超し、谷底を見ると怖い程。良く造ったなこんな道路。平日はガラガラらしいが。飛騨清見インターで高速は一旦終点となり、158号線を高山に向かう。


高山の人出は凄かった。駐車場はどこも一杯なので、飛騨の家具館に一旦車を停め、ショールームで飛騨の家具を見る。やっぱり無垢の木で出来た家具は素晴らしい。こういう家具の癒しを体験すると、合板や木屑の圧縮板の家具はもう買えないと思う。ただ、やはり高い。何十年も使うことを思えば安いのか・・・

そのまま男の子を残して女性軍を歩いて陣屋に向かわせる。私は男の子二人と、車を運転して街の中心部へ車を先回りして停めに行く。国分寺そばの駐車場になんとかノアを停め陣屋に引き返す。女性軍はすでに一ヶ所(松本家)観光を終えていた。陣屋前の朝市で合流。皆揃った所で陣屋に入る。思ったより広く、蔵の容量に驚く。中庭はモミジと銀杏が美しい。縁側に腰かけしばらく中庭を眺める。

陣屋を出たところで、子供たちはみたらしだんごを食べている。今回昼間の食事や一々食べ物を買い与えるのはやめて、二千五百円づつ四人にあらかじめお金を渡し、勝手に好きな物を食べさせることにした。みんながそのお金をどう使うかも楽しみだ。

赤い中橋を渡り、古い街並みを北上する。結構な人出。小二の末っ子のパーカーのフードにだんごの串が捨てられているのを長男が見つける。もし捨てる現場を目撃していたら、相手に蹴りを入れているかもしれない。末っ子が絡むと理性が無くなりそうで怖い(笑)。

小六の長男は食いしん坊なので、食べ物しか見ていない。飛騨牛の握り寿司が二貫で五百円で売っているのを目ざとく見つけ、ちゃっかり並んでいる。他の子供たちは二百五十円の直径二十センチぐらいの焼き立てせんべいや、飛騨牛乳のソフトクリームを買っていた。店を冷やかしながら古い街並みを抜け、国分寺に参る。大銀杏が見事だが、見頃にはまだ少し早いか。そのまま駐車場に皆を連れて行き、車に乗り込み、高山を後にする。

国道41号を北上、すぐに飛騨古川に着く。古川町役場に車を停める。駐車料金は三百円。目の前の飛騨古川まつり会館を抜け、水路と白壁の街を散策する。高山より人出は少なく、のんびりとした気分になる。息子たちは水路に放流された鯉しか見ていない。「この鯉食べられるの?」と質問してくる。古川の住人は鯉を食べるのだろうか?それにしても食べること以外にも興味を持ってもらいたいものだ。

道沿いの出店で飛騨牛の串焼(二百五十円)で食べる。あと、飛騨牛のコロッケ(百二十円)を飛騨古川まつり会館横の売店で買う。どちらもとても美味い。どの店にもNHK連続ドラマ「さくら」の出演者の写真が飾ってある。そのまま役場の駐車場に戻ったのが午後3時、そのまま今夜の宿の飛騨ハイランドホテル目指して北上する。

飛騨ハイランドホテルはJTBのエースで申し込んだのであるが、ゴルフ場とスキー場を併せ持つリゾートホテルという触れ込みであったので、いつもの旅行では宿に六時ごろ着く予定を三時半に設定し、ホテルでのんびりプランとした。が、着いて少々くたびれた印象のホテルにがっかりする。通された部屋も眺望が無く、思わず窓から叫ぶ(笑)。しかし、気を取り直して、プランにパッケージされているパターゴルフに向かう。

車で麓まで下り、パターゴルフ受付に。もう四時前なので、他に客は見当たらず、貸し切り状態。私と男の子二人、嫁さんと女の娘二人に別れ、ツーパーティで十八ホールを回る。グリーンも天然芝で、結構広く、バンカーもあり本格的。長いホールは五十ヤード以上ある。

小二の末っ子は力加減が上手く行かず、グリーンでオーバーを繰り返す。いつまで経っても入らないので、十打でギブアップをローカルルールに加える。最初の二ホールはホールアウトできずに、泣きそうな顔になっていたが、次第にコツをつかみ、三ホール目で初のカップイン、やっと笑顔を見せる。小六の長男はさすがに上手く、数ホールで私に勝ちオナーになる。結構悔しい。

女の子達も楽しそうにやっている。小五の次女が中二の長女に勝ったらしい。奇跡か?(笑)。彼女は知らぬ間にどんどん大きくなっているようだ。皆で通っている空手も、小五の次女がダントツに型が上手い。最初はダメでもこつこつ上達するタイプ。先が楽しみになってきた。傾いた秋の日差しを受けて、芝生の上を家族だけで楽しむ。結構貴重な体験かもしれないと思う。

ホテルに戻り、駐車場横の雪のないゲレンデでしばらくソリ遊びしたあと部屋に戻り、真っ暗になる前に露天風呂へと向かう。露天風呂は結構広い。山小屋風のサウナが併設されている。寒いのか他の客は屋内の大浴場から出てこないので、男の子と三人で露天風呂貸し切り状態。女湯は露天風呂の方が混んでいたらしい。うーん。末っ子がお風呂の横の岩山を裸で登る。ちょっと恥ずかしい。男の子たちは露天風呂がとても気に入ったみたいで、このあと二回も連れだって入りに行っていた。

六時半に夕食。座敷で飛騨牛の陶器焼メインの和風コース。みんな満足そうで嬉しかった。ビールを二本と、地酒を少し飲む。皆が食べきれない分を片付けたら動けないほどに。八時過ぎに部屋に戻り、敷いてあった布団に横になったらすぐに眠ってしまった(笑)。