ひがやすを技術ブログ

電通国際情報サービスのプログラマ

スルガ銀行のIBM提訴にみるパッケージビジネスの難しさ

静岡県を地盤とする地方銀行スルガ銀行(本店・沼津市)は6日、銀行業務に関する基幹コンピューターシステムの開発を契約通りに行わなかったとして、開発委託先の日本IBM(本社・東京都港区)に約111億円の損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こした。

詳しい話は、今後徐々に発表されてくると思いますが、この件は、パッケージビジネスの難しさを端的に表しているのではないかと思います。
スルガ銀行の次期基幹システムは、IBMの次世代金融サービス・システム(Next Evolution in Financial Services Systems、以下 NEFSS) をパッケージに採用したものです。
http://www-06.ibm.com/jp/press/2004/10201.html
スルガ銀行が最初の顧客のようですが、当初は、みずほCBを想定して作成されたみたいです。
http://itpro.nikkeibp.co.jp/prembk/NC/ITARTICLE/20041117/152709/
他のユーザを調べてみると東京スター銀行は開発を断念していて、住信SBIネット銀行は2007/09にサービス開始しているようです。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8B%98%E5%AE%9A%E7%B3%BB%E3%82%B7%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%A0
NEFSS自体の出来映えは、私にはわかりませんが、住信SBIネット銀行で稼動しているところを見ると、どこが採用してもだめなほど品質が悪いということはないといえると思います。
NECのBankingWeb21も苦戦しているみたいですね。
http://ja.wikipedia.org/wiki/BankingWeb21
それに対し、NTTデータのBeSTAは、かなりうまくいってるようです。
http://ja.wikipedia.org/wiki/BeSTA
成功と失敗の違いは、パッケージにどれだけ合わせる気があったかじゃないのかなぁと予想します。ある程度作りこまれたものに、手を入れるのは大変だからです。
これは、同じことがフレームワークにも言えます。機能満載のフレームワークにシステムをあわせてもらえるなら成功しやすい。でも、客がフレームワークなんか関係無しに仕様を決めてくる場合は、かなり苦労するということです。
だから、ソフトウェアの部品化されたパーツが流通して、それを組み合わせてシステムが出来上がるなんてのは、無理なんじゃないかなぁとおもいます。
まさしく、EJBも失敗したしね。
私は、機能満載のフレームワークをカスタマイズするより、薄いフレームワーク上にスクラッチで必要な機能を足したほうが、結局、効率がいいと思っています。