ダイエットについての大きな誤解

ホットエントリーでダイエット法のまとめというエントリが人気になっていたので、ちょっと見てみたら驚いたことにほとんどの記事がダイエットではない記事でした。

一日数分の運動でとか、腹筋、筋トレ、入浴法、姿勢、猫背解消、マッサージ。これらは全部ダイエットではありません。ダイエットは食餌制限、食餌療法のことです。

  • ダイエット

健康や美容のために、食事の量や種類を制限すること。
スーパー大辞林3.0

  • diet

原義は「食習慣」
食餌制限、食餌療法。
ウィズダム英和辞典 第2版)


ダイエットという言葉そのもに運動やマッサージや痩せるという意味はありません。そもそも原語が食習慣なのにそんな意味になる訳がありません。では、なぜこんな間違いをみんなしているのでしょう。それを考えてみるとなかなか面白いです。
痩せるために確実な方法は食べる量を減らすことです。だから食餌制限をすれば誰でも痩せられます。でもお腹いっぱい食べることを止められない人の「心理的負担」を減らすために食餌制限を「ダイエット」と横文字に変えます。するとあら不思議。言っていることは何も変わらないのに、簡単にスマートに痩せられそうな気がしてきます(笑)。少なくとも「食餌制限」なんていう露骨な表現よりずっとやわらかい表現です。でも言っていることが「もや〜」として分かりにくくなります。ただ、人は馬鹿じゃないので、単なる言い換えでは飽きられてしまいます。そこで登場するのが発想の転換。「ダイエット」→「食餌制限」→(お腹が空いて辛いけど痩せる)→(とにかく痩せれば良い?)→「痩せること」と変化していった(変化させた)のではないでしょうか。そうすると、

  • 食べる量はそのままで簡単ダイエット(食べる量はそのままで簡単「食餌制限」)
  • お腹いっぱい食べ放題の簡単ダイエット(お腹いっぱい食べ放題の簡単「食餌制限」)

という本来の意味から考えると訳の分からい宣伝文句で、数分の体操をお金に変えることができ、肥満な人に夢と希望を与えることができてしまいます。夢と希望だけでは結果が残らないのが、唯一の決定的な欠点でしょう。
言い換えれば、肥満な人の現実逃避願望が、ダイエットという言葉の意味を「痩せる」に変えてしまったと言えるかも知れません。実際のところは分かりませんが、案外、当たらずとも遠からず、かも。。。