2007-10-01から1ヶ月間の記事一覧

Modern Tragedy とモダニティ 

昨日27日、第7回レイモンド・ウィリアムズ研究会@日本女子大学で、Williams の Modern Tragedy(1966)に関する大貫隆史さん(釧路公立大学)の報告を聴く。その後のコアな質疑応答も含め、大いに啓発される。行ってよかった。ただ、私は件のテクストを数十ペ…

『ドキュメント 路上』 

第20回東京国際映画祭の特集「映画が見た東京」で上映された一本、『ドキュメント 路上』(土本典昭監督、1964年)をル・シネマで。シャープなモノクロの画面と、そこに介入する音楽・音響、そしてクールで自由な編集。この作品を観ていると、すぐれたドキュ…

そして誰もいなくなって

先ほどまで学生で賑わっていた部屋の空ショット。 ポスト・フェストゥム。それともアカルイミライ?

「一神教」の発明

『SITE ZERO/ZERO SITE』no.1(2007年)所収の、エティエンヌ・バリバール「「一神教」という言葉の起源と用法に関するノート」柿並良佑訳、を(本日の勤務時間の合間に)読む。イスラーム神学などの用語が多く使われていたりして、訳者の苦労が察せられる…

メジャーだからといって恥じることはないよ 

例によって、はまぞう君には情報がないので、他から引っぱってきた画像で。 タイトル: flawed アーティスト: yair etziony 発売日: 2007 メディア: CD ジャンル:音響/アンビエント/エレクトロニカ イスラエル出身のイェール・エッツィオーニによる新譜。ひ…

リチャード・フライシャーの慎み深さ

昨日13日、『夢去りぬ(The Girl in the Red Velvet Swing)』(リチャード・フライシャー監督、1955年)と、映画批評家クリス・フジワラ氏のレクチャー(英語、通訳付き)をアテネ・フランセ文化センターで。 字幕なしの上映だったが、今の日本で『夢去りぬ…

命日

最近やたらと「幽霊」が気になると思っていたら、もしかすると、2006年10月11日16時56分のせいだったのかもしれない。 歪像的存在のY蔵め、また視界の隅っこからこっちを見て笑っているよ。(見えない)欲望へ向けて―クィア批評との対話作者: 村山敏勝出版社/…

幽霊の話(続) 

「黒沢監督は確信犯だった。」といって済む話では本当はないのだが、いつもの悪い癖で面倒くさくなってやめてしまった。しかしそれではまずいと思ったので、少しだけ続きを。例のカットがあるにもかかわらず小西真奈美が幽霊であることによって、他の登場人…

小西真奈美は本当に幽霊なのか

叫 プレミアム・エディション [DVD]出版社/メーカー: エイベックス・ピクチャーズ発売日: 2007/08/01メディア: DVD購入: 4人 クリック: 251回この商品を含むブログ (141件) を見る黒沢清監督『叫』(2007年)を公開時と再上映時にそれぞれ一度ずつ観て、「映…

小川真由美を讃えて 

昨日、『二匹の牝犬』(渡辺祐介監督、1964年)をシネマヴェーラ渋谷で。 緑魔子のデビュー作ときけば観に行かないわけにはいかず、仕事は自宅持ち帰りにして一路渋谷へ。平日16時上映の回で観たが、座席は8割程度は埋まっていた。シネマヴェーラの今回の特…

『降霊』

黒沢清『降霊』をDVDで。こんなに緑をしっかり撮った監督なんて、『隣の女』のトリュフォーくらいしいか思い浮かばない。 それにしても、黒沢監督って、自己韜晦を演じきれないくらいに複雑な照れ屋なんですね、やっぱり。DVDを観ただけで言うのもなんだけど…