【モノ】自由に切り取れる筆記用紙、『紙キレ』

ニュースをぱらぱら眺めていたら、オチャメ文房具マニアの血が反応してしまったので、今日はこの話。
全面にミシン目が入った「筆記用紙<紙キレ>」が誕生|プレスリリース|コクヨ


簡単にいえば、一枚の紙に、7mm方眼のミシン目が入ったもの。
方眼紙としても使えるけど(幅が微妙だけど)、折ったり切ったり、自由にできるところがポイント。
自分では楽しそうな使い方が思いつかないけれど、想像力のあるひとが触れば、とんでもなく面白いモノができてしまいそう。
いやいや、出たら、ひとつ手に入れてみようかな。


ちなみに。
オチャメ文房具マニアとは言ったけど、その対称はものすごく狭い。
具体的には、『普通の文房具メーカーが出している、ちょっと変わったもの』がスイートスポット。
クルトガは、販売開始のその週のうちに文房具店を3軒まわって見つけたし、FRIXIONも見かけてすぐ購入。
コクヨのミニ文具もめちゃくちゃツボで、キャンパスタックメモなんて、この造形、最高。
前にも書いた気がするけど、コピックの色のバリエーションとか素敵すぎる。


そういえば、むかし、しばらく使っていて、半年くらいで消えてしまった文房具がある。
スティックタイプの蛍光マーカーで、リップクリームとかスティックのりみたいな感じで、中のマーカー部分を出して塗るってもの。
名前は忘れてしまい、適当な検索ワードで探しても見つからず。
すごく気に入っていただけに、ちょっと、切ない。

 くるり

 手の上で、ペンが回る。

 くるりくるり

 ちょっとでもストレスがかかるような話を聞いているときに出る、悪いクセだ。

 くるり

 わかってはいるんだけど、止まらない。

 くるりくるり

 これでも、むかしよりは、おとなしくなっている。

 くるり

 まえは、同じような状況で、自傷が止まらなかった。

 くるりくるり

 怒られて宥められて投げ出されて。

 くるり

 でも、こうやって、代わりの行為を手に入れることができた。

 くるりくるり

 あぁ、なにか、聴こえる。

 でも、こうやっていれば、安心できる。

 くるり

 こうやって、回っているかぎり。

 くるり。くる‥‥

【ネット】『日本著作権侵害者撲滅協会』

「『日本著作権侵害者撲滅協会』とは一切関係はありません」――JASRACが注意 - ITmedia NEWS
このニュースが気になってちょっと調べてみたら、少しだけおもしろかったのでご紹介。

ニュースの主題を、上のITmediaの記事から引用。

日本音楽著作権協会JASRAC)は10月17日、「日本著作権侵害者撲滅協会(Japan Anti-Piracy Association)」と称する団体とJASRACは「一切関係ない」としてWebサイトで注意を呼び掛けた。


これだけなら、まぁ、珍しいものじゃないように思える。
たとえば、三菱東京UFJ銀行からの注意とか。

これみたいな、名前を騙っているだけのものだろうと思って、該当ページを探してみると。
そのページじたいは消えているので、キャッシュをぺたり。
‥‥ただのワンクリ詐欺じゃん!

で、これのもっと面白いところは、地道な営業活動にあることもわかったり。
具体的には、ブログを作って、「ファイル共有やっててヤバいから、払ったよ」って内容のエントリを書き、うっかり同調しちゃうひとを探そうとしていたような形跡。
見つけただけで4つほど。とりあえず晒してみる。(リンクにしないのは、検索エンジンのスコアを上げないため)
http://gerogero6633.cocolog-nifty.com/blog/2008/05/share_199d.html
http://ameblo.jp/gerogero6633/entry-10095614919.html
http://kekokeko2684.cocolog-nifty.com/blog/2008/05/japan_anti_pira_7954.html
http://ameblo.jp/kekokeko2684/entry-10095940722.html
ぜんぶ今年の5月10日くらいのエントリなんで、きっと、『日本著作権侵害者撲滅協会』ができたのもそのくらいなんだろう。


あと、2ちゃんねるのネットワークセキュリティ板の書き込み(dat落ちのときのための魚拓)によると。
(おそらくは違法に)公開されている音楽ファイルに、協会へ誘導するテキストを詰め合わせていたりもするらしい。
‥‥この一連の流れじたいが、自作自演の可能性もあるけど。


とはいえ。いちばん愉快なのは。
このエントリでターゲットにしているのは、ファイル共有ソフトを使っているユーザーなわけで。
その、著作権侵害を行っている(可能性が高い)ユーザーを守るために、JASRACが動いたってことだと思う。

「ねぇ。ポートって、どうやって開けるの?」

「なにをするつもりだ?」

「あ、それはちょっと秘密」

「それだったら、教えられない」

「イジワルー。いいもん、自分で調べるから」

「調べてもムダだぞ」

「なんでさ」

「お前なぁ。学内のネットワークで、そんな簡単に穴が開けられると思ってるのか?」

「開くんじゃないの? 知らないけど」

「そんなわけ、ないだろ」

「じゃあ、開けかた、教えてよ」

「人の話を聞けよ」

【コンピュータ】会話できる人工知能

人間性を競うローブナー賞、今年も開催 | スラド デベロッパー
ローブナー賞の決勝、チューリングテストをクリアしそうなロボットが出現 | スラド IT

詳しいことは、上のリンク先を見てもらうとして。
ものすごく簡単にいえば、人工知能を作って人間とチャットさせて、相手の人間に「コンピュータと会話してる」と思わせなかった人工知能が優勝、という大会が開催されている、ってお話。
で、今年の大会では、人間と区別がつかないレベルでの会話が可能なものが登場している、らしい。


「人間かコンピューターか」の判定は、審査員が同時に2人(実際には一方が人間、もう一方がAIだが、審査員にはどちらがどちらかわからない)とチャットをして見分ける、要はチューリングテストの形式をとっていて。
つまりは「知能があるかどうか」というよりは「会話ができるかどうか」のテストではあるのだけれど。
今回の最優秀AIは、審査員のうち25%が、最後までコンピュータだと見抜けなかったらしい。


つまり、75%は、見抜くことができたってことなんだけど。
25%を最後まで騙しきったってことは、そう簡単にボロを出すような不自然さはなかったってことなんだろうし。
ちょっと考えてみると、「どうしてコンピュータだと気づけたか」って部分が、気になるところではある。

「挨拶する自動販売機って、あるじゃん。『おはようございます』とか『ありがとうございました』とか『今日もがんばってください』とか。なんであれ、わかりやすい合成音声なんだろうね。内容が固定なら、普通に人間の声でもいいだろうに」

「んー、たぶん。そっちのほうが、安心するからじゃない?」

【文章】モノを書く、12と1/2のルール

今日はGIGAZINEさんから。
ブロガー必見! 文章上達のための 12 と1/2のルール | Lifehacking.jp
えぇと、さらに原文は、こっちかな>12 and ½ Writing Rules | Pick the Brain | Motivation and Self ImprovementPick the Brain | Motivation and Self Improvement


正直なところ、訳されている方のコメントが、わかりやすくすべてを言い表しているような気もするので、紹介だけでもいいんですが。
それだと上達しないらしいので、適当に思いついたことを。
‥‥「それだと上達しない」の部分、「ルール5」だと書こうとして、原文読んだらちょっとズレてるとこに気づいたり。
いやもちろん、「読んだ上でこう感じた」な文章なんだから、間違ってるとかそういうんじゃないんだけど。


さてさて。
思い出してみると、「書くのってなんか楽しいな」と感じはじめてから、いつのまにか10年くらいが経っている。
そのあいだ、書いたり読んだり挫折したり書かされたりしばらく書かなかったり。
思い返してみると、「書くのが楽しい」には、ふたつのアプローチがある気がする。
ひとつは、自分の思い描いたとおりの世界が再現できたとき。
もうひとつは、自分が好きな表現ができたとき。
どちらを達成するにしろ、そもそものインプットがなければ、書き始めることすらおぼつかないし。
どちらを達成するにしろ、最後まで書かなければ、その楽しさを存分には味わえない。
どちらとも達成できたときの嬉しさは、「書いた」ことのあるひとなら、わかってくれるんじゃないとは思う。


で。さらに個人的な意見。
この12のルールはあくまで、「他人に見てもらうための」ルールなわけで。
自分で書いて自分で楽しむだけなら、好きなものを読んで好きなように書くだけで、じゅうぶんだと思う。
いろいろ試してみたいと思えば、ちょっと違った視点からのものごとを書いてみるだろうし。
誰かに読んでもらいたいと思ったら、そのための方法にはそのうち気づくだろう。
なにも、強制されることなんてない。
自分が心から楽しめなくて、他人を楽しませることなんてできるもんか、と。

 大昔にしていた妄想を、ふと、思い出した。

 毎日、ベッドの上で眠りに付くまでの数十分間で進められた、ストーリー。

 魔法と剣の世界、召喚、神々との戦い。

 そんなイメージが頭の中に広がり、すぐにとらえどころもなく消えていく。

 ああ、そうか。その世界は、別の妄想で書いた本の中に、すべて封じ込めてしまったんだったっけ。

 その本の、装丁がゆらりと浮かんで。そのまま、意識が吸い込まれていた。

【動画】Phun、こんなすごかったのか

ニコニコ界隈では、今年のはじめくらいから盛り上がってきたらしいPhunエメリーのお気に入りさんで紹介されたこの動画を見て、そのスゴさを知ったので、ご紹介。

【プロジェクトPhun】月面着陸への挑戦 - ニコニコ動画

Phunは物理演算ソフトウェアで、簡単にいえば、こういう物体がこの位置とスピードで存在する場合、どう動くかってのを計算してシミュレーションするもの。
言ってることは難しそうでも、知育ソフトとしても使うことを考慮されているので、適当なブロックを作って積み木みたいに適当に積み重ねたり、投げたり引っ張ったりするだけでもじゅうぶんに遊べてしまう。

でも凝ろうと思えばいろいろなパラメータを設定できるし、凝りすぎてしまってとんでもないものまで作ってしまうひとたちもいる。
上の動画も、そのひとつ。

Phunでロケットを作っているんだけど。その原理は、高密度高反発の物体を作って「ロケット燃料」とし、それを下方に噴射するその反発力で上昇する、というもの。
その「燃料」をいかに制御するか、といったことが研究され、打ち上げたロケットから着陸船を切り離し、逆噴射で相対速度を合わせて着陸、といったことまでできてしまっている。


さらには、衝撃によって体積が増える「火薬」を作成してリボルバーを作ってみたり、さらには内燃機関を実装して、あまつさえそれを動力として車を走らせてみたりと。
Phunの中でのエンジニアが着々と育っていっている模様。
さらに開発を進めていったらどこまで到達してしまうのか、ものすごく楽しみになってしまう。

「物理は実生活に役立たないから切り捨てる、って、それもどうかと思いますよ」

「言いたいことはわかるけど、考えるのは物理やってるひとたちだけでいいんじゃない? なんていうのか、物理的な制限を受けないように、新しいものを開発するんであってさ。揺れが少なくて高速な列車とか」

「いやいや、そういうプラスの面だけでなくてですね。マイナスの、似非科学を見破るのにも、やっぱり必要なのですよ。ここの部分が理論的におかしい、ってはっきり指摘できなくても、なんかちょっとここ誤魔化してるな、ってのはわかるから」

【科学】2008年イグノーベル賞

http://www.cnn.co.jp/science/CNN200810030007.html
記事タイトルはちょっと不愉快に感じるひともいるかもしれないけど、研究をやっているひとたちは大マジメ(のはず)なので、眉をひそめる程度で許してあげよう。


そんなわけで、今日の話。
アメリカさんの賞、といえば。
日本でも報道されるラジー賞のような華々しいものから、ステラ賞や[ダーウィン賞]みたいな不謹慎なくらいに皮肉の色が強いものまで、ジョークと本気の境界があいまいなものがたくさんあるけれど。
このイグノーベル賞も、そのひとつ。
日本人も数多く受賞しているので、知っているひとも多いと思う。


それの、最新版が発表されました、と。
いやしかし、「避妊にコーラ」って誰が言い出したのか知らないけど、受賞した研究のうちひとつは1985年のものらしいので、20年以上も前から、世界のあちこちで言われてたんだろうなと思うと、それはそれで感慨深いと言えなくもない気がしないでも、ない。
ほか、思わず笑ってしまったものを、ぺらぺらと。あ、念のために言っておくけど、タイトルから思ったことをタラタラ書き流すだけで、元の論文なんかに当たっているわけでは一切ないので、真偽がどうこうについてはノータッチで。

「高価な偽薬(プラセボ)ほど、安い偽薬よりも効果が高いことを確認」
まぁ、プラセボ効果じたいが思い込みなんだから、その「空想」を具体的な数値で強化できる、というのはわからんでもない。むしろツッコミどころは、「行動経済学教授」かと。

「同じ食べ物でも、名前の聞こえが良い方がおいしく感じることを示した」
聞こえがいいってそもそもなんだ、水伝か、水伝なのか。たしかに、「若鶏のエヒフ」のほうが、「若鶏のグリョーベド」とか言われるよりもおいしそうに食べられそうな気はするけど。

「考古学の発掘現場付近に生息するアルマジロが、発掘品をより深く埋めたり持ち去ったりすることで、発掘現場がメチャクチャになるだけではなく、歴史が変わってしまう可能性があることを示した」
これはヤバい。この一文だけで、果てしなくスケールが大きくもシュールで切ない物語が展開されてしまうくらい、ヤバい。なんだこの、妄想力を激しく想起させるようなキーワードの羅列は。アルマジロがタイムパラドクスを引き起こすって、その想像だけでご飯3杯はいけるね。


いやぁ。
いやいやしかし、いい意味でも悪い意味でも後世に名を残すような研究には、常人には手が届かない発想と、自分の道を信じる者だけが生み出せるエネルギーが必要なわけで。
それを完成させられるってだけでも、すごい才能なんだよね、きっと。

「タイトルやアブストなんてのはな」

 論文集を棚に戻しながら、風間は言った。

「言いたいことだけを言ってるんだから、すごいことが書いてあるように思えるんだよ」

 隣の棚から別の本を取り出し、言葉を選んで続ける。

「なにを選ぶのかは知らんが、掲載された論文誌の格は、重要な指標になる。部外者なら細かい格付けなんてわからない、って問題もあるけどな」

 本を持って自分の椅子に座り、足を組んでこちらを見る。

「対外的な評価が固まるまで待て、と言いたいところだが、そんな余裕はないらしい。ひとつ、わかりやすい目安を教えてやるよ。ただし、ほんとうにただの目安のひとつだから、あまり間に受けるんじゃないぞ?」

 そこでにやりと笑って、こう続ける。

「具体的に何ができるのか書いてあるものは、それがより具体的なほど、できることの数が多いほど、怪しむべき割合は、高くなる。なんてな」

【セキュリティ】クリックジャックの脅威

数日前から気になってはいたことなんだけど、この段階の話がYahooニュースのトップに出るのも珍しい気がしたので、自分用のメモも兼ねて。

「クリック乗っ取り」の脅威が出現、主要なブラウザに影響か - ITmedia NEWS
ユーザのクリックを乗っ取る「クリックジャック」 | スラド

簡単に説明すると、ほぼすべてのブラウザに、ユーザーがウィンドウ内の任意の場所をクリックするだけで特定の要素(リンク、ボタン、その他なんでも)をクリックしたことにしてしまう、というもの。
具体的な攻撃の例としては、オンラインバンクを開いて、普通の手順で先に進もうとしたら、実は偽ページに行っていた、とかいうこともありえてしまう。

で、この手法の恐ろしいところは、以下の3点にあるみたいで。

  • 「ほとんどすべての」ブラウザで実行可能
  • 原理的な部分では、JavaScriptが不要
  • ブラウザ側での脆弱性への対処が、「非常に困難」

そういうことになっているせいで、本来ならばセキュリティイベントで発表されるはずだったものが、非公開になっているとか。
ブラウザとAdobe Flashの開発チームに情報を提供して、その修正が済むまで秘密ということらしい。


とはいえ、いくつかの断片的な情報から、攻撃の手法を推測しているひとも出てきているらしい。
わかっている情報としては、

  • DHTMLを利用
  • ブラウザのスクリプトプラグインを無効にすれば、ある程度は回避できる
  • IFRAMEを無効にしても、ある程度は回避できる
  • FirefoxのNoScriptアドオンで、デフォルトの動作(スクリプトFlash無効)にしていれば、ある程度は回避できる

DHTMLとか言ってることから、動的なコンテンツ生成に使えるスタイルのプロパティ(z-indexとかopacityとか)を使っているんじゃないか、と想像はできる。
スクリプトプラグインを無効にすればある程度は、ということなら、スクリプトを使わなくても原理的には可能だけど、お手軽簡単にというわけにはいかないってことなんだろうし。
IFRAMEを無効〜のくだりはつまり、本物サイトに攻撃用IFRAMEを挿入して、そのIFRAMEの中の任意の要素をクリックするように書き換える攻撃があり得るということ。


個人的には、IEならインターネットゾーンの設定で常時スクリプトActiveXをオフ/FirefoxならNoScriptを導入する理由が増えたかんじなんだけど。
逆にいえば、そういうことを知らない、普通のひとのリスクが増えたってことで。
この世界ぜんたいのセキュリティを上げることがどれだけ難しいのか、考えただけでぐんにょり。

「ネットでの脅威、脅威って言ってますけど、本当にそんなこと、起こってるんですか? まったくニュースなんかになりませんよね」

「ニュースにはなってるぞ。奇妙なことに、穴を開けていた利用者ではなく、穴を埋めるために努力をしていた運営者ばかりが叩かれるから、気づかれにくいだけでな」