朝6時半、ホテルの屋上へ。大会選者であるとともに「那智勝浦短歌紀行」の講師として忙しくしておられる小黒世茂さんがスクーリングの生徒さんたちと屋上の庭にある若山牧水の歌碑を見にいくというのでついていく。地元選者の井谷まさみちさんともご一緒しました。
てくてく歩くこと10分ほど。海の見渡せるさわやかな場所に、大きな歌碑が建っていました。紀行文の中にある一首です。

・日の岬潮岬は過ぎぬれどなほはるけしや志摩の波切(なきり)は     若山牧水


井谷さんは、この牧水の南紀の旅で牧水がお金を借りた歌人の弟子にあたるそうです。


9時から、選者の篠弘さん、伊藤一彦さんと、タクシーで那智滝青岸渡寺熊野那智大社をめぐる。那智川にはまだ、昨年の台風の爪痕が残っていて、心苦しくなりました。

午後、小黒さん、大塚寅彦さんとも合流して那智勝浦町体育文化会館にて短歌大会。
篠さんの講演「現代の人間表現」。
近代〜現代までの歌人の意外な人間的な部分について、例歌をもとに。
釈迢空を人間的な部分から切り込むと、味わいが変わる気がします。
その後、表彰、選評。
平安の女性が熊野巡りをしたときの衣装で賞状を配っておられました。
当日詠は「那智勝浦の春を詠む」。
台風災害からの復興を願う地元の人の歌が心に沁みました。