科学的にあり得ぬ設定?

私立中入試算数 問題文に問題あり あり得ぬ設定多数
ということで、まあ数学の問題の問題文に非科学的な記述が混ざっていると、まあこういうわけらしい。
これが読んでみるとなんか、いろいろな話がごっちゃになっているみたいなのだ。
ここに例示されている3つを並べても、

  1. 食塩水を題材にした問題で、食塩水の濃度は100度の場合で28・2%が最大、にもかかわらず、食塩水の濃度を30%以上と設定している問題
  2. 「偶数匹の生物Aは、一晩で半分の数の生物Bに変身する」など不必要に非科学的な例を挙げる問題
  3. 出題の条件に合うように正六角形を折ると、頂点は他の辺には付かないため求める角が存在しなくなり

となっている。
1の食塩の問題は問題の本質と関係ない部分での設定が現実に反する例だ。数学の問題としての本質には関係ない。
2の生物の問題は変な例え話を使っているというだけで、科学的とか非科学的とか言うような問題ではない。
3の六角形の問題は作図不可能な角の角度を求めよと言うことだから、これはもう完全に出題ミスだ。
こんなに質の違うものを並べて、「科学的におかしい」なんていう分かったような分からないような大雑把なラベルを貼ってしまうというのはどうにもセンスが悪いとしか思えない。


今回の例で3はあきらかにまずいというか全然ダメなのはあきらか。
じゃあ1と2はどうなのかというと、数学の問題として成立していると言う点で僕はどっちもセーフだと思う。
そして、セーフだということとは別に食塩の問題のようなものは修正できれば修正したほうが良いと思う。
なぜかというと、こういうところで見た物が中途半端な知識になってしまうことがあるからだ。
例えば人間が歩くスピードに関して、中学の時に算数の問題にあったような時速4㌔とか時速5㌔なんて数字が僕のイメージ形成に寄与してないとは言い切れない感じがする。
自分の持っている全ての知識に関して情報源がなんであったかはっきり分かる人はそういないと思うので、なんとなく本当っぽいウソというのは知識としてはわりと危険なのだ。
そのウソ知識にリアリティがあったりしたらなおさらだ。
なので数学の問題文に出てくる設定も、できるだけ現実に則したものか、さもなくば完全にリアリティの無いものかどちらかにするほうが安全なのではないかと思う。
リアリティの無さという点で2の一晩で半数の別の生物になるというのはOKな気がするんだけど、これでもなんとなく現実と混同しちゃう人とかいるのかなあ。