第1関門突破(高円宮杯2008)。

リーグ戦ではあるけれど,短期決戦。


 ファースト・ラウンドという呼び方もあるように,あくまで序盤戦と考えるべきでしょう。


 ただ,序盤戦を駆け抜けられなかったとしても,セカンド・ラウンド進出への可能性は残される。他力の要素が関わるという意味で,リーグ戦の色彩も帯びていると考えると分かりやすいかも知れません。であれば,初戦で「勝ち点3」を奪取できるかどうかは大きな意味を持つと思うのです。


 チームを基準として考えるならば,グループリーグを戦っていくためのリズムをつかむ。そしてリーグ戦を意識するならば,ライバルに対して心理的なプレッシャーを掛け,主導権を握る。


 特に,今季のファースト・ラウンドは厳しいグループに入っている,と考えておくべきでしょう。初戦と最終戦に有力なクラブ・ユースとの対戦が組まれ,中間に実績ある高校チームとの対戦が入っている。できることならば,ファースト・ラウンドを駆け抜けてしまいたいはずです。


 こう考えてみると,昨季より初戦のハードルは高かったかも知れません。そのハードル,「勝ち点3」奪取という結果をもって,見事にクリアしてくれました。


 ということで,ごく短めに高円宮杯であります。


 ゲームの主導権を握った状態で折り返せたのはいいのですが,リズムを手放してしまう時間帯があるのは,プリンスリーグでの印象と近いものがあります。


 もちろん,ファースト・チームとは違いますから緻密なゲーム・コントロールを要求しようとは思いません。むしろ,自分たちが狙うフットボールを存分に表現することでトーナメントを駆け抜けてほしい,と思っています。ただ,「形」に持ち込めない時間帯があるのも確かです。その時間帯に,どうリズムを取り戻すのか,という部分をこのゲームから徹底しておいてもいいかな,と思います。


 第2戦,相手は青森山田であります。


 昨季,中野田(第2グラウンド)で戦い,勝ち点3を奪った相手ですが,恐らく大まかなチーム・カラーにはそれほどの変化はないものと思います。ただ,このときも後半に「隙」を生じる時間帯があって,リズムを失いかけた記憶があります。冷静に戦い続けることができるならば,(もちろん楽観すべきではないですが)決して難しいゲームにはならないだろうと思います。


 同じ駒場でのもうひとつの第1戦は,スコアレス・ドロー。


 主導権を握りかけた状態,と言うべき段階でありましょう。その主導権を完全に掌握するためのゲームが,第2戦ということになります。残念ながら,時間的にチェックが難しいゲームになってしまっていますが,いい結果を期待したいと思います。