本多静六と大隈重信

明治神宮の森を創った本多静六については、多くの研究があり、業績はよく知られています。
飯能市のHPの中の文章で読んだような記憶がある、と書きましたが、
見当たらず、簡単に触れた講演録がありました。
本多静六は、慶応2年(1866年)埼玉県三箇村(現菖蒲町)に生まれ、東京帝国大学農科大学教授、明治45年「飯能遊覧地委員会」で講演した」(東京農工大学名誉教授 亀山章氏、演題 『里山の過去・現在そして未来』平成22年2月、飯能市主催)。
埼玉新聞がデジタル版の漫画伝記『本多静六博士物語』を発行しており、
無料でダウンロードして見られます。
これは、埼玉県が埼玉新聞社へ委託して制作したもので、とても面白い。読むべし、です。
http://www.saitama-np.co.jp/kijikokoku/hondaseiroku/index.html
ところで、NHKテレビだったか、別の文章で読んだのか分からないのですが、
時の総理大臣、大隈重信は、雑木を植えることに反対し、
杉や檜による荘厳な雰囲気を出せ、と命じたらしい。
本多静六たち神宮の森の計画者達は、大隈を説得しました。
明治神宮は、明治天皇と皇太后を祭る国家神道の社です。
神宮の森も、明治天皇を祭るための大計画の一環だった。
明治以来、国民を国家統合の下におくため神道が国策化され、
権力による頭を垂れる最大の対象となりました。
時の総理大臣に抵抗してまで、日本の自然の特徴を再現しようとしたのは、
この森が、個人に、都市生活者に、文化・文明に
至福・幸福と効用をもたらすに違いない、
そして、それが自由な個人の形成につながることを見抜いていたのではないか。
かどうかは分かりませんが、私の推理です。
また八百万神、自然信仰である古来の神道による
日本人の心の拠り所を東京のど真ん中に創ることを目論んだ。
これも私の推理です。
財テク成功者の蓄財とポジティブ思考の先達としてよく読まれているらしいが、
「気骨」(古めかしい?)を知ることが、
今の我々の時代に最も必要なことだと思います。